「過去の出会い」   作:黒華 蘭

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第3話

 

ーー手を繋いだまま歩き続け、一階がよく見えるところまできた。

 

「・・・ここからみつけるの?」

聞いておきながら 私は出来る筈がないと思っていた。

見るからに人だらけで顔の判別もままならないような状況だ、

ましてや両親の顔もわからないのに見つけることなんてできる筈ない

そう思っていたがーー

 

「そうだ」

短い返答

そして、それができると確信している声だった。

 

「どうやって・・・?」

私は不思議に思い問いかけてみた。

すると、彼は私の声が聞こえていないのか

問いかけに応えず

無言でただ一階を眺めていた

じっと見つめているその姿に私はーー

またドキドキとした

 

そして数分ほどで、

 

「見つけた」

と言い放ち静かに一階に指を指した。

 

私は信じれなかった

こんな簡単に見つかるわけがないと思った。

人違いだと思った

でも、彼の指の先を目で追うとーー

 

そこに両親の姿を見つけた。

 

「いくぞ」

彼は私の手を引き一階を目指し歩き始め

たまらず私は彼に聞いてみた。

 

「・・・どうしてわかったの?

どうやってあんなにいっぱい人がいるのに見つけれたの?」

彼はこちらを見ることなく淡々と説明を始める。

 

「ここにいる奴等は目的がないと思うか?」

「人間は意識的にしろ、無意識的にしろ、必ず目的を持って行動する」

「こんな人混みなら尚更だ」

「この大きな動きの波に異端を見つけた

お前の両親は、ほかの奴等とは違い目的があやふやだった」

「当然だ、お前の場所がわからないんだからな

つまり行動に計画性がない」

「日本でなら迷子センターなどにいくこともあるだろうが、

ここは日本じゃなくお前はここの言葉も話せないし聞き取りもできない」

「なら、足で探すほかに手はない

なにより小さな子供の行動範囲などたかが知れているからな」

「だからお前が走ってきた方向から位置を逆算し、高低差があり全体を見渡せるとこにきた

そうすることで容易く異端の動きを見つけることができる」

 

ーーただそれだけだ。と

普通小さな子供もがここまで考えれるだろうか

私には無理だ

正直言って言っている意味の半分がわからなかった

でも、彼は両親を見事に見つけだした

 

「す、すごい・・・」

おもわず呟いていた

その呟きにたいしても彼は、

 

「凄くないさ。こんなのは誰でも出来るようになる・・・それが目的なんだからな」

最後の方は声が小さく聞き取れなかったけど

彼はこんなのは当たり前だと思っているようだ

やっぱりこの男の子は変わっている

 

不思議で頼りになるカッコいい男の子だーー

 

 

 

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