「いやー、強かったな!」拓海と美香が話している。
俺達は今、森の中を歩いていた。ボス戦が終わり、意気揚々と歩いている。
皆は大きな一歩を踏み出せたのが大きいのだろう、ただ、E隊だけは仲間一人失っているので皆無言で歩いている。
魔物は道具で近づけないようにしているので皆はゆっくり話しながら帰れる。
歩いて30分ほどすると自分たちの町の門着いた。
俺達はゆっくりと町の門をくぐった。
その時だった。
「な、なんだ?」
視界が歪んでいき、次の瞬間には景色が変わった。
あわてて周りを見ると、皆が直立不動の姿勢になっていた、正確に言うと頭だけ動いていた。
かくいう俺も頭しか動かせず、他の部分を動かそうとしたがまるで動かない、石になったように。
皆動揺している。なぜいきなり第一学園の体育館に集められたのか。
「どういう事だ学園長!」
俺は壇上に居る学園長に問いかけた。
「君たちは、やっと第一章を終えたのですよ」
学園長は落ち着いた声でそう言った。
「第一章?」
「そうです、あなたたちは数多の武器を使い、数多の試練を乗り越え、このゲームをクリアせねばならない」
「何を言っているんだ!」
「私が居る時間はもう終わったということです」
いきなり厳しい口調になった。
「何を、何を言ってるんだ!大体アンタは何者だ!」
「私は、この世界の神、すなわち創造者・・・・つまりこのゲームの製作者ですよ」
一瞬、場が凍りついた。誰も声が出せなかった。この世界に閉じ込めたのがこんな近くに居たなんて誰も思わなかったのだ。
「ふざけるな!」
次に声を発したのはE隊の木村だった。
「お前のせいで増村が・・増村が死んだ!」その声は怒りに満ちている。「増村だけじゃない!200人以上がお前のせいで死んだ!」
「なんとも思わないのか!」今にも掴みかからんばかりの勢いだ。
「なんとも思いませんよ、当然の死ですから」学園長はあっさり言い放った。
「なん・・だと?」俺は思わず声を上げた。
「私は神になりたかった。だから私は現実の世界とは切り離された新たな世界を生み出した。この世界はゲームじゃない、新たな1つの世界なんですよ。現実に死があるようにこの世界に死があってもおかしくは無いと思いますが?」
学園長は狂っている。誰もがそう思った。
「とはいえ、あなたたちにただ無気力にこのまますごしてもらうのも面白くない、だから私はあなたたちにここから脱出できる方法を教えます」
脱出という言葉を聞いただけで空気が変わった。誰もがここから脱出したがっているということなんだろう。
「あなたたちがここから脱出する方法・・・それは・・・私を殺すことです」学園長は冷静に言い放った
「あんたを殺せば必ず脱出できるんだな」木村が確認するように尋ねた。
「もちろんです、ただ君たちは弱い、だからこの世界を冒険してもらいます。」
学園長は俺のほうを向いてきた。
「桐生君、君たちの生徒会室にこの世界の全体マップと次に行くべき町を示してくれる指針を置いておきました」
「その指針どうりに進めばいずれはあんたのところに行き着くわけか」
「理解が早くて助かります・・・・・・さすがはあの二人の息子」
最後の方はよく聞き取れなかった。
「まずはこの町にできた職業の館に行きなさい、そうして新たな力を身につけ、次の町に進みなさい・・・以上です」
そう言い終えると学園長は黒い霧に包まれて消えた。