それらのことを踏まえてお読みください。
それでは、どうぞ
公園を出てすぐの事だった。
ものすごい強烈な吐き気に襲われた。
「うっ、おぇ」
俺は道の端で嘔吐する。
しかし、嘔吐したものが問題だ。
俺が口から出したもの、それは、花である。
ああ、またこれか、よく俺の体もここまで耐えれるよな。
嘔吐中枢花被性疾患、通称、花吐き病。
これが、俺の体は長くないと言った理由だ。
どうやらこの病気、自分の思っている事に1番近い花を吐くらしい。
最近、というかほとんどずっとだが、リナリアという花を吐くことが多い。
花言葉は「この恋に気づいて」という意味。
だけど、俺は、気づいてほしくないと思っている。
なぜなら、誰にも迷惑をかけたくないから。
死ぬ時は....誰にも見つからず、静かに死んでいきたいかな....
でも、これを吐き続けるってことは、心のどこかでは、そう願ってるってことなのかな、さっきも涙を流してたし。
俺はそう思いながら、道を歩き始めた。
「ただいま」
俺が玄関を上がると、姉さんが俺を出迎えてくれた。
「おかえり、夕飯出来てるから早く食べましょう」
「わかったよ」
そう言って俺はいつも食事をしているテーブル席に向かう。
「....姉さんが作ったの?」
「ええ、そうよ」
明らかに姉さんにしちゃ出来すぎている。
....母さんに手伝ってもらったな。
そう思いながら俺は夕飯を食べ進めた。
夕飯を、食べ終わってすぐ、姉さんは真面目な表情になり、俺に言った。
「さて、正人今度こそ、ちゃんと聞かせてもらうわよ?」
「....何のことかな?」
「とぼけないで、私にも説明したことが全てじゃないんでしょ?リサからも連絡があったわ」
....まさか、姉さんにもう連絡するとは、リサは仕事が早いなぁ。
「ねぇ、正人....もう長くないってどういうこと?」
「それは....」
言えるわけない....
姉さんに心配かけさせられない。
いや、姉さんだけじゃない。
させちゃいけないんだ。
「それと、正人の部屋から見つかったわ」
そう言って姉さんが俺に見せて来たのは、俺が病院に言った時の診断書だった。
そこには、しっかりと俺が花吐き病であることが記されている。
「もう言い逃れはできないわよ、どういうことか包み隠さず、説明して」
やばい、完全に姉さんが怒ってる。
それもそうか、こんなこと隠されてたんだし。
まあ、もう隠すだけ無駄ってことか....
「わかった、でも、覚悟してよ、この話はまだ誰も知らないから」
「....わかってる」
「なら言うよ、俺が今、抱えている病気は花吐き病、正式名称は嘔吐中枢花被性疾患って言うんだけど、まあそこはどうでもいいや、この病気はまあ簡単に言えば花を嘔吐してしまう病気で、吐き続けていると、やがて俺は死んでしまう、だから、俺は今日のライブで、音楽から手をひいて、残った人生を楽しもうと思ってた矢先に、姉さんに気づいたって感じ。あとは、前説明してたのと変わらないよ」
「....なんで黙ってたの?」
「心配かけさせたくないからだよ」
「....そう」
そう言って姉さんは顔を下げ、そのまま、俺に抱きついてきた。
「え?ちょっ、姉さん?」
「....馬鹿ね、もっと頼りなさいよ」
そう言ってる姉さんは....泣いていた。
俺は泣いている姉さんを包み込むように抱きしめる。
「....ごめん、こんな悲しませるようなことして」
「....ほんと、こういう時だけ、男っぽいわね」
「それは余計な台詞だ」
「....もう少し、このままでもいい?」
「....いいよ」
そう言って姉さんは俺を抱きしめる力を強くした。
俺の残る時間は....あと数日だろう。
それまで、頑張って生きよう。
そう思いながら俺は姉さんを抱きしめる力を強くした。
……To be continued
という訳でいかがだったでしょうか?
連続投稿なんて珍しいな俺w
それではまた次回お会いしましょう