私が最近みた夢を元に書きました。
夢とはなんでしょうか。不思議なモノです。
者でなく物でもないモノ。
受け取り方によって意味合いが変わる夢。
形を変えてこそ夢。
不思議を求めて夢の中を彷徨いましょうか?

1 / 1
見るモノによっては、そこは…










そこは、まさしく此岸

 

 気が付くと私は薄暗い場所に居た。

地面は小さめの石がゴロゴロとしていて、河川敷のような地面だった。

 よく見えないが、大きな木がいくつか見えた。桜並木のように見えが、先が見えない程の木々の多さだった。

木々と同じくらい屋台が数えきれないほど並んでいた。

 

 少し離れたところに、私より暗い男が立っていた。男は目線を下に向けたまま、屋台の一つに近づいていった。

 男は屋台でナニカを買っていた。何を買ったのか見えなかった。

 

 

 

 私は何処か分からない場所を、先が闇に包まれた場所をただ歩いた。

 ふと、桜並木の奥を見てみると、そこは川のように見えた。暗く良く見えないので違うかもしれない。

 歩いていたが、いたって普通の屋台の一つに目が行った。私は腹が特に減ってはいなかったが、何か買いたくなったので寄ってみた。

 

 屋台には、初老に爺さんが居た。鉢巻をした白髪の爺さん。顔はやはり薄暗くて見えなかった。

 屋台には鉄板と、後ろのほうにお面が沢山並んでいた。

 私はお好み焼きのようなモノを一つと、狐のお面を頼んだ。

 

「お前さん、覚悟はあるのか?」

 

 狐のお面を渡してきた爺さんが突然、そう問いかけてきた。

 私は迷いも無く、「はい」と答えた。

 私の返事を聞くと、何も言わずにお面とお好み焼きのようなモノを渡してくれた。

 私はいつの間にか握っていた六文ほどの銭を爺さんに渡した。

 

 

 

 狐のお面を私は付け、川を眺めつつ、桜を見つつ、奥に歩いていった。

 今、気が付いたが私は着物を着ていたようだ。

 色は分からなかった。

 あまり気にする事でもなかったので、そのまま歩き続けた。

 だんだん、人が多くなってきた。

屋台に寄るモノ、川を眺めるモノ。

立ち尽くすモノ、しゃがみ込むモノ。

笑うモノ、泣くモノ。

走るモノ、歩くモノ。

沢山になってきたときには、もう明るくなっていた。

空を見上げると、星空が見えた。

 

 川の岸に舟が見えた。舟をこぐであろうヒトに「乗るか」と聞かれたが、私は断り、手に持っていたお好み焼きのようなモノを手渡した。

 私は手を振り、その場を後にした。

 

 岸で釣りをするヒトが居た。竹で出来た釣竿だった。

 釣りをするヒトと、たわいもない話をした。

 話が途切れたところで、釣りをするヒトは立ち上がり釣竿を片付け、舟の方に歩いていった。

 私は手を振らなかった。

 

 

 

 さらに奥に進むと、光が見えた。

 温かみのある、穏やかで優しい光が見えた。

 私は、振り返り寂しかったが、前に向き直し光に向かって歩いた。

 横に誰かが居た気がした。

 小さい子供が居た気がした。腰を曲げた老人が居た気がした。それなりに老いた猫が居た気がした。

 でも、光が眩しくて分からなかった。

 

 

 

 








…此岸?それとも彼岸?

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。