『アンジュ、もうやめよう俺は君と戦いたくない。』
『それは叶わぬ願いだゲリー。もう始まってしまったのだよ。今更…
『戦いたくない…アンジュ俺はお前を……』
『聞きたくないッ!お前は私を裏切った!裏切ったのだ!!一生…いつまでもいつまでも恨んでやる…』
『アンジュ……俺は勇者としてお前を倒さなければいけないのか?』
『我はアンジュ、現魔王だ。勇者に裏切られ、ココロを壊した成れの果てよ。さぁゲームを始めよう。終わらないゲームを』
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「…はっ!…はぁ…は…っ」
……懐かしい夢を見た。
汗だくになった体を、窓を開けて冷やす。さむい…。
わたしもいつか裏切られるのかな
裏切られたとき、わたしはわたしのままでいられるだろうか。
どうかこのまま目覚めないで、夢のままで…
ゆうしゃもまおうもいない世界がいいの
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「ユウナ姫、私はこの結婚を成立して帰りたいと思っています。きっとお互いに不利益はないはずですよ」
「ルーヴ王子…」
シックザール国からきた、私の婚約者候補。
ルーヴ王子はとても気さくで優しい。
だけど……
「お受けできません…」
「それは何か理由が?この国は財政が厳しいとお聞きしております。我が国と結婚して同盟を結べば、今まで通り平和でいられますよ?勿論不利益には致しません。妻となる貴女の国ですから」
そう言うと護衛に来ていたデファンスさんから何か資料を受け取って、何度も読み直している。
「ユウナ姫、ここは国として機能しておりませんね。徴収なども行っていない。自給自足を謳っている。貴女自身も姫としての生活がままならないじゃないですか」
「それで良いんです。生活は大変ですが平和ですよ、魔獣も来ませんし。敵対国もおりません」
そう、
それがこの国の自慢でもある。
「…
……デファンスさんはやはり最強と呼ばれる魔法使いなだけある。
「その辺でやめておけデファンス。でも財政はどうにもならない。せめて我々の国と同盟を結びましょう。婚姻はその後でも良い」
「それくらいなら…」
ルーヴ王子は優しくて、気遣い上手でとても良い人だと思う。
でも…私は好きではない。
「にしても、このお城は甘い匂いが漂っておりますね。なんの香りですか?」
「よくお気付きですね。ユウナ姫が好きな香りでして、城全体へ【散布】の魔法で広げております」
リュシオルさんが3時のおやつを持って返事を返してくれる。
今日のおやつは…クッキーだ!!
「とても良い香りですが、城全体へとなると大変なのでは?」
「この国には私含め、数人の魔法使いがおりますがなかなか骨が折れますよ。ですから基本的には姫様のお部屋中心に漂わせておりますの」
「…そこまで大きいお城じゃないもん」
ゴクゴク、と品の無い作法で紅茶を飲み干し、クッキーをむさぼる
リュシオルさんが「めっ!」って目で訴えかけてるけどしーらない!
「姫様のお部屋からとなると…部屋は城の中心にでもあるんですか?」
「いいえ?でも姫様の部屋はいつも甘い香りでいっぱいですよね〜おほほほ」
私の品の無さを隠すように、必死に会話を繋ぐリュシオルさん
そんなこと気にせずにおかわりのクッキーを頼んでむさぼる。
「…守備と騎士の魔法もですか?」
「先程から言っておりますが、散布の魔法で広げているのはこの香りのみです。
「ご馳走様、お先に失礼します」
「あ、姫様!」
不愉快だわ。まったく。
ゆうしゃもいないし、つまらない。
早く帰って欲しい!!
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◆おはなし◆
その昔、勇者とよばれるものと魔王とよばれるものがいた。
ただ、そう呼ばれていただけだった。
ふたりはなかよしだった
とても愛し合っていた
勇者が魔王をうらぎるまでは。
その昔、勇者とよばれるものと●●<<名前が消されている>>と呼ばれるものがいた
ただそういう愛称だけだと思ってみんな疑わなかった
ふたりはなかよしだった
とてもお互いを思いやっていた
まるで姉弟のように
まるで家族のように
お互いがお互いを大事にしていた
死が二人を分かつまで一緒だと思っていた
二人もそう信じて疑わなかった
あのひがくるまでは
ふたりのなかにながれる ●●●●が
文章はここで破かれている
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