biohazard supplementary biography”NT” 作:ナッツガン
それは破滅か……
それとも希望か……
ベルトウェイ視線
ヘリに乗り込むと、俺はジルが来るのを待っていた。ポケットから携帯を取り出し弄って待っているが、中々出てこない。
「遅いな」
携帯を再びポケットに入れると、俺はヘリから降りた。パイロットには「ちょっと言ってくる」と告げて。
仮設テントに入ると、俺は近くにいた奴にジルの居場所を聞いた。
「なあ、ジルを見なかったか?」
「いいえ。みませんでしたけど……」
俺は仮設テントの中を歩いて回ってみようと思った所で、先ほどの人に呼び止められた。
「代表。少し良いですか?」
「なんだ?」
俺は先程の奴に向かって行くと、その人はパソコン画面を俺に見せながら説明を始めた。
「実は先ほどから気になっていたのですが、テロリストが利用している武器の数が明らかに多いのです」
「ああ、その話か……」
「種類が多いのもそうなんですが、最近になってそう言うテログループが多いんです」
「そうなのか?」
パソコン画面にはBSAAが関わったテログループだけでなく、それ以外のテログループの情報も入っていた。
「生産国を調べれば分かるだろう」
「それないんですが……。アメリカ製もあれば、ロシアや中国製まで幅広くて……」
「というと、どこかの組織が売っている可能性があるな」
「はい、そう言う事になると思います」
パソコン内にある国の名前はそれ以外にも、南アメリカ大陸の国々にまで及んでいた。俺は少しそこで思考をしてみる。
「どこかの組織か分からないか?」
「分かりませんね。どこかの国に統一されればある程度絞れますが……こう多いと分かりませんね」
そう言われると、俺は頭の中にあの男の顔を浮かべた。
「バロク……。まさかな」
バロクであればこれだけの事をすることが出来るような気がした。スペンサーやシモンズの所にいた奴であれば。それにシモンズ家の資産は俺達が発見した時は、既に無くなっていた。
「少し頼みごとをしてもいいか?」
「なんです?」
「ある男を追ってほしい」
アベル視線
クソ!兄貴のせいで大けがを負ったぞ!
「兄貴の奴!」
しかも、ジルさんが来た途端走って逃げるし!大体兄貴のあのいい加減な性格はどうにかした方がいいと思う。
そんな事を考えながら一つの部屋に入ると、そこには多くの武器が置かれていた。
「これはなんだ?」
「これですか?これはテロリストが持っていた武器の一部です」
「なんでそんなものをここに?」
「代表が本部に持って行って、調べると」
「兄貴が?」
なんでそんな事を?
「そう言えば、兄貴は?」
「さあ?どこに行ったのか?」
兄貴を探し出して見つけ次第…………殺す!
「俺、用事を思い出したから」
「は、はい……」
俺はドアを開けると、廊下を走る。
「クソ兄貴!!」
廊下を走り、テントを移動していく。すると、管制室で兄貴を見つけた。
「兄貴!!ぶち殺す!!」
「!?アベル!?どうした!?」
俺はマシンガンを構えると、躊躇なく引き金を引く。
「おいおい!止めろ!」
兄貴はそのまま走り出す。俺はそれを追いかけながらマシンガンを撃ちまくっていた。
「ホントにやめろ!どうしたんだお前!」
「あんたを生かしていたら!!俺の精神に!!!良くないと分かったんだよぉ!!!!」
「???お前のこの数時間で何が在った!?」
「あんたに殺されかけたんだ!!」
「あ、あれは……偶然」
「偶然なわけあるか―――――!!」
落ちている途中で俺をクッション代わりにした挙句、敵の攻撃の盾にした行為を偶然とは言わない!
「待ってくれ!話せば分かる!!」
「分からない!俺には分からない!!」
一時間後にジルさんが止めに来るまで、俺と兄貴の命を懸けた兄ごっこは続いた。
ハンク視点
俺は中国の沿岸都市に来ていた。ここは、中国の都市の中でも有名だった。カジノなどがある為、セレブが多く集まる。
「分かってる。ある程度偵察が終わったら帰る」
中国は今経済的に危機が訪れている。前回のバイオテロにせいで多くの借金を追ってしまった。その上、当時の責任のなすりつけ合いがいまだに続いている。
「ハンク様。ヘリが来るまで少しかかるとのことです」
「分かった。お前達は下がれ」
俺はビルの屋上の端に向かって歩く。フェンスを登って落ちるか落ちないか、ギリギリの場所に立つ。
「後数時間後にはここにもう一度立つことになるのだろうな」
バロクの計画が進めば、必ずそうなる。
今回俺がここに来たのは、テログループに武器とウイルスを売りつける為だ。そして、目的は成功した。
「バロク様。そこは危険ではないですか?」
「今はここに居たい気分だ」
ここ最近俺達は武器のテログループに売り渡していた。目的は金を集める目的だった。しかし、それ以外にももう一つある。それは、全世界に一斉にウイルスを撒くためだ。
テログループにウイルスを簡単に巻く必要が在った。それがこの交渉だ。金を手に入れつつ、ウイルスを多くのテログループに回す。そうすることで、簡単に世界中にウイルスを撒くことが出来る。
「バロク様。脱出が出来ました」
「分かった。今行く」
俺は屋上に着いたヘリに乗り込むために、俺はフェンスを登った。
「バロク様がお待ちです」
「分かっている」
適当に返事をすると、俺はすぐにヘリに乗り込んだ。
バロク視点
「バロク様。ハンク様は今こちらに向かっております」
「分かった。ハンクには到着次第こちらに向かうように言え」
「はっ!」
そう言うと私は再びパソコンに向かう。パソコンの画面には計画の詳細な内容が書かれていた。
「計画の第一段階はほぼ終了した」
ウイルスを撒きつつ、武器を売りつける事で金とBSAAの視線をテロリストに向ける。そうすることで、俺達は極秘に進める事が出来る。
「第二段階はもうじき始める事が出来る」
第二段階は“Cウイルス”で各都市を襲撃する。その前段階で戦艦を用意することが出来た。戦艦で弾道ミサイルを使ってウイルスを撒く。まあ、ほとんどは途中で落とされるだろうが、落とされた分ウイルスを広範囲に巻くことが可能だろう。
「さて……」
そう言いつつ私は隣に在ったプラーガを見つめた。こんなものを美しいと感じる奴が居れば、それは感性が壊れている奴だろう。
ドアを不意に開くと、そこにはハンクが立っていた。
「早かったな。もう少し時間が掛かると思ったが……」
「早めに帰って来たんだ」
「そうか、中国のテログループの交渉はうまく言ったんだな?」
「ああ、数時間内にウイルスがまかれるだろう。俺は再び中国に向かって様子を見ようと思うが?」
「それなんだが……。お前以外の奴を向かわせるからいい。お前には別の任務を渡す」
そう言いつつ私は椅子から立ち上がり、部屋を出て行った。ハンクは私の後ろからついてくる。
「そろそろ計画を第二段階に以降するが、その前に宣戦布告をする」
「いつだ?」
「数日のうちにするさ。できれば今日にでもする予定だったが、それも出来そうにないんでな」
「何かあったか?」
「弾道ミサイルの調達が少し遅れたせいで、計画に少し支障が出た」
俺は大きなドッグにたどり着いた。そこでは戦艦に弾道ミサイルが設置されていた。
「弾道ミサイルを戦艦で打ち上げる事が出来るのか?」
「弾道ミサイルと言っても小さなものだ。この戦艦で十分だ」
しかし、自分でも大規模な準備だと笑ってしまう。スペンサーやシモンズに感謝しなければな。あいつらのお蔭でここまでの戦力を用意することが出来た。
弾道ミサイルを戦艦に積み込む作業を見ながら、俺はベルトウェイを思い出す。
「ベルトウェイは今どうしている?」
「さあな。時折戦場に現れては武力の鎮圧をしているらしい」
「こちらの動向に気付いてはいないだろう」
「だが気を付けておけよ」
あいつの行動は最近になって分からなくなった。あれだけ他人との距離を取るように行動をしていたのに、数年前から他の国の首相クラスの人間と会談を多く持つようになった。
「お前でも分からないことがあるんだな」
「ああ、最近のあいつの行動は分からないことだらけだ」
私の中でのあいつは一番気を付けるべき対象だろう。
ベルトウェイ視点
北米支部にたどり着くと、ベルに説教されながら俺の部屋を目指した。
「全くあなた達は、兄弟喧嘩もいい加減にしないとホントに怒るわよ」
「反省しています」
あの後ジルから説教を受けながらヘリで支部を目指した。支部に到着してなおジルから説教を受けた。
「そう言えばベル、あなた先ほど何の話をしていたの?」
「?ああ、最近武器の使用回数が多いと言う話をしていたんだ」
「そう言えば、テロに武器が使用されるケースが多いんだったけ?」
「そうなんだ。だからこそ警戒しているんだ。まさかとは思うが…………」
俺は最後の部分を小さな声で呟いた。そうしていると奥の管制室から誰かが急いで出てくる。
「代表!早くこちらに!」
「どうしたんだ?」
「それが……」
俺は首をかしげると、そいつは普通の声で返事をした。
「ネオアンブレラを名乗る一団が、世界に対して宣戦布告を」
そして……開戦へ
ナッツガンです!
ようやく最終話が終わりました。
次からは完結編です。
NTウイルスの秘密やあのベルトウェイの出生のヒミツが語られます。
完結篇はベルトウェイとアベル、ハンク、バロクの四人から視点が語られます。
というわけで、次回からのタイトルは『biohazard Four heroes“NT”』です。
少し間が開くとは思いますが……よろしくお願いします!