ーーねぇ、清隆
実は私たち昔に出会ってたんだよーー
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小学3年生のとき、私は家族とニューヨークに来ていた。
両親が意外と旅行好きで私が物心つく前にも何度も海外に出かけていたらしい
ニューヨークにも一度来たことがあり、
その時にとても気に入ったからまた来てみたかったと
両親は話していた。
小さかった私は、初めての海外旅行にわくわくとした気持ちだったのを今も覚えてる
ーーもっとも、わくわくしていられたのは
最初だけだったけどーー
「・・・・お母さぁ…ん、お父さぁ…ん、どこぉ・・・」
小さい私は両親とはぐれ泣きじゃくっていた
初めての海外旅行と子供特有の好奇心にさらされ
ふらふらとしたり立ち止まったりを繰り返していたら
案の定 迷子になってしまった
幼少期に誰でも一度くらいは経験したことがあるのではないだろうか
両親がいない不安、見知らぬ景色これだけでも
小さい子にはかなりの恐怖を与えるのに
私の場合は周りの人が全て外人だというのが問題だった
体格も大きく、言葉もわからない大人たちは
これ以上ない恐怖の対象だった
心配して声をかけてくれたであろう人でさえ
とても怖かった
怖くて、怖くて、走りだしてしまった・・・
見知らぬ土地で目的もなく走りまわってしまい
もう最初に何処にいたのかさえわからなくなってしまった
走らなければまだ両親に見つけて貰えたかもしれないが
その可能性も低くなってしまった
ーー私はもう両親に会えないんじゃないかと思い
蹲るようにしゃがみ込み嗚咽を漏らしはじめたその時、
「どうして泣いているんだ?」
ーそんな言葉が投げかけられた
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「・・・えっ・・・?」
日本語での問いかけと、明らかに大人ではない声質に
私は頭を上げ声の方向に顔を向けた
そこには私とさほど変わらない年齢くらいの男の子が立っていた
「ーいや、どうして泣いているんだ?って聞いたんだが」
その無感情な声と問いかけに私はなぜか少しの安堵を覚え
ほんの少しだけ落ち着きを取り戻すことができた
「・・・にほんご・・・」
ーー訂正、どうもまだ落ち着けてなかったらしい
私の口から溢れたのはそんな意味の分からない単語だけだった
こんな単語だけだったら誰でも困惑するだろう
そう思い言葉を続けようと口を開こうとする前に
「・・・あぁ、なぜ英語ではなく、いきなり日本語で話しかけたか 」
ーーと、こちらの思いを裏切って言葉を紡いできた
「簡単なことだ、まず見るからに日本人だし英語を話せるならこんなに大人がいる状況で一人蹲って泣く必要はないだろ」
「・・・で?何で泣いているんだ?どこか痛いのか?」
私は目の前の男の子に両親とはぐれたことを伝えた
正直、こんな同い年くらいの男の子に話しても普通
何も変わらないのだが
なんとなく話したら何とかなるんじゃないかと思った
「・・・?それのどこに泣くとこがあるんだ?」
男の子は心底わからないという顔をしている
この男の子は迷子になったことがないのだろうか?
「泣くのは痛いときだけじゃないのか?」
私はこの男の子の言っていることが理解できなかった
寂しくて泣くのもあるだろうし、
怖くて泣くこともあるだろうし、
もちろん痛くて泣くこともある
そのことを伝えると
「・・・そうなのか、・・・痛み以外でも人は泣くのか・・・」
小さく呟きながらこちらに向き直り
私に問いかけてきた
「お前の両親を見つけてやろうか?」
「・・・え?・・・できるの?」
おもわずそう返してしまった
私とほぼ同い年なら小学生低学年のはずだ
そんなこと常識的に考えてできる筈がない
そう思ったーーでも、
「あぁ、簡単にな」
この男の子はーー常識に当てはまらかった
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