FRAME ARMS DESTINY T&S 作:デボエンペラー
今回は去年のSEED FREEDOMを組み込んで前回のエイプリルフール企画を焼き直してみましたー。なんと言いますか、あのアコード4人じゃシンの相手は務まらんだろうと思って劇場版限定のライバルキャラ生やしました。
異変は太平洋上で確認された。
突如として現れた複数の船影。そして防衛機構や月面軍に彼らが追われる最中、現れた側の一隻の船、その艦橋にて3人の人間が話し合う声が響いた。
「ここはコズミック・イラとも貴方がたの世界でもない、と!? あれらが使っていたのは我々のモビルスーツではなくフレームアームズではないのか!?」
金髪の青年にも少年にも見える男が驚愕の声を上げる。どうやら彼は異世界に流れ着いた様だが残った2人のうち、背中の中頃まで伸ばした白髪と顔の右上部分に獣の爪痕を残す青年の反応は焦るような物ではなかった。
「僻地の完全聖遺物を調べていたらいきなり発光して、気づけば海上ど真ん中……コレで元の世界っていう方が無理があるだろオルフェ……しかもコイツが使った名前が、向こうにとって名乗った時点でニセモノ確定の代物って話だ」
「そうだね……僕のようなダメ人間が立てた作戦だから穴があるのは当然だけど……名乗った時点で『何者だ』じゃなくて『ニセモノだ』って理由で即敵対なんて、どうやらこの世界で“僕の名前を使っている人”は相当の有名人だね……」
白髪の青年の声に賛同する声を赤みがかった銀髪の男が一見途方に暮れたような顔つきで挙げる。
「……元の世界に帰るためのエネルギーは不足している……電力だろうが魔力だろうが生命エネルギーだろうがフォニックゲインだろうが集めなきゃ話にならねえ。一番近いのは……」
白髪の青年が手元のタブレットを操作し、自分達の周辺を観測する。今までの逃避行で得られたデータから地図は地球の物で間違いないようで、今の自分たちに近い国は一つだけだった。
「行くんだったら日本行き確定……で、これからどうする? お前は俺たちのリーダーなんだから音頭は取ってもらうぜ、なあ……」
青年とオルフェの目が一人の男に注がれる。その男は髪を掻きむしり諦めたかのような苦笑を浮かべるのみだった。
「アルゲントゥムさんよぉ?」
シン達はその日、ミリティアコーポレーションの事務室にてヴィスクエアから2つの話を聞かされていた。ヴィスクエアから離れた所にいたのは、よりにもよって本来は敵であるアルゲントゥムの忠臣とも言うべき青年・カエルラであった。
「聖遺物の襲撃に……天羽奏の関与ありぃ!?」
「まあ彼女のアリバイ自体はノイズ共のおかげで成立しておる。襲撃された時間、奏の嬢ちゃんはノイズと戦っておったからの。問題なのは……」
ヴィスクエアとシン、ルナマリアらの眼がカエルラに向けられる。当のカエルラは黙るのもバカバカしいと言わんばかりに声を上げてきた。
「単純に言うぜ。コッチが関与していない月面軍の反応が見られた……しかも奴ら、よりにもよってアルゲントゥムさんの名前を騙りやがった……」
カエルラの言葉を聞き目を見開く。片翼事変で退かせたとは言え、自分たちが戦ってきた敵対勢力でキラやアスランすら凌ぐ最強の実力者……実力自体が“彼”が“アルゲントゥム”である所以であり、その名前を騙るという事自体がありえないのだ。ミーアがラクスの名前を騙ったのとは訳が違う。
「言っとくけどな。そこら辺の奴が騙ったんならアンタらに助けは請わねぇ。もちろん報告を聞いて、俺等も一回殺り合った……並みの奴等には用意できねぇくらい強い奴を抱えていた……本命の騙りに至ってはアルゲントゥムさんが戦っていたが……」
カエルラが眼をこちらに向け、真剣な顔と声で伝えるべき情報を話す。
「終わった後でもガチで警戒していた。しかも奴らの行き先は……日本だ」
一方で聖遺物襲撃を疑われていた彼女は弦十郎の推理から狙われやすい聖遺物の存在を聞き、その警護に回る。結論から言えば、彼女の無実はすぐに証明された。しかし――
「おいおい……なんの冗談だよこれ? あたしは夢でも見てんのかよ?」
突撃槍を手にしている奏の前に姿を現した人物は手に騎乗槍を握り、髪を縦のロール状に纏めている。しかしそんな事はどうでもよく――
「あらあら。どうやらそちらのわたくしはあの娘に付き纏うクソ女みたいな野蛮な言葉を使うのですね。それに戦い方もなんて乱暴なのでしょう」
一部を除いた口調と顔つきは違えど、その人物は明らかに天羽奏その人だった――
「まあわたくしも元の世界に帰ろうと考えてますので――さっさとDEATHっちまいやがれぇ!!」
「上等!! あたしに迷惑かけたツケ、利息増しで払ってもらうぞ!!」
「なんだあの機体……どこのフレームアームズだよ!!」
シンが相対する複数もの黒き機体。細部の色こそ違えど、同じ機体同士の連携に翻弄されるも数多の強敵と戦ったシンにしてみれば難なく戦える相手だった。
「あの動き……デスティニーを参考にしたルドラの動きを初見で熟知して追いつけている……? まさかアレはフリーダムキラーですか!?」
「でもフリーダムキラーが雷を使うなんて知らないよ!! どんなチート使ってんの!?」
「だがキラ・ヤマトやアスラン・ザラと違い敗残兵……いつでも倒せる相手だ……だが手抜きが知られたらヤツに殺される……ならばここで決める!!」
黒き機体の猛攻を凌ぎ、シンが彼らを落とそうとした時、一機の機体がシンの動きを阻害する。
「アコードども……もういい、お前らはオルフェとシュラのサポートに回れ。コイツは俺がやる」
闇より暗い黒と血の様な赤を基調とした機体、右腕に鎖を巻き大剣を握る機体がシンの前に立ちはだかる。
「奪い尽くせ……!!」
彼が吼えた瞬間、世界が一瞬で血の色に染まり――シンと眼の前の機体以外の気配を一瞬で消し去った。
「コレはアナザーやブラッドレスが使う隔絶空間……!? しかも右腕の鎖はカエルラから聞いたニセアルゲントゥムと一緒にいたっていう……!!」
眼の前の機体はカエルラから聞いた特徴と一致する。そして彼は手にした大剣をシンに突きつけ、そして戦闘を始めたのであった。
「今更驚かんよ……死んだ筈のお前が私の目の前に現れた程度では、な」
アルゲントゥムの目の前にいるのは、己と同じ名を名乗った者。しかし彼は自身を前にしても警戒すらせず、笑みを交えながら声を上げた。
「久しぶり……いや『はじめまして』かな兄さん……改めて名乗るよ。僕の名は『アルゲントゥム』……名前こそ同じでも、死んだ兄さんとは違うごみクズレベルの踏み台だけど……ね」
2人は会話もそこそこに切り上げ、紅と紫の波動が同時に放たれる。
「来い、フレズヴェルク……ッ!!」
「来るんだ……ニーズヘッグッ!!」
そして2人の背後に立つのは紅蓮のフレズヴェルクと紫紺のフレズヴェルクに似たフレームアームズことニーズヘッグ。2人は各々が呼び出したフレームアームズに乗り、空と大地を縦横無尽に舞うことになる。
「ではカガリさんは一刻も早く世界蛇に対する脅威を退かせると?」
「ああ……でもお前たちと早く合流できたのは幸いだ。早くこの世界の聖遺物を集めないと……」
その戦いの裏で歌姫の騎士団は完全に合流を果たす。
「私はどうするべきだ? ラクス・クラインと合流するべきだと分かっている……しかし、なんで今さら……!!」
かつての自分ならラクスと共にいるべきだと断言していた……しかし今の彼の心はそれを否定し、常に自分の近くにいた女性と自分たちが流れ着いた世界の仲間たちを捨てる事が出来なくなっていた。
「貴方はどうして憎しみの連鎖を広げようとするんですか!?」
「キラ・ヤマトとやら……俺は第2第3の“俺”が出来上がってもどうでもいい。肝心なのは第2第3の“僕”を……踏みにじられる犠牲者を生まないことだ」
「お前たちはシンと同じようにアルゲントゥムに騙されてるんだ!! 目を覚ませ!!」
「俺は最強を示すためにここにいる!! 奴らとていずれは俺が倒すだけだ!!」
「奴らの狙いは聖遺物……フォニックゲインを使える人材……!!」
「不味い!! 俺たちが把握していない敵が一人いる!!」
「やっぱり兄さんも僕も……戦場しか知らない“鬼”だね……」
「……そうなのかもな……」
「“無”にッ!! 還れぇぇぇッ!!」
血と闇に包まれた空間を緋色の雷が今迸る!!
FRAME ARMS DESTINY T&S XD UNLIMITED
双銀戦役
CC.214年 開始予定……
「オレとクリスの為に!!」
「わたくしとクリスさんの為に!!」
『お前が死ねぇッ!!』
同時上映
勝手に戦え!!
天羽々斬VSガングニール
今回の同時上映はヴィスクエアが訃堂に対して『黙れ悪役フリー素材!!』と叫ぶシーンにしようか悩んだけど、今回の題材が題材なのでAnother翼とAnother奏の殴り合いにしました。なおクリスの前では仲良くするけど2人揃って後ほど吐血します。その事から彼らの出身世界&流れ着いた世界は……