ちょっと展開早めなのは目を瞑ってください。
筆がノったんです。筆じゃないけど。
春も下旬、生徒会室にて庶務として
便利部はこの学校に公的に賃金を得ることを許された部活の一つで、金次第では何でもやる……なんてことはなく、部長のお人好しと部員の『金とってかないとこの人際限なく問題に頭突っ込むぞ』という危機感によって成り立っている部活だ。犯罪以外なら仕事をあまり選ばないので、学校側から金銭の捻出ができる生徒会は良く手伝いを依頼するらしい。俺は今年から生徒会に入ったからよく知らないが。
小春日和、というのとは時期が違うが、きっとこんな天気なのだろう。優しい、包み込むような太陽の光が射し込んでくる。きっと身体中に当たれば気持ち良い筈のそれを遮ってできた影、その床に俺は背中を預けていた。
少し、頭を冷やしたかったのだ。
「……チッ」
未だに震える自分の右手を見て、舌打ちをする。
子供の頃から、俺の隙を見計らうかのようにこの震えは沸き上がってくる。何かを掴んで握り潰したり、握った手を振り下ろしたり、そして終いには身体中が動いて、何かを壊したくなる。
呪い、あるいは祝福。
歪んだこの世界では稀に起きる事象で、世間では超能力とか力の覚醒とか、そういった格好の良いルビを振られた異能。
俺の場合は、身体能力が劇的に上がる代わりに突発的な破壊衝動に駆られる、といったことだ。メリットとデメリットのある良くできたシステムに反吐が出る。
「ふざけんな、クソッタレ」
冗談じゃない。
こんなものは呪いでしかない。百害あって一利、あるかないかだ。
俺は震える右手を強く握り、屋上の床にその握り拳を振り下ろす──ことはなかった。
触れるか触れないか、その寸前で手が止まる。いや、止めたのだ。
今年に入って漸く、この呪いを抑えるのに成功しだした。今まで必死に制御してたこれが、何かを通りすぎるようにあっさりとだ。
俺はその原因を、理由を知っていた。
なんてことはない。ただ肩の力を抜いただけだ。
カチャ、と静かに扉が開く音が聞こえる。すぐにパタン、と閉まる音もだ。
小さな足音を鳴らして歩いてきたのは、俺の予想していた通りの人物だった。
白髪混じりの黒髪を束ね、隈のできた目元と不健康そうな白い肌が特徴的な、この学校の生徒会長。
綾川梓だ。
「やっぱり、ここにいたんだ」
梓は俺を見ると、そう呟いて微笑んだ。何時もより、少し楽しそうに。
「……仕事は終わったのか」
「今日の私の仕事はね。校長から幾つか仕事を頼まれたけど、また明日からやればいいから」
「そうか」
俺はそう返し、少し顔を背けた。
あいつの顔が見れないわけじゃない、そんなものはとっくに穴が空くほど見たのだから。ここは屋上で風が強く、あいつはスカートを穿いている。それだけで充分だろう。
梓はクスッと笑うと、こちらに近付いてきて俺の横で止まった。そのまましゃがんだのであろう音がする。顔は見えないが、きっと心底楽しそうな笑いを浮かべていることだろう。
「見えてるぞ」
一応、言っておいた。
「見せてるんだよ」
返す言葉は、予想通りだった。
その言葉を聞いて、少し気分の晴れてしまった自分に嫌気がさして、俺はそのままそっぽを向いた。
「見て、いいんだよ? シロ」
楽しげな梓の声に、俺は反応しない。
動悸が激しくなった。顔が熱くなるのを感じる。
「シロ」
俺を呼ぶ声に、少し手が
「見て、ほしいな」
免罪符のような、甘い囁きだった。
きっと、これ以上は梓も俺も堪えきれなくて、だから俺はあいつの方に顔を向けた。
寝不足気味の隈のついた目が蕩けていて、赤く色づいた頬と薄く笑った口元が見えて、次に制服を着た梓の肩が、胸が、腹が見えて、そして膝をついていたのが見えた。
しゃがんでいるのではなく、膝をついて、スカートをたくし上げていた。
梓の頼りない陶器のような手がプリーツスカートをつまみ上げ、自らの秘所をさらけ出している。触れればさらさらとした感触のする太腿、そして黒いレースの下着が守るソコも、スカートを
目を、奪われた。
また、手が疼いた。今にも襲いかかりそうな右手を、俺は左手で必死に押さえつける。
「シロ」
梓はスカートから手を放し、自分の制服のリボンタイの留め具を外してYシャツのボタンを二つ開ける。
そして強張った俺の肩に手を乗せて、言った。
「……いいよ」
肩の力は、抜けなかった。
俺は梓の肩を掴み、強引に床に押し倒した。
あいつのくぐもった、少し嬉しそうな呻き声を無視して、その口にキスをする。
「んっ! んぅ……ちゅぅ」
あいつの
キスをしながら、右手をYシャツの裾から手を入れ、そのまま体をなぞる。
ビクッ、と体が
俺は手を止めなかった。梓の
そのまま浮き出た肋骨を一つずつなぞり、脇腹を擦り、そして胸へと手を伸ばす。レースの下着の感触がして、それが堪らなくもどかしくて、強引に上に上げた。金具の外れた音と、生地の破れたは音は耳に届かず、そのまま胸を揉んだ。
掴むような大きさではない、こぶりな胸を包むように手のひらで撫で、小刻みに揺らす。快感に耐えきれず少しずつ退いていく梓の腰を左手で掴み此方に引き寄せる。そのまま間髪いれずに擦り合わせている膝の間に自分の腿を入れ、梓の秘所に当てる。
くちゅり、音をたてた。いつの間にか下着は彼女の分泌液で濡れており、俺の制服まで冷たくする。
「っ!? そ、こは、まって」
口を放して、焦ったような梓の声が聞こえたが俺は止まれなかった。そのまま震える彼女の腰を押さえつけて、太腿で梓の割れ目を擦った。
「っん───!!」
一際大きな反応と、くぐもった声が屋上に響いた。
梓の体が雷にうたれたかのように絶頂した。ビクビクと体が痙攣し、当てた太腿を愛液が濡らし、動かす度にグチュグチュと卑猥な音をならす。目は焦点が合わず、頬はこれ以上ないくらい紅潮し、湿った息を漏らし続ける。
「フーッ、フーッ…………んぅ、ぁ……はぁぁぁ」
梓は過呼吸のように乱れた呼気を、無理やり呑み込むように戻す。
唇の端から流れた唾液を、俺は舐めとる。
ひどく甘い味がした。
俺はそのまま梓をの焦点の合わない目を見つめ、左手で彼女の目を閉じるようになぞる。ん、と吐息を漏らした彼女の唇に、もう一つ優しくキスをする。
梓は息を上げたまま、それでも笑みを浮かべた。
「はげし、すぎだよ、しろ。すぐに、いっちゃった」
途切れ途切れの声を上げた彼女の頬に、そっと手を添える。
彼女は唇をつきだした。
何を待っているかなんて聞くまでもなくて、俺はもう一度長いキスをした。
甘ったるい、熱いキス。
数秒だったか、数分だったか、あるいは数十分か。きっと大した長さではない筈なのに、妙にゆっくりと彼女を堪能した気がする。
どちらかが示し合わせたわけではなく、自然と離れた唇は名残惜しくなんかなかった。
「しろ」
梓は、呟いた。
「もっと、しよう?」
「…………きもち、よかった?」
「……あぁ」
「殴るの、我慢できるようになったんだね」
「あぁ、やっとな」
「……ふふっ。でもはげしいのは、変わんないね」
「……うるせぇよ」
「……そろそろ、帰ろっか。さすがに学校に長居しすぎ、ちゃったから。先生におこられちゃう」
「あぁ、そうだな。……悪い。下着破いちまった」
「いいよ。お気に入りだったけど、しろが喜んでくれたなら。新しいのは……次の休みに、しろに選んで貰うけど」
「俺が? センスは保証しねぇぞ?」
「しろが選んだのを、着たいんだ」
「……はぁ、仕方がないな」
「あぁ、仕方がないね」
たくし上げっていいよね。
ロマンだよね。