第11話
『ねぇ…【 ○○○○ 】。ずっといっしょにいてくれる?』
『うん、ずっといっしょにいるよ』
『わたしのこと、嫌いにならないで。どんな事があっても…
でも1番に考えるのはこの国の人々よ。大事にしてね』
「ううん、俺が1番大事なのは……」
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ぱちーん!と頬を叩かれる。
いたい!いたいよ!夢から一気に現実に引き戻されたよ!
いてぇ…と半泣きになりながら目を覚ませば目の前には泣いているユウナ姫がいた。
「いて…いてぇけど…なんで姫泣いてるの、ねぇなn…」
「うるさい!ばか!ばか!!」
そういってぶんぶん!と両手を振り回す姫君
いやちょっとお待ちください姫様。
昨日のラパンさんに受けた攻撃の傷が癒えてなくてですね
「待って、右頬はやめて痛い」
「ばかゆうしゃ…」
ひっく、えっぐ、と泣くのは止まらない
あれ、俺何かしたっけ?こんな泣かせるようなことしたっけ??
ぽろぽろと泣きながら姫の顔が近付いてくる。
…近づいてくる???
ちゅ、と腫れた右頬に姫の唇が当たったような気がした。
「朝食、出来てるから。
リュシオルさん特製のお薬も用意して今持ってくるからまってて」
「え、や。まって姫」
「じゃ!わたしおしごとあるんで!」
カチコチ、と体から音がしそうなくらいな動きをしながら姫が部屋から去っていった
……ぱちーん!
イキのいい音が部屋へ響き渡る。
うん、腫れた右頬を叩いてみたけどやっぱり痛い。
うん、ユメジャナカッタネ!!
しかしなんでまたユウナ姫は俺を
◆◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◆
昨日の晩から荒れ狂っていた嵐は嘘のように静まって、今は綺麗に晴れ渡っている。
ルシアンさんの作ってくれた朝食に、リュシオルさんの
「…待って。この匂いは何?」
「リュシオルの魔法薬は特効薬う〜♪」
朝食を持ってきてくれたラパンさんはそう言うと、あっはっは!と笑いながら鼻をつまんで去っていった。
やべえ、これはやべえ。
匂いも見た目も危ないものにしか見えない。
せっかくの朝食がこの魔法薬のせいで不味く見えてきた。
だが、これを飲まないときっと姫は怒るんだろうな。
『分かんないものはとりあえず食え!リュシオルさんの教訓!』
って姫も言ってた気がする。
匂いも見た目もやばいけど、特効薬って言うくらいだからきっと効果は絶大なのだろう。
男は度胸!ぐい、と一気飲みする。
「おお…見た目は悪いのに、臭いのに味が美味しい…」
見た目が黒々としているのにとってもフルーティな味わいだ。
そして飲んだ瞬間、痛かった右頬が瞬時に回復したような気がした。
さすがリュシオルさんの魔法薬…
ただこれ、匂いと見た目どうにかしたほうがいいと思うんだ。
「…ゆうしゃ?」
コンコン、とノックの後に遠慮がちに姫が入ってくる。
ついさっきまでここで俺の頬を殴っていたじゃないか、何を遠慮してるんだ?
あ、でももうパンチはやめてください痛いです
「おいで?」
「うん」
また泣きそうな姫を呼び寄せて、頭を撫でる。
泣き虫で我儘なお姫様だなまったく…
ひとしきりナデナデしたところで、姫が口を開いた
「今日ね、隣国の王子さまがくるんだって」
少し震えた声で姫がそう言う
ユウナ姫の結婚相手だっけ?婚約者?隣国の王子様は…
そっか、ユウナ姫ももう大人だもんなあ…
「じゃあ俺の所に来てないで準備しなきゃじゃないの?」
「…だって」
駄々をこねたって、隣国の王子が来るのは変わりませんよ。
ぐい、と体を押して立ち上がらせる。
「だって、じゃない。ほら準備しなきゃ」
「…ばか!」
ぱちーん! いい音だな!!
せっかく回復した右頬が新しいダメージを受けた。
やめて、勇者のHPはもう真っ赤よ!!
ユウナ姫は右頬を叩いた後に、猛ダッシュで部屋から出ていった
扉の裏あたりから
「あーあ、勇者やっちまったな!」ってこえがきこえたきがする
おいそこの野次馬今すぐ出てこい。