魔法科高校の絹旗最愛   作:型破 優位

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学校生活

 何人もの生徒が校門を潜るなか、その前には他よりも明らかに身長が小さい少女が、だが周りと同じ制服を身に纏い立っている。

 

 

「ここが一高。魔術師にしては超悪くないセンスですね。だから制服のセンスについては超だまっといてあげますよ」

 

 

 誉めて貶すを流れるように行った最愛は、周りに合わせるように校門を通りすぎた。家から駅まで徒歩数分、駅一つ先に一高はあった。

 絹旗はあれからさらに調べを進めて、ここがどういう世界なのか、ある程度は把握することができた。どうやらこの世界には科学や魔術といったものはなく、『想子(サイオン)』と呼ばれるものを流用して発動する『魔法』というものがあるらしい。そして今から行く一高とは、『国立魔法大学付属第一高校』と言い、日本で九つしかない魔法科高校の一つだ。

 

 

 そして最愛はそこの二科生として入学させられていた。

 そこまでの経緯は絹旗自身把握しておらず、魔法についての知識は無いがこれでも大能力者。軍隊で戦術的価値を見出だされるほどの実力者であり、それに伴って頭も良い。ある程度の理論については既に理解はしているため、授業も問題ないと考えている。一つ問題があるとすれば、魔法を行使するにあたり、その作業を円滑に行ってくれる『CAD』と呼ばれる物だろう。

 CAD。術式補助演算機(Casting Assistant Device)と呼ばれるもので、デバイス、アシスタンス、法機(ホウキ)など呼び方は様々であるが、勿論最愛はそんなものを持ち合わせていない。昨日の今日でそんなものが買えるはずないのだ。

 

 

 というわけで最愛は勿論手ぶら。それこそ、本当に何も持ち合わせてはいない。なんとか見つけたネットカフェで一高の入学式の日時と経路は調べたが、持ち物は特に記載が無かったのが一に挙げられる。

 CADをどうしようかと悩みながら生徒の波に流されている最愛。だが、突如立ち止まり、後ろを見た。見定めるような視線。それも二人ほどの視線を肌に感じたからだ。

 暗部ということもあり、人の気配や自分に向けられる視線にはとても敏感になっている。次々とやってくる生徒の中を注視。そして、見つけた。

 

 

 隠すこともなく自分を見つめる二人の少女。一人は二つ縛りの茶髪の少女。もう一人は黒髪で無表情な少女。勿論面識などない。しかし二人は自分の顔を見るや否や、こちらへと小走りで向かってきた。意味がわからない。

 

 

「超誰ですか。私は貴女達を超知りませんけど」

 

 

 あまり友好的な文言ではない。だが、何故か二人は顔を見合わせて頷いている。

 

 

「あの、絹旗最愛さんだよね?」

 

「……超そうですけど」

 

 

 どうやら向こうは知っていたようだ。最愛自身も自分の名前と容姿さえ分かればこの中から自分を見つけることは容易いと分かってはいるが、如何せんこの「やっぱり!」という表情をしている二人が誰だか分からない。

 

 

「私は光井ほのかって言います」

 

「私は北山雫」

 

(うしお)さんから名前だけでも聞いていませんか?」

 

「あー、超分かりました」

 

 

 理解した。昨日読んだ時に出てきた名前が三つ。間違えようがない。

 

 

「今日絹旗さんの家まで迎えに行ったのですが、居なかったのでここで探していたんです。そしたらたまたま見かけたって感じです」

 

「でも、写真でしか見たこと無くて後ろ姿だけだから話しかけづらかった」

 

 

 あの見定めるような視線は、まさしく見定めていたということだ。普段使う意味合いと少し違うが。

 

 

「超理解しました。知ってると思いますが、私は絹旗最愛。最も愛すると書いて最愛。まぁ、超気軽に最愛と呼んでもいいですよ」

 

「分かった。私もほのかでいいよ。よろしくね、最愛ちゃん」

 

「私も雫でいいよ。よろしく」

 

 

 まさか初日から下の名前で呼び合える知り合いが出来るとは、予想外の幸運だ。高校から、というのは何処か納得はいかないが、こうやって学校生活が始まっていくという実感。今はそれだけでも、最愛には感慨深いものがあった。

 

 

「超よろしくお願いします。ほのか、雫」




さて、原作に絡ませていきますよ。
文字数は着実に増えていきます。
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