現代神話──ただのラブコメ──   作:PRD2

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ちょっぴり番外編。
たまにこういうのも書きたくなるよね。

イチャイチャは……次くらいに……。


ショッピングの裏側 ex-1

「ほほーう! ここがデパートという奴か! 思っていたより中々でかいのぅ!!」

 僕の横にいる神楽(かぐら)(てん)が感心を隠せないといった風に歓声をあげた。

 彼女は周りの事が見えていないようで、只でさえ目立つ巫女服を(ひるがえ)すように動きながら喜びを表している。そのせいかロボットや獣人類、果ては宇宙人的なサムシングがその辺を歩いているようなこんな時代でも、周りからの奇異の視線が刺さる。それは一緒にいる僕も目立つというわけで、僕は自分の精神力がこれ以上減らないよう彼女を止めにいった。

「天、少し静かにしようか。周りからの視線が痛い」

「何を言っとる(きょう)よ、デパートじゃぞ? ピコピコが一杯あったり、でっかいテレビで映画が見れたりするあのデパートじゃぞ!? これはテンションも上がるに決まっとろーが!」

「ピコピコって…ゲーセンか? あと映画館はテレビじゃないから、構造からして違うものだから」

 あれはスクリーンに映像を……って違う違う。そうじゃない。そういう話じゃなくて……まあ良い。

 よくよく考えればさっさと入ってしまえば良いのだ。中にも人は多いだろうが、どうせ周りも連休の始めから異様な盛り上がりを見せる学生や社会人だろう。その中なら天も大して目立たな……いや目立つか。

「あーもう……分かった分かった、さっさと入ろう。どうせ母さんから金は貰ってるから好きなことしよう。ゲーセンでも映画でも何でも来いだ」

「ふっふっふー、何だお前さんもやる気ではないか、そうこなければなぁ。よぉーし、今日は一日我らのターンじゃな!」

「周りに迷惑はかけないでくれよ」

「それは保障しかねるなぁ。何せ我じゃし」

 それもそうだったな、と思い出しながら僕はため息を吐きつつ、満面の笑みでデパートの自動ドアに激突した天に付いていく。

 ──ゴールデンウィークの初日。午前九時頃。

 僕──神楽(かぐら)(きょう)は先日出会ってしまった、天照大御神(アマテラスオオミカミ)の分霊である天と一緒に新宿のデパートに来ていた。

 

 

 

 彼女との馴れ初めは大したことではなかった。

 つい先日の春休み、いつも通り高校の部活動──掃除部として部長の持ってきた、不気味な音が聞こえるから見に行ってほしいという、もはやただの使いっぱしりのような仕事で友人と郊外にある既に閉鎖された廃工場に侵入した時に不幸にも謎の古代遺産(オーパーツ)と遭遇。死にものぐるいで走りながら逃げ、なんやかんやで道で行き止まり、万事休すかと思っていた途中で彼女が落ちてきた。

 もう一度言う、落ちてきた。

 落ちてきたとだけ言えば、旧時代の国民的映画の如く淡い光を放ちながらゆっくりと落ちてくる幻想的な光景が想像できるかも知れないが、そんな精神的にも物理的にも優しい落ち方ではない。

 こう、メジャーリーグでのサヨナラホームランのような、でなければミサイルが地上に突っ込んでくるような、とにかくそんな幻想をぶち殺すかのような勢いで彼女は古代遺産に激突した。

 大破した古代遺産の上に立った、何故か無事な巫女服少女。

 彼女はそのまま、凛々しい顔と真剣な眼でこう言った。

 

「問おう──お前が我のマスターか」

 完全に人違いだった。

 

 その後、聞いてみれば神様じょーくじゃとか言い出したり、我は天照の分霊でもうそろ世界滅ぶっぽいから止めに来たぞとか、どう考えても世界レベルの異常事態をさらっと口走り、その後政府に連絡したら警視庁に連れてかれたり、総理大臣と面会させられたり、一緒にいた同じく掃除部の凪は「彼女は鏡を気に入ったらしいんで俺帰りますね」と全ての責任を俺に(なす)り付けさっさと家に帰ったり、そんなこんなでなんやかんや、斯々然々(かくかくしかじか)紆余曲折(うよきょくせつ)して彼女の面倒を見ることになってしまった。

 改めて言わせてほしい──どうしてこうなった。

 結局世界が滅びる話はまだまだ数年から数十年単位で先のことのようで、何だまだまだ時間あるじゃーんと余裕でいたらちょっと事件に巻き込まれて死にかけたので、真面目にどうにかして彼女の用事を済ませようと躍起(やっき)になろうとしたものの、よくよく考えたら政府が勝手に解決してくれんじゃねと思い当たり、どうしようもなーいじゃーんとか愚痴(ぐち)りながらダラダラして今に至る。

 そして今日。

 彼女の以前からの要望で、少し遠出して大きなデパートまで遊びに赴いたわけだ。

 どうやら彼女は長い間高天ヶ原(たかまがはら)に引きこもっていたらしく、こちらの世界には疎いようで、以前から気になっていたデパートというものに行ってみたくなったのだという。高校にいきなり転入したと思ったら速攻で作った友人に聞いたらしい。ちなみに金は政府が出した。お疲れ様です。

「さーて、まずは何から行こうかのうー? ピコピコ? それとも映画か? おう! あっちには駄菓子屋もあるではないか。上の方から良い匂いもするし、これは……迷ってしまうではないか!!」

「落ち着け」

 近くにいた優しげなお兄さんにぶつけた顔を心配された後、デパートに入って早々に天のテンションは爆上げ状態だ。黒曜石(こくようせき)のようなキリッとした眼をキラキラさせ、長い黒髪があちこちに振れていく。

「ゲーセンは地下か……天、ピコピコは飯食った後にしないか? そのテンションじゃ帰るときには潰れちゃうぞ?」

「馬鹿にするな鏡よ。我の性能(スペック)の高さはお前も知っているだろう? 身体能力であれば、ラノベに良くある特典貰った転生者並の能力は持っておるぞ」

「その知識はどこからきてるんだ? ……天が言うなら別に良いけど、疲れた後に昼食食べて、お腹一杯で寝ちゃっても知らないぞ」

 モーマンタイじゃー! と声をあげながら地下に繋がるエスカレーターに突っ走っていった。低い身長も相まってかどう見てもはしゃいでる小学生にしか見えないけどあれでも神様何だよなーとか思いつつ、僕もエスカレーターに向かおうとしたが何故か彼女は上りのエスカレーターに乗って戻ってきてしまった。

「? 何やってんの?」

 まさかエスカレーターの乗り方が良く分からないとか……いやないな。降りたなら待ってれば良いし、そもそもエスカレーターなんて家の近くのスーパーにだってある。たまに母さんと買い物に出かける彼女なら知っているはずだ。

「いやそれがな、下に行ったらこれが落ちていた」

 と言って彼女が見せてきたのは、よく分からない機械でできた腕輪だった。

 全体的にメカメカしい意匠(いしょう)が施してあり、一見すると腕時計のようにも見え、ダイアルのある場所は四角形になった液晶が付いていた。

「なんだこれ……昔流行った腕時計型の携帯電話みたいだけど……それにしては……こう、メカっぽいな」

「我の予想では、これは腕時計型の麻酔銃じゃな。おそらく近くに見た目は小僧で頭脳は大人の名探偵がいると睨んでいるのだが」

「そんな蝶ネクタイ着けた死神みたいな奴がいるとか止めてほしいんだけど……多分そいつなら時計とか落とさないんじゃない?」

「そこじゃよ。我が気になったのは」

 はい? とつい呆けた声を出してしまった。

「時計ならば、どこかに外したまま置いてくることもあるじゃろうが、これはすぐそこの、地下にある自動販売機の横に落ちてたんじゃ。着けていたなら落とすことなど無いじゃろうし、外したままの時計を落とすこともそうあることではあるまい」

 それは……確かにそうだ。トイレやレストランに置き忘れるならまだしも、そこらの床に落ちているのは不自然だ。

 なんというか、こういうところの勘の鋭さはさすが神様、といったところだろう。

「のう、鏡。これは落とし物として届けるべきかの? 我にはわざと拾わせたようにしか見えん」

 天が(いぶか)しげな目線で腕輪を睨んでそう言ったとき。

 ピロリン、というポップな音と共に液晶に光が点いた。

『適合者を確認しました。腕輪を腕に着けてください』

 流暢な合成音声が鳴り、その文言が液晶に映る。

 どう考えても勝手に起動したようにしか見えないが……何かの生体認証でも付いていたのだろうか。

 しかし、怪しすぎる。メチャクチャ怪しすぎる。

 なんていうか、僕にはどう見ても面倒事の予感にしか見えない。見た目もそうだが状況が既に厄ネタにしか──。

「えい」

 ガチャン。

「って何付けてんの天さぁぁぁん!? 今のはどう見たって嫌な予感しかしなかったよね!?」

「いやーついのぅ。新しいピコピコかと思ってな」

「絶対嘘だ! なんか面白そうとか思っただけでしょ!」

「否定はしない」

「頼むから否定する努力と行動をしてよぉぉ……」

 項垂(うなだ)れて膝をついてしまった。

 ……忘れていた。完全に忘れていた。

 彼女はこう見えても神様なんだ。

 退屈しのぎに人を逆境に(おとしい)れては爆笑し、かと思えば気に入った人間にはちょっかいをかけまくって死なせたり、勝手な事情で戦争起こしたりするようなロクデナシ──北欧神話において天災の象徴として描かれていたような存在だ。

 彼女はあくまで分霊であり、本家大本の天照とはほぼ違う存在らしい。が、神としての性格は同一のようで良く言えば好奇心旺盛(おうせい)、悪く言えば面倒事にわざと首を突っ込む性質(たち)──!!

「…………はぁ」

「何じゃため息()いて。」

「いや、天も神様なんだよな、って思って」

「何を今さら。我は大本に創られた時から神じゃよ」

 彼女はそう言って腕輪に視線を落とす。画面を見れば『Now Loading…』という文字と結構な早さで満たされていくゲージ。

 数秒でゲージは全て白くなり、そして文言と共に音声が流れる。

『周辺世界の解析を完了。

 これより「Re:survival」を開始します』

 

 瞬間──世界が天を起点に広がった。

 

「なん……!?」

 青い光が一瞬で広がった瞬間、デパート内が書き変わる。大体の輪郭だけを残し、あらゆる物質からその上書きをするように見た目(デザイン)変貌(へんぼう)した。幾何学的な造形と幾つものコードのような線がそこら中に引かれる。至るところに手を広げた人のようなエンブレムが刻まれ、チカチカとボタンのような明かりが点いている。

 宇宙船、もしくは未知の研究所。真っ先にそれらの印象が頭に浮かんだ。

「なんだ、これ。やけに先進的な……」

「それだけじゃないぞ鏡。周りの人間を見よ、気付いていないぞ(・・・・・・・・)

 言われて、気付く。

 周りにいる人が、何のリアクションも示していない。それだけでこの異常事態に気付いていないことが理解できる。

『ようこそ「Re:Survival」の世界へ!』

 その時、上空の方から声が聞こえた。まるで体験型アトラクションのように電子音のBGMが響いてきた。更に腕輪からゲームの広告のような立体ディスプレイが飛び出る。

『このゲームは対戦型のARガンシューティングゲームになります。

 制限時間は六時間。

 その時間内に一定範囲内において本作品のプレイヤー全員で戦い、最後の一人になった時点で終了となります』

 そんな電子音が何処からともなく流れてくる。

「まさかこれ……ARか?」

「えーあーる?」

「簡単に言えば、現実の世界をゲームの世界みたいにする技術だよ。ここまで大規模なのは昔遊園地で見て以来だけど」

 Augmented Reality──直訳すれば拡張現実。

 文字通り人の現実に視覚や聴覚、嗅覚などの情報を追加することによって現実を拡張する技術。

「ARは昔から研究がされてて、今なら首に専用のアタッチメントを付ければ視界の中に自分にしか見えないディスプレイを表示したり、そのままパソコンみたいに使えたり、そういう便利な事が色々出来るようになってるけど……腕に付けただけでここまで現実に近づけるなんて……」

「じゃが鏡はゆうえんち、とやらで遊んだことがあるのじゃろ?」

「それでも頭に眼鏡みたいな奴を付けたよ。さっき言った首に付けるのだって、視覚と聴覚を接続するのに手術が必要なレベルだ」

 間違いなく異常……ではあるが、それでも思っていたより深刻じゃない。これで付けた腕輪が爆弾で二十四時間以内にミッションを達成しないとデパートごと藻屑(もくず)になるなんてことにはならない……はずだ

「……良くわからんがピコピコなわけだな。構わんぞ、遊び尽くしてくれる。で、これはなんてゲームじゃ?」

「ええと……ガンシューティング、ってことは銃で戦うゲームってことだね。参加人数は……天で百人目……あれ? これもしかして僕も人数に入ってる? でも腕輪なんて……」

『なお、本作品は腕輪を起動した際に一緒にいたお友達もプレイすることができます。仲良く一位を目指しましょう』

「あぁ、そうなの……」

 それは……ゲームとしてどうなんだろうか。

 友達が周りに十人くらいいたら皆仲間になったり……いや人数制限くらいはあるに違いない。そうでもしないとクソゲーの罵りは避けられないだろう。

『百人目の参加者を確認。これよりゲームを開始します。

 開始時刻は10:00。

 それまでにルールをご確認の上、参加準備を整えて下さい』

 その文言の後、天のディスプレイにメニュー画面が表示された。そこでルールの説明やその他の要項が確認できるようだ。

 ──さて、と状況を再確認する。

 強制参加型のARゲーム。

 それだけ聞けば、理不尽に思ったりしても、結局は誰かの悪戯──この規模なら企業規模のだが──か、もしくは何かのイベントやデモンストレーションにも見える。ガンシューティング、ということは体と体でぶつかるような物騒な響きには聞こえないし、むしろ健全な方ではある。盛り上がったあまり怪我をする、なんてことはあるかもしれないが、取り敢えずさっき思ったように死ぬような目には会わないだろう。

 なのに何故だろう。

 

 僕の勘が、その程度で終わるわけがない(・・・・・・・・)と言っている。

 

「……くそったれ」

 つい、恨み言が口に出た。

 昔から運が悪い気質だった。子供の頃から事故にあいかけたり、事件に巻き込まれたりしたが、最近はもっと酷くなった。今回も嫌な予感が止まらないし、正直気味が悪い。

 こういうときは何時も何か良くないことが起こるのは経験則で分かってる。

「鏡よ」

 ──不意に『(名前)』を呼ばれた。

 見れば天が優しげな顔でこちらを見ていた。その顔が、ずっと昔、不運に合い続けて泣いていた僕を慰めてくれる祖母の顔と、何故か重なって見えた。

「お前は本当に(かがみ)じゃのう。良くない事を考えているのが顔に出ておる」

「……元を正せば、お前が運んだ不幸だからな」

「うむ、すまんな。許してくれ」

 口から零れた非難の声は、優しい声音で受け止められた。

「じゃがのう、我が拾ってこなければ他の人間が巻き込まれたに違いあるまい。そうすれば我らはこれを見過ごしてしまっていたじゃろうし、それは我の主義に反するのだ」

 この国の者は我の末裔(まつえい)が創ったものじゃし、と彼女は得意気に笑う。

 確かに天皇家の祖先は天照って言われてるけど……

「それ、持統天皇の創作だろ?」

「それがのぅ、ぶっちゃけ良くわからんのじゃ」

「はぁ?」

「前にも少し言ったかも知れんが、我ら神々も全てを知っているわけではない。『自分が何者か』は正確に知っていても『自分は何であるか』はどうにも曖昧(あいまい)でなぁ。人間は我らを神と呼んだが、我らが本当に元からいたのかは定かでないし、もしかしたら人間が我らを神と呼んだから生まれたのかもしれん。……もしくはどっちも本当なのかもしれんがな」

 卵か先か、鶏が先か、あるいは両方か。

「じゃからな、あんまり深く考えるは止めい」

 天はそう言って僕の眉間を指で軽く押す。

 何時もみたいに、楽しそうに笑って。

「人間は複雑に物事を考える生き物じゃが、別に今でなくても良い。まだ何が起きているのか全く分からんのじゃからな。問題なんてものは、起きてから考える物じゃ。

 それでも心配だと言うなら、最後は我のせいにしろ」

 飄々と流すのではなく、あるがままに笑うように。

「全部我らのせいで良い。

 困ったら我らのせいで良い。

 辛いなら我らのせいで良い。

 分からないなら我らのせいで良い。

 悲しいなら我らのせいで良い。

 逃げたいなら我らを言い訳にせい。事故が起きたら天罰とか神の気紛れで構わん。どうしようも無いときも、道を踏み外した時も、一歩も前に進めない時も、我らは人間の言い訳になろう」

 そんなことを、彼女は笑っていうのだ。

 

「じゃから──気楽に生きよ」

 

 微笑む彼女の顔は、女神に相応しい笑顔で、母親のような優しい顔で、太陽のように暖かかった。

「……っ」

 下を向いた顔を、無理矢理上げる。そうしないと何かが溢れそうだったから。

 数秒、上を向く。

 そして、僕は。

 

「格好付けんなバーカ」

 

「なっ!? そ、それはないじゃろ!? 今の我すっごい良いこと言ってたじゃろ!?」

「そんなの知らないね。今時何でも神様のせいにする人間なんていないんだよ。雷も台風も病気も何も、全部科学とかで証明できるからね。ぶっちゃけ神様なんて要らないからな」

「い、いるし! 超いるしっ!今でも絶賛崇められてるもん!!」

「その中にどれだけ本当に、心の底から有り難がっている奴がいるかなー」

 そして()は、胸を張って笑う。

「人間はもう自立してる。神様のせいなんかにしないよ。

 だから天も──気楽に生きろよ」

 その言葉に、彼女は核心を突かれたかのように驚き、ついで泣きそうになり、最後に俺に殴りかかってきた。

「ちょ、ま、いったいいたいたい顔はやめ」

「うるさいバーカバーカバァーカ! このバーカ世界チャンピオンが! 珍しく気を遣ってやったらこれとか、骨折り損にも程があるわ!」

 彼女の柔らかい手が、わりと早い速さで飛んできては顔に当たる。

 普通に痛い。

 ──そんなことを数秒して、少し落ち着き。

「……はぁ、全く。ゲームをする前から無駄に体力を使ったわ。これで帰りに寝てしまったら鏡におぶってもらうからの」

「いったぁ……アザになる……。まあ、そのくらいならしてやるよ。天は軽いからな」

 そして俺は、気持ちを切り替えるように頬を叩く。

「さって、ゲームだゲーム。ゲームの時間だ。

 開始時刻は十時ジャスト……あと二十分位か。まずは場所を移動しよう。デパートと隣の公園辺りまでが範囲、結構な広さだ。スタート地点は自由に決められるみたいだから、何処か移動しないと」

「なんじゃ急にやるきじゃのぅ。まあ良い、ならば公園じゃな。激戦区の予感がする」

「それなら避けた方が……あ、これ一人倒すごとにポイント入って、そのポイントで武器ガチャ引くのか……これ運ゲーじゃね?」

「初期ポイントは1000、200で一回、銃と爆弾と回復系がランダムとな……あ、これもしかして二人で1000か!? 辛すぎじゃろ!」

「おおう……多人数プレイ対策がここに……。一人倒すごとに1000入るなら、まあやってられないことはない、か?」

「まあ、何はともあれ」

「あぁ、そうだな」

 

「──気楽にいこう」

 

 ──ゲームはまだ始まったばかりだ。




神楽 鏡
高校二年生。掃除部部員。
鏡と書いて『きょう』と読む。昔から不幸体質で、いつの間にかトラブルに対する耐性が付いたが本当に死にかけたのは久しぶりだったのでちょっとナイーブになってた。何時もは一人称が『僕』だが、やる気になると『俺』になる系男子。実は能力持ちだけど後々でてくるよ、多分。


神楽 天
高校一年生。掃除部部員。
天照だから『天』。基本的に自由奔放な性格だが、たまに母性的なものが溢れたりする。本家大本の天照大御神が諸事情で創り出した分霊だが、本人とはあまり性格が似てない。最近は下界のピコピコがお気に入り。いっぱいうごいておもしろいよね。



ラブコメを書くより遥かに筆の速度が早い……筆じゃないけど。
こっちの方がわりと気楽にできる感じ。白君も梓さんも面倒臭いし縛りがあるからね。でも頑張って書きます。


次次回予告
ラブコメの裏側で波乱の展開。色んな意味でやりたい放題。
崖っぷち? 命懸け? よろしいならば踏み越えよう。
次次回 ショッピングの裏側 ex-02。
スコープ覗けば、花が咲く。

ご期待下さい。




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