メモ帳の雑記〜思い付いた艦これネタ〜   作:45口径のスゴい奴

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誤字報告ありがとナス!


そのに

@4

 

「朝からカレー食う奴ってどうかしてるとかいう風潮、どうにかならんかね。」

 

「突然どうしたんです司令官?」

 

朝の食堂。

本日の秘書艦である吹雪と一緒に朝食を取る。

基本的に食堂は遠征の関係もあって、二十四時間開いている。早朝五時から八時までは常勤の艦娘たちで溢れ、それは昼も夕方も同様。

今日は重巡組が軒並み食事の担当のようで、エプロンを着けた足柄や愛宕、ゲンちゃん(プリンツ)のポニーテール姿が厨房に見える。

 

「昔よく言われてなぁ。

友達にも元カノにも頭おかしい奴呼ばわりされたのを思い出して少しイラッとな。」

 

ちなみに今、比叡が昨晩仕込んでいたカレーを食っている。

一晩おいたカレーってなんでこんなにうまいんだと足柄に揚げてもらったカツと一緒に口に運ぶ。

なんか今一瞬周りが静まり返ったような気がしたが気のせいか。

 

「私は別段変だとも思いませんが。

晩の残りであれば、朝食の準備が楽で良いとは思いますよ?」

 

そう言って吹雪は味噌汁に口をつける。

吹雪が食べているのはザ・朝ごはんって感じの定食。

焼き鮭、味噌汁、ご飯、納豆に漬物。

 

「だよなぁ、おかしくないよなぁ。

一体誰がんな風潮作りやがったんだ。一時期朝カレーってインスタント食品があったっていうのによ。」

 

そういえば、他の鎮守府だと比叡カレーはバイオ兵器扱いされてるらしいがなんでだろうな。

普通に、いやかなり美味いのに。

 

「地域によってその辺りは違うのでは?と思いますが…。

ところで司令官、その元カ…」

 

「司令官!!おはようございますぴょん!!」

 

食べ終わり水を手に取ったところで、今やってきたのか卯月が元気よく挨拶した。

 

「おう、おはよう。

あぁ^~朝からぴょんぴょんするんじゃぁ^~」

 

とりあえずこれは言っておかねばなるまい。

 

「今なんか言ったか?吹雪。」

 

「いえ、何でも。」

 

そのわりにはすげー眼で卯月を見てるが。今、気付いた卯月が寝ビクした時みたいになったぞ。

 

「う、卯月もカレー食べようっと!じゃあね司令官!」

 

おうまたな、と返すなり卯月が並んでいる列にすっ飛ぶように加わっていった。

止まりきれず式波の背中に衝突してなんか必死に謝っている。

 

「駆逐艦は皆元気じゃのう。さて、おれは先に行ってるぞ。」

 

吹雪がなんだか不機嫌そうに焼き鮭を引き裂きながら分かりました、と返す。

あの日なんだろうかと検討違いな事を考えながら、食器を返却口に戻しに立ち上がった。

 

 

 

「まーる描いてぴょん、まーる描いてぴょ」

 

「次言ったら殴りますよ。」

 

吹雪怖い。

なんだろう、朝飯食うまでは普通だったのに今日は軍曹モードが強い。

静かすぎるこの空気をなんとかしようとしただけなのに。

 

「怖いわー、吹雪パイセン怖いわ~。」

 

吹雪が笑顔でボールペンをみしみし言わせ、ふたたびペンを走らせる音とエアコンが吐き出す冷風が部屋に満ちる。

 

「まーる描いてフォイ、ま」

 

堪えきれず、また下らないことを口ずさむ。

バギャ!そんな音がして隣を見ると吹雪が机に孔を空けていた。

 

「うわぁ。」

 

思わずそんな声が漏れる。

 

「つ、ぎ、は、こんな穴が空きますよ?これは練習ですので。上手く空けられました。」

 

「人体にそんな穴開いたら死ぬんだよなぁ。」

 

仕方ない、下らねぇ事言ってないでサクサク片付けよう。

そう決心して報告書の束に手を出す。

遠征の報告書がけっこう溜まってるみたいだ。最低でも日に十数回は出ているから全て目を通すのが大変だ。

 

『物資を輸送中の敵輸送艦を発見、護衛を排除し燃料の入ったドラム缶を奪取。』

 

おー、よくやった。輸送艦が居たってことは近くに何か居るのか。量がどのぐらいかで推測できるな。

 

『弾薬は規格が合わないので海中投棄処分。小口径の砲弾が多く、魚雷の数も同じ。恐らくは敵水雷戦隊の補給だったものと思われる。所で私のカタパルトって邪魔、かなぁ…。』

 

これ書いたの由良か、最後要らねぇよ。

 

「さて次は…。」

 

『クマー、クマクマークマクマクーッマ、クマクマ。クマク』

 

「球磨ァァアッ!?」

 

某チョビ髭オヤジを彷彿とさせる動作で机を叩く。

吹雪がビクッとこちらを見る。

 

「球磨は呼び出しだな。キャプテンキッソーに取っ捕まえてもらうか。」

 

ついでに翻訳してもらわないと分からん。寝ながら書いたのかこれは。

さぁ次。

 

『Поскольку ликер исчез на пути, я возвратился』

 

「読めねぇよ響ィ!?」

 

多分キス島の守備隊回収作戦の報告書だと思うが、これも呼び出しだな。

 …わざわざトラックからアラスカくんだりまで出張る必要、あんのか?

お次はどれだ。

 

『やったぜ。変態…』

 

これは漣だな。いちいちクッソ汚いもん挟むな普通に書け普通に。

ネタを挟みたくなる気持ちは解るがな。

 

『今日も沢山の敵を助けたのです。

夜戦が終わり缶室に浸水して動けなくなっていたり、主機が損傷して、速度が上がらなくて逃げられない敵。沢山助けたのです。』

 

ん?助けた?これ書いたの電か。

 

『錨で一隻一隻、ちゃんと確認して助けたのです。

途中で天龍さんと龍田さんに止められたけど、一杯助けることができて良かったのです。

かならず全ての深海棲艦に救済を与えるのです。』

 

あー、これアカンやつだわ。

休み取ってどっか連れてってやろう。

初期艦で、なおかつ駆逐艦の中で一、二を争うぐらい練度があるから無茶をさせてしまっていたのか。

疲れたろう電、少し休もう。気付けなかったおれが悪かった。

これじゃあ提督失格じゃないか。どうしてこんなになるまで…。

「すまん吹雪、ちょっと出てくる。」

 

「一体どうしたんです?」

 

怪訝な顔をして、吹雪が手を止めた。

 

「電を連れて本土に(休暇を取り)帰る。」

 

少しの間、司令官代理を頼むと部屋を出る。吹雪も初期艦に勝るとも劣らない練度と経験を誇るので大丈夫だろう。

休暇に必要な書類は行き掛けによっちゃん(大淀)に頼んでおこう。

 

「えっちょっ…」

 

後ろ手にドアを閉める時、吹雪が何かを言いかけたが今はそんな場合じゃねぇ(真顔)

すまんな、土産は嫌ってほど買ってくるから。

 

「いーなぁーづぅーまぁー!?どこだ!?」

 

今日は遠征に組み込んで無かったから休息日のはずだ。

アホみたいに叫びながらグラウンド横を疾走する。

 

「あら提督。そんなに取り乱してどうしたのかしら?」

「すっごく急いでますねぇ、アドミラル。」

 

日焼けしてもはや普通の黒ギャルにしか見えない愛宕とゲンちゃん、ターちゃん(高雄)。

甘味処間宮の近くのあずまやで、三人でかき氷を仲良く食っている所に出くわした。

 

「電を探してるんだが、どっかで見なかったか?」

 

息も絶え絶えに、一気に喋る。

 

「電ちゃん?さっき間宮に居たけど…あっ丁度出てきたわ。」

 

「サンキュー、ターちゃん!!いなづまぁ゛ぁ゛~!!」

 

見れば、丁度暁と雷、響と時津風や雪風と出てきた所のようだ。

あらん限りの声を張り上げて走る。

 

「あれ?司令官じゃない。あんなに急いでどうしたのかしら。」

 

「ほんとうですね。しれぇがあんな風になっているのってあまり見ませんね。」

 

「урааааааa!!!っていう魂の叫びに通じるものがあるね。ハラショー。」

 

「それはない。」

 

時津風が真顔で突っ込む。

息を整えてから、驚いて立ち止まっている電を抱き上げる。

突然のことに、そこに居た駆逐艦の目が点になる。

 

「電!すまなかった!!ずっとおれのそばで支えてくれていたのに、あんなになるまでお前が疲れていることに気付いてやれなかった!!おれは提督失格だ!!」

 

えっ?えっ?と顔を赤くして、疑問符だらけの電を抱きしめ思わず涙声になる。

 

「もう無理しなくていいんだ電、もう仲間も一杯出来たし、お前一人で敵を撲殺して廻らなくても大丈夫なんだ!!

だから今は休もう、さっきオスプレイを一機都合したからな!なぁに手ぶらでいいんだ、全部おれが買ってやる。さぁ行こう。」

 

例に漏れず電も日焼けで褐色になっているので、絵面を見ると完全に東南アジアの誘拐現場である。

 

「一体どういうこと司令官?話が読めないんだけど。」

 

暁が疑いに満ちた視線でねめつける。

「しれぇと電はとっても仲良しなのです!」

 

「ハッハッー、ワイは皆と仲良しやで~。」

 

雪風の頭をわしわし撫で、さぁ行こうかと下ろしてから電の手を引く。

暁に、よっちゃんに話を通してしてあるから大丈夫だと話す。

それを聞いてなら大丈夫ね、あとは任せてと言ってくれた。流石レディだぜ。

 

「ちょっと待ってほしいのです司令官、一体何がどうなってるんです?一体何が始まるんですか?」

 

アワアワとまだ事態を掴めない電が右往左往。

危なげな様子が見えない事が、余計に痛々しく見える。

こんな小さな身体で毎日頑張ってたんだよな、性格的にも無茶をする子だっていうことを忘れてたよ。

雷はどうでもいいじゃない、とか基本投げっぱなしだが。

 

「大惨事さ。おっといけねぇ、早く行こう。計画もなにもしていないからグダるかもしれないが観光したり温泉行ったり、色んなとこ遊びに連れてってやるからな。」

 

身支度もなにもしていないが、貯めに貯めた給料がある。塵も積もれば山となるでかなり良い額が貯まっている。

今散財せずにいつ散財するというのだ。

 

「よく分からないけど遠征なのですか?」

 

電はとりあえず行ってくるのですと皆に手を振る。

 

「そうだ。今回はおれと二人だけどな。おっ、丁度御迎えが来たぞ。」

 

ヘリポートへ向かう道すがら、鎮守府で連絡機を担当している海軍仕様の迷彩を施したオスプレイが飛んできた。

こんな時ぐらい提督権限を乱用しても構わんだろう。

 

「そう言えば空を飛ぶのは初めてなのです。ちょっと楽しみなのです。」

 

心なしか電の目がきらきらしているような。

 

「ここへ最初に来たときは船旅だったからなー、あの時は長かったよな。今は制海権握ってるからグアム経由で直接成田まで行けるぞ。

…皆、頑張ってくれたから制海権を奪い返すことが出来たんだ。まー電は頑張りすぎて疲れたろうから今回は少し長めの休暇さ。」

 

そんなこんな話しながらヘリポートに到着。

オスプレイが着陸体制に入り、激しいダウン・ウォッシュが吹き荒れる。

機体後部のカーゴルームが開き、中からなぜか自動小銃やショットガンを持ったフル装備の兵士が五人降りてきた。

 

「あっどうも提督さん、特警です!

いたいけな駆逐艦と駆け落ちしようとしてると通報があったもので。

ちょーっとお話いいですかね?」

 

腕章を指で強調しながら、バラクラバにサングラスの兵士が提督の両脇を固める。

また一人の女兵士が電に寄り添い、もう大丈夫だからね、こっちよと引き離す。

 

「アイェェェェ!?ナンデ!?特警ナンデ!?」

 

しめやかに終幕!!サヨナラ!!

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