遠月に入って間もなく【十傑】第十席になりました。 作:ヘビトカゲ
どうも、僕の名前は野走って言います。父親が一流料理店のシェフということもあり、料理に対して関わる日々は無いくらいに料理と親しみを感じていました。そんな僕も、もう高校生、何処の高校に行くことになったのかというと、母親が「料理学校なら、ここにした方がいいわ」と言ってきたので、親の意見を尊重してここ【遠月】に決めました。まあ、本当の理由は行きたい高校があるほど明確な料理の目的が無かったからなんです、料理を作るのは楽しいんですけど。
いや〜〜でも〜〜まあ、その何でしょう。
『…………………』
人生は何が起こるかわからないって言うのは本当ですよね。自分では予想できない事が突然起こる、だからこそ人生は楽しいのだとも言えますが、それは同時に驚きと困惑を生むわけでありまして………。
「………………あは」
おおっと、笑ってしまいました。でも今の自分に置かれている環境からして笑ってしまうのは仕方のない事だと思います。遠月には【十傑】という代表的な存在の料理人がいると聞いていました、十傑……響きがいいなぁ、かっこいいなぁ、と何気なく考えていたのですが。
まさか入学早々、その方々に呼び出されるとは予想できませんでした。
今もこうして、右、左、前に、僕に視線を集めながら十傑の方々が座っているのですが…すっごい気まずいです、こんな感覚滅多に味わえないですね、味わいたくないんですけど。そもそも、呼ばれた理由が良く分からないんですよね、遠月に入学するには料理試験というものが必要らしくて、ついさっきまで僕もその試験を受けていたところなんですよ。で、合否を判定する人に食べてもらって合格か、不合格か、決めるんですけど。他の方々は合格、不合格、ときっちり言われてたんですけど、僕の場合は何故か、何も言われないまま近づかれて、「ついて来てください」と言われたんですよ、そしてついて来た結果がこれ、何これ?何なんでしょうか?アレですか?僕の料理が驚くほどに不味すぎたから、十傑の方々に酷評させて、惨めな気持ちにさせようっていう感じですか?んーー、結構自信はありましたけど、流石遠月、料理の平均レベルが高いって事なのですね、はい。これはもう帰った後、母さんになんて言えばいいんだろうなぁ、まあまだ決定したわけじゃないんだけど、他にこんな状況になる理由がわからないし。
「えっと……紺橋 野走君だよね?」
「あ、はい」
白い髪が綺麗な人だなぁ〜〜顔もかっこいいし、絶対モテてるな〜〜、ってこんな呑気にしててもいいのか?まあ、いいか。
「突然呼び出してごめんね、これには訳があるんだ、君には【十傑】第10席へ任命するためにね」
「あーーー、なるほど〜〜〜〜ん?」
んーーー?話がイマイチ飲み込めない〜〜。