勇者×魔王   作:沙耶 -saya-

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ユウナ姫視点


第6話

「じゃあ明日は花の森に行こう、迎えに行くよ」

 

ずっと行きたかった花の森!

ゆうしゃが連れて行ってくれる明日が楽しみで楽しみでなかなか寝付けなかった

でもそろそろ寝ないと…寝坊して【寝坊助ユウナ姫】なんて言われたら嫌だしなあ

ふかふかのお布団に包まって、きゅっと目を瞑る。

ラパンママに起こしてねって頼んであるし、寝坊はしないはず!

明日は、明日は楽しい日になりますように…

 

◆◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◆

 

「ねれなかった…」

 

楽しみすぎて眠れなかったのだ

ラパンママが起こしに来る時間までまだある

でももう眠れそうにないし…

もそもそ、とふかふかの布団から出て窓から外を見る

良い天気、晴れていて気温もちょうど良い。

咲き乱れてる花々がとても綺麗。

花の森はこれよりもっと綺麗なんだろうな…

ゆうしゃはもう起きたかな、早く会いたくてたまらない

 

「あら、ユウナ姫起きてたの?楽しみ過ぎてねれなかったんだねえ」

「ラパンママ!」

 

ガチャ、とノックもなしに入るのはラパンママだけ

他の人たちは皆、声を掛けてから私の部屋に入る

 

「起こしてねって頼んだのにごめんなさい、眠れなかったの」

「あらまあ、一睡もしないで行くつもり?若い子は元気だのう」

 

優しく微笑みながら私の頭を撫でてくれる。

私はずっと母親がわりをしてくれているラパンママがだいすき

 

「だと思ったからね、リュシオルから魔法薬貰ってきたの。眠れなかった時用の元気の出るお薬と、ルシアンの作った朝食だよ。ほら、お食べ」

 

青緑色の魔法薬と、ほかほかと美味しそうな朝食。

…魔法薬からは臭いにおいが漂っている。

飲まなきゃダメかなこれ、嫌だな

渋い顔をして躊躇していると、ラパンママが察したのかくすくす、と笑った

 

「リュシオルの薬は見た目が悪いもんねー、効き目はあるし味も美味しいんだよ。…匂いと見た目がやばいけどね」

 

あははー、と笑ってすすす、部屋から退散して行く。

うん、匂いと見た目がやばいよねこれ

でもせっかく作ってくれたしなぁ。

元気ないままいったらゆうしゃに心配かけるし…飲むしかないのか……

ぐい、と一気飲み!

分かんないものはとりあえず食べるべし!リュシオルさんの教訓!

 

◆◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◆

 

早く会いたくて、待ち合わせ場所に早く着き過ぎてしまった。

結局見た目の悪い薬はとてもフルーティで美味しかった。

ルシアンさんの作った朝食も美味しく頂いた。

ラパンママは護衛について行こうか?と言ってきたけど、今日は2人がいいから断った。

大丈夫、ゆうしゃと一緒だもの。

いざとなったら転移魔法で逃げ帰れば良い。

 

「ごめん、姫お待たせ」

「もう、遅いよ」

 

ぷーっと頬を膨らます。

怒ってますあぴーるってやつ。

別に待ち合わせ時間を過ぎたわけでもない、私が早く着き過ぎただけなのだから。

 

「ごめんね、ユウナ姫。朝食を食べてたら時間を忘れてたんだよ。

今日は花の森に行く約束だったよね、ほら早く行こう!」

 

そう言って私の手を取って走り出そうとする。

相変わらずマイペースな人だなぁ。

 

「ま、待ってゆうしゃ!早いよ〜…」

「…2人でいる時は 勇者(・・) はやめようって言ったでしょ?」

「あ…うん、ごめんね。でも癖だから…それに…」

 

ゆうしゃ、って呼ばれるの嫌なのかな。

でも勇者の名前で呼ぶのは………

 

「ほらもう…行こう!」

 

ゆうしゃは早く行きたいとばかりに私の手を引っ張る

もう、私が運動苦手だって知ってるくせに…ゆっくり歩いていけば良いのになあ

 

「もうやだあ、ゆうしゃーつかれたー」

 

もう少しゆうしゃのそばにいたい。

長くそばにいたい

我儘言ったっていつでもゆうしゃは笑って叶えてくれるんだ

 

「はいはい、ほら掴まって」

 

ほら、またこうやってわらってお姫様の我儘(・・・・・・)をゆるしてくれる。

 

◆◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◆

 

ゆうしゃのお姫様抱っこで揺られて1時間。

道中現れた魔獣はゆうしゃの魔法で消えていった

相変わらずつよいんだなぁ、ゆうしゃ。

 

「すごーいすごーい!お花がいっぱい!綺麗だね〜!」

「この時期には花の森は花の絨毯が出来上がるんだ。

良い時期にここにこられて良かったね、姫。」

 

太陽の光に包まれて、黄金色に輝く花畑

花の森にこんな景色があったんだ!

ゆうしゃと一緒に見られて良かったなぁ

とりあえずお花をたくさん摘んで帰るんだ

心配してるであろうラパンママへのお土産にしなきゃ

 

ふとゆうしゃの方を見ると、怖い顔をして周囲を警戒していた。

そんな事しなくても魔獣なんてこないのに(・・・・・・・・・・)

もう、仕方ないなぁ…

ぽすっ、と怖い顔をしているゆうしゃの頭に花飾りを乗せる

うんうん、我ながら良い出来だ!

なのにゆうしゃったら頭から取っちゃうもんだから…

 

「あーあ、せっかく似合ってたのにぃ〜。ゆうしゃとっちゃだめだよう」

「…ん、花飾りか。作ったの?」

 

ふ、といつもの優しいゆうしゃの顔に戻る。

私はその顔が見たくてやったのだ

 

「うん!ゆうしゃ、怖い顔してどこか見てるから。せっかく綺麗な場所にきたんだから楽しまなきゃダメだよ?」

 

せめて今日だけは、楽しんでほしい。

私といるこの時間だけは、使命なんて忘れて楽しんでほしいのだ。

 

ーーーーーーーーー

◆おはなし◆

 

花の森 黄金色に輝く時

永遠に愛を誓い合い者と見るべし

さすれば永遠に続くであろう

 

花の森 黄金色に輝く時

願い事 ひとつ 叶え

黄金色に輝く絨毯 風に舞い

其方の願い 叶うだろう

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