メモ帳の雑記〜思い付いた艦これネタ〜 作:45口径のスゴい奴
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トラック泊地。
あの第二次大戦当時、南方最大の帝国海軍の拠点だった場所。
今現在はチューク諸島と呼ばれてはいるが、もっぱら提督達は当時の名称を使っている。
地理的に見て隔離されてるだとか左遷先の鎮守府だとか島流しだとか同期に散々言われたが、住んでみるとそんなに悪い場所じゃない。
たしかに着任した当初はやりたい放題されていたのか艦砲射撃であちこち穴だらけ、建物は軒並み破壊されていてこりゃ左遷というか墓場に送られたと駆逐艦・電と二人途方に暮れたのはいい思い出だ。
大体年に一度大規模な空襲を受けたりするがもう慣れっこで、そのせいで兵站を分断され何日間か補給が途絶えたりもするが遠征のおかげで備蓄量に余裕があるから干上がる事はない。
燃料をはじめ各種物資は新たに設置された各島の地下の貯蔵庫に分散して保管されているので空襲で喪失するということは無いだろう。
バンカーバスターでも撃ち込まれたりしないかぎりは大丈夫な強度だと妖精さんが豪語していた。
どこで知ったんだという突っ込みは野暮ってもんさ。
「あー疲れた…休憩休憩。」
ボールペンを書類の上に転がし、ぐっ、と伸びをする。
背中からべきぼきと若干不安になる音がした。
執務室から出る前に胸ポケットから煙草を1本取り出し咥え、喫煙所にしているテラスに続くドアを開ける。湿気を孕んだ暑さが、冷房に冷やされた身体を一気に包み込む。
暑い…と嘆く前に手摺に背中を預け、煙草に火を点けた。
「ん?なんぞ?」
ぼんやり壁を見つめていると小さく歌声が聞こえてきた。
振り返り港湾施設を望む景色の中、視線を走らせる。堤防の先、陽炎に踊る小さな人影が見えた。海に向かってギターをかき鳴らしながら歌っている。
服装からして川内型の三女だろうか。
「なんだまた那珂ちゃんか…相変わらず声でけぇな。」
執務室のある棟から堤防の先端まで結構な距離があるにもかかわらず、かすかにだが聴こえる。
出撃した時に戦争なんてくだらないぜ!アタシの歌を聴けぇ!!なんてやったもんだから霧島にマイクでぶん殴られ小破して帰って来たこともあったな。
姫級が苦しんでたのは音量のせいなのか或いは…。
「司令官?こっちに居たのね。ってまた煙草吸ってる。」
ドアが開き、今日の秘書艦である駆逐艦の暁が入ってきた。
あきれた顔で後ろ手に持っていたペットボトルのお茶を差し出す。
「おっ、サンキュー。そういや3時過ぎてたか。」
「そうよ。
私も集中していたから気がつかなかったわ。」
やっぱり外は暑いわね、といつも斜めに被っている軍帽を取りネイビーブルーの髪をかきあげ、小麦色に日焼けした額をハンカチで拭う。
「すまんな、暑い中向こうまで買いに行かせて。」
ここ執務室がある本棟の前にも自販機が設置されていたが、昨晩酔っぱらった長門が抱き締めて破壊してしまったので妖精さんが直すまで使用できないのだ。
伊勢と日向にお仕置きダブルラリアットさせた。
「良いのよ司令官、重巡寮まで行かないと無糖のコーヒーが買えないもの。」
ぱきり、と暁がコーヒーを開け小さな喉を鳴らして飲みはじめた。
自分もオッスお茶を開けて一口、含むようにして飲む。
執務室にも冷蔵庫やら必要な家電は置いてあるが、それは扶桑が艤装を振り向きざまに叩き付けてくの字に曲げて破壊。
それで一昨日から使用できなくなっている。妖精さんが匙を投げ付けるレベルなので本土から送ってもらえるように手配してある。
この世の終わりみたいな顔した扶桑を見てお仕置きする気は霧散した。
「ところで司令官、3時のおやつはなにかしら?小腹が空いたわ。」
そう言って期待に満ちた目でこちらを見ている暁。
「冷蔵庫破壊されたから中身全滅やしなぁ…マミーんとこにアイス食いに行くか。」
昨日は神通が秘書艦で、酒保で買ったどら焼食べたっけな。
逆に曲げたら直りますよって壊れた冷蔵庫をばきばきとやってたのには呆れた。
「流石司令官ね、話が分かるわ!」
早く火を消して、さぁ行きましょうと暁が嬉しそうに腕を引っ張る。
こっちゃ人間やぞ駆逐艦の馬力に勝てるわけないだろ!いい加減にしろ!!
そのまま吸い殻を灰皿に入れ、されるがまま引きずられていった。
所変わって間宮のお店。
まだ3時を過ぎて半にも満たない時間。ちらほらと空母やら重巡やらが休息に集まってきているようで結構な人数で賑わっていた。
「鳥海、ほらあーん」
「だから眼鏡は本体じゃないから!!そっから食べれないから!!やめろってんだよ摩耶ァ!?」
「間宮さんの甘味は最高ね!ねぇ赤城さん!気分が高揚するわね!!ねぇ!?」
「…加賀さんうるさい…餡が飛ぶ…」
相変わらず賑やかだなぁうちの鎮守府。
いつぞや同期たちが大規模作戦のために艦隊を連れて来たときに、お前のとこの艦娘なんか違うってすげー言われたな。
まず暁は背伸びして大人のレディっぽく振る舞ってるのにお前んとこのはまじでレディじゃねえかとか。
加賀さんは口数少ないクールな女性なはずなのにマシンガントークじゃねぇかとか。
鳳翔さんがダークマター製造機で比叡が料理上手って天変地異ってレベルじゃないとか。
他のとこの艦娘はあまり知らないから、何が違うのかそれまで気がつかなかったわ。
個体差なんじゃね、多分。
「司令官、何になさいますか?」
ウェイトレスの格好をした白雪がにこにこと盆を抱えて注文を取りに来た。白雪まじ天使。
今週のローテーションは特型だったか。
「何にすっかな…あー抹茶アイスで。」
適当に並んでるお品書きから目についたものを選び、暁は白玉ぜんざいを頼んだ。
すぐにお持ちしますね、と白雪は厨房に引っ込んでいった。
「おっ…暁、ぜんざい食ったら腹一杯にならないか?結構な量あるぞ。」
加賀さんが夢中になって大皿で切り崩している現物を見て心配になる。
その隣で伊勢と日向がうまいな姉者、うまいぞ妹者とかなりでかいかき氷を食って悦に入ってる。
氷食って美味いってなんだ。シロップがか。
「あれは正規空母サイズよ、駆逐艦が同じ量を食べられるわけないじゃない。」
「艦種で量は変わるんだっけか。久し振りに見たがどこに入ってんだありゃ。」
「格納庫よ!!」
聞こえてんのかい。
「いや入れたらあかんやろ。」
加賀さんの正面に座っていた龍驤がすかさず突っ込む。
鳥海と龍驤いなかったらこいつらボケ放題投げっぱなしで収拾つかなくて大変なことになるから助かる。
「お待たせしました~、どうぞ司令官。」
「来たか(ガタッ)」
「どうしたの司令官?立ち上がったりして。」
軍帽を脱いで置きつつ、きょとんとする暁と白雪。
「ちょっと使命感に駆られてな。さぁ食うか。」
たまに変なことするのよね司令官は、と暁と白雪は顔を見合わせる。
たまにネタに走るぐらいええやないか。
「お待たせしました~。」
白雪が抹茶アイスを持ってきて、入れ替わるように聴覚溶かす系女子代表の綾波がぜんざいを持ってきた。
丼で。
「えっでかくね?駆逐サイズでかくね?」
思わず二度見した。正規空母よりは全然小さいが丼はでかいだろこれ。
おれのアイスが入ってる器より二倍ぐらいでかいぞ。
「大きいわね…けど甘いものは別腹よ。いけるわ。」
夕飯の前に運動しなきゃなんて余裕かましてるよこの子。
「綾波、器間違えちゃいました~。」
なんだろう、すげー許せる。
そしてそれを怯まずに食べていく暁がすごい。
「うぅ、やっぱり食べ過ぎたわ…。」
休憩も終わり、執務室に戻ってきた二人。
仕事を再開して数分経たずに暁がお腹をさすってぐったりしている。
「まぁそうなるな。あとは備品の物品購入書だけだからそのままでいいぞ。」
「ごめんなさい司令官、情けないわ…。」
かまへんかまへん。ただ内容見て決済するだけだしな。
補給品の確認は終わったし、明石のところの消耗品がすさまじい量になってるのは毎度のことだしな。纏まりきらなくて五枚ってなんやねんこれ。
「テートク、ジハンキシュウリオワタ」
書類をめくっていると、ツナギを着た妖精さんが机の上に現れた。
昨晩長門が破壊した自販機が直ったようだ。やり遂げたぜ、っていい顔してる。
「ハッハッハッ、ごほうびにクッキーをやろう。」
引き出しからクッキーが小分けになって入っている箱を出す。
多分一人でやった訳じゃないだろうから皆で別けて食べるだろう。
「アリガトウテートク」
「また何かあったら頼むよ。ありがとうな。
」
ぷにぷにと頬を突く。やっけぇな。
「ドーイタマシテ」
クッキーの箱に手を触れ、スポンと消えた。
これ最初のころはびっくりしたなぁ。
「うぅ…苦しいわ…。」
まだ腹さすってる。半分なら食ってやれたのに意地を張るからだよ(呆れ)
「ハッハッ、レディが聞いて呆れるぜ。」
「今ばかりはレディは休業よ。」
そこから暫く会話が途切れ、書類をめくる音だけが静かに広がる。
エアコンの音がやけに大きく聞こえ、時間がゆっくり過ぎていく。
「ヒt」
「終業!閉店ガラガラ!!」
暁の時報を食い気味に、チェックの終わった書類を封筒に入れボールペンを放り投げる。
「司令官!びっくりするじゃない!?」
ソファーからずり落ちた暁が抗議する。怒り方可愛い。
「暁、レディとは何事にも動じない事だ。」
「誰だってびっくりするわよ、もう…。
夕飯の前に少し体を動かしてくるわ。それじゃあお疲れさま、司令官。」
「おう、お疲れ。夕飯は食い過ぎるなよ。」
軍帽を直しながら暁は敬礼し、退室していった。
さて、遠征組を出迎えてから自分も食堂に行きますか。
どうだ、チンポジは直ったか?