魔法科高校の絹旗最愛   作:型破 優位

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アニメ1話の食堂にて森崎の話にほのかが頷いていたのを確認してしまった……優等生も入れてるから良かったですが、小説基準だったらアウトな見逃し……というか、もしそうだとしたらそもそも原作に矛盾点が……やめておきましょう。

サブタイトル変えるの忘れてました。
保存してるときいつもあんな感じのタイトルつけて保存してたのでついそのまま……


隠密

 バイアスロン部に入った三人は、今から行うデモンストレーションをこれからどういう物をやるのかの詳細も含めてやる、とのことでデモンストレーション会場へと向かったのだが、そこには頭を抱えて、首あたりをおさえて、口をおさえてと様々な体調不良の体勢を形容している狩猟部の姿があった。

 原因は強いサイオン波を受けたことによるサイオン酔いというものらしく、体調不良者は四人。無事な人は六人。保健室の先生により体調不良者を校舎内へ移動させた方が良いと言われたが、両者女子生徒のみ。一人につき一人が支えとなるのは少々忍びない。ということでバイアスロン部から二人人手を貸して欲しいとのことだが、生憎バイアスロン部はこれからデモンストレーションがある。だが、どうしようかと迷うことはなかった。自分たちはデモに関係ない、と雫が立候補しほのかがその後に賛同したことにより人員は足りたのだ。

 

 そして今、校舎内にいるのは二人。

 一人は赤髪で狩猟部の一年B組の一科生、明智(あけち) 英美(えいみ)。髪型から予想がつく日英のクォーターであり、正式の名前はアメリア=英美=明智=ゴールディというらしい。

 

 

「いやぁ、本当に助かっちゃった。ありがとね」

 

「礼には超及びませんよ」

 

 

 そしてもう一人は最愛だった。

 話せば長くなる――ということもなく、簡単な話。ほのかと雫はバイアスロン部の即戦力に対し、最愛ははっきりと言えばおまけ。二人を入れるための餌に過ぎない。それを重々承知している最愛が二人はデモを見るようにということでそれを一手に引き受けた。

 最初は小柄な体型もあり周りからも止められたが、魔法で可能な旨を伝えると任せてくれた。一人で一人を支えられる人物が居れば、後は狩猟部員でカバーできるのだ。そしてその仕事を終えた最愛は現在、デモンストレーション会場にゆったりと戻りながらエイミィと談笑中だ。ちなみにエイミィは本人が望んだ呼称である。

 

 

「そういえば、最愛の魔法ってどんなの? CAD無しで使えるんでしょ?」

 

「魔法については超秘密ですが、CAD無しでも使えますよ」

 

「CAD無しで魔法使えるのに二科生なのはなんで?」

 

「その魔法以外が超苦手なんですよ。所謂BS魔法師って奴です」

 

「成る程ね。納得したよ」

 

 

 エイミィはとても会話がしやすいというのが最愛の第一印象。他の一科生と違って、二科生という理由で虐げられたり嘲笑されたりはしない。むしろその逆だ。

 最愛がこの世界に来て(?)から一、二を争うほどの饒舌を見せていることからも、エイミィの明るさと人柄の良さを表せている。

 

 その後デモンストレーション会場に戻った二人は、しかしそれも丁度終わった頃。ほのかと雫含めた両部から手厚い感謝の意と謝礼を受け取りつつ、下校の時間となる。

 数分後に落ち合うことを約束してお互い各教室へと戻り、帰りの身支度。少し動いたため着替えをしてから集合場所へと向かった。

 集合場所に向かうと、丁度反対側からこちらへと向かってくる二つの人影。ほのかと雫も今来たところのようだ。

 

 

「お、良いタイミングですね」

 

「最愛ちゃんも今来たみたいだね。丁度良かった。それじゃあ帰ろうか」

 

「……帰れるならね」

 

 

 雫がボソリと呟いた言葉。それに疑問を持った最愛とほのかは雫の視線の先を見つめ、そして納得した。

 校門前には下校する新入生を逃がさないとばかりに目をギラギラと光らせている上級生達。確かにあの中を普通に通れる訳もない。どうしようか、と思案に耽る三人に、人が近づく気配。最愛はすぐに気がついて顔を上げたが、二人はまだ気がついていない。

 

 エイミィはこちらに気がついて少し駆け足気味に近寄り、最愛はそれに手で応じた。雫も最愛の視線の先を見て気がついたようだが、唯一思案に耽っているほのかは気が付かない。そのほのかの肩を、エイミィはポンッと叩いた。

 

 

「三人とも今帰り?」

 

「ヒッ!」

 

 

 最愛と雫からしたら予め知っていたため驚かなかったが、ほのかは考えることに集中していた。いきなり声をかけられてさらに肩に手を乗せられたほのかは、身体を大きく弾ませ、前方へと飛び退いた。ほのかと雫がエイミィを知ってる理由はデモンストレーション帰りだ。時間は短かったが、三人はとても早く打ち解けていたのだ。最早普通の友人のやりとりをしている。そしてほのかの反応を見てかそれ以外からか、エイミィは頭に疑問符を浮かべいる。

 

 

「どうしたの?」

 

「どうやって帰ろうかなって」

 

「ああ、なるほど~。これは苦労しそうだね。三人……雫もほのかも隠密系の術式は持ってないの?」

 

 

 エイミィの疑問は二つ意味が取れるようなものだったが、雫は正しい方に理解していたらしい。納得しながら三人と言いかけて、ほのかと雫に対して問い掛けたエイミィ。最愛が持っていないことは分かっていたからだ。その質問に対して二人とも頭に疑問符を浮かべている。

 

 

「オンミツ系……? 何それ」

 

「陰陽道系と密教系? って……つまり古式魔法のこと?」

 

「やだなあ、隠密は隠密だよ。意識を逸らしたり姿を隠したりする術式」

 

「私は使えないけどほのかは得意。でも魔法を勝手に使うのはルール違反」

 

「今さらだよ。いつもなら守らなきゃだけど、今は魔法が飛び交ってるじゃん」

 

「それはそうだけど……」

 

 

 隠密、と言われて最愛はエイミィの言った通りの隠密を思い出していたのだが、ほのかと雫は違ったようだ。最愛はむしろ二人の言っていることに疑問符を浮かべてしまった。

 そしてほのかは()()の家系もあり、光系統の魔法が得意。これは今日隠れながら動くときの参考として魔法を聞いたときに知ったことだ。

 しかし当の本人は最近魔法のことであまり良い思い出がないため、何処か渋っている様子。

 

 

「ほのか、今回は攻撃じゃないから」

 

「あのときだって攻撃じゃなかったよ!」

 

「大丈夫ですよ。今回は人に魔法を超向けるわけでもありませんから」

 

「んー……分かったよ二人とも」

 

 

 ほのかも屁理屈に近いとはいえ正論を言われては納得するしかない。実際攻撃ではないし、あの時と違って人に向けるわけでもない。今の上級生の状態と自己防衛という線で見れば、風紀委員もとやかく言えない――というよりも、そもそも言いにくる程時間を持て余しているのかも怪しい。

 

 

「エイミィも一緒に帰る?」

 

「うん! ありがとう!」

 

「みんなで行った方が心強い」

 

 

 そして、エイミィを含めた四人で帰路へとつくための上級生突破作戦は開始された。まずはほのかの光魔法を使って自分達と身の丈のあった木を自分達へと反射させながら昇降口を正面にいる上級生にバレないようこっそりと抜け出し、その背後へ。ただ背後に回り込んだだけではこちら側の上級生にバレなくても道を挟んだ対面側の生徒にバレかねない。そのため魔法を少し変え、光を屈折させて鏡のように跳ね返すことにより向こう側からみても茂みの奥に人がいるように錯覚させ、さらに光の向きを調整することで振り向いても不自然なことがないように細工を施した。

 

 そのおかげで現在四人は難なく上級生の後ろ側を走っている。ほのかは魔法の維持のため両手を前方に翳しながら、他の三人はできるだけ足音を立てず、尚且つ最速で駆け抜けていく。しかし、その順調な歩みもとある揉め事を風紀委員が取り締まろうとする光景が目に入ったことにより、止められてしまった。魔法に感心して横を向いていたエイミィはほのかへとぶつかってしまう。

 

 

「どうしたの?」

 

「そこの二人、掴んでいる手を離してください」

 

「風紀委員?」

 

「深雪のお兄さんだ」

 

 

 その風紀委員は達也だった。揉め事は魔法ではなく物理的なものでお互い手を組み合って何か言い合っているようだが、様子がおかしい。いや、普通なら分からないのだろうが、揉め事をしている彼等――恐らく上級生――の表情はなんというか、怒っている顔を作って何か企んでいると言ったような感じだ。最愛は第一印象としてそう思った。

 最愛が見ていることなど知る由もない達也は二人の間に割って入り、強制的に二人の手を離す――その瞬間、達也に魔法、空気弾(エア・ブリット)が飛来した。

 雫が先に気がつき思わず声を上げてしまったが、かなり遠方からのため達也には聞こえない。だがその声に反応するかのように正確なタイミングで避けた達也の動きは、感嘆に値するものだ。しかし、避けたかどうかの問題ではない。

 

 

「今の……!」

 

「わざと……だね」

 

「間違いないですね。しかもあの二人も超グルみたいですよ?」

 

 

 そう、今のは明らかにわざとだということに問題がある。それを示すかのように二人はエア・ブリットが放たれた方向へ達也が向かおうとするのを引き留めている。

 しかし今の最愛にはどうでも良かった。いや、達也の動きを見て問題が少し上積みになったのは確かだが、今急接近している問題に対処する必要がある。

 

 

「やっぱり、生徒会に知らせた方がいいよね。でも証拠が無いと取り合って貰えなさそうだし――」

 

「た、確かにそうだね」

 

「――だからさ。私たちで証拠を押さえない?」

 

「証拠を押さえにいくのは超構いませんが、そろそろ逃げますよ」

 

「え、逃げる? 何から――」

 

 

 そう、四人は今まで逃げていたのだ。魔法を使ってまで。しかし達也が襲われたことによりほのかは完全にそっちへと意識が行ってしまい、いつの間にか魔法を解除してしまっていた。

 そしてそれなりの声量で会話をしていたのだ。生徒会に報告するかどうかについての話題が出たときには、もう時既に遅し。一気に視線がこちらへと集まっていた。

 

 

「――あ、忘れてた」

 

「ほら、行きますよ」

 

 

 そして走り出す絹旗。それに合わせて三人が、数瞬遅れて大人数が走り出す。

 

 

「クラウド・ボール部です!」

 

「射撃やってみない!? スカッとするよ!」

 

「ま、まにあってま~す!」

 

 

 そしてなんとか、四人は帰路につくことができた。




そういえば達也は桐原先輩のことをあの後報告して帰路についたんじゃ……あれ? まぁ、気にしたら負けですね。
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