FRAME ARMS DESTINY T&S 作:デボエンペラー
XDのキャラも出てくるよ。
そしてついにあの連中も登場デース。
「奪われた……『奪われた』、だと!? フレームアームズ7小隊28機を全て!? しかも戦闘開始からわずか3分にも満たない時間で!? 壊されたならまだしも、奪われるとは貴様らは何をしていたッ!!」
激戦区の1つである中東地区において、作戦士官の1人だったタート・ルーウェル中佐は怒りを露にしていた。
ここ最近の中東では妙なことになっている。何でも防衛機構と独立自衛組織との戦闘を止めるよう呼びかける集団がいて、それが通らないとなると無差別に攻撃を行っているのだ。
そしてルーウェルはその集団に対して調査あるいは殲滅を命じたが、結果は惨敗。しかも帰還者の話によると手足とバーニアを射抜いて動けなくしたところを鹵獲するという、彼……いや運良く脱出できたパイロットらからしてみれば屈辱以外の何物でもない行動を行っていた。
「……こんなことなら、あの機体破壊者を残しておくべきだったな……!!」
機体破壊者とは、以前内通疑惑で防衛機構から追放された男の事だ。名はジャン・B・ウィルバー、高い戦闘技能を持ちオペレーション・バードハントでの実績で出世したリロイ・ハロルドの上官兼相棒、そしてあらゆる機体を操る傭兵トルース・ロックヘッドと同じ実力を持つフレームアームズパイロットだった男だ。
だがそれ以上に極端な操縦による機体損壊と独断行動の常習犯の顔を持ち、追放もそれが原因だと言われるほどの問題児。性格も典型的な不良軍人のそれだった。
しかし彼以上のフレームアームズパイロットは多くない。最近日本で自衛隊の一派閥がこちら側に加勢すると報告が挙がったが鎮圧され、代わりに東西に分裂した日本のうち東側が防衛機構に加勢することになった。しかしその何割も西側との内戦状態に陥ったためそれどころでは無くなっているし、彼は当初戦争に消極的だった日本を軽蔑しきっている。
「クソッ!! 働いているフリをする様になっただけのジャップ共と言い、得体の知れん連中と言い忌々しい!!」
彼は拳をデスクに叩きつけ、表情を憤怒の色に染め上げる。しかしそんな彼を慰める者はこの場には誰もいなかった。
『戦闘を停止してください!僕達はいつまでも戦っていてはいけないんです!!』
一人の少年の声が中東の空に響き渡る。それと同時に薄紅色の戦艦と純白の巨大な足を生やしたような機体が上空に姿を現して戦場に介入している。
相手の機体の中でひと際目立つのは黄金の関節と青き翼を持った機体。それが様々なフレームアームズに襲い掛かり、しかも翼から展開した小型の兵器がフレームアームズの手足やブースターを射抜いていく。
そう、手足やブースターだけ。機体のコクピットには攻撃を仕掛けないことから、その機体の射撃の腕は並大抵のフレームアームズのパイロットよりも格が上だと言うのは明確過ぎた。
『なんだあのフレームアームズは!? あんなの見たことないぞ!?』
『月面軍の機体!? 月面軍の機体がどうして人間の声を出すんだよ!?』
彼らの声は実は的外れの物でしかない。なぜならばその機体は『月面軍』のものでも『防衛機構』のものでも――ましてや『フレームアームズ』ですらない。
黄金の関節と青き翼、そして白い体躯を持つ機体……ZGMF―X20Aストライクフリーダム。その機体は『フレームアームズ』ではなく『モビルスーツ』と呼ばれる存在であり、その中でもコズミックイラと呼ばれた世界の中では最強とも謳われる機体。
そしてそのパイロットは人類の夢と業、最高の存在をつくるための計画の研究成果であり、異世界においてはまさに英雄と呼ばれるに相応しいほどの数の敵を屠ってきた男……名前をキラ・ヤマト。彼のパイロットとしての能力の高さは、敵対した機体のコックピットを狙わず、機体の頭部や四肢のみを破壊して戦闘継続能力を奪うことを可能にしていることからも明らかである。
『怯むな!! 撃て、撃てぇぇぇ!!』
一斉にアサルトライフルやガトリング、ミサイルが一機の敵に襲い掛かるが、それすらもかの機体には避けられ、直撃した攻撃もあったがそれを気にした様子もなく砲撃を行っていく。
『馬鹿な、直撃だぞ!?』
距離を離せば砲撃、更に離そうとすると近づいてきて取り出したカッターで手足を斬られる。この機体は遠近攻防が可能である機体だったのが最悪だった。
『各機散開!! 纏まったら的にしかならんぞッ!!』
『了解です隊長……ならばこいつはどうだ!!』
それと同時に一体のコボルト……ただし月面軍との戦闘で鹵獲し、防衛機構の陣営として生まれ変わった茶色を基調とした機体が腕を前に向けてビームオーブガンを放つ。
彼の判断は偶然とはいえ正しかった。襲い掛かった機体は物理攻撃こそ無効にするが、光学兵器には手にしたユニットを介さない限り傷を負ってしまうからだ。
勿論それは相手がその機体一機だけの話だが。直ぐにそれを護るかのように一機の黄金の機体が身代わりとなって攻撃を受ける。
『ムウさん!!』
『坊主、俺は不可能を可能にする男だぜ……こんな攻撃、ローエングリンやタンホイザーと比べりゃどうってこたねぇ……つーわけだ、残念だったな手前らぁッ!!』
その叫びと同時に砲撃が跳ね返され、その砲撃は運悪くコクピットを射抜いて爆散させる。
『なッ……反射装甲……冗談だろおい!!』
それは防衛機構はおろか月面軍でさえ開発できていない代物である。故にその絶望は先ほどの比ではない。これでは物理攻撃も光学兵器も向こうにされると言われたようなものだった。
その機体の名はORB-01アカツキ。本機は異世界のとある島国におけるフラッグシップとなるべく、防御力を最大限に考慮された設計となっている。その金色の装甲は相手のありとあらゆる光学兵器を跳ね返す鏡面装甲と、敵の高威力光学兵器の直撃すら耐える威力すら持ち合わせている、ある島国の理念を護るために生み出された最強の盾。
それを操るのは異世界では奇跡の生還者と呼ばれたであろう『不可能を可能にする男』ムウ・ラ・フラガ。その空間認識能力はキラ・ヤマト以上と恐れられる。
コズミックイラの中でも最強に近い男たちが操る、まさに一騎当千の機体。それに彼らはなすすべもなく沈黙するしかなかった。
『止めてよね。キミたちの攻撃が僕たちに通じるわけがないじゃないか』
『子供の駄々っ子みたいな攻撃、通じるわけないじゃねぇの』
最早そこは二機の蹂躙場。逃げるにしても戦うにしても、相手が悪すぎたとしか言えない。
何せ攻撃がほとんど通用しない。相手はこの世界の存在ではないから情報が殆ど無い。何より彼らにしてみたら相手の思考が読めない。
物理攻撃は弾かれ、光学兵器は跳ね返される。月面軍のベリルウェポンならまだ逆転の目はあったが、彼らはこの戦場には存在していない。
瞬く間に蹂躙され、後は薄紅色の戦艦から出撃した兵器らが撃墜したフレームアームズを回収していく。彼らにとってそれはもう作業でしかなかった。
そして機体の回収が終わり、彼らも薄紅色の戦艦と白い天使を思わせる戦艦へと戻っていった。
「ラクス、戻ったよ」
「ご苦労様でしたキラ」
茶色の髪と紫色の瞳をした少年――キラ・ヤマトは桃色の髪をなびかせた少女ラクス・クラインに向かって笑みを浮かべる。すると彼女はにこやかな表情を浮かべて声を上げた。
「ねえラクス……なんでみんな戦っているのかな? 今は月面軍に対応するはずなのに、こうやって同じ人類で戦争ばかり……」
悲しそうな顔を浮かべるキラに対して、ラクスはまるで解答に困っている子供を諭すかの様な笑みを浮かべて反応を返した。
「キラ。この世界は確かに私たちの世界ではありません。ですがだからと言って何もしない、と言うのは間違っているのです」
それに。そう言って彼女はキラに問いかけた。
「故に私たちは地球を一つにまとめなければなりません。今のままでは地球が……いえ、人類が滅ぼされるのは自明の理です。例え異世界でも我々は憎しみの連鎖を繋げてはいけないのですから」
だからこそ我々が力を一つにしなければならないのだ。そう言って彼女は言葉を締めくくると、通信が入る。薄紅色の戦艦・エターナルと隣接する白き戦艦……異世界では不沈艦と恐れられた戦艦・アークエンジェルである。通信を開くと亜麻色の髪をした妙齢の女性と顔に傷のある金髪の男性――ムウ・ラ・フラガが声を上げた。
『でもラクスさん。このままだといずれ補給が無くなるわ。偶然この世界に来ていたロウさんたちジャンク屋組合の手助けがあるとしても限界に近いのよ』
『マリューの言う通りだ。あー言った連中はプライドだけはクソ見てえにたけぇからよ。連合やセイラン、あのインパルスの坊主みてえに、なりふり構わず襲い掛かって来るぜ?』
「うん……バルトフェルドさんたちもいなくなってるし……」
彼らは彼らで表情が昏い。当然だ、何しろこの世界に来て最初の戦闘を行った際、何人かの乗員がこの船を降りて行ったのだから。その中には不沈艦を操作していた男アーノルド・ノイマンやザフトの名将『砂漠の虎』ことアンドリュー・バルトフェルドの姿もあったし、整備員のコジロー・マードックはその戦闘で運悪く爆発に巻き込まれて死亡していた。
彼ら曰く『もう着いていけない』との事だったが、身一つで移動した以上恐らく彼らも何処かの戦闘に巻き込まれて死んでしまうだろう。そうなっても仕方のない事だった。それに整備士はジャンク屋組合から何人かの人員を出してもらえることになっているし、補充は済んである。
「皆さん。私たちも進路を決めましょう。まずはロウさんが補給してくれるとの事なので、そこまで向かいます」
そう言って彼女らはジャンク屋組合で補給を済ませることから始めるのであった。
ナンソウでの戦闘の後、白銀のヴァイスハイトと一体のアントが駆け抜け闇夜に溶け込んでいた一機の輸送機に入り込む。するとその輸送機はそれを待っていたかのように離陸し、その場を後にした。
その輸送機の中でヴァイスハイトの腹部にあったハッチが解放され、そこから一人の白銀の鎧を模したスーツを着こなした騎士然としたものが出てくる。彼は奥から出てきた仮面と紅いチャイナドレスを身に着けた淡い紫色の髪をシニヨンのツインテールで纏めた1人の少女……彼女の手に抱えられていたタブレット状の端末を見据えると苛立たし気に声を上げた。
「あ、お帰りー」
「遊び惚けていたか……随分と余裕ではないか」
「聞いてよアルゲントゥムー。このキャラってサポーターとしては最高でイケメンなのに、期間限定で明らかに金儲けのためーってオーラがすごいのよ。地球の運営って金儲けにはがめついのよねー」
そう言って少女はタブレットを男――アルゲントゥムに突き付けたが彼は呆れ返り、手を振ってどうでもいいと言わんばかりの態度を取る。
『その話、どういうことだッ!!』
だがそれに待ったをかけるように青と黄色に塗られたコボルトが姿を現す。青い方から軽薄そうな日焼けした肌の少年、黄色の方からは上半身を露にした色白かつ筋骨隆々とした男がコクピットハッチから姿を現す。それでいて青いスーツを着た口元にピアスを着けた男が遊び惚けていたように見える少女に苛立つかの様に近づいてくる。
「ルーファッ!! てめえ、遊んでいただけかよ!! 俺らならまだしも、アルゲントゥムさんにまで働かせてこれじゃあブチ切れっぞ!!」
「そうよそうよッ!! 少し遊び過ぎじゃない!?」
「カエルラにフラヴァ。そう言うアンタらもガングニールにいいようにされてたじゃない。相手は風鳴弦十郎、指揮や用兵ならアルゲントゥムさえ一歩先を行くような奴よ」
「ルーファとお前たちに与えていた任務は違う。ルーファ、改めて聞くぞ……ロサとウィオラに関してはどうなっている?」
アルゲントゥムの問いかけに対し、三人は即座に言い争いを止め彼の方を向く。
「どうしてもツヴァイウィングレベルには届かないわ。ネットだけの活動じゃあいずれ頭打ち。ウィリデも同じこと言っているわ」
「あ、アルゲントゥムさん。正直に言いますが、俺らだけで港を潰すのは無理っすよ」
「そうよね……ロサちゃんは戦闘面じゃ論外、ウィオラちゃんは電子戦専門、せめてもう何人かは呼び寄せてもらわないと」
成程。確かにその可能性はある。一方でルーファはタブレットをいじると、軽薄そうな声を上げた。
「じゃあさあ。先輩たちに頭下げる?」
その言葉に対してカエルラとフラヴァが息を呑み、アルゲントゥムはしばらく考えたのちに息を吐く。
「少なくとも北海道攻略が間近のインディクムは呼び寄せるが、アウランティウムは奴から協力を申し出ない限り俺以外の接触は認めん。奴は人間に不干渉を徹底するほどだ」
アルゲントゥムからの言葉である以上、先ほどルーファに対して敵対の意思を示していたカエルラとフラヴァは止む無く頷く。
「……だがナンソウにこれ以上時間をかける事は出来ん。インディクムが北海道のUEリアクターを破壊次第攻勢に出る。この際、アエスやクブルムに協力を持ちかけよう」
アルゲントゥムが苦々しく言い放つと、残った三人も頷きを返す。一方でアルゲントゥムは自身の攻撃を打ち消した緋色の雷に関して思考を巡らせる事にした。
「緋色の雷……アーテルの蒼い雷に似ていたな……だがあり得ん。アイツは二年前……あのライブで死んだも同然だ」
あるパーキングエリアにて――
「それで? 俺を呼び寄せた理由は何だ?」
一人のヘルメットを被った人物がトレーラーを背に通信を行っていた。形状はミリティアコーポレーションで製造されているコンバートキャリアーと同型だが色は黒一色で塗られている。更に特徴的なのは嵐を背景にした剣とそれを銜えている虎のエンブレムだった。
「ナンソウ行き? あそこにはアンタらの言う『価値』のあるものは精々が二課ぐらいしかない。バーゼラルド系も元を正せばアンタらが出したもんだろうが。鬼の首を取りに行くのは構わんが、龍の逆鱗や虎の尾に軍神の怒りは御免だ」
彼は出された指示に乗り気ではなかった。北米支部からの依頼で最近発生した情報の流出を探っていた。そっちはもう解決済みだが、二課にも情報を渡さざるを得なかった以上、彼自身も辟易していた。
「先に俺の方から言っておく。今回の依頼だが二課のスパイと遭遇し情報を共有せざるを得なかったが、やはり流されたデータは大中華防衛機構にも渡っていた。その中にはバーゼラルドの正式版やバードハントで得られたデータも含まれていて、主犯は元F.I.S.系列の研究者アドルフ。しかしそうなると妙な点が一か所ある」
彼は手にしたタブレットを操作して、話す内容を吟味する。
「キョウト研究所の警備が厳重になっているんだ。ついでに言うと、師匠が言うにはそこ以外の警備事情は変わっていない。キョウトにあるのは無重力施設や四神計画ぐらいでナンソウと比べると特にないし、UEエンジンの発電施設も無い」
キョウトはどちらかと言うと国境に近い位置にある。最前線だからこそ警備を厳重にする必要はあるとは言えど、軍事基地と言うわけではない。優先順位は低いのだ。
「それを知った二課の反応? 何か戸惑った様子だったが、そんなものだろ。ナンソウの話に戻すが、戦闘ログは今見ている。銀色のヴァイスハイトが出しゃばっているみたいだが、態々俺が出しゃばる理由なんざ――」
戦闘の映像を途中で止める。その光景は一機の漸雷が、ヴァイスハイトから放たれた砲撃を手にしたナイフと右腕を引き換えに相殺している場面だった。正確に言えば彼が見ているのは漸雷の持っているナイフから放たれている緋色の雷。そこに注目し改めて見直し、漸雷の右腕が吹き飛んだ場面まで進むと息を呑んで声を上げた。
「――先ほどの話だがいいだろう。ナンソウ行きは引き受けた。条件としてはログに映っていた漸雷……アヴェンジャーのパイロット情報を頼んだ」
もちろん心変わりの理由を聞かれたが、興味が湧いたからだと返すのみ。向こうも自身の心変わりを恐れたのか興味が無いのか知らないが深く聞いてこなかった。
「どうせ復讐を終わらせた以上、永遠に続く後日談……俺にとってはどうでもいいが、ごっこ遊びに付き合ってやるよ」
ヘルメットの中で小さく自嘲の笑みを漏らす。そして小さく、ポツリと呟いた。
「――青き清浄なる世界とやらのために、な」
とある場所にて――
「ふむ……まあ“カトラス”についてはこの程度でいいだろう」
一人のくすんだ金髪且つサングラスをかけた口髭の男が、バーゼラルドに細部を除いて似た暗灰色の機体に対して声を上げた。周囲の研究者たちは機体の完成に声を上げていたが、男にとってはどうでもいい事の様にふるまっている。
「……俺にとって遊びでしかない。直ぐにあの機体の修復に取り掛かるか……まずは動力をUEエンジンに切り替えて……」
「この機体は何ですか? アドルフ博士」
そんな中で1人の少年が声を上げる。彼は紺色の髪に緑色の目をしており、若いと言うのに生え際が際どい印象を与えていた。
彼はキョウトへたどり着いた際に拾った機体とそのパイロットであり、機体の修復と逸れたと言う仲間の捜索を条件に、助手兼開発したテストパイロットを担当している。
「……君が乗る機体だ。いつまでもただ飯喰らいではいられないだろう? 俺は君の機体修復に取り掛かる」
そう言って男・アドルフはこの場を去っていこうとする。そして少年はその機体を見て息を呑んでいた。
「……頑張ってくれたまえよ、アスラン・ザラくん。近いうちに東日本が攻め込んでくるだろうから、それを凌げば君の友人を探す手伝いをしよう」
「……はいッ!! ありがとうございます、アドルフ博士!!」
少年――アスラン・ザラはアドルフに対して敬礼を行った。
完全は完全に完全だおじさん参戦でした。どうせシンフォギアを再現する気は最初から無いデス。XDキャラをジャンジャンバリバリ使いましょう。
T結晶もシンフォギアも何でもありなんで、シンにはこの世界の洗礼をこれからも受けてもらいます。
そして歌姫の騎士団も参戦デース。
(2/26、月面軍側の暗躍を変更しました)