ゲーマーな俺と現実[リアル]ダンジョン   作:真田エギ

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第18話

「ったく、世話焼かせんなよ」

熊の攻撃を防いだのは以外にも虚原だった。

虚原は熊を剣で弾き返した。

「な、何で・・・」

俺はそう呟かずにはいられなかった。

あいつは俺のことを目の敵にしていたはず、それが何でいまさら助けに来たのだろう?俺がいなくなったら一番喜びそうなのに。

「早く戻れ、さっさと回復しろ」

虚原は俺にそんなことまで言ってきたのだった。

俺は、疑問を浮かべながらも今の状況を思い出してすぐに剣を拾い、美香に回復をしてもらった。

天月さんが俺のそばに駆け寄ってきて「虚原君、前のことでちょっと反省したみたい」と説明してもらった。

虚原自身もそっぽを向きながら「まぁ、そういうことだ」などと言ってきた。

「A,C隊が時間を稼ぐからその間に体勢を立て直してくれ」

俺は近くに居た久保に指示を送った。

久保はすぐに指示をほかの人に送っていた。

俺は熊の前に虚原とともに立っていた。

「時間を稼ぐぞ。いいな?」

俺は虚原にそう言った。

対して虚原は、「分かっている。俺の足を引っ張るなよ」などと言ってきた。

拓海たちA隊と天月さんたちC隊も準備完了といった感じだった。

「よし、行くぞ!」

まずは俺が先陣を切って一気に熊との距離を詰める。熊は予想どうり爪で俺を切り裂こうとした。俺は剣を振るい爪に思いっきり当てる。

このような場合自分と敵の力比べになる。当然ボスのほうが力が強いので俺は吹っ飛ばされるがそもそもこの攻撃はダメージを与えるのが目的ではない。

「虚原!、拓海!」

吹っ飛ばされてる間に後ろから虚原、その後ろに拓海がそれぞれ配置についていた。虚原は片手剣スキルアクセルスラッシュを発動させ、拓海は片手銃スキルファイアバレットを発動させる。

「天月さんは攻撃力上昇系の補助系呪文を、美香は防御力上昇系の呪文を、どちらも虚原に!」

天月さんは攻撃力上昇呪文オフェンスオーラ、美香は防御力上昇呪文ディフェンスオーラを唱えた。

この呪文は学校の呪文講座で覚えることができる。美香の回復呪文ヒールも同じである。

虚原の剣に赤いオーラが纏い、全身には青いオーラが纏われる。熊はさっき攻撃を繰り出したばかりなので完全に無防備である、虚原の剣と拓海の放った弾丸が熊の腹に炸裂する。

そのとき虚原が「おかしい・・・」と呟いた。

「どうしたんだ?」

虚原は熊のHPがさっきよりかなり少なくなっていると伝えてくれた。そのことを少し思案してみた。

「さっきの一発で減ったとは考えにくい・・・、HP半分以下になってからの熊の行動・・・、考えられる結論は・・・分かった!」

おそらく、増村を葬り去った一撃・・・あれが攻撃の反動を受ける技なのだろう。

そのこと虚原に説明し、もう一度つかったら死ぬだろうという事をC隊の木内と杉並に伝えるように言った。

あれがもう繰り出されないというだけで皆がかなり落ち着くだろうと思ったからだ。

だが、本当に繰り出されないとは限らない。希望的観測を言っただけだ。

ともかく、あれを打たせる前にけりをつける。

俺はそう思ってから熊に再度対峙した。

HPも結構減っているため最初より覇気が無くなっている、と思った矢先。

突然異変が起こった。

熊にノイズが走る。それもあからさまに分かるほどに。

そして、雄叫びを上げた瞬間。同じような場面に出くわしたことがあるのを思い出した。HPが減っているとき、熊の雄叫びの後、驚異的なパラメーターの上昇。

「おい、司!」

拓海が声を上げた。おそらく、前に戦った熊と同じものだと分かっているのだ。

熊は爪で虚原に向けて攻撃をする。スピードが前より断然速くなっている。辛うじて虚原は、剣で受け流すことに成功した。

だが直接攻撃でもあのスピードだ。あの攻撃を出されたら、クリティカルじゃなくてもおそらく死ぬ。

「頼むからあれだけは出ないでくれよ・・・・」

俺の願いは見事に打ち砕かれた。

熊の爪が淡く光っているのだった。前線に出ている皆は驚き硬直してしまった。

迷っている暇は無かった。自分のことなど気にせずに。

「もう誰も死なせない!」

俺はアクセルスラッシュを発動させる。このゲームの技は自分で調節ができる。俺はさっき葉桜さんを助けたときより足に力を入れる。

熊と俺が飛び出したのはほぼ同時だった。

自分は早く動いているのに不思議と周りがゆっくり見えた。

俺は剣を、熊は爪を、もてるだけのすべての力を振り絞って技を繰り出した。

甲高い金属音が響き、一瞬ですれ違う。

静寂が空間を包んだ、一秒、二秒と。突如激しい痛みが腹部を襲う・・・だが。

それと同時に熊が前のめりに倒れた。

大きな歓声が部屋を包んだ。

虚原が俺のところに歩み寄ってきた。

「最後にいいとこ持って行きやがって」

悪態をつくも顔は笑っている。

「ふっ、俺しか動けるやつがいなかったからな」

お互いに拳をぶつけ合う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方そのころ学園長室にて

「・・・やはり倒しましたか」

パソコンの画面を見ながらつぶやく。ディスプレイにはリッパーベアー・・・DEADと映されている。

ふと引き出しの中から手紙をだす。

 

これ以上被害者は増やさせはしません。平塚

 

同封してあったゲートがあった写真、さらにその場所で今度はゲートが閉じられた写真。

 

「あなたの思いどうりには行きませんよ、平塚さん。彼は私の手で必ず殺しますから・・・司君は」

一人学園長はそうつぶやくのだった。

 

 

 

 

 




どーもー作者の真田エギです。
やっと、一区切り付けることができました!
次回はついに冒険が始まります!
そして、司たちに新たな力が!?
学園長の正体とは!?
感想、評価待ってます!!!
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