FRAME ARMS DESTINY T&S 作:デボエンペラー
この1年間はウォーハンマーにハマったりプラモ作っていたり、ガンダムSEED FREEDOMを見に行ったりとしていましたが元気です。
毎年恒例のエイプリルフールネタばかりが増えてきて年1小説家となっております。
今回はユウナネタと小説の構想ネタという感じになります。
……コトブキヤの新作のおかげでシンフォギア交じりのコトブキヤワールドになってる気がします。
なお、うちの小説においてDESTINYとFREEDOMは別世界の出来事となっております。というよりそうじゃないとシンとキラたちの共闘がまず不可能なので……(最初のエイプリルフールネタもキラがイージス戦で飛ばされている設定だし)
その男……ユウナ・ロマ・セイランについてC.Eの歴史家たちは至って単純な結論しか言わない。
曰く『親の七光り』
曰く『権力を振りかざした愚者』
曰く『ロゴスの犬』
曰く『アスハを乗っ取ろうとした売国奴』
曰く『理念を捨てて権力に媚びた愚者』
それはおおむね事実だろう。しかし再びオーブという国を戦火に飲ませるか否かに関して言えば、父のウナトに押し切られたのもあるがそれでも彼にとってオーブは祖国でもあったのだ。
「……」
権力を盤石にするための婚姻……それもまた父が決めた事だが最終的に是としたのは自分だ。政治家の家系に生まれた以上自分の自由などないも同然だった。
「……クソッ!!」
酒を一気に飲み干し、息を荒げる。カガリとの結婚に乱入したフリーダム……あの一件以来、オーブはある意味で信用を失いつつあった。
ミネルバを追い詰める最中で乱入するフリーダム。ミネルバにもオーブにも攻撃を仕掛けるある種の疫病神……
「何がオーブの理念を忘れたか、だと……僕らは理念だけにこだわる訳にはいかなかったんだよ!!」
更に言えばオーブの象徴たるストライクルージュに乗ったカガリから飛ばされる声にオーブはタダでさえ揃っていなかった足並みを完全に乱され、あろうことかトダカが直々にアークエンジェルに合流する輩も出る始末。
かといって連合……強いて言えばロゴスはロゴスでベルリンを焼くという愚を犯し、ついには世界の敵になった。そしてジブリールもヘブンズベースから我が物顔でオーブに逃げ込む始末。
「……追い出したらレクイエムがオーブに向けられる……撃たなくてもデストロイが暴れたらオーブは終わる……」
港に立った五機のデストロイ……ロゴスの象徴たるブラックドール。天のレクイエムか地のデストロイか。父から聞かされた最悪のケース。ジブリールならやりかねないという負の信頼が、ユウナの脳裏からジブリールをプラントに差し出すという選択肢を消し去っていく。
「軍部からの信頼なんてない……プラントだって死に物狂いでオーブに来る……」
そしてザフトの先駆けとしてくるのはミネルバ、そしてシン・アスカ……かつてのオーブ解放戦において両親と妹を喪ったため、故郷だったオーブを強く憎む少年……
「……なんだよこれ。血が繋がってないくせに最悪の部分は受け継いでやがる……理念を護るためにやった結果がこれかよ……」
強い酒を飲んでいるのに一向に酔えない。酒に弱いはずの自分が耐えきってしまっている。
「……」
恐らく明日、自分はザフトに捕らえられ、そして父共々戦争犯罪者として裁かれるだろう。プラントの支配下に置かれたら今よりまともな国になるのだろうか? そんな事を考え、自分は眠りに就いた……
しかし……
『ユウナ・ロマ・セイラン及びセイラン家は理念を捨て連合に尻尾を振った!! 故にセイラン家を国家反逆罪とする!! 捕縛せよ!!』
ウズミの遺産ともいうべき金色のモビルスーツに乗ったカガリからの一声……それを聞いた瞬間、自分は目の前が真っ暗になった。
「……は?」
呆然としたのもつかの間。眼前の兵から殴られ、周囲からも蹴られリンチを受ける。誰も止める者はおらず、フリーダムとジャスティスに似た機体がザフトのモビルスーツを撃ち落していく。
あの手この手でオーブをより良くしようとした自分たちより、理念に酔いしれたカガリの言葉に歓声を上げる国民や兵……それを見て理念を否定してでもオーブをより良くしようとした自分たちは最初から自分たちは必要とされなかったのだと悟る。
「……なんだよ、これ……」
ジブリールの乗ったシャトルも追いすがろうとしたインパルスに対して横からスカイグラスパーが攻撃してきたため取り逃がしてしまう。オーブの兵から小突かれながら歩いていたが、それを知った自分は思わず足を止めてしまった。
「……」
矛先がオーブにしろプラントにしろ、レクイエムが撃たれる。もはや止められない最悪のシナリオ。そしてそんな中、ふいに周囲が暗くなる。いや、兵が自分と突き飛ばして逃げた際、空を見上げる形となって倒れこんだ自分の視界にはグフイグナイテッドが振ってきた。
「……はは」
笑いしかこみあがって来なかった。神の鉄槌か、あるいは悪魔の施しか……間近に迫る死に対して、自分は笑い声しか出なかった。
「……ん?」
気づけば自分は布団に包まれていた。周囲には窓が1つ、更にモビルスーツのフレームがむき出しになったロボットの兵らしき存在が自分を見張り、そして何らかの信号を発していた。
「……ここ……は……?」
グフに押しつぶされたはずなのに、痛みは兵から受けたリンチの傷しかない。もしかして今まで悪夢を見ていたのかという考えは無かった。
「……!!」
所々から響く爆音……それを聞いて自分は窓から外を見ると、そこには見たことのないモビルスーツ同士の戦闘が行われていた。空を舞う暗灰色の機体から放たれる砲撃に撃ち貫かれる空戦用の機体……それが墜ちる様はグフイグナイテッドが墜ちて来た事を思い出し思わず悲鳴を出してしまう。
「な、なんだよあのモビルスーツ……プラントかロゴスの新兵器か!?」
先の件でのインパルスをより先鋭化したような翼を持ったモビルスーツやフリーダムとジャスティスに似たモビルスーツを思い出し、思わず声を荒げる。そんな中だった。
「目を覚ましたか……」
背後から声がして振り向くと、そこにいたのは顔の左半分を仮面で覆い隠している紫がかった銀髪の男だった。タオルを持っているのを差し引いても下手な軍人……それもコーディネイターより鍛えたであろう雰囲気からは隙というものが見られない。
「……貴方が僕、じゃなくて私を助けたのか……? お前も私をオーブやザフトに突き出して報酬を貰おうと考えている口か?」
足を退かせて問いただす。しかし足を後ろに動かしたにも関わらず目の前の男から距離を保ったという感覚は感じられなかった。
「オーブ……? ザフト……?」
しかし男の反応は自分にとって想定外の反応だった。まるで初めて聞いた単語のように噛みしめながら首を傾げている。
「この周囲にいるのは防衛機構と暴徒化したライブ事件の生存者たちだ。病み上がりで済まないが、フレームアームズも出てきた事から事態は一刻を争う……」
男は淡々と状況を説明していく。防衛機構にライブ事件、フレームアームズ……どれも聞いた覚えのない単語だ。ライブ事件と聞いて思い浮かべるのはラクス・クラインだが彼女が事件を起こしたとは直近ではないはずだ。
「ま、待ってくれ!! 防衛機構? フレームアームズ? どれもこれも聞いた事がない!! ライブだってラクス・クラインが何をしたって報告もない!! それにあれはプラントやオーブのモビルスーツではないのか!?」
その声に男は眉間に今まで以上に皺をよせ、そして即座に自分を背負って移動する。そして最低限の荷物と女子供と言った面々を荷台に乗せ、自分も病み上がりという事で荷台に乗せられ、その直後に急発進した。
「うわわ!!」
コンテナに捕まって急発進にも耐える。自分たちを護るように空を旋回するフレームアームズとか言う存在と共に逃げ出す。まるでデストロイが蹂躙するベルリンに放り込まれた様な錯覚すら覚えた。
そして別の拠点、もとい廃墟に入り込んだところで自分は仮面の男に呼び出される。そして互いに聞いた事のない単語を話していくうちに自分達はある意味とんでもない事に巻き込まれた事を知ってしまった。
「じゃあここは僕の知る地球とは違う地球だっていうのか!?」
「そういう事になる。オーブという国もロゴスという存在も……モビルスーツという兵器も遺伝子操作されたコーディネイターも私は初めて知った……」
仮面の男はそう言うと頭を天井へと向ける。
「……」
そして彼らの身の上を聞き、現状が危うい事に気づいてしまう。このままでは本当にテロリストに堕ちるか、政治家やマスコミたちの不条理に巻き込まれ、彼らは食いつぶされてしまうのが目に見えていたからだ。軍事面に関しては月面軍に加担する以上、問題はないだろう。彼らにとって致命的に足りないのはそこではない
「……政治的な後ろ盾が必要だな……」
その声に周囲の目が自分に向けられる。
「目標となるゴールラインは彼らの名誉を回復させる事。そして貴方に日本や人類を滅ぼす気は無い、間違いないね?」
「……ああ。少なくとも私は自分の意思で日本や人類を滅ぼすつもりは一切ない。日本を占領したら周辺国は本気を出すだろうし逃げ出す兵も出る」
身に覚えのある耳の痛い話に頭痛を覚えながらも二人はすり合わせを行っていく。
「……でも悠長なことも出来ない」
「……三年、いや二年……どうしても再起してもらいたい人物がいる。その人物が腐りゆくならば我らも覚悟を決める」
「いや本当アイドルには関わりたくないよ……」
そんな事を言い合う中、自分の中にあった政治家の炎が再び灯ってきた。
「まずは広報部と諜報部も必要になる。兵の数はアントやコボルト、シュトラウスでも行ける……」
「フレズヴェルクは量産される簡略型でも勘弁してくれ。今の我々では入手できる程の信用はない」
「拠点も必要だね……結局は表向きの政治家も必要か……」
徐々にくみ上げられていく組織。覚悟を決めたか切り捨てても良心が痛まない神輿の確保。受け入れ先となる場所……
「やる事が多いな……でもやりがいはある」
少なくとも何が何でも理念を優先する者たちより話が通じる面々だ。
切り捨てても良心が痛まない政治屋の秘書になって実権を得てからしばらく経って久しぶりに彼と話をして、一方である意味一番重要で目の前の人物は軽く扱っていた案件を発案する。
「所でチームとしての名前は? 流石に名前も無いと誰からも覚えてもらえないよ」
「名前が必要なら矢場井議員私兵部隊、一掃の事月面軍対極東方面攻略部隊でいいではないか」
「だめだめ!! こういうのは大事だよ!!」
「……では何か案はあるのか?」
「んー……君の嗜好だと神話から気取った名前を持ってくるよりシンプルな名前の方を好むだろうし目的から悪の組織をイメージさせるような名前……こういうのはどうかな?」
月面戦役においてこの世界の日本を最も追い詰めた組織……後の世でその名で呼ばれる存在はこのような雑談で生まれた。
そしてその組織は後世ではこう呼ばれている。
アルゲントゥムナンバーズ
FRAME ARMS DESTINY T&S BeforeStory
青嵐の共犯者
「うーん……」
その日シンは駅前で手渡されたパンフレットを見て怪訝そうな顔をしていた。
「黄昏の剣トワイライトを信奉、偽りの世界に黄昏をって……」
どう見ても終末思想丸出しの新興宗教ではないか。宗教染みたヤバイ勢力を嫌というほど知っているため彼らの教義に対しては一瞬たりとも信じていなかったし、組織からも宗教勧誘には気をつけろと言われたばかりだった。
「……俺には関係ないか」
コンビニに通りかかった際にパンフレットをゴミ箱へ捨て、その足でルナマリアのバイト先へと向かう。
その時は何も考えていなかった……そう。後日ある指令を聞くまでは。
「潜入任務、ですか? ネオスライド中尉と一緒に?」
「正確に言えば調査じゃ。港の方で何か怪しい動きがあると聞いてな」
ヴィスクエアから依頼を受けたシン。協力者の元へ向かうとそこにいたのは一人の男性……
「貴方達が今回の件の協力者ですか」
「その声……フリーダムッ!?」
「誰と勘違いしているのか分かりませんが僕は緒川慎次。貴方の敵ではありません」
宿敵そのものの声を聞いて警戒態勢を取るが瞬時に背後を取られ腕を極められる。正に忍者そのものの動きをする彼……緒川にシンは声を上げそうになるが、直ぐに態度を改める。
仕事自体に関しては直ぐに終わった。内容はよくある裏取引の証拠。しかしその内容がシンの怒りに触れる案件だった。
「人間……!? 人身売買って事か!!」
個室の中に入れられていたのは老若男女問わずの人間たち。シンは即座に解放するためにケインや緒川が止める声を聞かずに開けると虚ろな表情をしてこちらに向かって声を上げてきた。
「コノ偽リノ世界ニ黄昏ヲ……」
「コノ偽リノ世界ニ黄昏ヲ……」
「コノ偽リノ世界ニ黄昏ヲ……」 「コノ偽リノ世界ニ黄昏ヲ……」 「コノ偽リノ世界ニ黄昏ヲ……」 「コノ偽リノ世界ニ黄昏ヲ……」 「コノ偽リノ世界ニ黄昏ヲ……」
「コノ偽リノ世界ニ黄昏ヲ……」 「コノ偽リノ世界ニ黄昏ヲ……」 「コノ偽リノ世界ニ黄昏ヲ……」 「コノ偽リノ世界ニ黄昏ヲ……」 「コノ偽リノ世界ニ黄昏ヲ……」 「コノ偽リノ世界ニ黄昏ヲ……」 「コノ偽リノ世界ニ黄昏ヲ……」 「コノ偽リノ世界ニ黄昏ヲ……」 「コノ偽リノ世界ニ黄昏ヲ……」 「コノ偽リノ世界ニ黄昏ヲ……」
皆が同じ声を上げ、そして手にした仮面を一斉に身に着け、そして存在が変質していく。そしてシンは人が化け物になる光景を嫌というほど見せられたのである。
「何だよこれ!! B級映画顔負けの展開じゃないか!!」
シンは声を荒げ、手にした銃で敵を撃つ。しかし敵は豆鉄砲を受けた様にしか感じず、シンは己の無力を呪うしかない。
「分身とは、こうやるんです!!」
分身すらする緒川の運転テクニックにシンは呆気に取られるしかない。
「……仕方あるまい。少しばかり荒くなるぞ!!」
ケインもまた手にした警棒を振るい異形へと神話の英雄が如く挑み掛かる。
「手こずらせやがって……あの二人に比べたらお前は雑魚だが人質には使えるな……」
シンは抵抗空しく彼らの手に落ち、主犯の手には先ほどと同じ仮面が握られていた。
「さあ、闇に堕ちろ!! そして共に行こう、この偽りの世界に黄昏を!!」
男がシンに仮面を着けた瞬間、シンの脳裏に種子がはじけ飛ぶイメージが浮かび身体から緋色の雷が吹き荒れる!!
「ば、馬鹿な……これはアナザーが人間に喰われていく!?」
男の驚愕する声に対してシンは首を動かし、手にした緋色の剣を男に向ける。
「ありえない……こいつの闇は!! 絶望は!! 深すぎるッ!?」
「一つだけ聞こえた声があるよ……」
「黄昏を“無”に返せと!!」
黄昏の世界を再構築するために緋色の剣を突きつけろ!!
FRAME ARMS DESTINY T&S
無限邂逅メガロマリア
CC.214年 開始予定……
「俺の姿で妙なモビルスーツに乗るな偽者が!! 戦闘で何を考えてるんだ!!」
「ズゴックと男が惚れた女の裸を想像する事の何が悪い!!」
「武器は僕のストライクフリーダムが全部破壊したのに!! なんであのフリーダムと獅子のようなモビルスーツは諦めないんだ!!」
「武器ならある!! ラクスへの愛だ!!」
「レクイエムを上回る切り札……それは、この俺の中にたぎる、エーデル准将への忠誠心だぁ!!」
「ああレーベン!! レーベン!! 僕は!! キミだよ!!」
「コイツの闇は深すぎるぅ!! つーか暴走してるのにこっちの言う事聞かない!! キモイ!!」
「妾を自殺しろとか言ってくるあ奴らもろとも撃てぇぇぇ!!」
「ねーシンー真由紀ーアイツら何やってんのー?」
「……俺の知ってるキラやアスランと違う……」
「目を合わせたらだめよアルテ。腐るから」
同時上映
機動せんしガンダムSEED SELFISH!!
今年の同時上映ネタはズゴックと言うシリアスな笑いそのものと、キラの「武器ならある!! ラクスへの愛だ!!」を聞いた瞬間、これしかないと判断しました。エイプリルフールネタとは言え緒川さんも初登場。やはり中の人は欠かせなかった……
忍法車分身も出来るし、彼ならデスティニーガンダムのスペックをフルに活用できると思い、今回のお話に出てもらう事にしました。書いてませんが緒川さんの活躍という名の「忍者と極道」も裏で行っておりました。
後何気にアコードたちによる闇に堕ちろネタと闇が深すぎるネタを使うことになった……後悔はしない謝らない。