biohazard supplementary biography”NT” 作:ナッツガン
バロクの物語を語ろう
私は違和感を覚えながら日常を過ごしていた。
幼いころから一人ぼっちだった私を誰も気にはしない。
私にとって世界はとってもちっぽけなものにすら感じた。
周りにいる子供たちはみんな日に日に減っては増える日々を続けていた。
ああ、なんてつまらない毎日なんだ。
そう考えながら私は大人になって行った。
十歳を超えるごろには私はアンブレラの研究員見習いとして研究所に通っていた。
周囲の人は私を疎ましいような視線を私に向けていて、私はそんな視線を迷惑に感じている毎日を過ごしていた。
つまらない毎日だ。
そんな感じを受けながら私は研究に励んでいた。
それだけが私と世界をつないでいる架け橋にすら感じている。
そんな架け橋はラクーンシティ事件によって壊されていった。
私はアンブレラ上層部の命令でベルトウェイの、移送の為にラクーンシティの地下研究所に来ていた。
上層部の命令に従うのは不本意だが、従わなければこちらの首が飛んでしまう。
そう考えると私がしている事はおかしな行為なのかもしれない。
そんな事を考えながら私は地下研究所の中に入って行った。
「やけに静かだな……どういうことだ?」
研究所がこんなに静かなのはいささかおかしい。
誰もいないみたいじゃないか……。
アンブレラの以降は効いているはずだ。
「誰かいないのか!?」
大きな声で叫んでみるが、返事がない。
仕方が無い、もっと奥まで行くか……。
奥まで進んで行くと、研究員の死体を発見した。
「こめかみに銃を撃っている」
自殺だ。
間違いない、彼らは自殺したんだ。
どうして?
その答えは、この先の部屋をみたらわかった。
第二研究所
ベルトウェイの実験をしていた研究所だった。
しかし、そこは既にもぬけの殻だ。
「どういうことだ?なぜベルトウェイが居ない?」
部屋を出て行くと、一室の電気がついていることに気づいた。
部屋の中には1人の老人が椅子に座りながら何かをしている。
「おい。ベルトウェイはどうした?」
老人はこちらを向かず、返事を返す。
「彼なら出ていったぞ」
「どういうことだ!?こちらで受け取る手はずになっていたはずだ!」
「彼の事が気になるか?そうだろな、自分の弟が出て行ったのじゃから」
今なんて言った?
「お……弟?何を言ってるんだ!?お前は!!」
「考えたことはないか?どうして自分が今まで一人だったのか?どうしてアンブレラにこんなにもあっさり入る事が出来たのか?っと」
考えたことが無いと言えば嘘になる。
考えたことがある。
どうして孤児である私が、アンブレラのように企業の研究員になれたのか?
言えば簡単だったのだ。
「お前さんの両親はアンブレラ内での地位を得る為に自分の子供の二人を売ったのだ」
「二人?二人だと!?もう一人いるのか!?」
「ああ、ハンクという名前だったはずだが?」
私に両親が居る?
そして、両親が俺をアンブレラに売った?
私には弟が居て、名前はハンクとベルトウェイ?
何を言っているんだ?
「……………………」
「声にならない驚きなようだな」
「……なんで……なんでそんな事を貴様が知っているんだ!?」
「私がアンブレラの研究員にお前を推薦したのは私だ」
こいつが私達をアンブレラに売りつけた仲間!
私は衝動的になって銃を取る。
「貴様が!!」
「撃ちたければ撃てばいい、もはや私の役目は終えた」
部屋の中に銃撃音が響く。
これからどうしよう。
アンブレラにはベルトウェイは逃げたと報告した。
それは良い。
アンブレラはラクーンシティの警察所の屋上に行けと指示を受けた。
行くのは良いが、今更アンブレラの指示を受けるのはどこか納得がいかない。
「どうしたものか?」
しかし、今逆らっても勝てないだろう。
だったら勝てるまでは従ってやるさ。
すべてに復讐する日が来るまでな……。
長い夢を見ていた気がする。
懐かしいラクーンシティの日に起きた出来事。
私はあそこですべてを知った。
だからこそすべてに復讐する気になったのだ。
「だいぶ寝ていたな」
時間は夕方になろうかとしていた。
眠りふけるとは、疲れている証拠だな。
なんせ四日連続で徹夜作業だからな……。
色々な場所を転々としてきたものだ。
ある時はイルミナドス教団に潜入してプラーガを入手したり、
ある時はネオアンブレラを名乗っていたシモンズの元に居たりもした。
すべては、ウイルスを手に入れるためだ。
その過程でうまくウイルスを撒く方法を模索もした。
周囲の人間にばれぬようにしながら。
そして手下を手に入れる為に色々組織を渡ったものだ。
自分で恐ろしく思うぐらいにうまくいった。
スペンサーを利用してネオアンブレラを乗っ取る事が出来た。
スペンサーの資産のすべてを手に入れる事も出来たのは運が良かったと思っている。
スペンサーの部下だけでなく、イルミナドス教団やシモンズの部下を手下に入れる子も出来た。
すべては世界に対して復讐を確実にする為。
一番長かったのはシモンズの元だったな。
元々シモンズの元に入ったのは、自らの身分を隠すにはうってつけの人物だった。
アメリカを作り出した一家の当主で、腐敗したアメリカの代表のような人物だ。
私にとっては復讐の対象ではあるが、今は彼の下に居た方がうまくいく。
シモンズは私をウイルス実験の第一人者といて呼ばれた。
私はアンブレラで“Tウイルス”の開発に関わっていたし、“Gウイルス”の実験も同時に行っていた。
だからかもしれない、シモンズは私を信用していた。
シモンズの同行はシモンズの部下だった男にやらせていた。
シモンズが居ない間に、水面下で進めていた。
数年間の間、ずっと続けていた時にあの事件が起きた。
1人の研究員がシモンズの実験で姿を変えられた。
名前はカーラ・ラダメスと言ったはずだ。
シモンズは後に彼女をエイダと呼ぶようになった。
エイダ……、確かベルト意気投合している女だったな。
スパイとして活躍している。
かつて、シモンズの指示も受けていたらしいが、シモンズの人柄に呆れてどこかに行ったらしい。
その気持ちだけは良くわかる。
シモンズはそんなエイダの事を今でも求めているらしい。
唯一自分に従わなかった女。
それがシモンズにウイルス実験を進めさせた理由の一つだった。
そして、それがシモンズの終わりを意味していた。
私は知っていた。
偽エイダがシモンズに隠れて“Cウイルス”の強化実験を行なっていたのを、
偽エイダ……カーラは元々シモンズの役に立ちたいという一心で実験を進めていたが、それはシモンズによって裏切られてしまう。
役に立ちたいという気持ちはある意味愛に近いのかもしれない。
そしてその愛は歪んで行く。
愛と憎しみは一枚のカードの裏表だ。
簡単に変わってしまう。
それが人間の本質だ。
何も変わらない。
なぜそれが分からないんだ?ベル…………
二本の高いビルの一番下のモニュメントに突き刺さるようにシモンズは死んでいた。
「人を見下すからそう言う目に合うんだ」
しかし、カーラもシモンズもうまく動いてくれたものだ。
おかげで全ての実験がうまくいった。
“Cウイルス”を手に入れられたのは一番大きかった。
「シモンズ、お前のファミリーは私が有意義に使ってあげるよ」
不敵な微笑みを私は浮かべると、シモンズの跡を去って行く。
「もしもし?ハンク、カーラの方はどうなった?」
『カーラは船と共に運命を共にしたよ』
「そうか、これで我々を知るのはファミリーの人間だけだな」
『ファミリーの人間もそう長くは続かないさ。元々アメリカ政府はファミリーを鬱陶しいと感じていたからな。今回の件を利用してファミリーを潰しに掛かるだろうな』
「ああ、それを利用してファミリーをいくつか仲間に入れて行く」
『了解だ。俺の方はファミリー内にある俺達の情報を抹殺しておく』
「ああ、頼む」
これで私達の事を知る人間はいなくなる。
これで後はスペンサーを何とかするだけだ。
その後私はスペンサーを罠にはめて殺すことに成功した。
これで人員の確保が成功し、晴れて組織を作ることに成功したわけだ。
長い時間が掛かってしまったな。
「バロク、そろそろ時間だ」
「分かった」
ここから始まる。
私の復讐の時間が……
次回予告
『ベルトウェイ』
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