てかなんでこんなに長いんだ……これ番外編だぞ?
本編と関係ない所でなんでこんな文量書いてんだ私は……書き方もなんかブレブレだし……。
それでも良ければ、読んでやってください。
「と、言う訳なんじゃよ」
デパート前の公園にある遊具の一つに丁寧に正座で座った天がそう言って話を締めくくった。天の目の前にいる俺を除く五人はそれぞれで頷いたり納得したような顔をしている。
ジャングルジムと滑り台とシーソー、更にターザンロープにブランコ他色々な遊具をごちゃ混ぜにしたいっそ前衛的な芸術作品にも似た遊具のど真ん中に陣取った俺達は、既にいたゲーム参加者五人に事情を話していた。このゲームの真相──恐らく神の降臨という傍迷惑な目的と、その儀式場がデパートの屋上にあることだ。
「神の降臨、ね。まあ、あり得ない話じゃないだろうな。何せあれだけの魔力の流れだ、自然に出来るものじゃねえ」
納得がいったように話すのは大柄の男だ。パツパツのアロハシャツが妙に似合っていて、二つのボタンが開いた胸元からはチェーンがのぞいている。
どうやらこの五人組を仕切っている男のようで、その場に居合わせてデパートの様子が可笑しいことに気付き、何人か集めて強行突破でもしようか悩んでいたらしい。見た目は怪しいおっさんだが、堂々とした姿が様になっていて一種のカリスマすら感じられる。
「魔力の流れ……私には見えないな。ただのデパートにしか、私には認識できないよ」
「まあこればっかりは生まれついた能力だからな、純粋な人間には見えないだろうよ。俺は一応龍人の血が流れてるからな……四文の一だけだが」
壁に空いた小さな星形の穴からデパートを観察している女性が眉をひそめるのを、おっさんがフォローした。スラッと延びた手足を
話を続けろ、と言うことだろう。
「……そんなわけで、デパートの屋上まで行くのに協力していただけませんか? そこまで行ければ後は何とかするので、道中まで援護とか支援してくれると嬉しいのですが……」
慣れない敬語を使って五人を見ながら頼む。何せこの場のほとんどが俺より年上だ、ため口で話すのは
おっさんは腕を組んで唸りながら、
「と言ってもなぁ、協力するのは構わんが……問題はどうやって屋上まで行く? デパートの入り口に立っている奴らはどうやらあちらの味方のようだが、あれをどうにかしないと中に入れんだろ」
「……飛べたり出来ないのか? 龍人のクォーターなんだろ、アンタ」
おっさんの横に膝を立てて座った少年が呟いた。短く切った金髪をガジガジと掻きながら、目元が垂れた細目でおっさんを睨む。
「いやな、まあ翼出せば飛べないことも無いんだが……龍人の飛行は翼じゃなくて魔法で飛ぶんだけど、俺は昔から才能なくてな。そもそも龍人の飛行は大体が一人用だし、何人も乗せて飛べる物じゃないし……」
──龍人は人の形をとっている龍のことで龍を祖とする種や人を祖とする種など、幾つかの系譜に別れる種族だが、どの種であれ龍の姿かその一部を
ただし個人によって差は出るし、クォーターともなれば人間の性質の方が色濃く出ているのだろう。例え飛ぶことができなくても無理はない。
「そういうお前さんは? 見たところ純粋な人間じゃなさそうだが」
「……無理だな、他を当たれ」
そう言って少年は目を閉じて、
「むぅ、どうしたものか……流石に我も壁とか走れんし……鏡は何かないかの? 此処等で一発大逆転の一手をじゃなー」
「そんなものがあったら既に使ってるよ。……まあ飛んで屋上に直接行くのは良い手だとは思うけど、肝心の手段が無いんじゃな」
入り口にいる邪魔を無視して屋上に行けるならこれ以上ない策だが、それが出来れば苦労はない。やはり現実的に考えて入り口を突破、若しくは裏口から行くのが現実的だと思うが、どちらもあのパーカー集団が立っているだろう。時間がかかり過ぎれば儀式が終了してしまうかもしれない。
「「あのー……」」
一同が悩む中、手を上げたのは少年と少女の二人組だった。利発そうな顔の少年と、少し人見知りそうな少女が同時に声を上げる。
「む、どうしたのじゃ
どうやら少年の方は天のクラスメイト──俺と同じ高校の一年で知り合いらしい。曰く「隣の席の騒がしい奴じゃ。あとシスコン」らしい。隣にいるのは彼の姉のようで、少し
竜胆君は頬を掻きながら、
「いや、策ならあるっていうか……まあ俺がやるんじゃ無いんですけど、姉さんなら……」
そのまま彼は隣の姉を見た。本人は顔を赤くしながら、けれど意を決したように、
「……私なら、とべます。お二人……竜胆も含めて三人でも、屋上までなら、そんなに難しくない、です」
おおっ、と声が上がった。
「それは良い! なんとも頼もしい言葉じゃ! よし、そうと決まれば早速準備をしようではないか。我らは直接屋上に乗り込むとして……お主らはどうする? ここで待っておるか?」
「いや、俺は君達が乗り込んだと同時にデパートに突っ込むよ。元凶を倒すならゲームもお仕舞いだろうし、ついでにデパート内のプレイヤーにも声かけとくよ。もう終わるから遊ぼうぜって」
「……デパートに知り合いがいるなら強行突破も出来たんじゃないか?」
「本当は二人になるまで残ってようって話だったんだよ。てか知り合いというより嫁だし……てか突破する前にアイツに撃たれて負ける気がするっつーか……」
「そうか……まあ、俺も何人か撃っておくか。合法的に人を撃てるのは久し振りだ」
「私も一緒に行こう。キルが二人だけじゃ情けないしな」
どうやら残りの竜胆姉弟を除く三人は出発と同時にデパートに襲撃をかけるらしい。さっさと制圧できたら屋上までいくと言う話だが、出来ればそうなる前に決着を着けたい。
ピストルの残弾を確認しつつ、体を動かす。ここまで来たらゲームは関係なさそうだが、念のための保険だ。屋上では何が起こるか分からないし、アレを使うためにもすぐに動けるようにしておくべきだろう。
「そういえば竜胆の姉君よ。三人連れて屋上に行けると言う話じゃが、どうやってやるんじゃ? もしや其方、天才魔法使いとか超能力者じゃったりするのかのう?」
遊具から降りていく途中、思い出したように天は彼女に疑問を投げ掛けた。
確かに彼女が何をするのかは気になる。飛行の魔法であれば数人にかけるのは常人では不可能だし、超能力だったとしてもすごい才能だろう。
「ええと、あの……」
少し口ごもりながらも、彼女は遊具から飛び降りて、その言葉をはっきりと呟いた。
「──
瞬間だった。
彼女の姿が一瞬で霞んだと思えば、そこにいたのは一匹の獅子だった。
驚くべきはその大きさだ。さっきまでの百六十センチ程の少女が体高二メートルはある巨大な獣に変化したのだ。危うく右手に持ったピストルを落とすところだった。後ろの天が
「はいはーい。さっさと乗った乗ったー」
後ろから竜胆が急かす声が声が聞こえる。少し迷ったが、モタモタしてるとデパートから狙撃されそうなので意を決して遊具から飛び乗る。
背中は思っていたよりゴツゴツしていたが、柔らかい毛皮のお陰で快適な乗り心地だ。自分よりも大きな動物に乗って少し感動していると、天と竜胆も乗ったようで後ろから天が腰に手を回してくる。
「……何でさらっと手を回してるんでしょうか?」
「い、いや。別に怖いとかじゃないぞ? 思ってたより安定感があって逆に不安とか、視線が高くて違和感があるとか、そういうことで別に深い意味はない、ないぞ。」
それ墓穴掘ってませんか? というツッコミはしない。すると面倒だろうし。
「お楽しみ中すみませんがさっさと行きますよ、急いでるんでしょ? ──っとその前に、天のお兄さんっ」
……確かに天は名目上俺の家の養子になってはいるけど、妹かと言われるとちょっと違う気がする。
そんなことはさておき、その声に対して後ろを向くと、竜胆が紙袋を差し出してきた。受けとれ、と言うことなんだろう。躊躇いながらも手を伸ばして紙袋を取った。
「これは?」
「最強の盾ですよ、危なくなってもこれを盾にしとけばなんとかなります。天は大丈夫そうですけど、お兄さんは体は普通そうなので持っておいてください」
俺は多分当たらないんで、なんて竜胆は笑った。
「そ、そっか……ありがとう、竜胆君」
「竜胆で良いですよ、お兄さんの方が年上なんで。
──それじゃあ、いっちょ跳んでくれ、姉さん」
『
獣がうなり声をあげると、足元から光の帯が棚引いて昇ってくる。夥しいほどのルーンが刻まれた光帯は獣の足を包み、包帯のように巻き付く。
瞬間──駆けた。
躍動する体が地を走り、気付けば公園を踏破する。
デパート前の道路に差し掛かり、そして跳んだかと思えば──そのまま空間を
慣性の法則で上乗せされた重さが体にかかる。だがそれすら気にならないくらいの驚きがあった。
「く、空間跳躍(物理)って……一体何者なんですか君のお姉さんは」
「ただのしがない小学校の先生ですよ」
『
こんな小学校の先生がいてたまるか……と一瞬思ったけどそういえばうちの高校の先生も可笑しい奴しかいなかった気がする。
これが世界か。
そんなことを考えられたのは数秒で、一瞬の浮遊感を感じたと思うと体にかかる重力が戻る。
周りを見ればそこは屋上の駐車場だった。車の類いは一つも停めてないが、長方形を作る白線がそこかしこに引かれている。
更にその上から白い線が駐車場の真ん中を起点にするように幾つも伸びていた。それはまるで
だが、きっとこれは心臓とは役割が逆の代物だ。脈打つ線のうねりは中心へと向かっている。これは心臓ではなく脳に近いナニかだ。
「──まさか地上から跳んでくるとは驚いた。館内にも幾つかトラップを仕込んでおいたのだが、これでは意味が無いな」
屋上の中心。そこに有ったものは三つ。
一つは何かのモニターだった。何の支えも無いのに空中に浮遊し、屋上の床に自分を中心とする魔方陣を描いている。
一つは人だった。デパートの入り口にいた彼らと同じく黒いパーカー。胸にはゲームのシンボルマークを着けた青年だった。流石にサングラスはかけていないが、首謀者までパーカーなのは何故だろうか。
男は口の端を吊り上げながら言葉を発した。自分に酔っているかのような気持ちの悪い笑いが気持ち悪い。
そしてもう一つは──魔力の塊だった。
青年の後ろで空中に浮かびながら、不規則に循環するカラフルな球体は、
「……少し遅かったかのぅ、魔力が常人にも見えるくらいに圧縮されとる。下手に扱えば爆発するぞ、アレ」
そう言いながら天が獣から飛び降りる。俺も慌ててそれに習い、よろめきながらも着地する。
竜胆も同じように降りると、青い獣の姿が霞み、気付けばそこには先程見た少女が立っていた。フラッと後ろに倒れそうになるのを竜胆が支える。
「お疲れ様。少し休んでてくれ姉さん」
「う、ん」
そう言って竜胆は姉を座らせてこちらを見た。
分かっている。後は任せてほしい。
天と二人。並んで男を睨む。不適な笑みを絶やさない男は、不意に手を叩きだした。
ぱん、ぱんと。面白いものを見たと言わんばかりに、拍手する。
「いやはや、お見事としか言いようがない、良くここまでたどり着いたね。君達四人が、私と共に我らが神の降臨を見届ける……これほど喜ばしい事が他にあるだろうか」
心底楽しげな顔だった。
気持ちの悪い笑顔だった。
「……どうやら我の考えは合っていたようじゃの……ゲームという魔力の源にして奉納、腕輪を通してデパートに吸い上げた魔力を屋上に集め、
「そういうこと。いや、実に良い拾い物をしたよ。苦労して手に入れたは良いけど、ゲームしか出来ない役立たずの
いや、本当に便利だよこれは。細かいことは弄れないけど、結界を張るのは自動で出来るし、私達の教団のエンブレムも魔術的な記号として組み込めた。魔力の吸収はゲームの仕様に無かったけど、なんてことはない、腕輪に陣を仕込んどけば良いだけの話だった」
何が楽しいのか、いきなり饒舌になりだした男はそんなことを話始めた。
やはり古代遺産、面倒なことしか起こさない。
「そんなことはどうでもよい。犯行の背景など警察に捕まってから話しておけ。我が聞きたいのはただ一つじゃ──貴様、誰を呼ぼうとしておる?」
そう、問題はそこなのだ。
誰を呼ぶか。正確には、誰を降臨させるか。
──神が降臨することは新世界になり、幾度か起きた事例だ。何年かのインターバルで誰かが降臨し、そして降臨される神によって世界は何度も揺れ動いた。
『
『
『白き大地』
大きな事件はこの三つだが、この他にも神の起こした混乱は幾つかある。そのどれもが大衆的、局所的にかかわらず、総じてロクな事にならない。
だからこそ大事なのは呼び出す神についてだ。その神如何によって、それこそ日本の命運が決まると言っても過言ではない。
「──名前なんてないよ」
「「はぁ?」」
だからその言葉には心底驚愕した。
「我らが神は世界の大いなる意志そのもの、運命を操り世界を創り人を動かす、自然の具現。
だから名前はない。
呆気にとられた。
開いた口が塞がらなかった。
「お、お主、自分が何を言っているのか分かっておるのか? 自らの神に名を付けず、あまつさえ降臨させる? 貴様も魔術の一端を担うものならしっておるじゃろ! 『結果を想定しない魔法』は必ず失敗することを!!」
そうだ。
魔法の本質は『信じる』ことであり『定義する』ことだ。先の結果を想定し、信じることで魔法というシステムは動き出す。そんなことは中学生の授業で最初に教わる基礎にして全てだ。
なのに自らが呼び出す神を定義しないということは、結果を想定していないということ。俺みたいな才能のない奴でも、見えるようになるくらいの魔力の量と圧力で失敗などしたら、何が起こるか本当に分からない──!
「勿論知っているさ。だけど私は止まらない、すべては我らが神の意志と共にあるからね」
「こ、のっ、狂信者めっ! いくぞ鏡! この馬鹿を止めるんじゃ!」
そう言って天は駆け出した。弾丸のような速さで飛び出し、男を抑えようと腕を構えた。
男は悠々と足を肩幅に開き──その体勢で
「っ!」
天が身を捻り、体を無理矢理横にずらして射線から外れる。次の瞬間に、そこには蜂の巣が空いていた。
「速いね、流石に避けるか。まあ大丈夫、死にはしないよ。死ぬほど痛いだけだよ」
「……その銃、どこから出したんじゃ」
「私はゲームマスターだよ? 銃の一つや二つ簡単に出せるとも。それに不思議に思わなかったのかな、ARでできた虚像の銃が握れるなんて、人の五感をある程度支配できてないとやれる芸当じゃないってさ。君達の痛覚ぐらいなら再現できる」
──無茶苦茶だ。
相手は予備動作無しで好きな銃を呼び出せて、さらに痛覚も再現できる? なんだそのチートプレイは、ふざけてるのか。これをどう攻略すれば──。
いや、待て。
もしかしたら難しいことじゃないかもしれない。ゲームはまだ続いているということは、相手もゲームに参加してるということだ。例えHPが無限にあろうとも、銃が何でも呼び出せたとしても、恐らくはあれは防げない筈だ。例え防げても、隙は必ずできる。
……やってみる価値はある。
一瞬、天の方に目配せをする。こちらを向くことは無かったが、小さく頷くのが見えた。
竜胆のくれた紙袋で体を隠したまま装備していたそれに手を伸ばす。
掴んで、ピンを抜く。爆発まで三秒のタイムラグの内、二つ数えたら、走る──!
男がこちらに気付いて銃を構える前に、それを投げる。格好の悪い下投げだが、視界に入れば良い。
──光が、閃いた。
「なっ、くっ!?」
あまりの明るさに、男が顔を腕で覆う。それもそのはず、投げたのは閃光手榴弾。効果範囲が広いくせに、二秒しか視界を防ぐ効果のない産廃仕様なのは知っている。ゲームマスターに効果時間があるのかすら確かではないが、一瞬の隙があれば十二分だ!
走る。走る。走る。狙いは一つ、魔力の塊に触れればそれでチェックメイトだ──!!
「つ、くそっ!」
未だ良く見えていないのか、半開きの眼のままこちらを向いて男は銃を構える。天は間に合わない、適当な照準でも、あれは流石に当たるだろう。
「「はいぃぃぃ!?」」
驚いた。てか変な声出たわ。敵と声被ったし。
持ってる手への衝撃すらない、まるで全てのエネルギーを跳ね返しているような感覚に怖がりながらも感謝し、そのまま突っ切る。
男が痺れを切らしたように機関銃を何か
「させるかーっ!!」
「ぐぼぁっ!?」
天が、跳んだ。
あまりの衝撃に屋上の床が吹き飛び、風切り音が鳴る。音速に到達するほどの速さで、天の飛び蹴りが男の横っ腹を突撃し、そのまま吹き飛ばした。
「っ、鏡、魔方陣を!」
「任せろ!」
そのまま俺はモニターを素通りし、魔力の塊へ走る。モニターを弄ってる時間が惜しい、何より解決策なら自前で持ってる。
魔力の塊の前、カラフルに蠢くそれの前まで走り、最強の縦である紙袋を横に置く。そうして空いた右手をポケットに突っ込み、それを掴んで出した。
掴んだの──USBメモリー。時代と共に一度衰退したが、紛失防止や耐久力の問題で最近再注目されて使われ出したそれを、そのまま魔力の塊に突き刺し、叫ぶ。
「──
刹那。
本日二度目の閃光が屋上で瞬いた。
「──以上が、今回の事件の概要になります」
「そうか、ご苦労。持ち場に戻ってくれ」
その言葉と共に一人の刑事が頭を下げ、自分の部下の元へと歩き出した。俺は報告された内容を自分の頭の中で整理しつつ、周りを見渡した。
場所はとあるデパートの屋上。普段なら昼御飯を食べた家族連れが粗方の買い物を終えて帰りの準備をする午後四時頃、帰り出す車がちらほらと見える時間帯だが、現在は車は一つもなく、代わりに何人もの鑑識がそこら中を調べていた。フェンスから下を覗けば、そこにも何人かの警察官が事情聴取をしている筈だ。
「……新興宗教による、名もなき神の降臨……ねぇ。宗教家の考えることは良く分からんな」
今回の騒動はデパート及びその周辺で行われたとある儀式らしい。古代遺産も持ち出しての大規模な事件だが、一般人数人の奮闘により鎮圧、事件の解決に成功した、とのことだ。
そしてその一番の立役者が……。
「あそこで何故か、正座してる子達で良いんだよな?」
屋上の隅に目をやると、其処には今回の立役者がいた。
一人は少年が、なんか正座してる。
一人は少女が、なんか説教してる。
そして
「……で、どういう事か今一度説明して貰いたいんじゃが。のう、鏡や」
「い、いや、ですからね天さん。ぼ、
「ほうほう」
「一応僕の能力で事象にハッキング仕掛ければ、数秒は何でもいじくり回せるしなーなんて軽く考えてたんですけど、よくよく考えたらあの規模の魔力とかどうやって使いきれば良いんだよとか思いまして」
「なるほど」
「だ、だから──いっそのこと魔力固めて神様作っちゃえばいんじゃねと」
「……はぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁあぁぁあ?」
「ほ、ほら。天が言ってたじゃん。神って基本魔力の塊だとか。だったら後は僕の能力で『神の鋳型』を創っちゃえば後は勝手に固まって万事解決じゃん?」
「馬鹿なのか、お主。いや馬鹿じゃ、大馬鹿じゃ! なんで神が降臨するか否かの事件真っ最中に神創っとんじゃボケ茄子がぁぁぁ!」
「ひいぃぃ、だ、だって、天だって一応神じゃん? だから天を参考にすれば上手くいくかと思って……」
「……ぅん……パァパ……」
「それでなんで幼女出てくるんじゃ! そんなにか、そんなに我は小さく見えるか!? お前の中の我小学生かっ!!」
「いや、これは鋳型作るときにちょっと魔力逃げちゃったから幼女になっただけで深い意味はですねぇ……」
言い訳ぇ、無用ッ! という声と共に叫び声が聞こえてきた。
鶏を絞め殺すような声だった。
「……早くあの子達の担当来ねぇかなー」
話によると、彼らは色々訳有りらしく、特別な担当部署が政府でも置かれているらしい。さっさと回収してあげてくれ。機密が大声でバレていってるぞ。色々聞いちゃいけない内容が暴露されまくってるぞ。止めないけど、てか怖くて止められないけど。
だがまあ、最後に言わせてもらうなら。
「幼女に『童貞を殺すセーター』は……流石にどうなんだ?」
少年少女の正気をちょっと疑った。
一応、設定は考えていたので紹介。
アロハのオッサン
元自衛隊の退役軍人。まだ四十代だが、足の怪我が理由で同じく元自衛隊の嫁と一緒に退職後、まさかの出来ちゃった婚。その後はわりと高い事務スキルを生かし、建築系の会社の経理を担当している。
嫁が戦闘狂なので、結構苦労人。このあと嫁と二人で夜の街へと消えていった。
クールっぽいお姉さん
普段は普通のOLのお姉さんで、現在元メイドの女性と同棲中。共同生活がわりと楽しくなってきている。同居者を見る目が熱っぽい時があるが、多分気のせいだネ。
キル数を稼いでホクホク顔のまま買い物をした後、帰宅して普通にカレーを食べた。
パツキンの少年
元転生者にして現高校生。戦場の匂いに引かれたけどぬるま湯のような雰囲気に内心がっかり。オッサンがタダ者じゃないことに気付いてたり、魔力が見えてたり謎が多い若者。
キルを稼いだ後は空しい顔で帰宅。夕食を食べに来た幼馴染みに心配で泣かれてオロオロした。
新興宗教団体の構成員たち
モブ。デパートの入口で足止めしてたら青いライオンが空飛ぶし変な奴等が特攻してくるし妊婦さんが笑顔で襲ってきたんだけどどういうこと?
新興宗教のリーダー
黒幕。神様呼び出そうとしたら脇腹に飛び蹴りくらったでゴザル。その後、ピカッてなった後にいた全裸の幼女が我らが神だと思い鼻息荒くニュータイプな動きで近付いたが、神からの神託「……やっ!」により撃沈した。
古代遺産『Re:survival』
とあるゲームの試作機。内容は適当にFPS。ぶっちゃけ作者もあんまり良く考えてないので脳内保管必須。
ただ、これひとつで結界(実際はただの空間の区切りだが魔法的な記号を貼り付けまくって結界にしてる)を張り、ゲーム中はGM最強空間を創りだせるヤベー奴。ぶっちゃけ古代遺産はヤバい奴しかないけどこれはまだ少しヤバい奴。プチヤバ。
『黄昏』
『善悪戦争』
『白い大地』
神とか言うキチガイが起こしたヤバい事件。設定は作ってるけど多分本編には絡まない。だってラブコメ関係ないし。
童貞を殺すセーター
最強の盾。物理的防御、魔法的防御のどちらにも優れ、更に空間を動く情報的打撃にも対応できるスゴい盾。一度軍事利用が打診されたが「これ以上日本を変態国家にしないでくれ」と当時の首相がガチ泣きしたためお蔵入りになった。
そんなわけでやっと番外編が終了。
リアルの都合で色々有りまして更新が途絶えましたが、このあともきっと不定期更新なので気長に待っててくれると嬉しいです。
次回はちゃんとラブコメだから。詐欺じゃないですよ?