biohazard supplementary biography”NT”   作:ナッツガン

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仲間と進み続けてきたこの道
真実を刻み付けよう
終わらないこの道に


ベルトウェイ

 ラクーンシティ……それは、今では知らぬ者はいない名前の町だ。アンブレラの工業都市として発展をしていたが、市民の知らない所ではウイルス実験を続けていた。

 ある日、ラクーンシティの地下研究所でウイルスが漏れてしまった。原因はアンブレラの特殊部隊の発砲だ。死に瀕したバーキン博士は自分の体に新型である『Gウイルス』を打ち込んだのだった。

 数日でウイルスは町全体に回ってしまった。警察が気づいた時には既に事態は収拾不可能な所にまで進んでいたのだ。しかし、アンブレラはこの事態を逆手にとってBOWの実用実験を行なう事を決定した。

 

 俺やジル、レオン、クレアなどは町からの脱出を決断した。

 

 そんな出来事は今では過去の話。誰でも知っている当たり前の出来事。テラグリシアパニックでウイルスとBOWの存在が露呈してしまった。その事件の裏には、ある男の存在が在った。

 俺達はBSAAの存続をかけて戦い。勝つことが出来た。そんな戦いですら始まりでしかない。

 この時点でウイルス問題は、既に国際的な問題へと進展していた。

 

 誰もが知っている当たり前の真実。それが、何も知らない人々への問題定義になった。

 

 俺はそんな中自分のやっている事や、進んで行く道に自信が持てず、死ぬこと望んでいた。しかし、そんな中レベッカやエイダたちの協力で進んで行く道を見出せた。そして……

 

 大切な人を意識できるようになった。

 

 それからかもしれない。俺にはバロク達の事を理解できなくなった。復讐というものに納得が出来ない。それが俺が感じていた疑問だった。

 

 復讐なんてどうしてするのだろう?

 

 バロク達の問題はいずれは俺の前に立ちはだかるだろう。しかし、今はまだ大丈夫だろう。

 

 俺がすることは全く変わらない。

 ただ真直ぐ進むだけだ。

 

 

 武器を持った男達があちらこちらに走って行く。俺はそんな中でも物陰に隠れていて、外の様子を窺っていた。

「あっちにはいませんでした!」

 ちっ!まだ探していたか……。

 そろそろここらへんもヤバくなってきたな。

「お前達は東館を探せ!」

 ちなみに言っておくと、俺は別にBSAA隊員に追われているわけではない。今回の発端は数時間前にさかのぼる。

 

 

 ヘリの窓から戦場の上を何度も眺めていると、俺は下に降りたくてうずうずしていた。

「ねえ!下に降りてもいい?」

「だめよ。作戦位置についてから降りなさい」

「大丈夫だよ。敵の本拠地に降りてもうまくやれるさ」

 俺はジルの方に向いて大丈夫だとゼスチャーするが、ジルは残酷にもダメだと念を押された。俺は少し落胆すると、もう一度下を眺めた。もうじき敵本拠地の上を通る。

「降りたいな~♪降りたいな~♪」

「その鬱陶しい歌を止めてちょうだい」

「降りたい!」

 早く戦いたいと俺の中の何かが言っている。そして早く降りろと言っている。こっそりドアを緩めると、ジルがすぐさまに反応した。

「ベル!降りちゃだめよ」

「ぶ~!」

 ふてくされてジルの方を向くと、ガチャ!っという音と共に強い風が俺の背中を冷やす。

「???」

「ベル!!」

 俺の体がゆっくり倒れて行くと、既に時は遅かった。気づいた時、ヘリは既に遠くを飛んでいた。

 

 

 何でこういう事になったのかな?俺が悪いわけじゃないよね?だって……

 はい。すいません。俺が悪かったです。俺が不本意にドアを緩めなければこんなことにならなかったのに……。それに言ってはなんだが、結構痛かった。

 最終的に数時間にわたって敵本拠地を逃げ回っていた。正面から戦っていた俺だが、すぐに弾が切れると、さすがに多勢に無勢になってしまう。西から東へと逃げて行き、北から南に逃げて行った。

「そろそろ別の場所に移すか……」

 

 外の様子を窺っていると、さすがに警備が厳しい。そうだろうな。BSAAの代表が上から落ちてきたうえに、暴れて行ったのだから。

「そっちに行ったか?」

「いいや。多分だがここら辺に居るだろ」

 ばれそうになっているのは俺の気のせいだと思いたい。

「他はどこにもいないぞ。多分ここだ」

 気のせいだ!俺は気にしない!俺は追い詰められていない!

「ここらへんだったりしてな」

 俺のいる部屋のドアを叩く音が聞こえてくる。

 やばい!すぐそこに来ている!

 俺の居る部屋を開けようとしていると、俺は意を決して覚悟を決める。ドアを一気に蹴り開けると、一心不乱に部屋から逃げて行く。

「居たぞ!ここだ!」

 俺は敵本拠地内を走り回っている俺の姿が居た。

 

 

「ハァ……ハァ……」

 約一時間にかけて敵と命を懸けた鬼ごっこをしていると、今度は再び命を懸けたかくれんぼをしていた。

「どうやって逃げたものか……」

「どうやって逃げたものか……」

 隣から同じセリフが聞こえてきた。俺は隣を向くと、俺と同じようなガスマスクをつけた男がいた。

「兄貴?」

「アベル?」

 そこには俺の弟事、アベルが居た。

 

 

 アベル曰く、俺と同じようにヘリから落ちたらしく、ここで逃げて回っていたらしい。

「全く、お前は何をしているんだ?」

「いや、兄貴にだけは言われたくないセリフなんだが……」

「全く、お前は昔からそう言う事に関しては無頓着だからな」

「兄貴もヘリから落ちたんだろ?しかも、わがままを言った挙句」

「お前はそういう所を反省した方がいいぞ」

「兄貴は逆にわがままを言うのを止めろ」

「全くお前は……」

「少しは俺の話を聞けよ!」

「俺の耳元で大きな声を上げるなよ!」

「兄貴の声の方が大きいだろうが!」

「お前の方が大きいわ!」

「ここに居たぞ!!」

「「しまった!」」

 俺は別のドアを一気に開けると、再び命を懸けた鬼ごっこが始まった。

「お前のせいで見つかったんだぞ!」

「兄貴のせいだろう!」

「お前が責任を取って囮になれ!」

「兄貴が囮になれ!」

 俺達は頭をぶつけあいながらいがみ合うと、更に走るスピードを上げる。目の前にある壁を壊すと、俺達は勢いよく飛び出る。もちろんいがみ合いながら下に落ちていく。

 

 結局後三時間にわたっていがみ合いながらの逃走劇を繰り広げた俺達だった。

 

 

「全く!ろくなことにならなかった」

「代表のお蔭で敵の本拠地が潰れてよかったです」

 俺は怒りながら廊下を歩いて行く。

 ちなみに弟はあの後、俺と大喧嘩して大けがを負った。

「あなたが不本意な事をするからでしょ?」

「そうだけど……」

 落ち込み気味に廊下を歩くと、俺の目の前を血だらけの隊員が運び込まれていた。周囲にはBSAAの治療部隊が囲んで運んでいた。

「助かればいいが……」

 それだけではない。廊下にもベットに入りきらない隊員が座り込んでいた。

「ひどいわね」

「ああ、予想以上に敵の抵抗が激しかったからな」

 敵の本拠地は人間が管理していたが、町中はBOWやマジニで埋め尽くされていた。敵は最新の武器をどこから仕入れたのか分からないが、予想以上の反抗をしてきた。

「しかし、武器を奴らはどこから仕入れたんだ?」

「分からないけど、最近になって武器などを売りさばいている人達がいるみたいね」

「多いのか?」

「そうだって聞いてるわよ。他のテログループや、反政府軍を名乗っている人達も同じような人達から武器を仕入れているみたい」

 ここ最近、数か月以内でテロが起きた件数が尋常に伸びている。しかも、そのほとんどで最新の武器が使われていた。

 俺は廊下から外に出ると、涼しい空気が俺を包んでいた。俺はガスマスクを脱ぐと一気に空気を吸う。

「気持ちがいいな。まだ戦いが続いているとは思えないが……」

「そうね」

 今は気にする必要は無いのかもしれない。気にしたところで何か変化するわけではない。

「念の為に調べておくか……」

 また一つ担架が運ばれてきた。俺はその担架を眺めると、再び空を眺める。数多いい星空が俺達を包んでいて、俺はそんな星空を眺めながらヘリに向かって歩いて行った。




次回予告

『最終話:そして……』
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