パルキアに転生して、着いた世界はリリカルな世界 作:DFGNEXT
「・・・ま、まじかよ・・・」
ディスティンは目の前の光景を見て戦慄していた。
闇の書の意思が放った広域型スターライトブレイカーは着弾と同時に大爆発。
着弾店を中心に半径1kmほどのフェイクビル群と設置した大地が崩壊し、
元のアクアボリスの海が表面に現れていた。
「防衛プログラムの奴・・・もっている魔力をかなり使用したな・・・」
「なのは、この威力なら避けたほうが効率が良かったでしょ?」
「うん・・・まぁ・・・」
これを観ても別にエネルギーをあまり使用せずに防ぐ自信はあったので
あいまいになのはは返事を返す。
「・・・まだか・・・はやて・・・」
―グレアム提督の部屋
そのころクロノとアルフ、そしてアリシアはギル・グレアム提督がいる部屋へと来ていた。
中に入るとグレアム提督とリーゼ姉妹がいた。
「失礼します」
「クロノか・・・そちらは確かフェイト・テスタロッサの使い魔の・・・」
「アルフだ。こっちはアリシア。フェイトが飼っている魔法生物だ」
「ピッカ!!」
まずは基本に忠実に挨拶をする。
クロノたちが今回ここに来たのはグレアム提督への報告だ。
「・・・とりあえずは作戦は始まりました。順調に行けば闇の書のバグは完全消去できます」
「・・・そうか・・・」
グレアムはその言葉を聴き、安堵と罪悪感が混ざった顔をした。
「・・・私は・・・間違っていたのか・・・」
「えぇ、闇の書の主を見つけて報告しなかったことはともかく
勝手な行動をとったことは問題です。倫理上でも・・・」
「そうだな・・・」
「だからこそ、あたしたちは戦ってるんだ。フェイトもはやてのために」
「あなたの処罰は現在審議中ですが・・・世論もありますし、
今はまだあなたは何もしていない・・・せいぜい闇の書の主を監視していた程度・・・
おそらくは減給と一定期間の停職処分程度で済むでしょう。管理局の人手不足というのも有りますが」
「そうか・・・」
グレアムはそう言うとおもむろに画面を操作し、現在の闇の書との戦いを映し出した。
「果たして勝てるのか・・・ではなく、絶対に勝つ・・・
その気持ちがこれだけの強さを生み出しているわけだな」
「えぇ、僕はPT事件で彼女達の強さを身をもって知っています。
彼女達なら・・・きっと勝てるはずです」
「クロスケ・・・」
「・・・・・・クロノ」
グレアムはそう言うと懐からカード状の何かを取り出しクロノに手渡す。
「・・・これは?」
「氷の杖「デュランダル」・・・闇の書が発動後必ず陥る暴走状態、
その直前の数分間にこの杖を用いて極大の凍結魔法をかけることで、
主もろとも闇の書を永久封印するために作ったストレージデバイスだ。
どう使うかはお前に任せる。受け取ってほしい・・・」
「わかりました・・・」
クロノは素直にそれを受け取った。
そしてそれを仕舞った瞬間。画面上で起こったできごとに驚く。
「なっ・・・・・・」
そこで起こっていたこととは・・・
今だ終わらない闇の書の意思との戦いの最中、ディスティンは周りの状況に気づいた。
「!!・・・・・・闇の書の力が暴走しているのか!?」
ディスティンが見た場所では大量の炎が地下から吹き上がり、作られた結界が徐々に崩壊していた。
さらに突然この場所を襲う風が強くなっていった。
「・・・早いな・・・もう崩壊が始まったか・・・すぐに暴走が始まる・・・
そうなれば・・・また・・・悲劇が繰り返される・・・」
闇の書の意思はそう呟きながら魔法を発動させる。
《Bloody Dagger》
闇の書がそう発言すると同時に、なのはたちの回りにブラッディダガーが現れる。
「闇に・・・沈め・・・」
そして、その言葉とともにブラッディダガーは放たれた。
着弾し爆発するブラッディダガー。
しかしその攻撃はなのはとディスティンにはバリアで防がれ、
フェイトにはソニックフォームの速さで避けられ、
パルキアにはテレポーテーションで避けられていた。
「くっ・・・こんなことしたって・・・あなたの主も管制人格も望んでないのに・・・」
「それが・・・私の役目・・・悲しみが広がる前に・・・ここで・・・終わらせる・・・」
その言葉を聞き、フェイトはギリッと歯軋りをする。
「そんなことしたって転生プログラムですべてまたやり直される・・・
また悲しみを繰り返すだけなのに!!!」
「そうだ!!だから我らで終わらせる。この悲しき運命を!!」
フェイトが叫び、パルキアもそれに反応し防衛プログラムに向けて言い放つ。
しかし、防衛プログラムにはその声も届いていなかった・・・
「そんなこと・・・できるはずがない・・・ここで終わらせる・・・」
その言葉を聞き、フェイトの堪忍袋の緒が切れる。
「こんの・・・駄々っ子ッ!!!」
フェイトは叫び、闇の書の意思に突撃する。
またパルキアもその言葉に憤りを感じ、同じく闇の書の意思に爪をつきたてようとする。
だが、しかし闇の書の意思は両手を左右に広げる・・・・・・・・・
ガキンッ
「「なっ」」
「お前達も・・・我がうちで眠るといい・・・」
まるで金属と金属がぶつかり合い、擦れ合わされて火花が飛び散るような甲高い音が鼓膜を叩いた。
それは闇の書の意思の障壁と二人の攻撃がぶつかり合った音だった。
そして二人の身体から光の粒子が立ち上り、二人の身体の感覚が徐々に消失していく。
二人の肉体は・・・闇の書の中へと取り込まれていった。
「なっ・・・・・・・・・」
「二人が取り込まれたっ!!??」
「ピッカッ!!??」
クロノとアルフはそれを観て心のそこから驚いた。
無論二人だけではなく、アリシア、グレアムとリーゼ姉妹も目の前で起こったことに唖然とする。
「くっ、失礼します。提督!」
二人はフェイトとパルキアへの心配と戦力の変化を気にし、
急いでアースラへと戻っていった。
「まさか・・・パルキアさんとフェイトちゃんが取り込まれるなんて・・・」
「・・・そんな・・・フェイトが・・・」
突如として起こった出来事に唖然とする二人。
どちらも目の前で大切な人を失った状態であるので、この反応は当然といえた。
「エイミィさん!!!フェイトちゃんたちは!!!??」
『ちょ、ちょっと待ってね!』
エイミィは急いでフェイトの魔力反応を検索して言った。
『フェイトちゃんのバイタル。健在。闇の書の内部に取り込まれただけ。
確認はできなかったけど・・・パルキアさんもきっと・・・』
「それってはやてちゃんと同じような状況ってこと?」
『うん、そうだと思う。助ける方法は現在検討中!!』
そう言うとエイミィは通信を終える。
残された二人は今後の対策を練ろうとしていた。
ここで下手に取り乱しても二人やはやてたちを助けられないからだ。
「でも、どうしよう・・・第二作戦は少なくともフェイトちゃんが必要だし・・・」
「そうだね・・・あれっ?近接戦主体の僕・・・攻撃できなくない?」
ディスティンは先ほど近接格闘戦に入った二人の末路を見てそう思う。
「さっきのカラミティブレイカーは?」
「・・・射程と威力が低いからなぁ・・・ロストストラーダどう思う?」
《そうですね・・・トップジェットが一番理想だとは思われますが、
あれは今の状況ではそれほど有効な一撃だとは思えません。
威力を考えればここはフルドライブのビームダガーランスがいいかと》
「ここでフルドライブか・・・」
ディスティンは悩む。このタイミングでフルドライブを使っても
自身の体に莫大な負荷がかかるだけ、また仮にフルドライブを使用しなければ
ビームダガーランスではとてもじゃないが通用しない。
悩むディスティンになのはは提案を出す。
「それじゃあ、ディスティンくんはフェイトちゃんたちを助け出せるまで
周りの変な触手みたいなのの処理をお願い。それまで無理をする必要はないよ」
「・・・そうだね。わかったよろしく頼む」
「オーケー・・・それじゃいくよ!!」
なのははそう言うと消費したディバインシューターを再び生成。体の周りに漂わせる。
その後なのはは上空へと飛び立っていった。
「負けないよ。防衛プログラム!! ディバイーンバスタァアアア!!!」
「・・・そんなもの・・・盾・・・」
自信の魔力を大量に費やしたディバインバスターを放つなのは。
しかし闇の書の意思は難なくそれをバリアで受け止める。
さらに地面の真下から追撃用の触手を出し、上空のなのはを狙う。
「させない!!トップジェット!!!」
ここでロストストラーダの構造について説明しよう。
ロストストラーダは前部と後部に別れ、前部を「ジェットフラクション」
後部の持ち手の部分をを「ソウルシャフト」と呼称する。
トップジェットとはジェットフラクションを遠心力を利用して射出相手に当てる技である。
ソウルシャフトを離れたジェットフラクションは闇の書の意思に的確に向かう。
しかし、先ほど懸念したとおり全くその攻撃は効かない。
だが本当の狙いはそちらではない。
ジェットフラクションをなくしたロストストラーダのソウルシャフトの先端から巨大なビーム刃が形成される。
「ビーム・・・ダガーランス!!!」
ディスティンはソウルシャフトを振り回し、なのはを襲う触手をビーム刃で切り裂く。
あくまでディスティンは第二作戦が始動できるまで援護に徹するつもりだ。
「・・・余計なことを・・・そんなことをしても苦しみが増えるだけなのに・・・」
闇の書の意思は邪魔をするディスティンに向けて触手を向けさせる。
だが、ディスティンは華麗にビームダガーランスで触手たちを処理していく。
「ちょっと!よそ見してないでよ!ディバインバスター!!」
余所見をされたことに対し少しイラついたなのはは闇の書の意思に向けて
牽制用のディバインバスターを放つ。牽制用なので威力はそこそこだ。
「なんどもなんども同じことを・・・」
闇の書の意思は今度は防御の姿勢をとらず、なのはに向けて手をかざす。
そしてその手に徐々に魔力が溜まっていった。
「まさかあれって!!?」
「ディバインバスター・・・」
なのはのディバインバスターに対し、闇の書の意思もディバインバスターを放つ。
だが、その攻撃は牽制用だったなのはのものを上回り、さらに広域攻撃能力を持っていた。
「くっ、レイジングハート!!」
《Flash move》
二つのディバインバスターが拮抗している隙にフラッシュムーブで高速移動。
正反対の方向にあるビルの上に逃げ込む。
しかし・・・
「・・・お前の行動パターンはすでに読んでいる・・・」
闇の書の意思はすでにチャージを終えていたもう一方の手から
さらに威力の高いディバインバスターを放った。
「なっ・・・」
「なのは!?」
「散れ・・・銀河の果てへ・・・」
フラッシュムーブで避けたばかりのなのは、
触手を処理していたディスティンにはその攻撃に対処する方法はなかった。
迫りくる自分と同じ魔力光のディバインバスターを見ながら
なのはは今までのことが走馬灯のように脳内に流れていた。
殺傷設定のあんな攻撃を防ぐことができない自分には死を待つことしかできなかった。
(そ・・んな・・・いやだ・・・まだ死にたくない・・・まだまだ・・・やりたいことあるのに・・・
パルキアさんも・・・フェイトちゃんも・・・はやてちゃん達も助けてないのに・・・
いやだ・・・そんなの・・・いやだ・・・・・・・・・)
嫌だ・・・そう思ってもなのはにはどうすることもできなかった。
唖然と立ち尽くすなのはに対し・・・非情にもディバインバスターは彼女の体を包んでいった。
しかし・・・ヒーローは遅れてやって来るものだ・・・
「待たせたね。なのは。遅れてごめん」
桜色のディバインバスターは確かになのはの体を包んでいた。
しかし、その前には緑色のサークルプロテクションが出現しており、
その絶対的な強度でなのはを守っていた。
やがてディバインバスターが収まるとそこには高町なのはを守るように立つ
どこかの民族衣装のような服を着たブロンドヘアーの少年がいた。
闇の書の意思はその存在に問いかける。
「・・・お前は・・・何者だ・・・」
その言葉を聞いた少年は高らかに宣言する。
「友達だ!! なのはのね」
少年・・・ユーノ・スクライアはそう宣言した後、戦闘体勢に入った・・・
大切な友達を・・・守り抜くために