biohazard supplementary biography”NT”   作:ナッツガン

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アンブレラそれは世界にとって悪に等しい言葉だった
BSAAを一気に押し上げた要因の一つはこのアンブレラの崩壊だろう
当時のBSAA、当時の名は『私設対バイオハザード部隊』だった
彼らは少数ながらも、アンブレラを崩壊して見せた
そんな彼らの組織に属し、影のリーダーと呼ばれて人がいる
彼のアンブレラ終焉を今語ろう…


アンブレラ終焉

『アンブレラ終焉』

 

 

 大きな建物の中で俺達は着実に準備を進めていた。

 色々な人達が行きかい、情報をまとめ始めている。

 そんな中オブライエンは更に声を高めて叫んだ。

「ですから!どうしてダメなんですか!」

 オブライエンは電話をしていて、その相手はロシア首相と直接話しをしている。

 製薬企業連盟の仲介のおかげで、ロシア首相と話が出来るのだが…。

 見て分かるように中々許可をもらえない。

「私達はロシアにあるアンブレラ支部に攻撃をする為にですね!」

 ロシア首相は、ロシアに本当にアンブレラの支部があるのかを、確認したいとのことだ。

 しかし、こちらはそんな事を確認している暇は無い。

 今すぐにでも突入したいのだが、中々ロシアからの許可が下りていない。

「ベルトウェイ副代表!」

「どうした?何か不備が見つかったか?」

「いいえ。小耳にはさんでいただきたい話があるんですが…」

 メンバーの一人が俺にそう言うと、俺はオブライエンから少しだけ離れて行く。

 通路の陰に隠れると、情報を聞く事にした。

「で、なんだ?俺に聞いてほしい事って言うのは」

「はい、先ほど入った情報によりますと、スペンサーが根城にしている拠点を見つけたとのことで…。それがですね、アメリカにあるみたいなんです」

「アメリカにスペンサーのアジトが?」

 スペンサーはアンブレラの倒産以降、姿を完全に消していた。

 俺達は色々な方面の情報を集めたが、結局は何も情報は何も得られなかった。

「そこもアンブレラの基地なのか?」

「恐らくですが…。そしてもう一つある情報を見つけたのですが…」

「なんだ?」

「レッドクイーンを発見したと報告を受けました」

 そうなると、作戦を少し変更する事になるかもしれない。

 俺は一言言うと、彼をその場から移動させた。

 俺自身は、そのままオブライエンの居る場所までまっすぐ移動していく。

 オブライエンは電話越しに大声で怒鳴っている。

 俺はそんなオブライエンの言葉を聞き流しながら、オブライエンの電話が終わるのを待つことにした。

 

 

「ふう…。全く」

「その様子だと、いまだに許可が下りなかったようだな」

「ああ、頭の固い連中め。全くこっちの話を聞かない」

 アンブレラが基地を作っているなんて認めたくないだろうからな。

 俺は近くにあるコーヒーをすすると、小さく息を吐いた。

「で?さっき何の情報が入ったんだ?」

「?ああ、アメリカにスペンサーのいるアンブレラの基地を発見したそうだ。そこにレッドクイーンも発見したってさ」

 オブライエンもコーヒーを飲みながら少し落ち着いていると、少し考え始めた。

 俺自身もそう考えていると、窓の外で準備がいまだ進んでいる。

「だったら俺が行こうか?」

「それでもいいが……。俺としては、お前にロシア支部の指揮をしてほしんだが…」

「そうは言うが、他に誰かが居るわけじゃないだろ?」

 俺がそう言うと、オブライエンは少し考え始める。

 俺は再びコーヒーを飲むと、オブライエンは思い切った考えに出た。

「そうだな、だったら部隊を二つに分けよう。ひとつは俺が指揮を執るロシア支部、もう一つはお前が指揮を執るアメリカ支部だ」

「俺はそれでもいいが、それだけの部隊で大丈夫か?」

「大丈夫だろう、これはある意味チャンスだ」

 オブライエンがそう言うと、電話が再びかかってきた。

 電話に出ると、オブライエンは何度も頷いて電話を切る。

「……許可が出たのか?」

「ああ、部隊を二つに分けて行動を開始するが、お前はそれでいいか?」

「勿論俺はそれでいいが…」

 再びコーヒーをすすりながら準備を進める様子を眺めていた。

 

 

アンブレラはいまだに活動を続けていた。

 ラクーンシティからの生存者の声で、多くのウイルス実験が露呈してしまったにも関わらず、アンブレラは実験を続けていた。

 あれから俺達は多くのメンバーを集めて、いよいよ最初の目的、アンブレラの崩壊を始めようとしていた。

 目的はレッドクイーンの初期化と、最重要参考人スペンサーの確保だ。

 ロシア支部とアメリカ支部に同時襲撃を掛ける手はずになっている。

 こちらはFBCとアメリカ政府の軍との合同部隊になっていて、俺達はあくまでもオブサーバーだ。

 ゆえに、大きな行動が全くとれていない。

「副代表。俺達はこのままでいいのでしょうか?」

「何とも言えないな。両軍が闘っている以上、俺達は手出しが出せない」

 しかし、状況は俺達が思っている以上に素早く動いた。

「Bブロックでリッカーが!」

「Cブロックではハンターが!」

 各ブロックでBOWが現れて、両軍に甚大な被害を出し始めていた。

 さすがに両トップも焦りが見え始めた。

 それに時間をかけすぎている。

 これではスペンサーに逃げられてしまう。

「俺達も動くぞ」

「はっ!」

 俺は両トップの前に立つ。

「我々も戦わさせてもらいますよ。これ以上の作戦続行は、あなた達にもあまりいい事は無いでしょう。それにこれではスペンサーに逃げられてしまう」

 そう言うと俺達は外に出る。

 外では俺の指示をひたすら待っていた者達が集まっている。

「俺達も動くぞ!作戦を開始する!」

『おおー!!』

 そう言うと、各部隊はそれぞれ行動を開始する。

 

 

 俺達は二つに分けて行動を開始していた。

 そして俺自身は単独でアンブレラの支部に乗り込んでいる。

 長い通路をひたすら走って行くと、ゾンビとリッカーの群れが俺を出迎えてくれた。

「うれしいね。こんなにも愛されて」

 ハンドガンをナイフを構えると、俺は群れに向かって走って行く。

 ナイフでゾンビの首を切りながら、リッカーの頭にハンドガンを撃っていく。

 リッカーの攻撃は体を捻ったりしながら回避する。

『副代表!こちら目標地点に到着しました!』

「よし!こちらからの指示があるまで待機」

 そう言いながらリッカーの頭にナイフを突き刺し、連絡を切る。

 リッカーの集団を相手にしつつ、状況を常に確認していた。

 もう一方の部隊も同じようにたどり着いたようで、報告が来た。

『副代表!こちらも配置に付きました!』

「了解だ!俺ももう少しでたどり着く!」

『はい!』

 俺もリッカーを倒すと、通路を真直ぐ進んで行くと、ようやく俺も目的地点に、たどり着いた。

 「俺も配置に付いた。これより作戦名『end of umbrella』を開始する」

俺がそう言うと、各隊が最深部に向けて突入を開始する。

 俺も同じように突入する。

 

 

 突入をして数分、最初の予定地点に到着した。

 ただ広い研究所にたどり着いた。

 パソコンの画面が明かりになっていて、意外と部屋は明るくなっている。

 俺は一つのパソコンを眺めると、そこには一つのBOWの情報が書かれていた。

『T-G』

 しかし、そこにある情報は全く役にたたない。

 分かる事は、それが人型であることだけだ。

 それ以上の情報が手にがいらない以上、俺達はどうしようもない。

 この先にこいつと遭遇しない事を祈るばかりだ。

 そう言うと俺は研究所を後にする。

「しかし、もう少しで『レッドクイーン』にたどり着けるはずだが…」

 そんな事を呟きながら目の前にある真っ白な通路をひたすら進んで行くと、今度は真っ白な部屋にたどり着いた。

 真っ白で他には何もないようなその空間で俺は中心まで移動していく。

 真っ白な部屋が俺にこの部屋の距離感を奪ってしまう。

「なんだこの部屋は?」

 よく見ると出入り口が他に無い。

 そうしていると、後ろの出入り口が閉まってしまった。

 そして部屋の上から何かが降ってくる。

 それはパソコンに写っていたBOWにそっくりだった。

「こいつが…『T-G』?」

 一見タイラントに見えなくもないが、完全に違う所が複数個所見つかる。

 まずタイラントにあるはずの大きな爪や心臓が見当たらない。

 それにタイラントやネメシスにしては体のサイズが少し小さい。

 そして決定的なのは、こいつには他のBOWと違いこれといった特徴が見当たらない。

 本来BOWは兵器としての性能を高める為、それとなく人間から遠ざかって行く。

 あのタイラントやネメシスだってそうだった。

 なのにこいつはどことなく人間に似ている。

 いや違うな、こいつは人間そのものだ。

「BOWじゃないのか?」

 そう考えていると、俺の目の前に腕が見えた。

 俺は瞬間的にしゃがむと、態勢を崩しながら少しだけ距離を取る。

 しかし、危なかった。

 腕が見えてなかったら、ラリアットが俺の首を直撃しているところだった。

「間違いない。こいつはBOWだ」

 あの動き、人間が出来る動きを遥かに超えている。

 スピードだけならタイラントやネメシス、リッカーをすら上回っている。

 それだけに厄介だ。

 ハンドガンを出そうとするが、こいつが攻撃を仕掛けてくるために全く出せない。

「スピードが一番厄介だな」

 攻撃を回避するのにせえ一杯で、全く反撃の糸口が見つからない。

 拳の横に回避したり、捻って回避したりとしていると俺はいつの間にか壁に追い詰められていた。

「しまった!」

 俺に向かって拳が飛んでくる。

 俺はそれを両手で受け止める事に成功した。

 こいつ、スピードはあってもパワーが無い。

「これならやれる!」

 こいつの腕を捻ってしまうと、回し蹴りで吹き飛ばしてしまう。

 奴と少しだけ距離が出来ると、俺はすかさずハンドガンを構える。

 数発撃ってしまうと、奴はうめき声さえあげなかったが、それでも少しだけ俺から距離を取る。

「スピードだけを鍛えたBOWか。まだ未完成の様だが」

 これから少しずつ鍛えていくのだろう。

 ここで俺にぶつけたのはあくまでも研究の為なのだろうと確信した。

 これが分かってしまえばもうこいつを倒す事は容易い。

 俺は奴に向かって走って行くと、何発もパンチをお見舞いした。

 とどめとばかりに回し蹴りを喰らわすと、奴は少しだけ体を上げて息絶えた。

「……少しだけ時間を喰ったか?まあいい、早めにレッドクイーンを壊したほうが良さそうだな」

 こうしていると、俺が来た道とは別の道が現れた。

「俺を誘っているのか?それとも……」

 俺は通路を真直ぐ進んで行くと、奴らが扉を開いた意味が分かった。

 俺が最後にたどり着いた部屋は、球場が何個も入りそうな広さはあろうかという場所にでた。

 そしてそこには何もなかった。

 ただただ広い空間が広がっていた。

 ここにそれなりのものが有ったに違いないが、それが無いという事は運び出されてと言う事だ。

 そしてこれだけの空間に入れておいた物は……レッドクイーンの本体と予想できる。

「少し遅かったか…」

 俺は通信機を本部につなぐと、作戦の終了を告げた。

 こうして俺達の作戦は成功か失敗か分からないような結末を迎えた。

 

 

 クリス達の報告によると、レッドクイーンの初期化に成功したとの報告を受けた。

 こうして俺達の方はスペンサーの捕獲こそ失敗したが、アンブレラを壊滅させるという最終目的は達成した。

 しかし、俺にはあの空間がどうしても気になる。

 悩んでいたとしても何か解決できるわけではない。

 こうしてアンブレラは崩壊した。

 2003年の出来事だ。




次回予告
『初デート/北米支部にて』

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