第二次スーパーロボッコ大戦 ガールズ&パンツァー編(仮)   作:ダークボーイ

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第二次スーパーロボッコ大戦 ガールズ&パンツァー編(仮) EP26

 

「砲撃可能全車両、敵フラッグ車周辺を旋回しながら残弾撃ち尽くして! 相手に目的を悟らせないように!」

 

 JAMとの戦闘が始まってからの短時間で、目の下のクマどころか頬までこけてきたように見えるエリカが、最後となるであろう作戦を成功させるべく、必死の援護を試みる。

 

「何弾でもいい! 残った砲弾をありったけ撃ち込め!」

「了解、逸見隊長!」

 

 装填手に言われてようやく自分が隊長だった事を思い出したエリカだったが、ハッチから顔を出して目的地に向かう戦車を見る。

 

「あんたに賭けたわよ、みほ」

 

 エリカの呟きは戦車の駆動音と砲声で誰にも聞かれる事は無かった。

 

 

「狙うは下部正面装甲、中央部!」

「タイミングが大事です! 各車に連絡、時刻合わせ3、2、1、0。着弾は今から120秒後!」

『ティーガー西住、了解!』

『A41島田、了解!』

『10式西住、了解』

 

 砲撃予定の各車から返信が届く中、サイフォスが示す砲撃ポイントに向かいつつ、みほは腕時計を確認する。

 

「華さん、発射タイミングはこちらで指示します! 照準お願いします!」

「はい!」

「麻子さん、敵正面に完全相対体勢に持っていってください!」

「了解」

「優花里さん、特殊砲弾装填。この作戦は一回で成功させないと、相手に警戒されます!」

「了解であります!」

「沙織さん、残存車両にこちらの発砲と同時に後退を連絡してください!」

「OK!」

 

 あんこうチーム各員に指示を出したみほは、ハッチから身を乗り出し、見える範囲の他の四両を確認する。

 

「作戦通り、距離、風向、風速、着弾までの時間は…」

 

 脳内で必要な事を全てシミュレートしたみほは、一番大事なタイミングを待つ。

 

「目標地点到達」

「特殊砲弾装填完了!」

「照準よし!」

「全車両に通達終わった!」

「3、2、1、発射!」

 

 狙いすましたタイミングで、Ⅳ号戦車の75mm砲が火を吹く。

 JAMフラッグ車の四方、それぞれ異なる距離、僅かに異なるタイミングで四門の砲が特殊振動砲弾を発射。

 口径、弾速、飛距離の違いが有ったはずの四発の砲弾は、狙い違わず、完全に同時のタイミングでJAMフラッグ車に着弾する。

 着弾と同時に砲弾は内包されたシステムを起動、JAMフラッグ車の特殊装甲に一斉に固有振動波を放出させた。

 

「着弾確認!」

「振動システム起動を確認。状況は…」

 

 華とサイフォスの報告を聞きながら、みほはJAMフラッグ車から片時を目を離さないでいた。

 JAM機の特徴である始終鳴動する機体が、明らかに不自然に大きく鳴動し、そして限界に達した装甲の一点に亀裂が生じる。

 

「砲塔旋回七度、砲身三度上昇! 徹甲弾装填、亀裂部分に発射!」

 

 叫ぶようにみほの声が響き、あんこうチームは疑いもなく即座に動く。

 瞬時に準備が整えられ、残っていた最後の徹甲弾が発射、亀裂部分に着弾して深々と突き刺さり、爆炎を上げる。

 亀裂が更に大きくなり、他の者達の目にもそれは顕となった。

 

「退け!」『天の逆鱗!』

「はああぁぁ!」

 

 それを見逃さず、翼の呼び出した大剣が亀裂へと突き刺さり、大神の双刀が更に大きく斬り裂いていく。

 

「目標破断ポイント確認、対地攻撃モード」

 

 更にメイヴが急降下しながら、亀裂へと向かってバンカーバスターを投下、直撃したバンカーバスターが盛大な爆発と共に亀裂を破孔へと広げていく。

 

『全機後退してください! 応急修理完了、ミラージュキャノン発射します!』

 

 そこへ上空の永遠のプリンセス号からの通信が全帯域で放送され、慌てて皆が撤退を始める。

 

『エネルギー充填率、21%。目標、JAM大型戦車破孔、ファイアー!』

 

 応急修理のために、本来よりはかなり低い出力、それでも十分な破壊力を秘めた閃光が天空から降り注ぎ、JAMフラッグ車へと直撃。

 直後に盛大な爆発が生じ、JAMフラッグ車の各所が吹き飛んでいく。

 

「やった!」

「最初からこれが使えれば…」

「待ってください!」

 

 あんこうチームが歓声を上げる中、華が何かを見つける。

 次々と爆発が生じるJAMフラッグ車の後部から、何かが飛び出す。

 

「まさかまだ何か!?」

「残弾装て…」

 

 優花里が慌て、みほが迎撃しようかとするが、その飛び出した物から何かが広がる。

 それは、極めて大きな白旗だった。

 自らの爆風に煽られ、大きくはためいた白旗は程なくして引火、燃え広がりながらも最後まではためき、機体の最後の大爆発と共に千切れ飛ぶ。

 

「撃墜フラッグ………」

「有ったんだ………」

「やっぱり、戦車道してたつもりだったんだ………」

 

 JAMフラッグ車の最後のまさかのギミックに、あんこうチームならず、誰もが絶句していた。

 そしてみほは大きく深呼吸をして、声を上げる。

 

「敵フラッグ車、撃破を確認! 私達の勝利です!」

 

 僅かな間を置いて、其の場にいる誰もが、一斉に喝采を上げた………

 

 

「見事な物ね」

「撃ったのはそちらだ。私は指示しただけだ」

 

 ティーガー型ストライカーユニットの上でフレデリカが賛辞を述べるのに、まほは謙遜する。

 

「この作戦がよ。全く異なる車両、異なる砲による四方向斉射、それを完全に同時に着弾させるなんて、こっちの陸戦ウィッチにも出来る人はいないわ」

「その方無しでやれと言われたら、私は出来る自信ありません………」

「ならみほに、妹にその賛辞は送ってくれ。すべてあいつの発案だ」

 

 フレデリカの驚嘆にシャーロットも頷く中、まほはⅣ号戦車の方を見ながら微笑んだ。

 

「ねえ、所で一つ提案があるのだけれど………」

 

 

「うまくいった! さすがみほお姉ちゃん!」

「さすが西住流、それに併せた隊長もすごいけど………」

「私達で同じ事出来る?」

「絶対無理」

 

 A41センチュリオンのハッチから身を乗り出しながら、見た目同様の幼さを感じさせる歓喜の声をあげる愛里寿に、同上していた三人は思わず顔を見合わせる。

 

「ともあれ、これで決着かしら」

「宇宙人が本当に敗北を認めてたらね」

「どっちにしろ、もうこれ以上は無理ね」

 

 喝采をあげ続ける愛里寿をさておき、女子大生三人はどっと押し寄せる疲労感を感じていた。

 

 

「成功です! さすが!」

 

10式戦車の操縦席で、蝶野は思わずガッツポーズを取る。

 

「まさか、こんな馬鹿げた作戦を成功させるとはね」

「使える物は何でも使う子だとは思ってたけど、とうとう親まで使うようになってきたわね………」

 

 砲撃手をしていた千代に、車長を努めていたしほが思わず二人同時に溜息を漏らす。

 

「西住流《巴筒》、どこかの流派の反対意見で使用禁止にされた奥義をまさかみほが使えるとはね」

「教えたの、あなたじゃないの?」

「禁止になった技を教える程、良識が無い訳じゃないわ」

「これは本当に家元の座奪われるかもね」

「え? そんな話出てるんですか?」

「今、本当にその危険を感じた所よ………」

 

 

「やった! やったよ!」

「た、助かった~………」

 

 BT―42の車内で、JAMフラッグ車が文字通り木っ端微塵になったのを確認したアキとミッコは歓声を上げながらも脱力していた。

 

「いや~、本当によかったよかった」

 

 ミカだけは変わらず、カンテレをかき鳴らしながら何度も頷く。

 

「でも、この後始末どうするんだろ?」

「戦車道協会でどうにかするんじゃない? どっちにしろ私達の出る幕じゃないって」

「はっはっは、そうだね。さて、早々に退散したいけど」

「あ、燃料無いよ?」

「こんな大立ち回りする予定無かったから、ギリギリしか入ってなかったしな~」

「仕方ない、どこかから分けてもらおう」

 

 小さく笑みを浮かべながら、ミカはハッチから顔を出す。

 その目は、戦闘終了を確認して降下するNORNの空戦部隊へと向けられていた………

 

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