機動戦士ガンダムSEED Parasite Strike 作:見ルシア
アタランテの話は続く
<G兵器のデータを回収した事でアラスカには既に彼らを用済みと見ている者もいます。それにある理由によって毛嫌いしている者もいるのです>
「ある理由ですか? 」
アレンは思わずアタランテに対して聞き返した。
「これはまだ公にしてはいない事だが最後に残ったG兵器、ストライクに乗っているのはコーディネーターの子供だそうだ」
ホバート大尉がアタランテの代わりに答える。
コーディネーター、遺伝子調整によってあらかじめ強靱な肉体と優秀な頭脳を持った新人類であり、ザフト軍の兵士のほとんどは全てこのコーディネーターで構成されている。
逆にアレン達、コーディネーターでない者はナチュラルと区分されている。
「コーディネーターが!? ですが、その情報は確かなのですか? 」
<これも第8艦隊の特命隊からG兵器のデータと共に伝わった情報です。かなり信憑性のある情報ですよ>
「しかし……それが何の理由に……?」
アレンは腑に落ちないという表情を浮かべた。
「アレン中尉、ストライクのパイロットはコーディネーターである、それだけでストライクとそのパイロットを排除する理由にも十分なのだよ。我々はコーディネーターと戦っているのに、そのコーディネーターが我々の戦力の切り札に乗っていると言うのは示しがつかないだろう」
ホバートはそう言ってから「わざわざ説明させるな」と一言付け加えた。
<ひとまずアークエンジェルに関しての対処は上の出方を見ましょう>
たしかにアークエンジェルが宇宙にいる以上、宇宙に上がるマスドライバーもないこの基地からでは出来る事もない。
<話を変えます。
ザフト軍はC.E.70年4月1日、オペレーション・ウロボロスの発動によりこれを地球全土に撃ち込んだ。
以降、これにより原子力エネルギーを失った諸外国では大規模なエネルギー危機が発生し甚大な被害を今も及ぼしている。
<現在はアイルランド基地が回収作業にあたっているそうです。そして回収した後はそれを解析する必要があります。
「その解析する者と言うのは?」
<その解析は私が担当する事になりました。では、ホバート大尉、作戦責任者から次の作戦の説明をお願いします>
アタランテに代わってホバートが作戦の説明を始める。アタランテが最初から最後まで作戦説明をする事も出来たが、上司という立場を配慮したのだろう。
「まず、この
「ですがヘリックスはアタランテのバックアップが無ければ戦闘は出来ませんよ」
「それに関しては心配は無い、パラサイトストライカーユニットにアタランテの戦闘データをコピーして搭載する。これで基地と直接繋がった状態でなくても戦闘を行えるはずだ」
今までへリックスはアタランテと常時通信を行うために基地とのケーブルに繋がれたままで戦闘を行っていたが、ようやく単独での行動ができるようになると言うことだった。
ここで机のモニターに地上用中型戦艦の画像が映し出される。
ゲオルク級地上用中型戦艦『ヴェンデロート』
ザフトのピートリー級地上用中型戦艦に対抗するためにシルバニア基地で建造していた戦艦である。ホバー移動により平地はもちろん砂地、水上まで移動可能な地上戦艦である。
全体的な塗装色はアースカラーであり、2連装対空砲や75mm対空自動バルカン砲塔システム イーゲルシュテルンなどの対空兵器も充実、戦闘機だけでなくもちろんMSも搭載する事ができる。
「移動中もこの艦にアタランテシステムのデータ移送を行い、最終的にはシステムの全てがこの艦に集約される予定となっている」
つまり基地の防衛システムの全てがこの艦に組み込まれるということか。と、アレンは納得する。
「出発は5日後になるだろう。それまでパラサイトストライカーの最終テストを行い、完璧に仕上げておくように」
「了解しました」
とりあえず出発まではいつも通りと言うことのようだった。
5/19 推敲