甘い匂いが胸をいっぱいにする
お花の匂いだって、ゆうしゃは言っていたけどこれフルーツの匂いもあるよね。
キョロキョロと周囲を見渡す。
「本当にきれい…あまーい匂いもいっぱいだし!お花摘んでも摘んでも無くならないの!
…あ!あそこに美味しそうな実がなってるー!ねえねえゆうしゃー!」
「もう…はしゃがないの。ほら取ってあげるから…」
綺麗なオレンジ色の実がなっている木を見つけた
うん、これからも甘い匂いがする!
なんていう果物だろう?
分かんないけど、とりあえず……
「分かんないものはとりあえず食べるっ!リュシオルさんがそう言ってた!」
「ちょ、リュシオルさんなんでそんな危ない事教えてんの!!やめ、やめて姫!分かんないもの食べないで!!」
ゆうしゃが慌てて止めるけどもう遅い!
大丈夫だよ、この綺麗な実が毒なはずがないもん!
甘い匂いもするし、これはきっと美味しいもの!
「んにゃー!甘酸っぱい!美味しい!あ、そうだ!リュシオルさんにもお土産で持って帰らなきゃ!あとラパンさんとシャーさんにも…」
とっても美味しい!デザートにこれを使った何かをルシアンさんに作ってもらおう
それにこれでワインなんて作ったらきっとラパンママも喜ぶかも!
…やっぱりラパンママも一緒に連れてきたら良かったなあ
ゆうしゃと2人きりでいたいって我儘を言った自分に反省する。
とりあえずゆうしゃに魔法で落としてもらう。
たくさん集めてお土産にしなきゃ!
夢中になって集めていると、ゆうしゃが誰かと喋っていた。
さっき突風が吹き荒れてたなあ…
トコトコ、とゆうしゃへ近付く。
ゆうしゃと喋っていた人はアムールエテルネル国の大臣を務めているリュシオルさんだった。
何でここにいるんだろう??
「あれぇ?リュシオルさん!見て見て、美味しい果物いっぱい取ったの〜」
袋いっぱいに詰め込んだオレンジ色の果物を見せると、リュシオルさんが優しく微笑む。
「姫様、夕食後のデザートにこの果物を使ったシャーベットにゼリーをお出ししますよ」
「ほんと!?じゃあいっぱい集めなきゃ!」
ルシアンさんの作る料理は絶品なの!
今日のデザートはきっと豪華ね、気合い入れなきゃ!
「早く落として!はやく!ゆうしゃ!」
「…リュシオルさん、勘弁して下さいよもうー」
溜息つきながらもゆうしゃは果物を落としてくれる
いつもそう、ゆうしゃは私の我儘を聞いてくれるのだ
それにいつも私は甘えてしまっている。
「ははは、仲のよろしいことで。まるで姉弟のようですね」
リュシオルさんはそう言って目的であった薬草と木の実を探し始めたようだ。
…そういえばさっき向こうにあったような?
集めきったら教えてあげなきゃ!