biohazard supplementary biography”NT”   作:ナッツガン

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BSAAの結成にかかわった十一人
彼らを『オリジナルイレブン』と呼んだ
その中でもクリスやジルは有名な人物だ
しかしオリジナルイレブン以外誰も知らない
BSAAを本当に組織したのは誰なのか


『創設秘話』

『創設秘話』

 ニューヨークの町中で一人の男が記者に囲まれていた。

「ですから!その件については後日お話します!」

 中々前に進むことが出来ていない。

「アンブレラがウイルス実験を行なっていた事実について、製薬企業連盟はどう責任を取るつもりですか?」

 多くの記者が同じ内容を言っている。

 男もさっきから同じ内容の返事しかしていない。

 俺とジルは先程から男の姿を見ていた。

「何か考えがあるの?」

 ジルは男から俺に視線を移すと、俺に対してそう聞いてきた。

 かくいう俺は先程と同じく、男から視線を移さないで答える。

「まあな。組織を作るには資金が必要だ。資金が無ければ、人だって来ないし、武器等も集められない」

「ええ、でもその資金をどうやって集めるかで悩んでいたのよ。私達にはお金がないし…」

 ジルがそう言うと、俺は再び歩きはじめる。

「その資金元をどうするかで、考えがある。製薬企業連盟を使おう」

「?どう言う事?」

「製薬企業連盟は今アンブレラ事件で窮地に立っている。製薬連盟がその窮地を脱するには、アンブレラ事件にかかわっていた人物と、現在トップたちを辞任させなければならない。しかし、それ以外にも方法はある。例えば、アンブレラ事態を壊滅させる事だ。それだけではない、アンブレラが開発したウイルスを世界から撲滅させればいい」

「でも、そうは言っても簡単にはいかないわ。それに彼らにはそれを行う組織が無い」

「そう、彼らには組織は無い。でも組織を作る金はある。そして、ここにはその組織を作りたがっている人間が居る」

 そこまで追いうとジルは俺の言っている事を理解した。

 俺の考えている計画。

「製薬企業連盟に資金提供をしてもらい、その金で組織を立ち上げる。そうすれば資金面では苦労をしないだろう」

 ジルも頷いて同意してくれる。

 残りの問題も、そんなに時間が掛からないだろう。

「そうと決まれば早速話をしに行かなきゃ」

「そうだな、先ほどの男と話をすれば簡単に終わるだろう」

 先ほどの男が行くであろう場所まで移動する事にした。

 目的地は宿泊先のホテルだ。

 

 宿泊先のホテルにたどり着くと、男は記者を避けながらどうにかロビーを抜けた。

 記者はホテルの前でいまだに取材を試みていた。

 俺は男が記者の視線から外れた事を確認すると、接触を試みることにした。

 男の前に立つと、男は俺に話かけてきた。

「最近の記者はこんなところにまで追いかけてくるのかね?」

 男はあくまでも冷静になりながら話かけてきた。

 俺はそんな姿を見ながら、俺自身も冷静になりながら話かける。

「俺は記者ではありません。言うなれば、アンブレラの被害者と言いましょうか」

 男は俺の発言に眉を動かして、皮肉を込めてこう言った。

「私の命を奪ってアンブレラに対する復讐をするつもりかね?」

「今更あなたの命を奪った所で復讐にすらならない事は明らかです。それにそんな事をしたところで、俺の大切なモノは取り戻せない。だからこそ、俺達にはすべき事が在るんです」

 男は俺の発言を聞くと、一言聞いてきた。

「それで?君は私に何か話があるんだろう?」

「ええ、俺達は今組織を作ろうとしているんですが、何せ二人しかいないどころか、金もないありさまでしてね。あなたには資金元になってほしいんですよ」

「それで世論に良い言い訳が出来るなら喜んでそうするが…」

「できますよ。俺達が作ろうとしている組織は対バイオハザードを目的に作る攻撃部隊です。組織を使ってアンブレラを壊滅させればいい。そうすれば世論への言い訳にもなる」

 男は少し考えていると、俺の目を真直ぐ見つめてこういった。

「確かに、世論回避にもなる。私達は資金を出すだけでいい。だが、この方法には今の所問題が二つあるのではないか?」

「その問題も何とかなります」

「ならばこうしよう。君がリーダーと君を含めたメンバーを集めてきたら資金を出そう。そうだな、メンバーは大体十人で良いだろう」

「いいでしょう。要するにリーダーを含めた十一人を集めてくればいいんですね?」

「ああ、集めたら私の携帯に連絡を入れたまえ」

 そう言うと男は側近に自分の連絡先を書かせて俺に渡した。

 俺は側近の男が渡した紙を受け取ると、その場を後にしようとした。

 男は俺に向かって一言言う。

「君がリーダーの方が私的には良いのだがな」

「冗談はやめてください。俺はリーダーなんて言う器ではありません」

 俺はそう言うとその場を後にした。

 

ホテルから出ると、俺はジルの元に急いだ。

「どうだった?」

「リーダーを含めた十一人を集めたら資金を出すそうだ。まあ、人がいなければ資金を出しても意味がないからな」

「そうでしょうね。私とあなたを含めても残り九人は要るわけよね?」

「1人は心辺りがあるがな…」

 心辺りとは、クリス・レッドフィールド……ジルの元仲間で、俺の知り合いの兄だ。

「クリスの事よね?でも、どうするの?私達は連絡先を知らないのよ」

「クレアの連絡先なら知ってるが…」

 クレアは今大学に復学しているそうだ。

 ラクーンシティの一件から始まり、ロックフォード島を生き抜いた彼女なら俺達に協力してくれるだろう。

 俺は携帯を取り出すと、クレアに連絡した。

『もしもし、クレアです』

「クレア?俺だ、ベルトウェイだ」

『ベルさん?どうしたんですか?』

「実はな、折り入って話があるんだが?今いいか?」

『ええ、いいですけど…」

 俺はそう言うクレアに、今までのあらすじを説明し、兄のクリスに合わせてくれないかと言った。

『わかりました。兄には私から話しておきますね』

「頼むよ。話が付いたらまた連絡してくれ」

 そう言うとクレアは電話を切った。

 まずは1人の確保に成功した。

 後は残りのメンバーを探し出すだけだ。

「残りのメンバーはどうしましょう?」

「まずはクリスと会う事を考えよう」

 俺は黙ってそう言うと、俺は残りのメンバーを探す方に集中することにした。

 

 クレアの仲介でクリスと会うことになった。

 こっちが集めたメンバーは既に俺を含めて五人になっていた。

 クリスと会うのは俺とジルだ。

 俺達はクリスと会うために、人通りの少ない場所まで来ている。

 時間はお昼の三時を回っていて、会う時間は残り三十分になっていた。

 俺の服装は、ガスマスクに防弾チョッキになっている。

 もしもの為で、アンブレラがいつ襲ってくるか分かったもんじゃない。

 そんな事を考えながら待っていると、ようやくクリスと呼ばれていた男が現れた。

 先にジルがクリスの事を、俺に紹介してくれる。

「ベル、紹介するわね。彼がクリス・レッドフィールド」

「よろしく。あなたの事は妹に聞いている。妹が世話になったようだ。ありがとう」

「別にいいさ。それに俺も助けられた」

 今度はジルが俺の事をクリスに紹介してくれた。

「クリス。こちらはベルトウェイ・シュターナーよ」

「改めてよろしく」

 紹介を終えると、ようやく本題に入る事にした。

「話は妹のクレアから聞いた。組織を作る事に関しては、俺は賛成だ。そっちは何人集めたんだ?」

「こっちは俺達を含めて五人だ。そっち次第でこれからの行動が決まる」

「こっちも俺を含めて五人だ」

 と言う事はメンバーに関しては既に集まったという事だ。

 残りはリーダー、ただ一人だけだ。

「残りはリーダーだけだけど、ベル…何か考えがあるんでしょ?リーダーに関してはあなたに一任してるんだけど」

 そう、リーダーには俺なりに考えがある。

 既に製薬企業連盟の代表と話をしてある。

 メンバーが集まり次第、話をしに行く予定になっている。

「これから会いに行く予定だ」

「私も行きましょうか?」

「大丈夫だよ。色々話をしたいんだろ?」

 ジルを気遣って、俺はその場を後にした。

 

 FBC本部前に俺は来ていた。

 俺は車の中から大きなビルを眺めている。

 このFBCはアメリカ政府が資金先になっていて、それ故に大きな組織として機能している。

 俺がこれから話をしに行く相手は、ここの副長官をやっている人物だ。

 少し時間が経つと、製薬企業連盟の代表がやってくる。

 俺は車から降りると、FBC本部にまっすぐ向かって行く。

 製薬企業連盟代表と共に中に入ると、受付にまっすぐ向かう。

「製薬企業連盟の代表だ。ここの副長官と話をする予定になっているはずだが…」

 受付嬢は目の前にある紙を見つめると、俺達もエレベーターに案内してくれた。

「ここの十階に副長官がいらっしゃいます。十階からは秘書が案内します」

 エレベーターに乗り込むと、製薬企業連盟の代表が聞いてきた。

「これから会う男はどういう男なんだ?」

「名前はクライブ・R・オブライエン。正義感の強い男だと聞いている」

「その男を選んだ理由を聞こうか」

「ここの長官と副長官はこの組織の創設者だ。当時は仲が良かったそうだが、今では方針の違いから仲をたがえている。簡単に言えば、長官は核を使ってでもウイルスを排除するべきと考えている。対して副長官は人命の救助を優先するべきだと考えている。要するに組織のやり方で別の考えが生じた」

「……君はどっちが正しいと思う?」

「どっちが正しいかは、俺には判断できない。だが、長官の考え方はある意味現実論だ。対して副長官は理想論だな。だが、先ほど言ったが、どっちが正しいかは所詮第三者の考え方による。俺には判断できん」

「……正しい判断だな」

「ただ……。長官の考え方は同意できない」

 俺がそう言うとエレベーターのドアが開いた。

 秘書が俺達は副長官の部屋まで連れて行く。

「少々お待ちください」

 秘書が中まで入って話をつけてくる。

 少しすると秘書が戻ってくる。

「どうぞ」

 秘書に連れて中まで入ると、オブライエンと呼ばれている男が、ソファに俺達を促した。

 俺達はソファに座ると、ようやく話を始めた。

「ようこそ。私がオブライエンです。話はそこの彼から聞いています」

「では、要件ですが…」

「はい、お引き受けしましょう」

「お願いします。では、資金は例の口座に入れておく」

「頼みます」

 代表は部屋から出て行く、俺は再びオブライエンに向き直る。

「それで、君の事を話してくれる話だったが…」

「話そう。俺の話を…。まあ、それより…。いい加減にしろ、エイダ」

 秘書が変装を解くと、そこには俺の知るエイダが現れた。

「ひどいわね。折角仲介してあげたのに」

「他に方法があっただろう…。まあいい、話しましょう。この話を知っているのは、ここに居るエイダだけだ」

 

 

 とある廃屋の中で対バイオハザード私設部隊の創設式を行っていた。

 俺を含めた全十一人がここに集まっていた。

「今日、ここに対バイオハザード私設部隊の創設を宣言する」

 そんなオブライエンの話を俺はガスマスク越しに聞いていた。

 ジルやクリスも聞いている。

「我々の最初の目的はアンブレラの壊滅だ。その為に、まずはメンバーをもっと集める。その為には…」

 そう話そうとしていると、俺は危険を察知した。

「オブライエン、話はそこまでだ。どうやらお客さんだ」

「なに!?」

「アンブレラの特殊部隊かな?俺が相手をしてくる」

「私も行くわ」

 ジルが名乗りを上げる。

 俺達が去ろうとした時、クリスも同じように言った。

「俺も行こう」

「クリスはオブライエンの傍にいて。アンブレラは私達でやるわ」

「だが!」

「それにオブライエンを守る人間がいるでしょ」

 そう言うと俺達はアンブレラの特殊部隊の元まで移動した。

「すまないな。貧乏くじをひかせて」

「良いわよ」

 アンブレラは廃屋の玄関である倉庫に十人ほどが集まっていた。

「さて…戦うか」

 

 

アンブレラの部隊を退けた俺とジルは合流先にまっすぐ向かった。

合流先では既に全員が俺達を待ってくれていた。

「アンブレラの部隊は?」

「全員倒した。追ってこんだろう」

「それにしてはやけに早い動きだったな」

「仕方ないだろう。アンブレラが注意している人間がこれだけ集まっているんだから」

「色々あったが、これからは仲間だ」

 今日この日、対バイオハザード私設部隊の創設がなされた。

 そして、この組織は後にBSAAになって行く。




次回予告
『アンブレラ終焉』

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