第23話
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………
……
色々と思い出される失われたはずの記憶。
まだ意識は戻らないか。
このまま思い出させて良いのか。
世界が壊れてしまわないか。
暫し考えた後、我は……
『まだ眠っていておくれよ、勇者』
力を使う。
腐敗した匂いを漂わせた、ドラゴンゾンビを生み出す。
そのドラゴンゾンビに様々な術を組み込ませる。
きっと目覚めたら我に八つ当たりするのだろう。
こいつは我に姿が似ているからちょうどいい。
『さて、ソレイユの暴走を止めねばならぬ』
我はだんだんとある姿へになってゆく
「運命を…変えよ、勇者…」
さあ、変えようか。
未来を。
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「……っあ!」
頭がいたい、いたいいたいいたい。
溢れ出るように何かが頭を埋め尽くす
突然の膨大な情報量に心も体も追いつかない
「あああああああ…!!!」
『グルルルァ…』
腐敗した匂いがするドラゴンゾンビが目の前にいる。
こんな時にピンチかよ…待ってくれよ
頭が追いつかない
「…っ!【スミレの舞】!」
攻撃をしながらも頭の中は急に思い出される記憶でいっぱいだ
ソレイユってなんだ、リューヌってなんだ
ゲリー?だれだ、あの記憶はなんだ
「どうして!なんで!?なんっで…俺の知らない記憶があるんだ!」
早く姫に会いたい、あいたいあいたいあいたい。
あいた…い…姫…姫って誰…だっけ…ああ…
「あああああああ…!!!」
また眠い、眠くなる
飛んで来る魔法を魔法障壁で防ぎながら、気を失いそうなのをこらえる。
忘れちゃいけない、いけないんだ
だって
「ソレイユ…ソレイユ…!」
今までどうして忘れていたんだ
愛しいヒトの名前だろう。
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巻かれたネジが終わったかのようにプツン、と勇者が倒れた。
勇者がぐちゃぐちゃになるまで叩き切っていたナニカも同時に消えた。
そっと勇者を膝枕する。
「勇者…」
こんなにボロボロになってさ…
こんなに泣いちゃってさ…
せっかくのイケメンがきちゃないよ…
わたし、こういう時にお酒しか持ってないよ
バシャバシャ、とお酒を顔にぶっかける。
「ラパン…?お酒なんてぶっかけたら勇者が酔うだろ!?というか君は一体何本隠し持ってるんだ!」
やだなぁ、ほんの50本だよぅ。
まだまだ少ないやい!
「シャー、まだ来ないのリュシオル…」
「もうくると思うけどね。勇者の具合はどうだい?」
「【治癒】の魔法しか使えないから…大した回復にならない。
リュシオルのあの劇的にまずい魔法薬じゃないと…」
「ん、応急処置にはなってる。それでいいんだよ」
ごめんよ勇者、お酒なんてぶっかけて。
そう思っていると近くの地面へ魔法陣が現れた。
あれは…リュシオルの移転魔法かな?
「……はあっ!はっ…お待たせしまし…た…ご無事ですか皆さん…」
「リュシオル…なんで君は血まみれに…?」
「勇者…勇者はだいじょうぶです…か…早く治療を…」
「リュシオル!?あなたの方こそ治療が…!」
素早く治癒の魔法をかける。
気休めだけど仕方ない!!
「リュシオル、王宮で何かあったんだね」
リュシオルの特性治療薬をぶっかけながらシャーさんが聞く。
あのリュシオルがこんなにボロボロになるなんて…
そもそも今まで魔獣や何処かの国が攻めてくるなんてきいたことがない平和な国はずだったのに…
「魔王が…あらわれました…」
魔王?あの魔王?