勇者×魔王   作:沙耶 -saya-

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第5話

ごうごう、と風の吹き荒れる音がする

花の森から帰って食事を楽しんだ後から、天気が荒れ始めたのだ

 

「あーあ…明日も行きたかったのに止むかな雨」

 

ションボリとしたユウナ姫がラフな格好ででかいベッドへ転がる

 

「晴れなかったらまた次に行けばいいじゃん、楽しみは後でってのもいいもんだよう」

 

食後のワイン、と言って姫の部屋で寛ぐラパンさん

…あれ?ラパンさんって食事とってたっけ?お酒ばっかり飲んでた気がするんだが

 

「うん…でも…お花が」

「あー、この風じゃ散っちゃうかもね」

「あうー……」

 

急にやって来た嵐だからなあ

今日、花の森に行けてラッキーだったのかもしれない

…とりあえず泣きそうな姫をどうにかしなきゃ

 

「ユウナ姫…」

「ばばーーん!食後のデザートの後のデザートだよー!いえーい!」

 

ルシアンさん、デザートはさっき食べたでしょ?

そう突っ込みたかった。

俺の腹はパンパンよ

 

「わあ、綺麗なゼリー!」

「姫がとって来てくれたオレンジとリンゴのゼリーだよ。摘んで来たお花も入れてみたんだ、これで元気出して?」

 

オレンジ色のゼリーに色とりどりの花が飾られている。

まるで…

 

「宝石みたいだね」

「うん、綺麗!ありがとう!」

「もうすぐ姫の誕生日だからさ、色々なデザート作っておきたいんだ。どんなのが喜ぶのか分からないし」

 

そう言って全員分のデザートを部屋に運ぶルシアンさん

…いつの間にかリュシオルさんとシャーさんまでいるぞ

 

「姫ももう大人かあ、って事は…」

「……………」

 

ラパンさんの呟いた発言に大好物のゼリーを食べる手を止め、俯く姫。

リュシオルさんがポケットから一枚の手紙を取り出す。

 

「隣国の王子が会いたいとの手紙を出してきました。そろそろ結婚相手を決めねばなりませんよ姫様」

 

「……だ」

「ユウナ姫?どうしたの」

俯いて震えてるユウナ姫の肩へ手を掛けようとした

 

「やだっっっ!!!!!」

 

…分かってる、分かってるよ。

結婚相手を決めるのが嫌なんだって、その嫌だって事なんだって

ただタイミングが悪すぎて…

 

「あ……」

「ユウナ姫…?」

「ごめんなさい、ゆうしゃごめんなさい、ちがうの」

 

うん。ちゃんと分かってるよ。

姫はちゃんとした人と結婚しなきゃダメなんだって

 

「ゆうしゃ……?」

 

姫が何か言ってる、言ってるのに返事ができない。

黒い何かが、ココロを乱し始めてくるしい。

 

「ユウナ姫、ここは私に任せるんだ」

 

とうっ!とラパンさんが飛び上がる。

近づいてくるラパンさんの足の裏。

ラパンさんのラビットキックで、気を失った。

 

 

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