第二次スーパーロボッコ大戦 ガールズ&パンツァー編(仮) 作:ダークボーイ
「座標確定! 転移装置準備入ります!」
「即時転移動可能なのは!?」
「ストームウィッチーズ部隊がすでに準備に入ってます!」
「帝国華撃団も順次行けます!」
「転移可能の時点で即時転移開始してください!」
「炸裂弾と徹甲弾を交互に、そして四方から撃ち込め! それで相手の装甲は破壊出来る!」
「正規の試合だと反則ギリギリだね」
「同時にやったら反則だがな」
ハッチから身を乗り出していたまほが先程の経験から各車に指示を出すのを、隣にいたミカが茶化すがまほはバカ正直に返す。
「西住の!」
「なんだ?」
車内に戻ろうとしたまほにミカが声をかけ、そちらを向いたまほに向けてミカがハンドサインでメッセージを送る。
それを理解したまほが頷くと、両者ともに車内へと戻った。
「継続の人、なんて?」
「エールを送られただけだ」
「前も思ったけど、継続の隊長変わり者過ぎですよね………」
車内で同乗者に声を掛けられる中、まほは返答をぼやかして伝える。
(ゾウエンマデモタセロ? 通信を使わなかったという事は、他の者に聞かせたくない? どういう事だ?)
ミカからのハンドサインを思考するまほだったが、そこへ相手の砲撃が車体を大きく揺らした。
「隊ち、元隊長! 狙われてます!」
「さっきこちらが一両撃破したのを認識しているのか。だとしたら、相互情報共有してる事になるな」
「なんかこっちに向かってきてます!」
「なるほど、危険要素を一番最初に潰す気のようだな。何両だ?」
「三、いえ四両!」
『どうやら手加減なしのようだね? どうする西住姉の』
「みほ、こちらに来たのはこちらで対処する。注意しろ、何か手を打てば即座に対応出来るようだ。継続、惹きつけつつ迎撃する。手伝ってくれ」
『了解』
「向かってくる車両の先頭以外を狙って砲撃、先頭を孤立させる」
「了解しました!」
こちらに向かってくる多脚戦車群に、まほは恐れもせずに攻撃を開始した。
「サンダース、アンツィオの人達は左翼、プラウダ、グロリアーナの人達は右翼から回ってください! 知波単の人達はお姉ちゃん達の援護! 向こうとは性能が違いすぎます! 距離を取って、一撃離脱に専念してください!」
『OKね!』『任せろ!』『行くわよ!』『任せてください』『心得ました!』
それぞれから返答が来るのを確認したみほは、改めて多脚戦車群を見る。
(増援が来るとすぐに陣形を変化させた。反応、対応速度がすごい早い………)
『全員聞こえてる? 今自衛隊と連絡が取れたそうよ。向こうでも異常を感知したらしいわ。空自のスクランブル機が急行している。それまでの間、持たせなさい』
聞こえてきたしほからの通信に、沙織の顔がほころぶ。
「やった! 自衛隊がこちらに向かってるって!」
「確かに、アレの相手は私達だけでは無理であります!」
「それまで持ち堪えれば…」
「そううまくいけばいいが」
あんこうチームが喜色を浮かべるが、麻子だけが冷めた口調だった。
「麻子さんもそう思いますか?」
「向こうの動きがおかしい。こちらに増援が来たと言っても、戦力を分散して動かないのはどうしてだ?」
みほも同様に違和感を感じていたが、向こうの攻撃が大人しくなったかと思った直後、再び相手の動きに変化が生じる。
「あ」
「これは!」
「何? 何?」
「突撃してきました!」
大人しくなったかと思った多脚戦車が、少数の分隊になり、包囲しようとしたこちらの戦車達へと向かっていく。
「速すぎます! 狙えません!」
「全車発砲しつつ全速後退!」
「間に合わない」
華の悲鳴じみた報告にみほは慌てて対処するが、麻子の言う通り、相手は段違いの早さでこちらを通り過ぎ、場合によっては上を跳ね跳びながらすれ違いざまに砲撃を撃ち込んでくる。
「きゃあっ!」
「被弾! 被弾であります!」
「落ち着いてください! 少し食らった程度では問題ないはずです! 各車損害の確認を!」
『みほ! 後だ! あいつら反転してくる!』
「えっ!」
エリカの慌てたような通信に、外を確認したみほが驚異的な速度で再度こちらに向かってくる多脚戦車に気付く。
「信地旋回及び砲塔旋回! 狙いを…」
「間に合わない」
みほの指示よりも早く、相手が再度こちらを通り過ぎつつ砲撃を加える方が早かった。
『きゃあっ!』
『こちらアリクイ! 転輪やられました!』
『こちらカモさん、砲塔旋回不能!』
『西住隊長! どうすれば!』
あちこちから聞こえてくる悲鳴と被害報告に、みほは必死になって打開策を考える。
「こんなの戦車の戦い方じゃないよ!」
「戦車は普通平地でトップアタックしてきません! これじゃ、まるで戦闘機であります!」
「幾ら動きが違っても、基本は陸上戦なのは間違いない。だったら…」
車内もパニックになる中、みほは必死に打開策を考える。
「全車炸裂弾装填! 各自威嚇砲撃を開始してください!」
「あの速度相手に、威嚇砲撃が効果が有るかは…」
「それに、炸裂弾の一斉砲撃なんてしたら、こちらも動けなくなるであります!」
「構いません! 撃ちまくってください!」
みほの指示で、各車が一斉に砲撃を開始する。
狙いもろくにつけられない乱射が、何発かは多脚戦車に当たるが、僅かに体勢を崩すだけで撃破には至らない。
「西住 みほは何を考えてこんなデタラメを…」
「! 砲撃停止! 徹甲弾装填!」
愛里寿の乗るセンチュリオン内でも搭乗者達はみほの意図する事を理解しきれないでいたが、愛里寿はその意図に気付き、即座に次の準備をする。
「目標は前方から二番目、左側の奴! 3…2…発射!」
愛里寿の指示に従い、砲手をしていたアズミがトリガーを引く。
放たれた徹甲弾が、炸裂弾の砲撃で空いた穴を越えようと僅かに腹を見せた多脚戦車へと炸裂。
一溜まりもなくひっくり返った多脚戦車に気付いた他の戦車からの砲撃が次々命中し、限界に達した多脚戦車が破壊される。
『愛里寿ちゃん、その通りです! 幾らこちらより走破性が高くても、相手は地面を来ます! 着弾の穴を超えるか、迂回して来るか、どちらにしてもそこを狙って横転させてください! 名付けてコロコロ作戦、開始です!』
『了解!』
みほの作戦を理解した各車から返答が届き、多脚戦車の速度ではなく動き方を注視する。
『右から二両迂回。足止めします』
『前のが足突っ込んだら…撃て!』
『マウス! 転倒したのを狙え!』
『レオポンさんとアリクイさんにトドメを任せて、他の人達は転倒を狙ってください!』
『後方から回り込んでくる奴がいるぞ。こちらで迎え撃つ』
『陽動は任せてネ!』
『突撃はまだですか!』
先程までの動揺がウソのように、皆が一斉に応戦する。
さすがに転倒まで狙えても、簡単に撃破まではいかないが、砲撃を集中させて一両ずつ、多脚戦車を減らしていく。
「こちらの被害は!」
「小破が何両か出てるけど、まだ大丈夫だって!」
「敵、更に一両撃破しました!」
「このまま少しずつ減らしていけば…」
『西住ちゃ~ん!』
そこへ、追い回されてなかなか合流出来ないでいたカメさんチームから連絡が入る。
「会長! そちらはどうなって…」
『こっちはなんとか! それよりも奥! 黒森峰スタート地点の方見て!』
「え?」
杏の慌てた声に、通信を受けた沙織が首を傾げるが、続けて他の車両からも連絡が入る。
『あれ! あっちの方!』
『奥にまた霧の竜巻が!』
『まさか…』
『………西住姉の方、ここは任せるから。こちら継続、ちょっと様子見てくるね』
杏が指摘した方向に、再度霧の竜巻が発生した事に皆が気付き、継続のBT―42が偵察に向かう。
「ひょっとして………」