異世界に行ったら案内人いなかったので、仕方がなくぼっち日記書き始めました。 作:玄武 水滉
おはよう世界、そして俺の異世界物語の幕開けだ。
嘘です昼まで寝てました。こんにちは。
今日はとりあえず書きながら歩こうと思う。相変わらずこの特技だけは誰にも譲れない。
それじゃあとりあえず昨日起きた事について書いていこう。
昨日日記を書いている途中で熊みたいなのに襲われた所までは覚えてる。
だが実際俺はかすり傷ないし、熊が居たような痕跡も無かった。あんだけでかいのが歩いていれば爪跡とか足跡とか残ってそうだけどな。
それともう一つ。昨日書いていた俺の日記の1ページがビリビリに破られていた。破片を拾って見ると、書いていた文字に線が引かれている始末。俺の命の日記を消したの誰だよ。
でも確かに俺は熊を見たし、爪が振り下ろされてる所までは覚えてる。死ぬーなんて思ったしな。
だとしたら、俺は実際死んでいて、ここは死後の世界って考えるのは……無しか。死んでもなおぼっちとかマジで地縛霊になって出てくんぞ。というか地縛霊は動けないから誰か来るまで一生ぼっちじゃねぇかふざけんな。
地縛霊説は無いとして。だとしたら異世界特有のスキルとか言うやつか?俺の時代ktkr!
仮に特殊能力だとして、その能力の概要はこうだ。
・出来事を起きなかった事に出来る
・それは日記に書いた文字を消す事で発動出来る
・今のところ能力が発動したのは、魚が取れなかった時と、熊に襲われた時。何れも逆の事が実際に起きたので魚は取れたし、熊には襲われなかった
一通り纏めたけど、なんというか……流石異世界。
1番目の起きなかった事に出来るってのは違うな。正確には起きた事を逆にする……だから3番目に書いてある事が正しいと思う。だから多分だけど、俺がこれから人には会えないって言葉を消したら人に会えたり……!?
おいおいマジか異世界イージーだな。この日記帳とシャーペンがあれば俺は無敵だ。なんならハーレムなんぞ楽勝だな。ケモ耳もエルフも見放題だ。触れって?バカ、俺にそんな勇気あるわけないだろ。
シャーペンきれたら……まぁ、なんか使って書けばいい。日記帳?んなもんは書けるもんあれば大丈夫だろ。
異世界がイージーモードになった所で、早速人に会えるように日記を書いてみよう。
俺は結局人には会えなかった。っと。相変わらずのフリーハンドの線は汚いな。
……とりあえずこれで大丈夫なはずだから進んでみるか。会うんだったら美少女がいいなぁ……いや、面と向かってブスとか言われたらそこで死ぬまである。やっぱ馬車に鞭打ってるおじさんあたりがいいな。
よーし!人に会うまでひたすら歩くぞ!
夜になりました(発狂)
全然会えないんだけど……!?何このクソゲー。
考えられる原因は一つ。
そもそもの能力発動のトリガーが違った。これしか無いと思う。周りに人いないんじゃね?とかも考えたけど、あまり現実的じゃ無いと思う。異世界だけど。
日記に書いた文字を線を引いて消す。これでは無かったらしい。ならなんで魚と熊の時は起きたんだ?
全く分からない。もしかして線の引き方が悪かったのか……?やっぱ真っ直ぐじゃ無かったからな。定規があれば勝ってた(確信)
って、え?なんか俺が引いた線の上に定規で引いたような線が書いてあるんだけど……!?
もしかしてこれが能力が働いた証拠だったりして!?
まーさーかー……ね?
そして今俺は見つけた家の中で部屋を借りて、ベッドに寝転びながら書いている所存でござる。家を見つけられて本当に良かった。やっぱり能力は働いてたらしい。
いやー家に入ったら優しそうなおばあちゃんがいて良かった。俺がノックしたら快く向かい入れてくれたし。明日用を聞いてくれればいいって言ってたし……お前を食わせろォ!とかじゃ無いよね大丈夫だよね?
とりあえずおばあちゃんからこの世界について詳しく聞いたから、ここに書いていこうと思う。大雑把な解釈だけど許してね。
・ここはどうやら“箱庭”っていう世界らしい。てっきりあだ名みたいなもんかと思ってたけど、“箱庭”が実際の名前なんだとか
・この世界では主にギフトなるもののを使ったギフトゲートが開催されるらしい。ギフトゲームでは金品や名誉を賭けて争うものらしく、負ければ自分の
・そしてギフト保持者は決まってコミュニティなるグループを作って、ギフトゲームをして暮らしていくらしい
なるほど……俺の日記に線が引かれるこの能力はギフトって言うのか。
そういえばおばあちゃんに手紙で呼ばれた話をしたんだっけか。そしたら、『どこかのコミュニティが人材確保の為にでも呼んだのかねぇ……』って言ってた。
つまり、俺はその俺を呼んだコミュニティの案内人なる人物にも見放され、更に衣食住を奪われてクマにも襲われたと。
許すまじ。
いやいや、これは俺怒っていいでしょ。俺に起きた事を帳消しにするギフトがあったとしても、聖人じゃなければキレる。というかおばあちゃんから話聞いた時、は?って思った。俺は聖人じゃ無いんで。
一先ず俺の苦労譚を話したらおばあちゃんがこの家に寝泊まりしていいと言ってくれたので、少しばかり作戦会議といこうじゃないか!あ、勿論おばあちゃんに色々と聞きながらな。外には出るなって?俺だって盗賊コミュニティとかには鉢合わせたくないもんね。ナイフとかで切りつけられそう。こわっ。
現時点での目標は、俺を呼んだコミュニティを探す事。これに限る。
となれば先ずは大都市に行って情報集めだな。ここいらで大きい都市を聞いた所、西の方に行けばあるらしいが、それよりも北の方で大きな祭りが近々あるらしい。北に行った方が良さそうだな、人も多くのコミュニティも来るらしいし。
よし!と思ったところで北への距離を聞いて死んだ。は?900000キロって何?歩いてたら俺おじいちゃんになっちゃうんだけど。
でもその問題もおばあちゃんが解決してくれた。何このおばあちゃん、天才なんだけど。もう人間国宝にしていいよ。
あすとらるげーと?なる厨二くさいやつで送ってくれるとか。もうやだ大好き。結婚しよ。
でもなんかあの大きな蛇が出して来た様な羊皮紙をおばあちゃんが俺に渡して来た。これが噂のギフトゲームってやつか。一応ノートにメモっておこう。ノートはギフトの関係上ずっと持ってないと行けなさそうだし。因みにこれがおばあちゃんの言ってた用らしい。ゲームにすれば楽しいでしょとはおばあちゃん談である。
『ギフトゲーム名 ”豆の木をもう一度“
プレイヤー一覧 河野 芳樹
クリア条件 天空から金の卵を取ってくる
クリア方法 豆の木を登って天空に向かう
敗北条件 降参か、プレイヤーが上記の勝利条件を満たせなかった場合
宣誓 上記を尊重し、誇りと御旗とホストマスターの名の下、ギフトゲームを開催します。
“ジャック・ストーク”印』
……………………はい?
目をこすっても全く変わらん。あのおばあちゃんは俺に天空に行って死ねと。死ねと申すのか。急に悪魔に見えて来たんだが。
うーん、でもこのギフトゲームをクリアしないとコミュニティ探しにも行けないしなぁ……900000キロ歩くとか絶対嫌なんだけど。
俺のギフトを使えば取れなかった事を取れた事に出来たり出来ないかなぁ。多分無理そう。
となれば豆の木を登らないといけないか。というか童話のジャックは良く装備なしで登れたな。流石童話パワー。だってジャック登り始めてすぐ落ちて死んだら話続かないもんね。
でも俺はジャックではないし、おばあちゃんの出したギフトゲームが『ジャックと豆の木』を模倣したものだとしても、俺は落ちたら死ぬ。
死ぬ……?あっ。
ギフトの秘密分かったかもしれん。