第二次スーパーロボッコ大戦 ガールズ&パンツァー編(仮)   作:ダークボーイ

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第二次スーパーロボッコ大戦 ガールズ&パンツァー編(仮) EP07

 

「ちょっと、これは何が起きてるのよ!」

「乱入、にしても無粋の極みですわね」

 

 画面に映し出される、謎の多脚戦車と大洗、黒森峰合同の砲撃戦の様子に、カチューシャは声を荒げ、ダージリンも眉を潜める。

 

「あの、これ試合はどうなって………」

「先程双方から緊急時の撃破判定装置停止の報告が上がってますわね。つまり試合は中断ですわ」

 

 未だ状況を理解出来ないアッサムに、ダージリンは試合状況を表示しているタブレットの最新情報を見つつ呟く。

 

「何よ! せっかくはるばる見に来たのに!」

「カチューシャ、残念ながら最早そういう状況ではないかと」

 

 更に声を荒げるカチューシャだったが、ノンナがそれをたしなめる。

 

「観客に緊急避難警報が出たようですね」

「ウソ!? そんなの今まで出た事なんて…」

 

 遅ればせながら鳴り始めた非常警報に、ようやく尋常ならざる事態らしいと感じた観客達が困惑しつつも、避難を始める。

 

「隊長、私達も…」

 

 アッサムも避難を促すが、ダージリンは黙ってカップの中の紅茶を飲み干してソーサーへと戻す。

 

「このまま私達の戦車道を汚されたままというのは承服しかねる物が有りますわね」

「それには賛成ね」

 

 ダージリンの言葉に、カチューシャが頷いた時、彼女達の間近を高速で駆け抜けていくA41センチュリオンと、そのハッチから身を乗り出している小柄な人影が見えた。

 

「あの、今の………」

「島田のお嬢様ね」

「………先越されたわ! 私達も行くわよノンナ!」

「はいカチューシャ」

「私達も行きますわよ」

「本気ですか!?」

 

 他の観客達が避難する中、彼女達は友に加勢するため、持ってきていた戦車へと乗り込んでいった。

 

 

「プラウダとグロリアーナも動いたネ」

「先に動いたのは、島田の娘か………」

「で、こちらはどうします?」

 

 焼けたソーセージをかじりながら試合場へと向かう戦車を見たケイとピザの最後のピースを口に押し込んだアンチョビが頷きあう中、ナオミが聞いてくる。

 

「決まってるネ」

「こちらも行くわよ!」

「マジですか!?」

「はい姐さん!」

 

 ケイとアンチョビの号令にナオミとペパロニが正反対の声を挙げる。

 

「M4回すネ! 砲弾の在庫は?」

「練習弾しか積んでないって!」

「私らも急ぐぞ! 火の始末忘れるな!」

「CVっすけどね!」

 

 口々に騒ぎながらも、彼女達は自分達の戦車へと乗り込んでいった。

 

 

「西住隊長の窮地だ! 我々も行くぞ!」

「了解! 全車突撃であります!」

 

 絹代の号令と同時に、知波単学園のチームメイト達は一斉に動き出す。

 

「なんかすごい事なってきたね」

「この間の大学選抜戦みたい。それでミカ、私らはどうする?」

 

 観戦に来ていたはずの者達が続々と応援に向かう中、アキとミッコはミカに視線を向ける。

 ミカはカンテレをかき鳴らしながら、普段通りの笑みを浮かべる。

 

「君子危うきに近寄らず、風と共に去りぬってね」

「逃げるの!?」

「そ。もっとも、逃げる途中に邪魔なのがいたら、排除するしかないけどね」

「正直に私らも行くって言いなよ。今回してくるわ!」

「砲弾足りるかな~?」

 

 チームメイト達が急いで戦車を取りに行く中、ミカはカンテレを鳴らし続ける。

 それが、先程音のズレていた弦をある一定のコードで引いている事、そしてそれが内部に仕込まれた特殊発信装置の発動コードである事を知るのは引いている当人だけだった。

 

「さて、一応呼んだはいいが、来てくれるまでの時間はなんとか稼がないといけないね………とんだ初仕事だ」

 

 ミカの呟きを、聞く者はその場にはいなかった。

 

 

 

「G本部から緊急通報! マルチバース現地選抜エージェントから非常事態通報です!」

「発信座標現在観測中! 観測パターンからJAMの可能性大!」

「すぐに他の組織にも連絡! JAMに襲撃されている世界発見、緊急出撃準備!」

 

 

 

「狙いを先頭に集中させてください! 一機ずつ、確実に止めていきます!」

「でも、相手の動きはかなり速いです! 正確に狙うのは…」

「まず口径の小さい車両で周辺地面を狙ってください! 相手の動きが止まり次第、口径の大きい車両で集中砲火です!」

 

 みほの矢継ぎ早の指示が飛ぶが、多脚戦車の動きに皆がなかなか対応出来ず、相手の砲撃は断続的に続いている。

 

「マウスかティーガーのが当たればさすがに効くと思うのですが………」

「さっきからその二両が集中砲火浴びてるよ!?」

「反対側から黒森峰も同時に攻撃を仕掛けます! 左右からの挟撃で…」

 

 二手に別れた双方から謎の敵群を攻撃しようとする大洗・黒森峰だったが、こちらの射程に入ろうとした時、多脚戦車は即座に戦力を分散、左右双方へと迎撃態勢を取る。

 

「攻撃開始してください!」

 

 対応のあまりの早さと的確さにみほは内心の驚きを隠しつつ、こちらも攻撃を開始、双方が激しい砲撃戦を繰り広げるが、あまりの激しさに正確に狙いを定めるのは困難な状況だった。

 

「向こうの方、連射速度が速くて、こちらは狙えません!」

「動きも違い過ぎる。あ、今跳ねた」

 

 華と麻子がそれぞれ声を挙げる中、みほは必死に考える。

 

(速射可能な砲、水平どころか立体機動すら可能な車体、どう戦えば…)

「相手の先頭、ウサギ跳びしながらこっちに向かってくる」

「全車後退! 弾幕を張ってください!」

 

 思考の途中で、麻子からの報告にみほは急いで思考を中断しながら指示を出す。

 

「狙うのは相手の着陸時です! その一瞬動きが止まるはず!」

「了解!」

 

 華が冷静に照準を定め、通常の戦車ではありえない動きで迫る多脚戦車を砲撃、流石に動きが鈍った所に、他の車両からも集中砲火が浴びせられ、とうとう擱座する。

 

「一両撃破確認しました! …え?」

「どうかしたでありますか?」

 

 戦果報告した華だったが、直後に声が淀み、思わず優花里が問い返す。

 

「む、向こうは擱座した車両を乗り越え、いえ踏みつけて来てます!」

「何よそれ! 味方助けようともしないの!?」

「お姉ちゃんが無人機だって言ってたけど、戦闘不能になった時点で、ただの障害物としか認識してないのかも………」

 

 華の報告に沙織が声を荒げるが、みほは改めて相手が機械なのだと認識する。

 

「先程の指示通り、なるべく攻撃は先頭の一両に集中させてください! 動きを封じてしまえば…」

『みほ! 相手の動きがまた変化した!』

 

 冷静さを取り戻そうとするみほだったが、今度はそこへエリカの慌てた通信が飛び込んでくる。

 

「え、これは………」

 

 華からも困惑した声が届き、みほが思わずハッチからわずかに顔を出して様子を確認する。

 そこから見えたのは、移動速度を細かく変え、先頭が絶えず入れ替わりながら迫ってくる多脚戦車の様子だった。

 

「! 先頭を狙っている事を読まれた!?」

『隊長! どれを狙えばいいんでしょうか!?』

『こちらレオポン、装甲破損、一時撤退許可を!』

『こちらカメ、今全力で逃げてる最中! つうか西住ちゃん助けてくんない?』

 

 各所から聞こえてくる報告に、みほは打開策を講じようとするが、あまりの劣勢に策が出てこない。

 

「とにかく、撃ちまくって少しでも相手との距離を稼いでください! その内に…」

「隊長、まずい」

「一両、急接近!」

 

 そこで麻子の声に続いて、華が慌てた声で報告する

 多脚戦車の一両が突如として急加速、まっすぐこちらへと向かってきていた。

 

「華さん!」

「ダメ、動きが速すぎて狙いが!」

「麻子さん!」

「全速後退…」

「間に合いませ…」

 

 相手が文字通り至近距離で跳ね上がり、こちらに狙いをつけた瞬間、横手からの砲撃が多脚戦車を弾き飛ばす。

 

「え?」

「た、助かった?」

 

 あんこうチームが急襲が来なかった事に気づいた時、更なる砲撃が襲いかかろうとした多脚戦車に撃ち込まれ続ける。

 

「増援!? 誰が…」

『みほお姉ちゃん! 助けに来たよ!』

 

 そこに聞こえた通信に、みほが思わずハッチから身を乗り出すと、そこにこちらに向かってくるセンチュリオンとそれに乗っている愛里寿、更にその背後にかつて共に大学選抜戦で戦った戦車が続々とこちらに向かってくるのが見えた。

 

『ミホーシャ、助太刀するわ!』

『私達の戦車道、これ以上汚されるのは我慢出来ません』

『こちらの力、見せつけてやるネ!』

『これ以上、デカい顔させてたまる物か!』

『西住隊長! 突撃指示を!』

「みんな………」

 

 次々と参加してくる戦友達に続いて、更に反対側からも砲声が聞こえ、そちらにはまほと継続高校の戦車が増援に行くのが見えた。

 

「皆さん、ここから一気に反撃です!」

『おおう!』

 

 

 

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