Paradox-魔王姫を守護するは召喚されし剣士-   作:Surf

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おはようございます!こんにちは!こんばんは!
雪月花でございます!
タイトルからネタばれ?さて、知りませんね…ではでは、どうぞ!


創造魔術対創造魔術(偽)

朝日が昇りきる前、エルフの里フォルンは異様な静寂に包まれていた

会話は聞こえず明かりは煌々と輝きを放っているが人の気配は一切しない

だが、里を守る様に岩石の重厚なトンネルが出来ていた、トンネルを通り抜けなければ里に入る事は出来ない

無論。簡単に通り抜けれる訳が無いが…

僅か数十時間で鉄壁とは言えないが防衛機能が皆無だった里にある程度戦える防衛機能を備える事が出来た

だが、これが通用するのは恐らく機兵のみ、ステルベルは容易く壁を破壊して来るだろう

里は転移魔法を無効にする結界が張り巡らされており、フォルカの提案で北入口正面は木も壁も無く平地が出来ている、壁を破壊せず張り続けると此処に集められる設計である

ステルベルの性格上一直線に実験対象と言われたシオンまたは捕獲対象であるルインの元に来るだろう

その為、ルインとシオンは里の外、戦い易く拓けた場所に待機、セレナはルインの近くにおり事にシオンはセレナとルインから少し離れた位置に待機している。フォルカ、ニルヴァとキラーメイルは里の北口の平地、アナンは戦いの心得のあるエルフ達をまとめ里の内部に侵入した機兵を叩く作戦だ

 

「…落ち着かねぇな…」

 

「貴方が落ち着かないのは何時もの事じゃないですか」

 

「いやいや、それとこれは違うのよ。なんつーか、懐かしい雰囲気なのは確かだな、うん」

 

「…動く鎧になる前の記憶でも掘り返してるんですか?」

 

「さぁね。思い出してはいないけどな、あ、戦い終わったら触ってい良いですか?」

 

「戦闘を始める前にぼろ雑巾になりますか?」

 

それはごめんだぁ~!?と叫びながらニルヴァのダガーを素早く回避するキラーメイル

だが、一番気掛かりなのはフォルカ少年の作戦である、何でも素早く機兵を壊滅する手段があるとかでここを平地にした訳だが、具体的な内容を教えられていない。と言うより言い難そうにして居たので俺がルインにお願いした、下着を見ようとして穴を開けられ掛けたのを回避する為じゃないぞ!

 

「はぁ、無駄に回避能力は高いのが難点ですね」

 

「はっはっはっ!このぐらい出来ないと生きていけなっとぁ!?」

 

「ちっ…」

 

「話してる時にマジの投擲をしないでくれないかなぁ!?」

 

「本気投げても避けるのでしょ?」

 

「いらない信頼だっ!?」

 

そんな事をやりながらもフォルカの事を気に留める二人、ステルベルとの戦闘以降何処と無く漂う雰囲気が違う気がする…そう感じているのだ

 

「ルイン、シオン。すまないが手はず通りステルベルの足止めは私がする。構わないな?」

 

「ああ、大丈夫だ。ルインの護衛に専念させてもらう」

 

「…無理はしないでね…?」

 

ルインまたは俺を狙うステルベルを足止めする、可能であれば仕留める…

セレナの作戦は単純だが、奴を縫い留める…その事がどれだけ難しい事か…

フォルカ、ニルヴァ、キラーメイルの戦闘力で機兵を倒す事は容易い、だが、奴の用意した機兵が何体なのか…いや、何十体なのか…奴が単騎で乗り込んで来ればいいのだがな

 

「勘違いしないで欲しい、シオンがルインの傍にいる事は当たり前で貴女がルインを守ってくれるからステルベルに集中できる」

 

「分かっている」

 

分かっているさ、理屈では分かっている、現状俺が奴を止める事は出来ない

ニルヴァやキラーメイルでも一人では無理だ、機兵を倒す事を考えると戦力をステルベルに集中させる訳にはいかない…

 

「ごめんなさい…あれが完成出来ていれば支援が出来るのに…」

 

「気にしない、シオンの為に作った魔法なのでしょ?」

 

ルインの新しい補助魔法、使い魔と魔王のラインをフル活用した術式故に強力だが俺にしか作用しないデメリットがある、提案者はニルヴァとハンナらしいがもう少し汎用性を、と言ったら殴られ掛けたのであれ以降は言っていない

 

「夜が明ける、気を引き締めろ」

 

神秘の森の木々の間から太陽が覗く…そして

 

「よォ…随分と頑丈に結界を張ってるみたいだが…魔王が結界の外に居るのはどういうことだ…?」

 

転移魔法で飛んできたのか平地の中心で白衣をなびかせながら姿を現すステルベル

里の周辺でも無数の機兵が移動する気配を感じる、だが、思考能力の乏しい機兵は警戒せず命令通り里に向かってトンネルを突き進んでいるようだ

 

(ふむ、数は50…中々な量じゃな)

 

黒桜から大体の数が伝えられる、機兵が50…その中に例の讃美歌を歌うタイプも混ざっている

上手く行っていれば北口にたどり着くのは半数…

 

「まァ…良い。シオンが生きているのは想定内…だが、お前は誰だ?」

 

「ステルベル…お前が知らないのも無理はない」

 

「俺の名前を知って居るか…どこかで会ったかァ…?」

 

腕を組みながら思い出そうとするステルベル、その姿無防備…予定通り、セレナにステルベルを任せ、ルインと共に北口へと転移魔法で逃走する

それを確認したセレナは口の端を上げながら息を吸い込む

 

「考えるだけだ無駄だ。いや、考えるのなら帝都に一旦戻ってからにしてくれまいか?」

 

「はっ、面白れェ事言うじゃねェか…ま、無理な相談だな」

 

「だろうな…どうする?」

 

「どうする?魔王を捕獲する、それさえ出来れば生かしてやるよ」

 

「無理だな、生かすだけでは。フォルンには手を出さないでもらおう…無論、魔王にもだ」

 

「おいおい、交渉にならねェだろ?」

 

「交渉する気も無い奴が何を言っている」

 

呆れ顔のステルベルを睨みながら鼻を鳴らすセレナ、ステルベルが溜め息を吐くと同時に氷の刃がセレナを襲う…が

 

「不意打ちは感心しないな、ステルベル」

 

「…なんだ?テメェ…?」

 

ステルベルの放った氷の刃はセレナにたどり着く前にセレナが放った氷の刃に弾かれる

 

「貴様だけが"それを"扱えると思うなよ?」

 

「テメェ…まさか…!」

 

ステルベルが火球を雷撃を岩石の槍を飛ばせば、セレナも同じタイミングでそれらに合わせる様に同じ魔法で弾いて行く

 

「チィ…!お前も創造魔術を…!?」

 

「言ったはずだ、お前だけでないと」

 

二人の間で無数の魔法が、聖歌魔法が嵐のように激突する

恐ろしい速度で繰り出される魔法の数々、セレナはそれに加え紫電で生成した槍を使い接近攻撃も混ぜる

ステルベルはにやりと、笑いながら避ける事なくそれを受け止める

 

「効かねぇよ…!」

 

「そうか、なら…これはどうだ?」

 

槍がステルベルに接触すると同時に紫電がステルベルを包み全身を焼く

 

「がっ!?」

 

激しい閃光と轟音を響かせながらステルベルが後方に転移し距離を空けるが

セレナの追撃が転移先に炸裂する!

 

「…頑丈だな」

 

魔法によって巻き上げられた煙が晴れ、現れたステルベルの前に巨大な魔障壁が姿を現す

 

「はぁ…はぁ…ちっ、しっかりと弱点付いて来るじゃねか」

 

「自身が攻撃を食らう事など元々想定していないだろう?」

 

「はっ、一つだけ聞く…テメェ、何者だ?」

 

「お前の同僚に聞いてみると言い、お前の失敗作を知っているか?と」

 

セレナが答えるとステルベルの顔が不愉快に歪み、徐々に怒りへと変える

 

「あー、そう言う事かよ…胸糞悪ィ…」

 

「ふん、貴様に言われるの心外だな」

 

セレナの背後に光り輝く翼が生え空へと舞う、ゆっくりと羽ばたけばそれだけで地が割れ、恐ろしい程の風圧が発生する。ステルベルはそれを見れば目を見開き障壁を強化すれば詠唱を始める

 

「させるか…!」

 

翼を羽ばたかせ、一気に加速するセレナ。だが、障壁から無数の魔法が放たれ近寄れない

あるとあらゆる魔法を翼で弾きながら障壁を砕く為に輝く槍を突き出す!

ガラスの様な音を立てながら砕ける、魔障壁…槍がステルベルを穿つかに見えたその瞬間…

ステルベルを中心に青白い光が放たれる!

吹き飛ばされたセレナは舌打ちをしながら空中で態勢を立て直す

 

「これはまだ完成出来てねェ…つまり、使いたくなかったんだが…あの女の失敗作って言うなら…話は別だァ」

 

「ほう…己のコピーは嫌いか」

 

「ドッペルゲンガーは出くわすと何方かが死ぬんだったか?」

 

「残念だが、コピーしたのはその能力だけだ」

 

「はっ、ガタ来てるくせに良く言うぜェ…早計だったな、その聖歌魔法…天使の願い(エイゼル・フレーゼ)は消耗が激しい、いや…そもそも生物が使うには効率が悪すぎる」

 

「そう言う事だ、わかっているのなら早々に決着を付けるとしよう」

 

セレナが空を駆ける、迎え撃つステルベルはクリスタルの様な翼から氷刃を飛ばす

 

「単調な芸だな…!」

 

「単調じゃねェンだよ…!」

 

氷刃を弾いたセレナは顔を顰めながら弾いた腕を見る、刺さっていない…だが、触れた個所から全身に回る様に凍結が始まっている

 

「くっ…!」

 

「ククッ…試験管でエルフを作るなんてあいつもぶっ飛んでるぜ…!」

 

弾くにも避けるにも限界はある、徐々に全身に広がる氷を解かす様に僅かな炎がセレナの身体から漏れるが

出力に集中すれば翼が消える、そして、回避行動を怠ればそれだけで死が迫って来る

一旦距離を離そうとすればステルベルの創造魔法が追撃を仕掛けて来る

 

「おいおい、どうした?魔力量までは真似できないか?」

 

「それは私に聞いても仕方ないじゃないか?」

 

「それもそうだ、なっ!」

 

大量にセレナに殺到する氷刃、翼を巨大化させては横に一閃、迫り来る氷刃を魔法を掻き消しては上がった呼吸を整える様に息を吸い込み吐き出す

 

「早い所、此処を焼き払って帰りてェんだが…お前を生かして置きたくもねェ」

 

「殺せるものならやってみると良い」

 

「安い挑発だなァ…はっ」

 

再び互いに魔法を撃ち合い始めるセレナとステルベル、だが、セレナの方が押されているのは一目瞭然

 

(そろそろ、限界か…くそっ…)

 

嵐の様に迫る魔法を掻い潜り、再びステルベルに肉薄する、が

割り込む様にステルベルの結晶の翼が現れ、距離を離す

再び打ち合いに持ち込まれれば負ける…!

ギリッ!と奥歯を噛みしめ、焔の槍を零距離で翼に放つ!同時に天空に向け閃光弾を

真っ赤な炎が視界を覆い、翼を貫通した手ごたえがある…だが!

ステルベルから距離を離そうと翼を羽ばたかせた瞬間、強い衝撃が胸を貫く…




いかがでしたでしょうか?
これからもよろしくお願いいたします!
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