パルキアに転生して、着いた世界はリリカルな世界   作:DFGNEXT

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これがやりたかった!! これのために自分はGOD編を作ったのだ!(キリッ
というわけで、まさかの六部構成にすると話数がちょうどよいことに気付き
予定よりも大ボリュームとなってしまった最終三部作・・・

これでもダイジェストなのだから、本来やろうとしていたことが
どれだけ関係のない自己満足ネタ集だったか・・・

まぁ、そのときはそのときで楽しそうですがw

大分、シリアスというかシリアルな雰囲気のせいでネタを出すと場違いに感じてしまったのが、
まず間違いなく大きな原因。ガトリングドライバーとなのはのセリフくらいか?

さて、それではどうぞ!!

推奨BGM:Sacred Force (できればラスト周辺あたり)



第四十八話「GOD編ダイジェスト5・・・集いし思い!」

 

 

 

 

しばらくして、砕け得ぬ闇の反応を感知したなのは達が到着する。

彼女たちはディアーチェから何が起こったのをすべて聞いた。

 

ギラティナのこと・・・そしてシュテルたちのことを・・・

 

「シュテルと、レヴィが――――?」

「そんな・・・・・・」

「ピィカ・・・・・・」

 

自分たちと似た姿の二人がU-Dとの戦闘で傷つき、

消えて行ってしまったことを聞き、なのはとフェイトは悲しみの声を上げる。

その気持ちはまた、意外とレヴィを妹分として気に入っていたアリシアも同じだった。

 

「我に力を託して・・・消えていった・・・・・・」

「で・・・でも、すぐに戻るんやろ?前に消えた時やって、すぐに……」

「当然よ――――奴らがこの程度で消えてたまるか」

 

声を震わせながら、ディアーチェはそう言う。

その体は小刻みに震え、悲しみと怒りが入り混じった表情を見せる。

 

「奴らが打ってくれた布石――奴らが残してれた力!

 U-Dと対峙するのは我ぞ! 誰にも邪魔はさせぬ!」

 

悲しみのあまり、一人で戦おうとするディアーチェ。

そんな彼女をリインフォースは説得をしようと試みる。

 

「だが王よ。お前の駆体は今、ひどく不安定だ。

 3人分の力を得ても、駆体の強度がついていってない。

 お前が倒れでもしたら、シュテルとレヴィは本当に――」

「黙れ! 殺すぞ!!」

 

しかしリインフォースの声を遮り、ディアーチェが叫ぶ。

ギラティナは何も言わず、ただ彼女たちを見つめる。

 

「王様、リインフォースは味方や。3人のこと、心配してるんよ!?」

「黙れ、黙れッ!!」

 

はやてが宥るもディアーチェは叫ぶばかりで耳を一切貸さない。

 

「ディアーチェ・・・・・・止めても行くよね? なら、一緒に行こう」

「なのはちゃん!?」

 

そこに見かねたなのはがディアーチェに声をかける。

それは共に戦おうという提案だった。

 

「私も賛成。レヴィもシュテルも、ディアーチェのために頑張ったんだから」

「戦力は多い方がいい――最終的にU-Dを制御できるのは王だけだろうしな」

 

フェイトとシグナムもなのはの意見に賛成する。

 

「あたしらじゃ、結局は破壊するしかねーんだ。出来るんならそれはしたくねぇ」

「何より、破壊より制御の方が確率が高い。ディアーチェも加えて向かう方がいい」

 

ヴィータとクロノの説得もあり、はやても納得しディアーチェに語りかけた。

 

「・・・王様――みんなで頑張ろう」

「必ず、我が制御をする。あれの破壊などは許さぬ」

 

「及ばずながら――私たちも行きます」

「アミタさん・・・!?」

 

なのはが声のした方向を振り向くと、そこにいたのは

パルキアとディアルガ、キリエとアミタだった。

 

四人はディアーチェの近くにいるギラティナの姿に驚いたものの

パルキアとディアルガはさきほど事情を聴いていたので、すぐに落ち着き。

キリエとアミタも説明を聞いて納得していた。

 

「さっき我が連れてきた。彼女たちも戦いたいと言ってくれた」

「事件の大元は・・・私だから――」

 

もとはといえば、自分がこの時代に来たから起こった事件。

キリエは責任感を感じ、ここに来たのだった。

 

「U-Dは渡さぬぞ。あれは我のものだ」

「いいわ――もう諦めたし、エルトリアの復活に協力者もできたしね。

 もともと、過去や未来を変えようなんて――そう簡単にしちゃいけなかったのよ」

 

パルキアの協力を取り付けた今、彼女にできることは事件の後始末。

そして、それに生き残りエルトリアにアミタとともに帰ることだけだった。

 

しかし、クロノは四人に対して戦えるのか疑問を投げかける。

ユーノは防御魔法で皆を守る盾役に徹するのだが、彼女らにはそれができない。

どうやって戦うのか、クロノには疑問だったのだ。

 

「しかし、戦えるのか?」

「我等はプログラムを駆使できぬ以上。サポートに徹するほかあるまい。

 砕け得ぬ闇に対抗できる力を持つのは、ギラティナくらいであろう」

 

もともと紫天の書の守護者だったギラティナなら

対U-D用プログラムなしでも対抗できるはず。

 

パルキアはそう考えて、自分たちはサポートに徹することにしたのだ。

 

「そうですね。しかし、アミタさんたちはシュテルさんから受け取った

 対U-D用プログラムをザッパーにインストールしています」

「だから、私たちも戦えます」

「ええ」

 

クロノの言葉に各々が返事を返す。

キリエとアミタは戦力として、皆と一緒に戦うことにしたのだ。

事情を聞いたクロノは納得し、はやてに声をかける。

 

「わかった――このメンバーで向かおう。はやて、いいな?」

「うん」

 

「―― 一度の戦闘ではおそらく済まぬ――戦うのであれば、心して挑め」

「了解!」

「わかった。それではメンバーを二チームに分けよう。

 第一チームが先制して、確保できなければ第二チームが挑む」

 

クロノはディアーチェの助言を聞き入れ、チームを二つに分けることにした。

結論として、第一チームはクロノ、シグナム、ヴィータ、キリエ、パルキア。

第二チームはなのは、フェイト、アリシア、アミタ、ユーノ、はやて、リインフォース。

そしてディアーチェ、ギラティナ、ディアルガだ。

 

「万が一の時の防衛線は、シャマルとザフィーラに任せる」

「了解」

「ああ」

 

そして後方支援担当の二人は第一チームにつき、

万が一の防衛線を張ることになった。

 

「二人は制御プログラムがないんやから、戦闘になったら、くれぐれも無理しないでな」

「はい、大丈夫です」

「どうか、ご心配なく」

 

「もちろんユーノくんも無茶はせんとってなぁ」

「了解。大丈夫うまくやるよ」

 

はやての心配する声にユーノはグッと握り拳を作りながら答えた。

 

「よし、行こう・・・・・・決戦だ!」

 

全員万全の状態となり、二手に分かれてU-Dの捜索に向かったのだった。

 

 

 

 

◆◆◆◆

 

 

 

 

「ギラ・・・」

「済まぬなギラティナ・・・取り乱してしまって・・・」

 

U-Dを捜索しながら、ディアーチェは並行して飛ぶギラティナの頭部を撫でる。

思えば、一人で特攻紛いなことをするなど言語道断であった。

シュテルやレヴィが彼女に残した希望・・・それを踏みにじるところだったのだ。

 

「ふふ、どうしてだろうな・・・お前の前に立つとプライドもなにもかも下らなく思えてくる」

「ギラー・・・ッ!!」

「そうか、理解してくれるか・・・聞いた話ではお前は相当いろいろやったそうだが、

 今はそんなことの欠片すらないな・・・自由を取り戻し、理性を手に入れたから・・・か」

 

ディアーチェの推論も若干当たっていた。

なのはのスターライトブレイカー・トリニティによって闇が封印され、

光を見ることができるようになったギラティナは本来の理性を取り戻し、

ディアーチェを守るためにあの時駆けつけてくれたのだから・・・

 

そう、あのときギラティナが助けに来たのは本能ではなく。

自分の生まれた立場、その生い立ちを考えたうえでの行動だったのだ。

 

そして、ディアーチェはふと「ギラティナ」という名前に疑問を持つ。

これはもともとパルキアが呼称していた名前だったはずだ。

かつて一部だけ手に入れていたはやての記憶ではそうだった。

 

そこから考えを広げ、ディアーチェはギラティナに語り掛けた。

 

「ふむ・・・ギラティナ・・・というのも、なかなか長い名前よの・・・

 もともとその名はパルキアが貴様につけたもの・・・お主は生まれ変わったのだ。

 ・・・よし、我が新たな名をやろう・・・ともにU-Dを救うためのな・・・」

 

名前とは、そのものの存在を示す存在にして

意思のある者にとって、それは絶対的価値を持つ。

名前とは概念を区別し、そのものだけを示すための言葉なのだ。

 

だから、ディアーチェはギラティナに新たな名を授ける。

パルキアの言う闇の存在でなく、紫天とともに前に進むための・・・

シュテルとレヴィの希望を継ぎ、U-Dを救うための名を・・・ッ!

 

「紫天の書の主の名において、汝に新たな名前を与える。

 

            自由を掴む者

            理性にて進む

            勇気ある希望

 

                     ──ラティオ!」

 

 

その時だった

 

新たな名前を受け取ったギラティナの体が光り輝き、

その体から何かが放出され、ディアーチェの手の中に納まる。

 

「・・・これは・・・?」

 

ディアーチェの手の中にあったもの・・・それは白金色の宝石だった。

まるで星のようにも見える形状、艶のあるきれいな眩き銀黄色。

その光沢は見るものすべてを魅了する・・・といっても過言ではなかった。

 

そして・・・それをディアーチェが手に取った瞬間から、

ディアーチェの体にさらなる膨大な魔力の流れが生まれていた。

 

それはギラティナが持っていた「はっきんだま」

これがなければ、彼は虚数空間を自由に行き来することはできない。

だが、それでも彼はディアーチェに力を貸すために

大切なこのはっきんだまを彼女に渡したのだった。

 

この世に生を受けた自分に、名前を授けてくれた彼女に

 

「・・・そうか、感謝するぞ・・・行くぞ、ラティオ!」

「ビシャーンッ!」

 

新たな名とともにディアーチェとラティオはU-Dを救うために

再び、海鳴の空を全速力で翔けていった。

 

「待っていろ・・・U-D・・・いや・・・」

 

 

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

 

そして、ある時アースラのレーダーにU-Dの魔力反応が検知される。

マリエルは画面を見ながら、U-Dの座礁情報を皆に連絡する。

 

『目標コード『システムU-D』座標確認、位置確認――結界魔導師による空間封鎖完了!

 ですが、周辺魔力が凄い勢いで集められていきます、ドンドンパワーアップしてる!』

 

「了解。第一チーム、システムU-Dを目視。これより確保に入る」

 

マリエルの連絡を聞きながら、クロノは目の前のU-Dを見る。

感情のない表情だった。先ほどまでと違い、意思疎通できるかすら不明だった。

 

「ヤミちゃーーん! 私達、夜天の守護騎士でーーす! お話、聞かせてくれるーーー?」

「・・・・・・・・・」

「反応はないな。やはり、対話できる状態ではないか」

 

シャマルの言葉にもU-Dは反応しない。

再起動したてで、対話することはまだかなわなかったのだ。

 

「魔力を集めながら、次段階への覚醒をしようとしているな――」

「ここで仕留められないとマズいな・・・」

「そうね・・・あの子も苦しそうだしね・・・」

 

U-Dは次段階・・・つまりはあの赤い状態へとなろうとしていたのだ。

仮にあの状態になってしまったら、逃げられる可能性も高い。

当初の予定通り、パルキアは左腕に空間湾曲エネルギーを蓄え、放つ。

 

「ガトリングドライバァアアアアアア!!」

 

パルキアの左腕から放たれた空間湾曲エネルギーにより、

U-Dはこの結界内に結いとめられる。

 

ただし、彼女単体を覆ってしまうと確保行動ができないので、

あくまでも彼女が今いる結界から、逃げ出さないためのガトリングドライバーだ。

 

「第二チームの到着までにできれば確保したい。みんな、警戒しながら確保行動――」

 

クロノの言葉とともに第一チームの面々はU-D確保のため、

各々攻撃を警戒し拡散、そしてU-Dとの戦闘を開始した。

 

 

 

 

◆◆◆◆

 

 

 

 

「私のところに来てくれたか、都合がいい」

「あなたは、夜天の守護騎士――烈火の将――」

 

行動を開始したU-Dが最初に出会ったのはシグナムだった。

 

「ああ。直接会うのは初めてだな」

「何をしに来たんですか――? 私に近づいたら、みんな壊れてしまうのに」

「お前を救いに来たのさ――私たちはその先陣さ」

 

そんな会話をしながらもシグナムは周りの面々に思念通話を送り、

U-D確保のための作戦を会話の裏側で練っていく。

しかし、話している言葉はすべて本心から出ていた。

 

彼女と似た存在を、シグナムは知っていたから・・・

 

「救いなんてありません・・・みんなが私を封じようとした――

 忘れようとした。だけど、私はここで完成します――

 もっと強い自分に変わります。もう誰も、私に触れられないほどに」

「強さを求めることはいいことだが、それは本当の強さではない。

 それに・・・お前と同じように呪われ、忌み嫌われても――――――

 出逢いによって救われた者もいる。」

 

それはリインフォースしかり、ナハトヴァールしかり・・・

死と殺戮の運命に囚われた彼女たちも、出逢いによって救われたのだ。

だからシグナムは思う。U-Dも必ずディアーチェが救ってくれると。

 

「私に、そんな出逢いも救いもありませんよ――ただ壊すだけです。

 私が触れただけで――みんな壊れてしまうんですから・・・・・・」

「そこまで言うなら・・・試してみるか――?

 プログラムカートリッジ「ヴィルべルヴィント」――ロード」

 

シグナムはそういうと、シュテルから受け取ったプログラムカートリッジをロード。

瞬間、カートリッジに秘められたプログラムがシグナムの体を包み込む。

 

「それは――」

「お前の王が待っている――――さあ、行くぞッ!」

 

その叫びとともにシグナムはレヴァンティンを掲げ、U-Dに斬りかかる。

一撃、二撃と与えていくが、どこか手応えがおかしかった。

 

「なんだ・・・?」

「待たせたな! シグナム!」

 

そんなおかしな感触を感じていた時、ヴィータたちが合流してきた。

 

「気を付けろヴィータ。何か様子がおかしい」

「そうか・・・わかった。あたしも様子見をしてみる」

 

そういうとヴィータはハンマーの突進打撃で相手を打ち上げる

テートリヒ・シュラークをU-Dに向かって放つ。

U-Dが魄翼から弾丸を連射するなか、それを避けながら見事直撃させる。

直撃・・・させたのだが、やはりシグナム同様ヴィータも違和感を覚えた。

 

「おかしい・・・手応えあるようにしか思えねぇのに・・・

 まるで効いてない感触もある・・・一体なんなんだこれ・・・?」

「所謂・・・スーパーアーマーと呼ぶべきものだろうな・・・

 U-Dにダメージは入ってはいるが、よろめきも仰け反りもしないから、

 手応えがあるのにダメージを与えられていないような感覚に陥るのだ」

「なるほど・・・そういうことか、どうしますか執務官?」

「砕け得ぬ闇の防御力は予想以上だが、作戦に変更はなしだ。

 第二チームが合流するまでになんとか、ダメージの蓄積はしておきたい」

「わかったわ。了解」

 

二戦することが前提だった以上、作戦の変更はなし。

第二チームが合流するまでなんとか攻撃を耐えしのぎ、ダメージを与え

U-Dにディアーチェが制御プログラムを打ち込めるようにしなくてはならない。

 

クロノはそう考えたうえで、皆に指示を出す。

 

「パルキアは後方支援を頼む。万が一味方が攻撃を受けそうになったら

 空間転移を頼む。ただ攻撃が避けられそうになかったらでいい。

 急にやられても感覚がおかしくなるからな。よほどの時でなければいい」

「わかった。我は攻撃に参加はできん。頼んだぞ」

「あぁ、任せろ」

 

パルキアにヴィータがそう言い返し、一同は再び意識をU-Dに集中させる。

そして全員の攻撃の後、さらにU-Dに対して攻撃を続けていく。

 

「ラピッドトリガー、ファイアー!」

 

まずはキリエの攻撃。ザッパーから弾丸を連射して牽制する。

弾丸はU-Dに直撃し、その動きを一時的にだが止める。

 

「そして! ファイネスト・カノン!」

 

さらに両手で構えた銃から大きな砲弾を発射する。

動きを止めていたU-Dにこちらも直撃、障壁の一部を抉り取った。

 

「行くぞ!空牙!!」

 

続くシグナムは横薙ぎの斬撃を放ち、そのまま突撃。

斬撃を縦に一回、その後横に振りきり、そのままU-Dの後ろに回り込む。

 

「くっ・・・」

「はぁああああああッ!!」

 

後ろに回られたU-Dは旋回し、シグナムを迎撃しようとするが、

シグナムはそんな隙を与えずに、もう一度攻撃の連打をU-Dに浴びせた。

 

「紫電・・・一閃ッ!!」

 

そして最後にカートリッジを一つロードし、炎を宿した

レヴァンティンを横に薙ぎ払いU-Dを切り裂いた。

 

「やはり、硬いな・・・」

「まかせろシグナム!! おぉおおおお!!!」

 

ヴィータのその言葉とともにアイゼンからカードリッジが排出され、

グラーフアイゼンの姿が巨大な大槌へと変貌してゆく。

 

グラーフアイゼンのフォルムの一つ、「ギガントフォルム」だ。

 

巨大化したグラーフアイゼンをヴィータは上空に大きく振りかぶり、

そしてU-Dに向けて、勢いよく振り下ろした!

 

「轟天爆砕!ギガント・・・シュラーク!!!!」

 

それはヴィータが振るうグラーフアイゼンのギガントフォルムによる

強力無比の最大の攻撃にて、どんな防御も容易く粉砕する一撃。

 

闇の書の闇の物理バリアすら破壊した攻撃・・・だったのだが・・・

 

「こんなもの・・・」

 

しかしU-Dはその攻撃をゴリ押しで防ぎきる。

その方法は魄翼を巨大な腕の形にして、直接ギガントシュラークを受け止めたのだ。

 

「なにぃ!?」

「直接受け止めただと。なんて奴だ」

「ちょっとまずいわね。あれで防御を打ち抜けないとなると・・・」

「何かほかに手はないの!?」

 

キリエが叫ぶが、具体的な必勝法というものはないに等しい。

防衛プログラムのバリアすら防いだギガントシュラークが効かないとなると

U-Dの防御性能はかなり高い。どうやら正攻法では難しそうだった。

 

「一か八か、ここで動きを止める! ザフィーラ!」

「了解した・・・はああああああ、鋼の軛!!」

 

クロノの指示のもと、ザフィーラが魔力を放出。

海面から伸びた、鋼の軛がU-Dを絡めて動けなくする。

 

「行け!! クロノ!」

「分かってる!悠久なる凍土 凍てつく棺のうちにて

 永遠の眠りを与えよ・・・凍てつけ!エターナルコフィン!」

 

クロノは持ち替えた自身のもう一つのデバイス、

氷結の杖『デュランダル』から4機の浮遊ユニットを展開。

U-Dの周囲に展開させ、本体の杖から凍結魔力粒子の放射による反応冷凍弾を発射する。

 

さらに展開した浮遊ユニットが冷気をU-Dの周りの空間に閉じ込める。

そして溢れた凍結魔力を反射させることで冷凍効果をさらに倍増させる。

 

かつてナハトヴァール戦でパルキアが使用したフォビドゥン・コメット。

その戦闘メカニズムを解析し、クロノがデュランダルに取り付けた新システム。

 

繰り出された冷気は鋼の軛によって拘束されたU-Dの体をを包み、

その圧倒的な冷気によってU-Dを周りの空間ごと凍らせる。

 

あまりの威力の強さに、放ったクロノ本人も顔の一部が少し凍結してしまう。

 

「はぁ、はぁ・・・これで・・・どうだ・・・?」

 

あまりの冷気に口から白い息を吐きながら、呼吸を整えるクロノ。

そして、その目の前にはエターナルコフィンによって凍結させられたU-D。

固く閉ざされた氷の中で、彼女は動きを封じられていた。

 

 

パキンッ、バキンッ

 

 

だが、彼女はその閉ざされた氷の中で魄翼を広げ、氷を粉砕する。

 

「破損修復――機能回復――」

(ヴィルベルヴィント、ブルムベア、オストヴィントが無効化されたか?

 だが、魔力は消耗させたはず――! いけるか?)

 

キリエ以外のプログラムが無効化されたが、魔力は削りきれた。

このまま押し切れるか、シグナムがそう思っていた時だった。

 

「ううあああーーーーーッ!!!!」

 

突如として、U-Dが苦しそうな叫び声を上げながら様子が変わり、

白い服だった色彩が血の様な真っ赤な深紅色に変わる。

顔にもまるで血で描かれたような、鮮血色の線が顔の頬に流れる。

 

「色彩が変わった――」

「魔力増大――時の波紋を検出!!」

「あれが無限連環機構――『エグザミア』の力」

 

そうあれがシステム アンブレイカブル・ダークが持つ

永久結晶エグザミアの真の力。その圧倒的な時の波紋生成により、

U-Dの魔力量はさらに膨大な数値に跳ね上がる。

 

「シュテルに聞いた話じゃ、あの戦闘モードになると人格も変わるってよ。

 自分の意志で、死と殺戮を望んで・・・破壊をし始めちまう」

「なんとかして、止めてやらねばならんが――我々は限界だな」

「そうね・・・私も前のダメージが回復しきれてないし・・・ね・・・」

「そうだな、我はともかく・・・お前たちは・・・」

 

パルキアの言葉を聞きながらシグナムは自身の残りカートリッジを見る。

U-D戦をフルパワーで戦った第一チーム・・・・・・すでに残り魔力も少なく、

U-Dほどの相手にこれ以上の戦闘行為はパルキア以外困難だった。

 

そのとき別行動をとっていた第二チームが到着する。

 

「お待たせしました! 第二チーム、ただいま現着ッ!」

「救出行動に入りますっ!」

「ピッカッ!!」

 

「助かる。パルキア、僕たちは結界の維持に専念する。あとは任せた」

「了解した。あとは任せておけ」

 

「・・・・・・・・・・・・つ・・・ッ」

「アミタさん? 大丈夫ですか?」

 

突然、右腕を抑えたアミタを心配するようにディアルガが声をかける。

その言葉に一瞬だけ焦るような行動をした後、大丈夫だと言い返す。

 

「いえ! なんでもありません!

 私は、問題ありません! 妹風に言うなら、WMAです!」

「ダ、ダブリューエムエー・・・?」

「WATASHIHA MONDAI ARIMASEN!です!!」

「そ、そうですか・・・」

 

あまりそういうことに慣れていないためにディアルガは

アミタのそのプレッシャーを受けて、とりあえず納得してしまう。

 

アミタは何とか気づかれなかったことに安堵し、心の中でほっと胸をなでおろす。

 

「そろそろU-Dの射程内に入るよ――気を付けて!」

 

はやての言葉を聞き、第二チームは意識をU-Dに集中する。

パルキアの力により、第一チームのメンバーのほとんどは結界外へと移動させられた。

 

「U-D――貴様は我が、必ず――!」

「ギラッ!」

 

ディアーチェとラティオはもう一度決意の言葉を宣言する。

悲しみの連鎖、無情に過ぎていく時間を・・・ここですべて終わらせるために・・・

 

 

 

 

◆◆◆◆

 

 

 

 

そのころ、自身のザッパーの調子を確かめていたアミタ。

先ほどから調子が悪く、エネルギーもあまり多くはなかったはずだ。

 

「――やっぱり、ザッパーのコンディションが良くない・・・・・・

 エネルギー残量も残りわずか・・・無理もありません――

 この子にはハードワークを強いすぎました。

 

 私の消耗も・・・正直言えばけっこうキツいです。

 それでも、この戦いを何とか切り抜けないと――」

 

多少どころか、かなり分が悪いがアミタはそれでもU-Dとの戦いに向かおうとする。

 

「アミタ! 待ってッ!」

「キリエッ!? なんでここに!?」

 

そんなときになぜかこの場に残っていたキリエがアミタを呼び止める。

 

「パルキアに頼んで、少し残らせてもらったのよ」

 

そう単調に言った後、キリエは本題を切り出した。

 

「アミタ! これを持って行って」

 

キリエはそう言いながら、アミタの手にあるものを握らせる。

 

「これ――あなたのザッパーじゃ」

 

それは自身のピンク色のヴァリアントザッパー。

キリエはアミタの手にそれを納め、ギュッとその手を握り締めて言う。

 

「アミタのザッパー、まだ完全じゃないでしょ?

 こっちは私用のチューニングだから、使いづらいかもしれないけど」

「いいんですか・・・・・・? 私が触ると、いつも脹れてたのに」

「いいのよ・・・私が責任取るために戦いたいけど・・・ちょっと無理っぽいからね」

 

キリエがそこまでいうので、実際に手に取るアミタ。

しかし、そのエネルギー量を見て再び驚きの声を上げてしまう。

 

「 !! これ――エネルギーが、フルチャージで――!」

 

先ほど砕け得ぬ闇と全力で戦い、エネルギーを消耗したはずなのに

手渡されたキリエのヴァリアントザッパーのエネルギーはフルチャージされていたのだ。

つまり、キリエは自身の最低稼働ラインギリギリまで、残された

エネルギーをこのザッパーに注ぎ込んだということなのだ。

 

「私の希望・・・私の思い・・・預けたわよ。お姉ちゃん」

 

それは妹が姉に託した最後の願い。

その意思を感じ取り、それを受け取ることにしたアミタは頷きながら言った。

 

「――わかりました・・・・・・交換です!」

 

その言葉とともに自分のザッパーをキリエに渡す。

 

「・・・・・・駄目な妹の後始末――ごめんね――お願い」

「はい! 行ってきます!!」

 

その言葉を聞き届け、ありがとうとだけ伝えるとキリエの姿は虚空に消える。

そして――――妹の願いを受け継ぎ、彼女は再び空を舞うのだった。

 

 

 

 

◆◆◆◆

 

 

 

 

「さあ、リインフォース! 決めに行くよ!! ユニゾン、いけるな?」

「はい、我が主!」

 

三か月前とは違い、リインフォースとのユニゾン機能はすべて回復している。

はやては今度こそ、闇の書との因縁を断ち切るために家族とともにU-Dを救うのだ。

 

「夜天の祝福、いまここに――リインフォース! ユニゾン・インッ!」

 

月の輝く夜天のように、白銀に染まるその光に包まれたはやては

リインフォースとのユニゾンに成功。白き夜天の騎士の姿を現した。

 

「融合完了――インストールプログラム『ヴァッフェントレーガー』ドライブ」

 

シュテルからもらった希望のプログラムデータをインストールし、

はやてもまた、U-Dとの決戦の場へと飛んでいく。

 

 

 

 

◆◆◆◆

 

 

 

 

「君たちは、誰だ・・・・・・?」

「初めましてかな、高町なのはです。迷子のあなたを、迎えに来たの」

「私はフェイト・テスタロッサ。U-D・・・あなたを待っている子がいるんだ」

 

U-Dと最初に対峙したのはなのはとフェイト。そしてその肩に乗るアリシア。

二人はまずは挨拶とばかりに、U-Dに語りかける。

 

「誰も待ってなどいない――過去も未来も――私はずっと孤独でいい――

 そうすれば、誰も悲しむことがない――私に近づきさえしなければ・・・

 そして私は迷子などではない。1人でいられる強さを――たった今、手に入れた!」

 

その言葉にU-Dは魄翼を広げて威嚇紛いなことをする。

誰も傷つけたくない。一人でいたい・・・そうとでも言いたいように

 

しかし、それでも二人は引くことはしない。

 

「違うよ・・・それは本当の強さじゃないよ。

 本当の強さは、見かけだけのカッコよさや、ケンカの強さじゃない。

 どんな時でも自分の信念を守り抜く心の強さなんだよ。

 だからあなたは迷子だよ――きっと、ずっと迷ってる」

「そして、悲しむ人はいるよ・・・それはあなた自身・・・

 強がって意地を張るのもいいけど・・・・・・少しだけ頑張って、

 素直になってみたら・・・きっといいと思う」

「ピッカッ!」

【信じた先にだけ、未来があるから!】

「私には・・・・・・そんなことは・・・・・・」

 

二人の言葉を聞いても、それを否定しようとするU-D。

 

「できるって、ナハトヴァールだってできたんやから」

「はやてちゃん!」

 

そこへユニゾンを完了させたはやても合流する。

漆黒の翼と白銀の髪を靡かせながら、はやてはU-Dの目を見た。

 

「なぜ、夜天の主がここに・・・?」

「最初に謝らせてほしいんや。・・・ごめんなぁ・・・

 夜天の書の主やのに・・・あなたのこと、気づいてあげられなくて」

「もとより、君がどうこうできることじゃない――

 それより君は、早くここから離れて・・・私の側にいたら・・・

 夜天の力を取り込んだりしたら・・・私は本当に――――」

 

砕け得ぬ闇が多量の魔法データを集めた夜天の魔導書と一体化する・・・。

それは外部からの攻撃ではどんな事をしようが破壊する事は絶対に不可能な

絶対的力を持った真のロストロギアを誕生させてしまうことになるのだ。

 

U-Dはそれをしたくなかった。だからはやてにはなれるように言ったのだが。

 

「そんなことは我等がさせないさ」

「そうですよ。U-D」

「僕らにだって、君を止めることはできる」

 

さらに合流するパルキア、ディアルガ、ユーノ。そして

 

「私も、忘れてもらっては困ります! 今度はあなたを止めて見せます」

 

そして妹から願いを託されたアミタだ。

皆の気持ちは一つ。それはU-Dを悲しみの呪縛から解き放つこと。

 

「それに私とリインフォースは、あなたを助けに来たんやから」

 

そんな周りのみんなの優しい言葉、力強い言葉にU-Dは戸惑いを隠せない。

なぜ、いなくなればそれで済む自分をここまで助けようとするのか、

U-Dにはそれが全く理解できていなかった。

 

「君たちは・・・どうしてそんな・・・」

「決まってるよ・・・王様が、シュテルが、レヴィが・・・そしてギラティナが

 あなたを待ってる――あなたを助ける方法があるからって」

「シュテルもレヴィも、もう私が壊してしまった――

 彼女と触れ合うことも・・・すべてただの幻想です」

 

U-Dは手を振りかざしながら、ただ淡々と言い返す。

すでにずっと一緒にいた仲間にすら手を出している自分が

再び、彼女たちと触れ合うことなどできはしないと・・・

 

「勝手に殺すでない。シュテルもレヴィも我がうちで生きておる」

「ディアーチェ・・・」

 

そんなときに、U-Dの耳に声が響いてくる。

最後に合流したのはディアーチェとラティオ。

彼女はU-Dの目を見据え、紫天の書を掲げながら

U-Dに自分の考えを主張していく。

 

「砕け得ぬ闇を制御できれば、あやつらもすぐに復活できる」

「それは――制御できればの話です――」

「できるできないではない。やるか、やらないか。それだけだ」

「ギラッ!!」

 

人間は物事に対して成功するか失敗するかどうか、

そんなことは躊躇せずにまず実行することが大切だ・・・

 

失敗を恐れて、被害を恐れてここで逃げるわけにはいかない。

なぜなら、ディアーチェの願いはU-Dを救うことだから。

 

そして、その言葉に歯ぎしりしながらもU-Dは目の前のギラティナに気付く。

 

「あなたは・・・あのときの・・・」

「ラティオだ。紫天の書の守護者の一人にして、我が盟友よ」

(ラ、ラティオ・・・?)

 

ディアーチェがそう言いながら、ギラティナ改めラティオをU-Dに紹介する。

その名前にいろいろと聞き覚えのあるパルキアは思考をフル回転させてしまうが、

今はそんな空気ではないので、心の中に押しとどめておくことにした。

 

周りの皆も「名前つけてあげたんだ」などと小声で話すが、

パルキアと同じく今は心にとどめ、目の前のU-Dに集中する。

 

そしてU-Dは、紫天の書の守護者と聞いて、ようやくラティオの正体に気付く。

 

「そうか・・・君が、あのときの卵・・・でも貴方がいても無理です。

 私が助かる理由なんて――そんな未来なんて・・・ありえない・・・」

 

「確かに・・・曖昧かもしれない――確率は低いかもしれない――

 だけど積み重ねた思いを信じている限り・・・それは希望っていうんだ!!」

 

過去の異人は云った。希望は永久に人間の胸に湧く。

人間はいつでも、現在幸福であることはなく、いつもこれから幸福になるのだと。

 

それが希望・・・なのははU-Dに無意識にもそう語りかけたのだ。

どんな絶望の闇に囚われても、希望に向かって進む勇気を持つことを!

 

「希望を持つから絶望する――私はそうして長い時を過ごしてきた!」

 

ささやかな希望を持ったりするから絶望する。希望なんか必要ない。

希望とか夢とか、何かを求めていた事自体が間違いだった。

 

それが今のU-Dを支配する思い。

最初から希望を持たなかった者は絶望しないから・・・

 

『諦めるな。その長い時も・・・今ここで終わらせる!!』

 

リインフォースはそんなU-Dを咎める。

自分は主はやてに、高町なのはに、フェイト・テスタロッサに

そして皆から救われた。それは皆を信じて諦めなかったから。

 

だから、U-Dにも諦めてほしくはない。

ディアーチェが、シュテルが、レヴィが、ラティオが、

彼女の帰りを待っているのだから。

 

「私と君とは違う――」

『やり遂げて見せるさ! それが私たちの願いだからな!』

 

それでも否定しようとするU-Dに語り掛けるリインフォースの言葉を皮切りに、

なのはとフェイトはシュテルから受け取ったプログラムを走らせる!

 

「プログラムカートリッジ、ロードッ!!

 ドライブ・イグニッション!! いくよ、レイジングハート!!」

《All right!!!》

 

「プログラムカートリッジ、ロード!行くよ、バルディッシュ!!」

《Yes,sir》

 

自らの思いも載せて、U-Dを助ける決意を

胸に宿した小さな勇気と願いを、淀みのない光を瞳に込めて!

 

彼女たちは今、砕け得ぬ闇の前に立つ。

夜天から紫天へと移り変わる、満天の星空の下で、

信じぬく、あふれる力・・・心の絆がくれた逃げない強さを持って!

 

「今更そんなこと!! できるはずがないっ!!!」

 

魄翼を広げながら、U-Dは悲しみと切望が混じった嘆きを上げる。

あふれ出る膨大な魔力により、大地が震え、空が鼓動する!

 

「できる。きっとできるよ。ひとりじゃないって、

 きっと気付く――あなたには、待ってる人がいるんだもの!」

「変わっていこう、U-D! あなたを支えてくれる人が、待ってるから!!」

「うああああああっっ!!」

 

今ここに――地球最大の決戦は始まったのだった!!

 

 

 

 

 




 
そして・・・主人公どこ行った!?
GOD編やるうえでの最大の問題・・・あまりにもディアーチェやアミタが主人公すぎて
なのはやパルキアが主人公のくせに空気になること・・・オヨヨヨ

ちなみにラティオの元ネタは二重三重ありますが、
とりあえずはStSあたりでおなじみの車ネタとガオガイガーの護くんの本名から。
本編の名前の由来の「自由」が前半、「理性」が後半からとっています。
あとギ「ラティ」ナから・・・というか、これが最初の名前の由来。

ぶっちゃけ、これがしたいから、当初登場させる予定内とほざいていた
ギラティナをこの作品に出す理由だったりする・・・
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