biohazard supplementary biography”NT”   作:ナッツガン

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東スラブ共和国内で問題が起きていた。
俺は単身東スラブ共和国に侵入していた。


ダムネーション①

 

 俺は今まさに教会の中に入ろうとしていた。

 外では少ないこの国の兵士が、必死になって抵抗を続けている。

 教会の出入り口は鍵がかかっておらず、すんなり入れた。

 俺は教会の中の様子を確認すると、ハンドガンを構えながら入って行く。

「誰かいないのか?」

 念の為に呼び込むが、反応が無い。

 俺は足音がしないように、忍び足で歩いて行く。

 そこそこ広い教会は二階がみえず、出入り口以外にドアが二つ付いていた。

 しかし、外の様子を見る限りでは二階に上がる階段が何処かにあるはずだ。

 俺は左右に分かれているドアの内、右側のドアに近づきドアノブを回す。

 しかし、鍵がかかっているようでドアを開ける事が出来ない。

「ぶち破ってもいいんだが……。外にプラーガに寄生された人間がいる事を考えると、鍵を探したほうが賢明だな」

 ハンドガンの引き金に指を置き、すぐに撃てるようにしている。

 そんな中、十字架の下から神父が這い出てきた。

 一体今までどこに隠れていたんだ?

「神父ならここの鍵を持ってそうだな」

 神父はゆっくりこちらに歩いてくると、俺は神父に容赦なくハンドガンを向ける。

 足に撃ちこむと、神父は痛そうに足をおさえた。

 俺はすかさず神父に近づくと、神父を蹴り飛ばす。

 神父はそのまま十字架に当たると、動かなくなった。

 神父の服の中から鍵が出てくると、俺はそれを拾う。

「これはもらって行くからな」

 動かなくなった神父を横目にそう告げつつ、俺はその場を後にした。

 先ほどのドアを鍵で開けると、俺は教会の中に入って行く。

 廊下の窓からは墓地の様子が見えており、街中ではいまだに戦闘が続いているようだった。

「政府軍もがんばるな」

 政府軍に関心していると、窓から道路を走る男を発見した。

「撤退命令が出ているはずだが?」

 それは俺が良く知る男だった。

「まあ、精々頑張ってくれよ。レオン」

 俺は教会の中を進んで行く。

 

 

 東スラブ共和国は東欧の小国だ。

 元は旧ソ連の構成国だったが、冷戦後に今の形になった。

 貧困問題を発端とする独立運動も、初の女性大統領の活躍で終焉を見た。

 しかし、政府が反政府側の自治区に有用資源を発見し、攻撃を再開した。

 この行為から再び独立運動が起こってしまった。

 そんな、東スラブ共和国で妙な情報をBSAAは捕えた。

 それも紛争地域で化物を見たという情報だった。

 それがBOWだとしたら、問題になる。

 紛争地域はBOWの実践テストなどに適している。

 どこかの組織が動いているのだとしたら、我々の出番だ。

 しかし、ガセネタの可能性もあったため、俺は単身東スラブ共和国に忍び込むことにした。

 本来ならジルと共に動くべきだが、アメリカ政府が動いている以上アメリカ政府との話合う相手が必要だった。

 アメリカ政府が撤退したのを見届けると、俺は潜入を成功させる。

 その中で発見したものは、予想以上にひどい状況だった。

 街中はガナードが徘徊しており、政府軍との戦闘になっている。

 反政府軍がこれらをしているのなら、俺達が闘うべきだが、どうも今回の事件は別の意志を感じる。

 俺は国内の事を知るべく、潜入を続けていた。

 

 

 教会の上から街中を眺めていると、あちらこちらから銃撃音と火が見えてくる。

 町中に火の手が上がっている。

 しかし、それとは別に大統領区にはいまだに戦闘が起きていない。

 やはりこの戦闘は何かがおかしい。

 そもそもどうやってプラーガを手に入れた。

 未だに量産の兆しを見せない、プラーガ。

「俺達の知らない所で何かが動いている。だとしたら……俺の取るべき行動は……」

 大統領に直接会いに行けばいいが、後々に面倒になりそうな予感がした。

 そう言う事はアメリカ政府に任せておこう。

 優秀なエージェントががんばってもらっている事だし。

 なら俺はプラーガの発信源を見つけるか。

 そう覚悟を決めると、俺は教会から飛び降りて道路に出る。

 ガナードとの無駄な戦闘を避けながら、商店街へ移動を開始した。

 さて、ここで進軍ルートが三つある。

 大通りを通るルートとスラム街を通るルート、大統領区を通るルートだ。

 もちろん大統領区は侵入したらアウトだ。

 スラム街は囲まれたら終わりだ。

 という事で大通りを通る事になるのだが、思いっきり進行ルートにガナードが群れを作っている。

 あそこを通って行くことはできるが、疲れそうだし……。

 何よりめんどくさそうだし……

 何か無いかな?

「スラム街はもう遠いし、大統領区は無い」

 となると、地下下水道コースになるな……

 あそこはくさくて嫌なんだが、仕方が無いか……

 俺は近くのマンホールを開けると、飛び込んで行く。

 下水道に入り込んで周囲に確認する。

「ガナードはいないようだな」

 下水道内を歩いて行くと俺は複数の声が聞こえてくる。

「長老が死んだって本当なのか!?」

「俺達はどうなっちまうんだ!?」

「知るかよ!」

 三人だという事は聞き取れるが、どうやらこちらには気づいていないようだ。

 俺は三人に付いて行くと、地下下水道内にある彼らの基地にたどり着いた。

「そもそも長老はあんな気持ち悪いのを、どこで手に入れたんだ?」

「さあな?」

 三人は小声で話しているようだが、その内容はうまい事聞き取れない。

 まあ、下に居る人間が知っているとは思えないが。

「他の場所を回ったほうが良さそうだな」

 

 

 俺は下水道内から出てくると、うまい事商店街にたどり着いた。

 地下駐車場から誰か人が出てくるので、俺は物陰に隠れた。

 駐車場からはレオンが出てくる。

「頑張ってるなレオン」

 レオンが通り過ぎるのを待つと、俺も地下駐車場に入って行く。

 中は薄暗く多くの車がある事は分かる。

 駐車場内が案外高いせいか、多くのトラックが止められている。

 俺はトラックに手を当てると、駐車場内に何かが落ちる音が響く。

「誰だ!?」

 音がした方に向かって警戒しながら進んで行く。

 駐車場の端にたどり着くと、ドアを開けて中を進んで行く。

 迷路のようになっている道を進んで行く。

 ハンドガンの引き金を引く用意をしている。

 再び音がしたが、俺はそれとは別の方にハンドガンを向ける。

 ライトを持ちながら近くにいた人影を確認する。

「エイダ?」

「あら、ベル?」

 そこに居たのはエイダ・ウォンだった。

 ラクーンシティなどで暗躍をしてきたスパイだ。

 スーツ姿でこちらにハンドガンを向けてくるエイダ。

「だったら言えばいいのに、あいさつ程度で大げさだな」

「普通のあいさつがお好みなのかしら?」

 俺は元の駐車場に戻ろうとすると、エイダが言ってくる。

「ここ迷路になってるんだけど、帰り道分かる?」

 わかりません。

 俺はエイダの方を見つめると、エイダはこっちよと言って案内を始める。

 俺はエイダの後に付いて行く。

 数分で地下からの脱出をすると、エイダはいつの間にか消えていた。

「まあいいか」

 良くわからない場所にたどり着いてしまった。

 高い場所にでも上がれば現在地が良く分かるのだが。

 俺は周囲に高い高い建物を探し、歩き回ると高い塔を見つけた。

 俺は塔に走って近づくと、梯子を上って行く。

 塔の一番高い場所に上り着くと、自分が今どこにいるのかをはっきり確認する。

「教会が遠くにあるな」

 大統領区もまた遠くにあるという事は、今俺がいる場所はかなり町のはずれにいるようだ。

 どう行くかを考えていると、俺はエイダの向かったであろう大統領区に向かう事にした。

 大統領区はかなり遠く、俺はゆっくり梯子を降りて行く。

 そして、大統領区に向けて歩いて行く。




次回予告

『ダムネーション②』

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