やはり俺の野球部生活はまちがっている。   作:TUVE

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八幡の決断

ーー5月 教室

 

 

「大岡。野球部大変そうだな」

 

「まぁね…早く新しい部員集めないと夏の大会に間に合わないから急がなきゃいけないんだけどなかなか入ってくれるやついなくてね…」

 

「まぁ2年生だと部活入るやつはすでに入ってるからな…。もし助けが必要だったら言えよ。手伝うからな。なぁ戸部」

 

「そうそう!いつでも手伝うっしょ!」

 

「隼人君、戸部…ありがとう。なんかあったら頼るよ」

 

…大岡って野球部だったのか。知らんかったわ…

まぁ確かに髪型は野球部ぽいっちゃぽいからな。しかしなんで急に人が足りなくなったんだ?俺が1年生の時は30人近くいたと思うが…

引退した先輩が多かったのか?いやそれだったら去年の秋の大会に出てないはずか…まぁ俺には関係ないことだ。

 

「はぁ。でもせっかく強豪シニアから来てくれた1年生がいるのに本当ついてないわ…」

 

「前もそれ言ってたな。そんなすごいとこから来てくれたのか?」

 

「もうそりゃすごい強豪だよ!全国でも大体ベスト4に入るんだぜ!しかもその1年レギュラーだったらしいし!」

 

「へぇ〜そりゃすごいな。だけどそれだったらなんで総武高に来たんだ?そんな強豪のレギュラーだったら全国から引っ張りだこだったろうに」

 

「聞いた話だと全国大会が終わった後交通事故にあったらしくてスポーツ推薦取り消されたんだとさ。今は完治したらしいんだけどそれで推薦消されるのは悔しいだろうな。大阪正雀高校なんてだれもが行きたい高校だろうにな…」

 

「だろうな…でも総武高にしたらその子には悪いけど相当な戦力になるな」

 

「そうなんだよ!だからこそ大会に出たいんだ!」

 

強豪シニアの1年か…栄シニアか?いや総武にきてるなら関東のシニアか…日比谷シニアか?

……いかん。野球関係の話を聞くとすぐに野球の思考になっちまう。いい加減割り切れないものかね…

 

 

ーー放課後 奉仕部部室

 

 

「……でねー!その時優美子なんて言ったと思う?」

 

「三浦さんことは私にはわからないわよ…。まぁ私だったらそこで戸部君に辛辣な言葉をかけると思うわ」

 

「やっぱゆきのんと優美子って似てるとこは似てるよねー!優美子もその時ね……」

 

今日も今日とて依頼はなく、雪ノ下と由比ヶ浜は楽しくおしゃべりをしていた。え?俺は会話に参加しないのかって?馬鹿野郎!俺だぞ!女子のおしゃべりに混ざれるような気骨はありません。

と馬鹿なことを考えてると扉がノックされた。

 

「あれ?だれだろ?平塚先生かな?」

 

「平塚先生だったらノックせずに入ってくると思うわ。たぶん依頼者じゃないかしら。……どうぞ」

 

ガラガラ

 

「失礼するぜー。ここ奉仕部であってる?」

 

「あー!大岡君じゃん!どうしたの!」

 

「おー!結衣がいるってことは奉仕部であってるな!」

 

「ええ。ここは奉仕部よ、大岡君。依頼かしら?」

 

「もしかして今噂になってる野球部関係のこと?」

 

「そうそう!聞いてるなら話が早いや。俺からの依頼は野球部の部員を一人でもいいから増やす手伝いをしてほしい」

 

うそだろ。なんでその依頼をここに持ち込むんだよ。頼むから内々で済ましてくれよ。奉仕部に依頼されたら……俺にも関係があることになるだろう!

 

「私は受けてもいいと思うけど二人はどう?」

 

「私もいいよ!友達の悩み事だし!」

 

「そう。比企谷君はどうかしら?……比企谷君?」

 

ここで断るのはいくらなんでもおかしいよな……。

よくよく考えれば野球部関係するっていっても俺が野球部に入るわけじゃなし。部員を入れる手伝いをするだけだ。落ち着け俺。

 

「ああ。俺もいいと思うぞ」

 

「わかったわ。大岡君。私達奉仕部はあなたの依頼受けることにしました。なんとかして部員を増やしましょう」

 

「おお!ありがとう!助かるよ!」

 

「だけど行動するにあたって噂だけでは現状が把握しきれないわ。なので人数が足りなくなった理由とか経緯を教えてくれる?」

 

「そうだな。え〜と、ざっくり説明するとまずうちの野球部ってあんまり強くないんだ。練習試合も負けの方が圧倒的に多いし、大会も大体1回戦負け。たまに運が良く2回戦に行けるぐらいだ。それで総武って進学校だろ?だから3年の先輩は勉強に専念するために辞めたんだよ」

 

「部活もやりきれないのに受験を乗り越えれるとは思えないわ」

 

「そう!だから俺もなんとか説得したんだけどもう野球への熱意もないらしくて…残って欲しかったけどもう無理だなってそこで理解したよ…」

 

「うーん。なんかその先輩達カッコ悪いなぁ」

 

「まぁざっくりだけど理由としてはこんな感じだよ」

 

……まぁそういう考えの人間もいるだろうな。その先輩達も途中で投げ出すのは良くないとは思ってはいるだろうけど、受験への不安が野球の熱意に勝っちまったんだろう。

 

「現状は理解しました。じゃあいつまでに何人ぐらい部員が欲しいのか教えてもらえるかしら」

 

「おっけい。夏の大会が7月に行われるから最悪その一ヶ月前には欲しいな。…もしできるなら今週の日曜日に練習試合を先輩が辞める前に組んじまったから試合を取り消す前に新しい部員が入るのが一番ベストだな。人数は今8人だからできればもう2、3人。最悪でも一人は欲しいな」

 

「今週の日曜日までってのはなかなか厳しいわね…。今日が木曜日だし今日から活動しても今日明日しか他の生徒とコンタクトが取れないわ。」

 

「だよなぁ。まぁ最悪相手の学校には悪いけどお断りの連絡を入れるよ…」

 

まぁそれが妥当だろうな。1日、2日で見つかるとは思えん。練習試合は諦めるしかなかろうよ。

 

「………いえ。見つからなくてもお断りの連絡を入れなくていいわ。せっかくの練習試合でしょ?経験は積みたいわよね?」

 

「そりゃそうだけど…じゃあ見つからなかったらどうするん?」

 

「役に立たないとは思うけれどうちの比企谷君をお貸しするわ」

 

はぁ?はぁ⁉︎

 

「いやいやいや⁉︎何言ってんだ雪ノ下!なんで俺がやらなきゃならないんだよ!」

 

「別にあなたに活躍しろとは言ってないわ。新しい部員が来るまでの繋ぎとして試合だけ出てもらうだけよ」

 

「試合を断らなくてもいいんならそれに越したことはないけど…いいのかヒキタニ君」

 

ふざけるな。俺は野球から離れたんだ。今さらグラウンドに戻れるかよ。

 

「いやだ。俺は試合には出ない。大岡、悪いが相手の高校には断りの電話を入れてくれ」

 

「まぁヒキタニ君がそういうならしょうがないか………」

 

「待ちなさい大岡君。比企谷君なんでそんなに拒絶するのかしら?さっきも言ったけどあなたが活躍する必要はないし最悪外野で立ってるだけでもいいの」

 

「そんなの相手方に失礼だろ。そんなやる気のないやつをグラウンドに立たせるなんて」

 

「そうね。確かに失礼だわ。相手方には申し訳ないけどこっちにはメリットがあるから失礼でも試合をすべきよ。どんなスポーツでも実戦は良い経験になるわ」

 

「だからって俺が……」

 

「ヒッキー。私からもお願いしたいな。大岡君すごい困ってるぽいし、たった一試合だけでいいの。出てあげてくれないかな…」

 

なんでだよ…。俺は野球を辞めたのに。もう、あんな思いはしたくないから野球から離れたのに。まだ俺に野球をやれというのか。

 

「比企谷君」

 

「ヒッキー」

 

俺は………。

 

 

 

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