ごうごう、と風の吹き荒れる音がする
花の森から帰って食事を楽しんだ後から、天気が荒れ始めたのだ
「あーあ…明日も行きたかったのに止むかな雨」
ションボリとしたユウナ姫がラフな格好ででかいベッドへ転がる
「晴れなかったらまた次に行けばいいじゃん、楽しみは後でってのもいいもんだよう」
食後のワイン、と言って姫の部屋で寛ぐラパンさん
…あれ?ラパンさんって食事とってたっけ?お酒ばっかり飲んでた気がするんだが
「うん…でも…お花が」
「あー、この風じゃ散っちゃうかもね」
「あうー……」
急にやって来た嵐だからなあ
今日、花の森に行けてラッキーだったのかもしれない
…とりあえず泣きそうな姫をどうにかしなきゃ
「ユウナ姫…」
「ばばーーん!食後のデザートの後のデザートだよー!いえーい!」
ルシアンさん、デザートはさっき食べたでしょ?
そう突っ込みたかった。
俺の腹はパンパンよ
「わあ、綺麗なゼリー!」
「姫がとって来てくれたオレンジとリンゴのゼリーだよ。摘んで来たお花も入れてみたんだ、これで元気出して?」
オレンジ色のゼリーに色とりどりの花が飾られている。
まるで…
「宝石みたいだね」
「うん、綺麗!ありがとう!」
「もうすぐ姫の誕生日だからさ、色々なデザート作っておきたいんだ。どんなのが喜ぶのか分からないし」
そう言って全員分のデザートを部屋に運ぶルシアンさん
…いつの間にかリュシオルさんとシャーさんまでいるぞ
「姫ももう大人かあ、って事は…」
「……………」
ラパンさんの呟いた発言に大好物のゼリーを食べる手を止め、俯く姫。
リュシオルさんがポケットから一枚の手紙を取り出す。
「隣国の王子が会いたいとの手紙を出してきました。そろそろ結婚相手を決めねばなりませんよ姫様」
「……だ」
「ユウナ姫?どうしたの」
俯いて震えてるユウナ姫の肩へ手を掛けようとした
「やだっっっ!!!!!」
…分かってる、分かってるよ。
結婚相手を決めるのが嫌なんだって、その嫌だって事なんだって
ただタイミングが悪すぎて…
「あ……」
「ユウナ姫…?」
「ごめんなさい、ゆうしゃごめんなさい、ちがうの」
うん。ちゃんと分かってるよ。
姫はちゃんとした人と結婚しなきゃダメなんだって
「ゆうしゃ……?」
姫が何か言ってる、言ってるのに返事ができない。
黒い何かが、ココロを乱し始めてくるしい。
「ユウナ姫、ここは私に任せるんだ」
とうっ!とラパンさんが飛び上がる。
近づいてくるラパンさんの足の裏。
ラパンさんのラビットキックで、気を失った。