パルキアに転生して、着いた世界はリリカルな世界 作:DFGNEXT
とりあえず俺はディアルガには別れを告げ、アースラへと空間転移をする。
セレビィが関わっている。
そしてトーマがいないとなると戦闘面でかなりきついものがある。
セレビィに関しては原作ゲームではかなり扱いが悪かったが、
実際、相性的にはこちらの戦力では心もとない部分もある。
ディアルガはオーバーヒートを使えるが、
あれは威力が高すぎて普通の場所では使用できない。
そしてアリシアは電気タイプ。有効なタイプではない。
俺も草に対する有効的な技はれいとうビームが使えるがオーバーヒートと同じだ。
俺たちの技は威力が高すぎて小回りが利かない。
非殺傷設定にできればまた違うのだろうが・・・これに関しては仕方がない。
仮に敵対することになった場合・・・俺とディアルガ以外で対抗するのは難しいだろう。
とは言っても、敵対してこなければ特別セレビィの行動に意味があるわけでもない。
精々、ヴィヴィオたちをタイムスリップさせた原因がセレビィというだけだろう。
うん、きっとセレビィに関しては大丈夫だ。
そう思いながら転移をしているときだった。
『ビィ~~』
・・・? この声は・・・
妙な声が頭の奥に響いた瞬間、俺の周りの空間が今までにない歪みを起こし、
体がねじ切れるような不快な感触が俺を襲った。
冷たい感触が体をさらに襲い、それに体が身震いする・・・
(な、なん・・・だ・・・これ・・・は・・・)
しびれるような感覚、ネットリと肌にとりつくような感触。
グニャリと視界がゆがんでいく中、俺はその意識を手放した・・・
◆◆◆◆
・・・キア・・・ん・・・パル・・・アさん・・・」
ん?・・・なんだ・・・声が聞こえて・・・
「パルキ・・・ん・・・パルキアさん!!」
なのは・・・?
ここは・・・アースラか・・・
「パルキアさん! ・・・大丈夫?」
「あ、あぁ・・・大丈夫だ。問題ない」
一応、両手を確認する。
うん、問題ないな。
「もう、本当に心配したんだよ。4時間も連絡とらないで・・・」
「あぁ、すまな・・・ん?待て、四時間・・・? そんなに我は気絶していたのか?」
「え?違うよ。パルキアさんがリインフォースさんに三人を追うよって言ってからだよ。
一向に連絡がないから心配していたら、いきなり目の前にパルキアさんが倒れてきて
本当に心配したんだからね。全く・・・」
どういうことだ?
俺はディアルガと話をしていたが、それはわずか20分にも満たないはずだ。
その後すぐさま空間転移をしたんだ。四時間もかかっているはずは・・・
「・・・とりあえず、状況を話しておくよ。
あの後、リインフォースさんの魔法で皆ここアースラに来た。
私とフェイトちゃん、あとユーノくんも呼ばれてね。
それでマテリアルの子たちと作戦会議してたんだけど。
さっき砕け得ぬ闇、システムU-Dと交戦していたキリエさんとアミタさん。
そして未来から来たって言っていた二人の女の子を守護騎士の皆が保護。
あとはパルキアさんを探すだけ、って時になってさっき言ってたみたいに・・・」
「どういうことだ・・・・・・あぁ、なるほど・・・そういうことか」
忘れていたよ。あの時に鳴き声が聞こえたじゃないか。
自分で言ってたばかりだろうに・・・全く・・・
「・・・? どうしたの、急にそんな納得したような声出して」
「時渡りだ・・・なるほど・・・なのは、未来組を保護したと言ったな。
今は会えるか? 会って四人と話がしたい」
「えっ? うん、わかった。リンディさんのところに行こう」
「わかった」
セレビィ・・・そして時渡り・・・
おそらく、時の波紋が関係しているはずだ。
そして、それの供給源が「ヤツ」だとしたら・・・
俺は今わかるだけの考えをとりあえずまとめると、
なのはとともにリンディ提督がいるブリッジまで行ったのだった。
◆◆◆◆◆◆◆◆
「お久しぶりですね。パルキアさん」
「ああ、久しぶりだな。リンディ提督・・・そして、クロノ」
「あぁ、本当に久しぶりだが、今日は何しに来た?」
クロノが多少睨みを利かせながらパルキアにそう言った。
パルキアはふんっと少し人を小馬鹿にするように鼻先で笑った。
その後パルキアは二人に視線を合わせながら、要件を言った。
「未来から来た・・・という四人を保護しているらしいが、ぜひ会いたい」
「・・・どういった目的でですか?」
リンディがあくまでも社交辞令としてパルキアに聞き返す。
「・・・今回の事件・・・そして時を超える力・・・
我が知っている生命体が関わっている可能性がある」
「生命体・・・?」
「・・・時渡り・・・そしてそれを行い平和な世界を目指す存在・・・
我も先ほど体験した。その名を・・・「セレビィ」という・・・」
セレビィ・・・時を渡る存在。
さきほどキリエたちから時間移動の話を聞いていなければ、
とてもではないが信じられない話だった。
だが、キリエたち・・・
そして未来から来たヴィヴィオたちのことを知ってしまえば
そんな技術が存在することも納得せざるを得なかった。
よくよく考えてみれば、ディアルガという時を操る存在を知っていたのだ。
それに比べれば、いくらか話題としては小さい話だった。
「セレビィ・・・ですか・・・」
「あぁ、仮に我の予想が正しければ、システムU-D・・・
砕け得ぬ闇が放つ未知の魔力素はセレビィが時渡りに使うエネルギー
『時の波紋』の可能性が高い。そしてそれが正しければまずいことになる」
「「・・・まさか・・・ッ!?」」
「それって・・・!?」
リンディとクロノは起こりうる最悪の事態。
次元震や次元断層をも越えうる最悪の事態を頭に思い浮かべた。
それは全世界の破滅・・・いや、地球を中心とした周辺世界の時空間移動。
セレビィ一体を時間移動させるのに十分な量の時の波紋が、
永久結晶エグザミアによって量産され、それが暴走することで起こりうる悲劇。
そして暴走する砕け得ぬ闇は今、非常に不安定な存在だ。
もしこのまま放っておけば、対処が一切できなくなってしまう。
「はやてたちやマテリアルたちは今どうしている?」
「今は砕け得ぬ闇システムU-Dの捜索をしながら、
発生し続ける闇の欠片の対処をしてもらっているわ。
どうやら、対処にパルキアさんの力が必要らしくてね」
「今から僕となのはも行く予定だったんだが、なのはが急に飛び出して行って・・・」
「パルキアさんの気配がしたからね。来てみたらビンゴだったってこと」
「なるほどな」
なのはは得意げな表情をしながら、腰に手を当ててエッヘンとポーズをとる。
パルキアは優しく頷いた後、再びリンディたちのほうを向いていった。
「・・・その話は後として・・・先ほどの要求・・・飲めるか?」
「・・・つまりセレビィの時の波紋について何か知っているかと・・・?」
「そうなるな。ギラティナが出現した理由がいまいちわかっていないが。
もしかしたら・・・今回は本当にディアーチェたちを助けたかもわからん。
どちらにせよ、キリエかアミティエから事情を聴ければ作戦を練れる。
ギラティナに関してはまた事が起こった時に考えればいい」
「・・・わかりました。彼女たちは現在、37号室に待機してもらっています」
「・・・協力感謝する・・・」
「それじゃあ、なのは行くぞ」
「うん、私はユーノくんのほうの援護に行くから!」
「わかった。なら僕はフェイトのほうへ行こう」
三人は無言で拳を合わせると、それぞれが向かうべき場所へと向かっていった。
◆◆◆◆
アースラ37号室・・・パルキアが部屋に入ると
そこには大人モードを解いて緊張した趣で座るヴィヴィオとアインハルト。
そして、パルキアが入るまで顔をうつむけていたキリエと
右腕を抑えているアミタの姿があった。
「「パルキアさんッ!!!?」」
未来のパルキアを知っているらしいヴィヴィオとアインハルトは
入ってきたパルキアを見て、声を荒げて立ち上がった。
対して、ついさきほど・・・正確には四時間前に会ったには会ったが、
おそらく砕け得ぬ闇やらギラティナのほうが印象に残っているようで、
頭にはてなマークをあげているキリエとアミタだ。
「あなたは・・・?」
「先ほどあったはずだが、改めて名乗っておこう。
空間を司る者・・・「パルキア」だ。よろしく」
「あ、はい。私はエルトリアのギアーズのアミティエ・フローリアンと申します!」
アミタはビシッと姿勢を良くして、そう挨拶をする。
対するキリエは変わらず顔を下に向けたまま何もしようとはしなかった。
「・・・少し、話をしたいが・・・構わないか?」
「は、はい・・・どうぞ・・・」
パルキアのその言葉にアミタは良承の意を込めて、返事を返す。
キリエはちらり、とこちらを見た後再び目線を下に下げてしまった。
だが、次にパルキアが言った言葉に二人は驚愕する。
「単刀直入に言う。セレビィ・・・または時の波紋について何か知っているか?」
「「ッ!!!!!??」」
当たりか・・・パルキアはそう思いながら目の前の二人の顔をにらむ。
ヴィヴィオたちが見守る中、痺れを切らせたように先ほどまでうつむいていた
キリエが急に立ち上がり、ポツリポツリと少しずつ話し始めた。
「あぁ~あ・・・どこでそれを知ったのやら・・・」
「気にするな。我は情報が・・・予想が当たっているか知りたいだけだ。
お前たちが何か知っているのならば、話してくれないか?」
「・・・・・・えぇ、わかったわ。話してあげる」
パルキアにそう答えるとキリエは少しづつ、自分の知っている情報を話していった。
「・・・博士・・・グランツ・フローリアン博士は・・・「死触」の研究の途中
エルトリアのある一角の遺跡で・・・とある碑文を見つけた・・・
そこに書かれていたのは時を渡る魔法生命体「セレビィ」
そして、セレビィが時渡りのために使うエネルギー・・・「時の波紋」
この二つを知った博士はエルトリアの大地を蘇らせるために
それらの技術を応用した研究を重ねていた。
そしてある時・・・このタイムマシンは偶然完成してしまった・・・
人間では無理でも、私たちギアーズなら使用可能な・・・時を超える
人がまだ手にしてはならない・・・禁断の技術・・・『
博士は私たちにこれを使用しないように、そう釘を指してたわ・・・
『時を、運命を操ろうと思ってはいけない・・・。厳然たる守護者であれ』ってね
私も最初は納得してたわ。博士の研究も成果を上げていて、
数百年後には・・・再びエルトリアにもう一度自然を取り戻せるはずだった・・・
だけど・・・博士の病状が悪化していくのを見て・・・
私はいてもたってもいられなくなった。
博士が悲しいまま死んじゃうなんて・・・そんなの嫌だったから
私は禁断の魔術に手を出した。エルトリアを早急に復活させるために必要な存在。
それがシステムU-Dが持つ「永遠結晶エグザミア」だった・・・」
「・・・博士は過去を変えることも、未来へ逃げることも望みませんでした。
まあ、時間渡航には莫大な負担がかかるため、普通の人間には・・・
どちらにせよ、使うことはできない代物でしたが・・・
妹は時間渡航にすべてをかけて、シミュレーションを繰り返していました。
しかし、鍵になるような過去・・・
たとえば博士の病気のきっかけになりそうな出来事や、
死触の大拡散とか、そういったものを変えようとすると、
必ずシミュレーションエラーが出てしまうんです」
「なるほどな・・・時を超え、未来を変える・・・
さまざまなSFでいろいろな考察がなされていた・・・
それはまさに過去を変えることのむずかしさ。
その予測のし難さを表している・・・だからエラーになったのだな」
キリエ、そしてアミタの説明を聞いてパルキアは納得する。
となりで静かに聞いているヴィヴィオたちもその境遇を想像し、
そして、自分と比べながら少しだけだが同情の念を持っていた。
特にアインハルトは常に自分を付きまとう"過去"の記憶の存在から
キリエの過去を変えたくても変えることができない気持ちを理解できていた。
自分も、彼女と出会わなければ・・・もしかしたら・・・
今とは全く違う人生を歩んでいたかもしれなかったから
「何が起こるかわからない状態で、とりあえず過去に戻って何かしてみる
それはあまりにもリスキーでした。生まれ育った世界の未来と
世界で一番大切な人の命と夢・・・そんな不確定な天秤には載せられない。
妹は諦めかけていたんです・・・・・・ただ・・・・・・」
「見つけたの。たった一つの可能性・・・
死触で死にゆく世界を救える方法。
それが無限連環システムの核――――エグザミア
過去のどの時代でもなく、この時代でのみ、
私が持ち帰れる可能性があるって」
「なるほど・・・ディアーチェが完全な状態で稼働していて、
かつ砕け得ぬ闇を制御化におけるタイミングが・・・今だったと・・・」
「ええ、だけど・・・失敗したわ・・・やり直しもきかない」
「だろうな・・・ましてや今はセレビィが実際に活動し、
そこにいるヴィヴィオたちをこの時代に連れてきた。
時の波紋が使用され、その濃度は著しく減っている。
砕け得ぬ闇を倒すことはできても、エグザミアは無理だろうな。
下手に持っていけば、なくなった分の時の波紋を補充するために
活動・・・そしていずれは・・・暴走し、崩壊する」
結局はそういうこと、キリエがヴィヴィオたちが来る時までに
エグザミアを回収できていなかった時点で、すでに持ち帰るという手段はとれない。
パルキアかディアルガの力を使えば、最悪の場合被害は防げる可能性はある。
だが、その場合待っているのはエグザミアの時間と空間の檻に閉じ込めるという未来。
すでにキリエの作戦はセレビィの行動により失敗していたのだ。
「・・・そう・・・」
「だが、情報感謝する・・・おそらく砕け得ぬ闇は助けられるだろう。
謎だったセレビィの目的も大体把握できてきたからな・・・
・・・そして、もしよければエルトリアの大地・・・蘇らせることができるかもしれない」
「「えっ・・・?」」
パルキアのその発言に、沈んでいた二人の顔に光が少し燈る。
「我は空間の神・・・世界の再生も可能だ。
死触の被害・・・それに関してはまだわからないが、おそらく問題ないだろう。
あくまでもお前たちが、自分たちの力だけでやるというのであれば構わんが
どうする・・・? のってみるか?」
「「・・・・・・・・・・・・」」
二人はパルキアの申し出の内容を吟味する。
とてもおいしい話だ。正直言って利益しかない。
だが、果たして博士はそんな裏技を望むだろうか・・・
二人は悩んだ・・・しかし、悩むまでもなかった。
「よろしくお願いします・・・」
「あぁ、わかった。時の旅・・・我も最後は付き合おう」
アミタとキリエ、そしてパルキアは手を握り合う。
その時、ちょうどブリッジから集合の合図がかかる。
「どうやら、準備は整ったようだな・・・」
「あ、あのパルキアさん・・・?」
「お前たちはじっとしておけ、下手なことをされても困るからな」
「・・・はい・・・・・・はぁ・・・」
即行で一刀両断されてしまい、ヴィヴィオは溜息を吐く。
だが仕方がない。砕け得ぬ闇は殺傷設定だ。
セレビィがこちらと敵対する気がないと予想がついた今
ヴィヴィオたちの戦力は必要ない。
「はい・・・わかりました・・・でも・・・気を付けてくださいパルキアさん」
「わかった。アインハルト・・・じゃあな、ヴィヴィオ」
「はーい・・・いってらっしゃいパルキアさん」
「あぁ、行ってきます」