パルキアに転生して、着いた世界はリリカルな世界 作:DFGNEXT
設定も機体デザインも大好物な作品で、現在作者がロボットアニメにははまっている理由なのですが、
脚本のせいでいろいろぶち壊しにされている気がします。
よく言われるキャラデザは別に気にしてないんですが・・・
一番すきなのはガンダムAGE-1とAGE-FXですね。
あとグランサも好きですね。
さて、今回は会場の大決戦。フェイトとの一騎打ち!!
勝つのは果たしてなのはかフェイトか!?
それではどうぞ!!!!
―4日後。
約束の場所でなのはは待っていた。
すでにバリアジャケットを纏っていて、手にはレイジングハートを持っている。
その瞳はただ決意の元、好敵手の登場を待っていた。
そして、時計の針が5時を告げる。
そうすると、なのはの後ろ、外灯の上にフェイトが現れた。
なのはは振り向き、フェイトを見据える。
「・・・・・・」
「来たね、フェイトちゃん・・・ジュエルシードは持ってきた?」
《Put out》
《Put out》
互いのデバイスからジュエルシードが現れた。
なのはは13個、フェイトは8個。
確認し終えてからジュエルシードはまたデバイスに収納された。
「まずは確認しておくよ? この勝負に負けた方は全てのジュエルシードを相手に渡す。
それに加えて、わかると思ったから手紙の文面には書かなかったけど、フェイトちゃんが負けたら」
「うん、そうなったら、わたしは管理局に捕まってしまう。
けど、こっちのジュエルシードの数は少ないんだから、
それくらいのリスクは覚悟してる。でも、それでも、母さんのために、わたしは負けない!」
「そっか。わかったよ」
【だが、やる前に言う事は全部言っておくぞ】
なのはが了承したとき、突然パルキアから二人に対して秘匿の念話が届いた。
そしてパルキアは念話でフェイト対してこう言った。
【戦う前に言っておきたい。この勝負をするかしないかを選べる最後のチャンスだ。
それにこの話を聞いた後にフェイトは戦う気力がなくなってしまうかもしれない】
【念話で・・・?なに?何があっても、戦うことは変わらないよ】
フェイトの意思は固かった。パルキアは「そうか・・・」と言って話し始める。
戦いが始まり、戦いの途中で思い出されたらそれはそれでなのはが困ると思い。
どうせわかるのだから先に話しておこうとパルキアは思っていた。
【フェイト。君は人造生命体・・・クローン・・・だ。
とあるプロジェクトによって、他人の体の情報と記憶から生み出された。
キミの母親、プレシア・テスタロッサの手によってな・・・・・・】
【え?】
【フェイトちゃんがクローン・・・?】
フェイトは突然の事に頭が凍っていた。
なのはもパルキアのいきなりのカミングアウトにわずかながら動揺する。
【アリシアっていう名前に心当たりはないか?】
パルキアが言った途端フェイトに衝撃が走り、過去の事を次々と思い出した。
〝アリシア、おいしい?〟
〝いい子にしてるのよ? アリシア〟
〝ねぇ、今度のアリシアの誕生日に休みをとることができたの。何かほしいものはある?〟
フェイトの頭を駆け巡るのは昔の、優しい母親の姿。フェイトの望んでいる優しいプレシア。
しかし、そのすべてはフェイトに向けられた優しさではなく、アリシアに向けられたものだった。
(多分それでアリシア・・・母さんの本当の娘は死んじゃって、多分わたしはその後に生み出された・・・?)
だとしたら・・・。
(わたしに母さんが優しくしてくれたことなんて・・・一度も・・・ない?)
フェイトは思い出す。アリシアの記憶の中ではなく、
しかし、それはおぼろけにしか見えず核心を与えることはなかった。
だが、それは関係なかった。たとえ偽りだとしても・・・
【・・・思い出した。けど、それでもわたしは母さんの娘だから・・・わたしは・・・止まらない!!】
少しの時間がたってからフェイトが答えた。
動揺はもう表に出ていない。それどころか、少し晴れやかな表情になってきた。
そしてパルキアはフェイトに笑顔を向けた。
【そうか・・・フェイトならそう言うと思っていた。我もそう思う。
大切なのは、自分と相手がお互いに家族なんだって思えるかどうかだ】
【そうだよ。血のつながりも大事だし、思いも大事だよ。たとえフェイトちゃんがアリシアって人の
クローンだとしても・・・お互いに理解し会えれば大丈夫。だから・・・】
その言葉とともになのはとフェイトはデバイスを構える。
「私達のすべてはまだ始まってもいない、だから本当の自分を始めるために・・・。」
そこで区切りなのはは言う。
「それじゃあ始めよう・・・最初で最後の本気の勝負!!!」
今戦いの火蓋が切って落とされた・・・。
結界に囲まれた臨海公園の中
なのはとフェイトは空に舞い上がり、戦っている。
開始から既に10分ほどたったが状況は依然として変わらない。
なのはが遠距離に持ち込もうとするが、フェイトは速さでそれを許さない。
広大な結界は、海と市街地、両方をちょうど同じぐらいの面積で覆っている。
戦闘の場所は開始当初の海の上から、海沿いのビルが立ち並ぶ市街地へと移っていた。
「「はぁあああああああーっ!!!!」」
レイジングハートとバルディッシュを打ちつけ合う。
なのははむやみにレイジングハートで近接に応じるつもりはない。
あくまで彼女の本領は遠距離戦なのだ。だから無理はしない。
その攻撃を技術と魔力コーティングで滑らせるように流した。
フェイトは流された勢いのまま、なのはの後ろに回りこみ、
バルディッシュで斬撃を振るった。
なのはは振り返ることなくそのまま前に飛んでかわす。
《Divine Shooter》
「シュート!!」
そのまま前に移動して距離を取りつつ、
素早く9つの魔力弾を作り、フェイトに放った。
フェイトに向かっていく7つのディバインシューター。
しかしフェイトは止まらない。
金色の魔力弾がフェイトの周りにつくられた。
「フォトンランサー、ファイアッ」
すぐさま放つ。それによりなのはの7つの魔力弾はすべて打ち消される。
しかし残った二つのディバインシューターがフェイトを後ろから襲う。
「くっ!」
それに気づいたフェイトはバルディッシュを後ろに向かって振るう。
それにより残された二つの魔力弾は切り裂かれ消滅する。
「なら、これはどう!? シュートッ!」
先ほどの弾より魔力を込めたディバインシューターを4つ射出した。
さらにそれはランダムにフェイトの元へと向かう。
しかしフェイトは冷静に対処した。
フェイトは1発目を鎌で切り裂く、
そして間髪なくなのはの所に移動し、鎌で一閃した。
「はぁぁああッ!!!」
《Protection》
なのはは咄嗟にバリアを張って防御し、
新たに作り上げたディバインシューター3つで
フェイトの後方から攻撃させる。
フェイトは背後の弾に気づくと、
被弾する寸前に高速でなのはの背後に回り込んだ。
なのはは自分の3つの弾とフェイトに挟み打ちにされる形となるが、
すぐさまそれを避けて魔力コーティングしたレイジングハートでフェイトを叩きつけようとする。
フェイトはとっさにバルディッシュで受けた。そして受けると同時に魔法を発動させる。
フェイトの周りには10個のフォトンランサーが作られていた。
「ファイヤッ」
《Flash Move》
なのははそれを紙一重でかわした。
外れた弾がビルに当り、ガラガラと音を立てて倒壊する。
フェイトは見失ったなのはを急いで探す。
すると桜色の魔力光が視界の下から見えた。
「・・・・・・・・・・・・!」
それは砲撃の準備は完了していたなのはの姿だった。
なのははカノンモードのレイジングハートをフェイトに向ける。
「お返しだよ!ディバイーン」
《Buster》
その言葉とともに引き金を引く。桜色の砲撃がフェイトを襲う。
「くっ!」
《Sonic Move》
高速移動を使いすぐさまその場から離れるフェイト。
過ぎ去った桜色の砲撃は後方のビル4棟を爆散させた。
訓練用とはいえそのビルの強度は本物に匹敵するにもかかわらずだ。
その威力にほんの一瞬気をとられていると・・・
「もうあんなところに!?」
「やっと離れられた・・・」
離れた距離でお互いが呟く。
この距離ならばフェイトはなのはに対して有効な攻撃手段がなく、
なのはだけが一方的に攻撃できる間合いだった。
「いくよ!!ディバイィン・・・・・・バスタァァアアアーー!!」
桜色の太い砲撃がフェイトを襲う。
「なんて威力・・・ッ!」
《Sonic Move》
一瞬のうちに加速し、紙一重でかわす。
だがなのはに隙はなく、フェイトのかわす先をすでに先読みしていた。
かわした先には追撃の砲撃がフェイトを待ち受けていた。
「なっ!!??くっ!!」
《Round Shield》
フェイトはかわせないと判断し、防御魔法を使って受ける。
体に目に見えるダメージまだはないが、かわりに魔力をガリガリと削られた。
《2射目は直撃ですね》
レイジングハートが言った。
「当たったね。でも油断は禁物・・・まだまだいくよ!」
なのはが再び砲撃の構えをとる。
カノンモードの先端に再び魔力が集まる。
「ディバイイィィン、バスタァァア!!!」
先ほどよりも特大の砲撃が勢いよく撃ちだされた。
フェイトはなんとか高速移動でかわした。
「はぁ・・・、はぁ・・・」
フェイトは肩で息をする。
(だめだ・・・なんとか・・・距離を詰めないと、勝ち目はない・・・)
すでに息も切れはじめている。
"このまま"戦えば勝機はない。
だがフェイトにはこの日のために用意したものがあった。
「バルディッシュ、あれをやるよ。」
《Yes sir. Barrier jacket. Sonic form》
その言葉とともにフェイトのバリアジャケットが変わる。
マントとスカートがなくなり、レオタードとスパッツだけという姿になった。
手足にバルディッシュのフィンブレードやなのはのフライアーフィンのような
光の羽「ソニックセイル」を生やしている。また、右手にも装甲が追加されていた。
そう、それは本来ならばもう少し後で登場するフェイトの姿。
「姿が変わった!!!!??」
【ソニックフォーム!!??】
事情を知らないなのはは姿が変わったことに驚き、知っているパルキアはその姿にこの時間に変わった事を驚いた。
(なんでだ?このときにはまだ・・・いやこの世界のフェイトは原作よりも強いんだ)
なのはとフェイト・・・原作よりもはるかに強くなっている二人を見てパルキアはそう呟いた。
《おそらく軽量化してさらに速度を上げるようです。
ですが彼女のあの防護服は一撃もらったら終わりです》
「でも・・・あれは多分ものすごく早く動けるよ。多分そろそろ限界かもね」
《準備はしておきます》
「頼んだよ!」
そう会話しているとフェイトは弾丸のようなスピードでなのはに向かってきた。
「せっかく離した距離があっという間に!?でもまだ・・・」
なのはは距離を離したとき、フェイトが近づいてくる場合に備えて、
向かってくるだろう進路上のいくつかに、設置型バインドを仕掛けていた。
しかし仕掛けた数は余り多くない。来る前に打ち抜く!!
なのははもう一度砲撃の準備をする。
なのはは正確に、狙いを定めて撃つ!
「ディバインバスター!!」
体力と魔力の温存のための溜めのない速射型。
しかしそれは、フェイトの速さにかなわず避けられた。
しかし、それもなのはの予定通りだった。避けられることが前提なのだ。
「――ッ!」
設置型バインドが発動する。フェイトはそれに気づくやいなや、行動を起こした。
フェイトが加速したのだ。バインドが完全にフェイトを縛る前に、
常人には理解不能な速度で効果範囲から抜け出してしまった。
なのははそれを見て焦りや恐怖よりも先に、歓喜や興奮をその身に覚え、
瞳の輝きが増し、そして笑った。
「やっぱりフェイトちゃんは強い!でも負けない!!」
《Flash Move》
なのはは加速して迎え撃った。
空中で、デバイス同士がぶつかり合い、本来ありえない爆発音が響く。
「―――ツッ、」
なのははフェイトの勢いに負け、後ろに弾き飛ばされる。
しかしその勢いを利用してその場を離れる。
レイジングハートに魔力を流し破損箇所を修正。
すぐさま砲撃を放とうと構えようとした瞬間。
「はぁああ!!!」
フェイトは吹き飛ばされた衝撃に体を持っていかれつつも体勢を立て直し、
遠距離魔法を撃とうとしていたなのはに加速し飛び掛かった。
アースラでは2人の戦いをアースラのブリッジから、
クロノ、エイミィ、リンディ、アルフ、ユーノ、パルキアで見守っていた。
目の前には、いくつものカメラからの、様々な角度や距離の映像が映し出されていた。
「クロノくん、あたし、フェイトちゃんの姿が見えてる時間の方が少ないと思うんだ」
「サーチャーの性能はいいはずなんだがな・・・・・・」
クロノは若干現実逃避気味だ。無理もない、魔力量が高いとはいえ彼女たちの戦いはかなり高度だからだ。
【しかし・・・ソニックフォーム・・・アルフは何か知ってるか?】
パルキアもちょびっとだけ現実逃避したくなっていた。
アルフはその質問に対し、こう答える。
「あたしも、あれほどまでに疾いフェイトは初めて見る。あの姿もね・・・」
アルフもフェイトの速さに驚きを隠せないでいた。
「そうね。まったくすごいわ2人とも・・・・・・。
さっきまでは教材に使えそうなほどに模範的な戦闘だったのに、
今はそのレベルを飛び越えてしまっているわ。
だって1人はほとんど見えてすらいないんだもの
それになのはさんは彼女にとっては一番にいいとはいえ
莫大な魔力量に頼った戦闘をしている」
「でも、なのははフェイトの攻撃をちゃんと受け止められているっ」
ユーノはなのはを擁護する。信頼でもあるし、なによりも現実にそうだった。
なのはは朝の訓練もあり確実に強い。強くなっていた。
「だけどなのはちゃんのバリアジャケットがどんどん削られちゃってる・・・・・・
このまま戦い続ければ、なのはちゃんが・・・・・・」
「いや、よく見ろエイミィ。なのはもかわしきれない攻撃はあるが、
致命打になる攻撃はすべて防いでいたり、避けている」
「それって、なのはにフェイトの動きが見えてるってこと?」
【多分な。そうだと思うぞユーノ】
「でも!フェイトだってこんな攻撃してて疲れないはずないんだ!今だって相当無理してるはずさ!」
アルフは叫んだ。
フェイトの怒涛の攻撃は、ソニックフォームになってから
すでに7分間も続いている。
「そうね。フェイトさんが攻めきるか、なのはさんが粘り勝つか・・・このままならそのどちらかね」
リンディがそう口にした途端、ぶつかり合った2人の動きが止まった。
一同はより一層モニターに集中する。
「まああいつにはまだ三つほど切り札がありますがね・・・・・・」
「ッ!!」
飛び掛ったフェイトは突如目の前のなのはの前に現れた桜色の壁に立ち止まる。
「はぁ、はぁ・・・プロテクト・・・ウォール・・・」
プロテクト・ウォール・・・なのはの前に現れたそれは魔力を大量にディバインシューターへと変換。
それらをまるでレンガを積むように重ねたものだ。一つ目の切り札だ。
まさに強固な壁となっているそれに突撃するわけにも行かず、フェイトは動きを止めた。
「ふぅ・・・まだまだ行くよ!!ディバインシューター!!!」
なのはは再びディバインシューターを7つ放つ。
それらはランダムに戦闘フィールドを駆け巡りフェイトをオールレンジ攻撃で襲った。
フェイトはなのはに近づくこともできず、それらの処理に力を使った。
「はあ、はあ・・・っ・・・はァ・・・」
その戦いで先に動きを止めたのはフェイトだった。体力が続かなかったのだ。
ディバインシューターはすべて消せたものの、それでは動きを止めざるを得なかった。
そもそも原作のソニックフォームですら完成はしていなかったものを
この時期にたった四日で完全にすることは不可能だった。
それによる莫大な魔力の消費もあった。
苦しそうに呼吸を乱しながら、それでもなのはへの警戒は怠っていない。
構えだけは解かず、バルディッシュをなのはに向け続ける。
だが、同じようになのはにも疲れはあった、フェイトほどではないものの、
余裕はもうない。なのははフェイトに引きずられるように、同じように動きを止めた。
「さすがだね。フェイトちゃん。あのランダム処理はわたしもかなり大変なんだ。
一度使うと頭痛がするし・・・でも、フェイトちゃん相手ならいくらでも使えるよ!!」
なのははそう言って、気を取り直す。レイジングハートに持ち替え
ディバインシューター5つを出現させ、体の後ろで回転させた。
「そうだね。戦闘再開だ・・・」
フェイトもそれに応じる。
なのはがオールレンジ攻撃を持っていたところでやることは変わらない。
スピードで圧倒し、そして斬るだけだった。
《Scythe Form》
「アークセイバー!」
フェイトは鎌から三日月の斬撃を繰り出し、なのはの右半身を襲わせる。
それと同時に高速移動でなのはの左側に回り自らも斬撃を加える。
普通ならばそんな攻撃は実現不可能だが、フェイトの異常な速さは、
それをこの世界に現出させることを可能にしていた。
「・・・ッ!」
なのははとっさに全シューターをフェイトに発射した。
フェイトは迂回してその攻撃をすべてかわした。
「はぁああ!!」
なのはは再びディバインシューターを発動。
9つのそれらは近づいてくるフェイトを襲う。
それらを避けるフェイトだが、あくまでもそれはフェイトをちょうど良い場所に誘導するもの。
なのはは攻撃してきたフェイトの攻撃をレイジングハートでバルディッシュの刃に触れないように、
そう、持ち手のところに当ててその攻撃を受け流した。
そうしながら、もう一度作ったシューターで下からフェイトを攻撃する。
だがフェイトはその場から消えるように避け、なのはの右側に振り下ろした。
なのははギリギリで止め、反撃しようとするも、その時にはフェイトは次の攻撃に移っていた。
先ほどまでと同じ攻防戦・・・だが・・・
(止まったら、やられる!)
フェイトはすでに体力的に限界だった。だから気力で動き続けるのみだ。
だが、しかし、動きは徐々に、確実に落ちていた。
そしてついに・・・
(捉えた!!)
フェイトが斬撃を繰り出すのよりわずかに早く、全力で放つ!!
―― ディバインバスター ――
「ッ!」
フェイトはとっさにバルディッシュでシールドを展開、防御する。
「がぁああああああああああああああ!!!!!」
ガリガリッとシールドが削られていく。
シールド貫通の力を持つディバインバスターはシールドで防ぐのは困難だった。
「あ・・・っ・・・あああァ」
そしてフェイトは力なく落ちていった。あまりの魔力ダメージの痛さに気絶しそうになった。
だがフェイトはこのまま目を閉じて楽になりたい、という衝動に打ち勝ち、そしてカッと目を見開いた。
(こんなところで・・・・・・落ちるわけには・・・ッ!!
母さんのためにも!!そして・・・私自身のためも!!!!)
フェイトは絶対にあきらめるわけにはいかなかった。
激痛を無視し、バルディッシュに魔力を流し込み、
修復し、さらに準備してあった魔法を発動する。
一方、落ちていったフェイトを見たなのはは動揺していた。
「フェイトちゃん・・・大丈夫かな?」
《非殺傷設定です。外傷の心配はありません》
「そういう問題じゃ・・・。まあ最低限の配慮はしてあるけどね」
そう言いつつレイジングハートを持ち替えて、降りようとした途端。
なのははバインドで拘束された。
「――ッ!! バインド!?」
「・・・・・・ライトニングバインド・・・」
金色のバインドはなのはの四肢を完全に押さえこんだ。
フェイトは再び飛行し、なのはと同じ高度まで一瞬で移動して滞空する。
続いて両手を大きく広げながら、足元に出現した巨大な魔法陣に着地した。
「これで決める!!バルディッシュ!!」
《Phalanx Shift》
フェイトの横一面に数え切れないほどのフォトンランサーが並んだ。
なのははバインドを解く暇すらない。
「フォトンランサー、ファランクスシフト・・・。
あの子を・・・撃ち・・・・・・砕けぇええッッ!!!!」
そして高々と上げられた腕を振り下ろしながら叫ぶ。
「えぁああああああああー!!!!!」
雷撃の魔力弾が次々となのはを襲い、爆煙に包まれていく。
一度になのはを襲う雷弾は38発。
当然、それだけで終わりではない。
フォトンランサーが一気に発射され打ち終えたら
また次を、そしてまた次を・・・と一人を相手にするには過剰な弾数が発射される。
怒涛の攻撃。最後の切り札!
その数は合計でおよそ千。
だがまだ終わらない。
フェイトは腕を上にかかげ、千の弾を撃ち終わった後にさらに70発ほどのフォトンランサーを束ねていく。
やがてそれは身の丈の3倍はある金色の槍と化した。
フェイトはそれを容赦なく、なのはに投擲する。
「・・・スパーク・・・エンド」
フェイトの声とともになのはに雷撃の槍がぶち当たった。
刹那、大爆発が起こりまわりのビル群6棟が粉々に粉砕する!
爆炎はフェイトがいる場所まで来た。
(これで決まって・・・)
「○○○○○○○」
アースラでは皆がそろってなのはとフェイトの映像を見ていた。
ある二人を除き、なのはの負けだと誰もが思っていた。
「なのは!!」
ユーノが思わず叫ぶ。
「これはフェイトの勝ちだね・・・。あれはフェイトの最後の切り札さ。
あれをまともに食らって無事な奴なんていないよ・・・・・・」
アルフが複雑そうに言った。アルフはなのはに勝ってもらわなければ困るものの
同時にフェイトにも負けてほしくないのだった。
「いや・・・そうでもないさ。なのはを見てみろ」
クロノがモニターを指差す。
エイミィはそれに目を向けながら言った。
「そんなこと言ったってクロノくん。
さすがにあれを食らったらさすがのなのはちゃんだって・・・。あっ」
なのはの周りの煙がなくなっていく。
現れたのは何発かもらったのかバリアジャケットが焦げているが、まだまだ健在のなのはの姿だった。
なのはは防御魔法を発動していた。
しかしそれは、普通のシールドではなかった。
そもそも防御魔法と言う分類では本来なかった。
【あれがなのはの二つ目の切り札・・・】
「あれは一体・・・?」
少し時はさかのぼる。
なのはは今まさにファランクスを受けようとしていた。
見るとフェイトは腕を振り下ろし無数の雷弾を放とうとしているところだった。
なのはは急いで右腕のバインドを解除する。
(間に合って!!)
なのはは右手を前に突き出し、ディバインシューターを・・・70作り出し自身の周りを覆わせる。
「シューター・フィールド・・・展開!!」
最初の数発は作りかけだったシールドをすり抜けられて食らってしまった。
だが完成した今、なのはにはもうダメージはない。
「フェイトちゃん、その攻撃はすでに対策済みだよ!!」
来るべきフェイトとの再戦に勝つために・・・パルキアに言われた初心に・・・
つまりは鍛え続けたディバインシューターを最大限生かすために・・・
スターライトブレイカーとディバインシューターを利用し創られた新たな魔法。
特殊防御魔法 「ディバインシューター・フィールド」
かなりの魔力を込めたディバインシューターを多数作り出し、
個別に移動させる事で攻防一体の全周囲ビームバリアを形成する。
かなりの空間認識能力と演算処理能力が必要であり、
たとえ魔力量がなのは以上あろうとも、なのは以外が使用することはまず不可能。
攻撃と防御が一体化したなのは最大のテクニカルな技である。
なおこの大量のディバインシューターを作成するために自身の魔力だけではなく、
周りの魔力を少しだけだが集束・・・使用していた。
これがなのはの二つ目の切り札・・・
そして鉄壁の桜色の障壁はスパークエンドさえもやすやすと受け止めた。
やがて怒濤の攻撃が止んだ。そのうちに他のバインドをブレイクする。
そしてなのはは最後の切り札の準備を始める。
「さて、と・・・。いい感じに魔力が満ちてる・・・。残りの使用できる魔力も限界ギリギリだけど・・・
レイジングハート、フェイトちゃんの全力に応えよう。こっちも全力全開で!!!」
《All right my master.》
爆煙が晴れるとそこにいたのはほぼ無傷のなのはだった。
「・・・そんな・・・・・・。」
なのはがいまだに健在なことにフェイトが愕然とした。
もうフェイトには度重なるなのはの砲撃やシューターを受け、
魔力を削られたことでもうほとんど余力は残っていなかった。
残存魔力などもうほとんど残っていない。
ファランクスは最低限の魔力を残しての決死の攻撃だった。
なのはは防御魔法を消し、フェイトが動揺している間に砲撃の準備を整えた。
迷いなく、カノンモードのトリガーを引く。
「ディバイィィンン、バスタァァァァアアーーー!!!!!!!」
本日七回目のディバインバスターがフェイトを襲う。
範囲も大きく、距離もそう離れてはいないのでフェイトは逃げられない。
フェイトは前に手を伸ばしラウンドシールドを張った。
魔力が激しくシールドにぶち当たった。
「あの子だって・・・もう限界のはず・・・ッ!これを耐え・・・切ればッ!!」
ディバインバスターの性質と余りの威力にシールドが少し抜かれ、
フェイトの手を覆うバリアジャケットがはがれていく。
フェイトのバリアジャケットはソニックフォームになってからさらに薄くなっている。
左手のグローブはすべて消し飛んでしまった。だがその砲撃にフェイトは耐え抜いた。
「よし・・・これでなんとか。――ッ!!」
その瞬間にフェイトの左腕を除く手足が桜色のバインドで拘束される。
レストリクトロック。集束系のバインドだ。
発動から完成までの間に指定区域内から脱出できなかった
対象全てをその場に固定し、捕獲輪で動きや移動を封じるものだ。
そしてフェイトは自らが囚われているバインド以外に、
もう一つ魔法が発動していることに気づいた。
魔力の光が線が引かれるように上空に向かって集まっている。
フェイトは頭上を見上げた。
それは一つの巨大な桜色の球体だった。
いやもうそれは星と言っても差し違えのないものだった。
それを中心に、周りの魔力がまるで無数の流星のように集まっていく。
フェイトのあちこち破けたバリアジャケットからも魔力が吸い取られていく。
「集束・・・砲撃・・・・・・・・・」
フェイトは絶望に彩られた表情で、呆然とつぶやいた。
それは異常な規模の集束魔法だった。とても人間業とは思えなかった。
なのはが持つレイジングハートからその魔法の名が告げられる。
《STAR LIGHT BREAKER!!》
「使い切れずに・・・ばら撒いちゃった魔力を・・・
もう一度自分のところへ集める。」
使いきれずに散らばった魔力がもう一度、なのはのところに集まってゆく。
辺り一帯が桜色に包まれた。やさしき光だが、どこか恐ろしさもあった。
「レイジングハートと考えた。知恵と戦術、最後の切り札!!!」
着々と集束は進行し、そして段々とその球は大きくなってゆく。
その大きさで、もはやお互いの姿は見えていなかった。
「受けてみて!ディバインバスターのバリエーション!!」
そしてついにそれは完成した。集められた魔力が暴発寸前にまで圧縮されている。
「くっ!あぁぁぁぁあああああああああああああ!!!!!!!!」
フェイトは叫びとともに最後の力を振り絞り、左手を突き出して
自分とスターライトブレイカーの間にまるで塔のように5重のシールドを張った。
「これが私の全力、全開!!!!!!!
スターライトォオオオ、ブレイカァァアアアアアアアアアアアアア!!!」
なのはは叫びながらレイジングハートを大きく振り上げ、自らの何倍もある巨大な球を叩き出した。
刹那、球が崩壊し、莫大なエネルギーの激流が一気にフェイトへと撃ち出される。
まるでそれは極太のレーザーのようだった。
文字通り魔力のビームだ。それがフェイトのシールドに当たる。
「あっ・・・」
バリン、バリバリバリバリ―――
フェイトのシールドをまるで苦にしないように次々と破りながら突き進んでいく。
フェイトの必死の抵抗もむなしく、最後のシールドも破壊され桜色に飲み込まれた。
それと同時にフェイトも桜色が飲み込む。
砲撃はそのまま海に叩きつけられ、そこからまるで大きな爆弾でも落とされたかのような
光球と余波が広がってゆく。
その余波は、海をも飲み込んだ。
消して狭くはない結界内の建物をすべて破壊しつくした。
結界内にあった街は、いまや影も形もない。
そこにあるのはただ一つ、広大な海だけだった・・・。
とてつもなく長い集束砲撃が終わって、しかしフェイトはまだバインドに縛り付けられたままだった。
そのままの状態でフェイトの意識は朦朧としている。
もともと薄いBJは、その大半が消し飛ばされていて、
かろうじて残りの切れ端が、見えてはいけない所を死守していた。
なのははフェイトのバインドを解きつつ抱きかかえて、
海に浮かぶ、かつて建物だったものの残骸に着地した。
さすがに心配になって声をかける。
「フェイトちゃん、大丈夫?」
「う・・・ん、なん・・・」
フェイトは最後まで言い切れず、そこで気絶した。
それも無理はなかった。
もともとフェイトのバリアジャケットはソニックフォーム。
はっきり言って生身と大して変わらない。そこにまともにスターライトブレイカーを食らったのだ。
今までかろうじてでも意識を保っていた事は、もはや奇跡に近い。
しかしなのはは自分で自分の砲撃を受けた事などないので、そんな事は分からなかった。
ただ、フェイトが意識を失った事に慌てた。
「あれ? フェ、フェイトちゃん?・・・フェイトちゃん!!えーっと、ヒーリング!」
なのははフェイトを少しゆすった後、治癒をかけ始めた。
自身も疲れていて、先ほどフェイトが言ったとおり限界ではあったが、
集束能力を使いなんとか使用に成功する。
《Put out》
そのときバルディッシュから8つのジュエルシードが出された。
なのはは一応レイジングハートからジュエルシードを一個取り出し
本物か確認する。・・・本物だった。
いろいろあったが勝負はなのはの勝利だ。
アースラではなのはの集束砲撃を見ていた誰もが、茫然とその威力に見入っていた。
パルキアもアニメで見ていたとはいえ、現実にあるそれを見て完全に硬直していた。
やがてクロノが目を見開きながら、
「・・・なんつーバカ魔力だ。本当に結界内の建物を全壊とは・・・」
「宣言通りだね。でもフェイトちゃん生きてるかな?」
「そんなことが起きたら非殺傷設定の存在意義って一体・・・」
「でも・・・本当にすごいわ・・・」
リンディはクロノと同じく驚きながら言った。
【今日までの努力、そして資質。そのすべてを洗礼させたこそのこの威力だな】
そこに突然、
ウウゥゥゥン―――
とアラート音が響いた。
「転移魔法と次元跳躍攻撃だ! エイミィ!」
「了解!パルキアさん頼んだよ!」
【了解だ!!】
バルディッシュがジュエルシードを出し、なのはが回収しようとした途端、
そこに発動した転送魔法で9つのジュエルシード全てが吸い取られてしまった。
(あぁっ!!警戒してたのに!!しまった余分に一個取られちゃった。)
手際が以上に周到だった。転送魔法は発動され、
フェイトのジュエルシードは奪われてしまった。
『なのはちゃん! 次元跳躍攻撃がそっちにいくよ! 気を付けて!!
今、パルキアさんが向かったよ!!!』
その言葉になのは『はい!』と答えつつ空を見上げると、大きく黒い穴が開いていた。
(とりあえず私にできるのはフェイトちゃんを連れて逃げるしかない!)
なのはは素早くそう判断すると、フェイトを抱えて飛んだ。
そして同時に雷が落とされる。
なのははそれを横目で見つつ必死に飛ぶが、当たることは確実に思えた。
なのはは衝撃を覚悟して、フェイトを自分でかばいつつ、目をつぶろうとした。
だがその時
【おぉおおおおおおおお!!!!!!!!!!】
パルキアが空間転移し、なのはたちとその攻撃の間に立つ。
【プロテクト、シェェエエエエエーード!!!】
間に合ったパルキアがシールドを展開しながらその一撃を防御した。
すごい圧力だが、防ぎきれないものではなかった。
そして攻撃は収まった。
パルキアはすぐに連絡する。
【エイミィ!すぐに回収を!!】
『了解!』
その場にいた三人はアースラへと転送された。
次回のパルキアに転生して、着いた世界はリリカルな世界は・・・
フェイトとの戦いが終わり、一時の休息をとったなのは達
そんななか向かった武装隊が全滅すると言う連絡が入る。
なのはたちはチームを組み時の庭園へと向かう。
【あいつが・・・プレシア・テスタロッサ・・・】
時の庭園中心部への潜入を果たしたパルキア一行
彼らの前にとうとう姿を現したのは、プレシア・テスタロッサだった
そして、戦いはついに終焉を迎える。
次回、パルキアに転生して、着いた世界はリリカルな世界
第15話『Garden of time』
「空間湾曲! ディバイディング、ドライバァアー!」