パルキアに転生して、着いた世界はリリカルな世界 作:DFGNEXT
某マテリアル娘。ダッシュを見たためにこの作品にナハトヴァールを出したと言っても過言ではない。
(時系列的には逆だが、本来ナハトはリリカルなのはサーガだけに出る予定だった)
もちろん、あのネタ。やりますよ。
それではどうぞ!!
・・・・・・もはや、隠す気ないなw
「いってきまーす!」
「あぁ、いってらっしゃい」
なのはが出かけるのを家族全員で見届けると私はリビングのソファに座る。
今日はなのはは散歩に行くと言っていた。まぁ、十中八九隠しているだろうが。
あいつは翠屋以外の喫茶店に行くことを少し躊躇している節があった。
今では行くこと自体に躊躇はないらしいが、やはり家族には言えないのだろう。
「それじゃあ、ナハト。俺たちも出かけるから留守番は頼んだ」
「うん、留守番よろしくね。ナハト姉さん」
「あぁ、了解した」
そういいながら、二人は荷物を持ってリビングを後にした。
ちなみにだが、美由希が私のことを「ナハト姉さん」と呼ぶのは単なる冗談。
・・・そうだと私は思っていたが、なのは曰くどうやらあいつは姉がほしかったらしい。
冗談も入っているが、約二割ほど本気が混じっているそうだ。
また余談だが、なのはは逆に妹がほしかったらしく、
良く家に遊びに来るレヴィのことはかなり気に入っているとか
顔が似ているシュテルはそういう関係ではなくライバルらしい。
さて、二人もいなくなったところで私はテレビの電源を入れた。
三日前にここに来たばかりだが、もう大分現実世界の生活に慣れていた。
まあ、なのはから一部の知識だけ受け取っていたというのもあるのだがな。
テレビをつけると映ったのはニュース番組。
時間が時間。今はこれか教育関係の番組しかやってないだろう。
そんな余談を考えながら、私はこれまでのことを思い返していた。
私の名は「ナハトヴァール」・・・元・闇の書の防衛プログラムだ。
出来そこないのユニゾンデバイスとも言うな――
厳密に言えば、私は防衛プログラムそのものではない。
かつて闇の書に取り付けられた防衛プログラム。
それこそ本来の『ナハトヴァール』
本来のそれの役目は、主や魔導書本体を保護すると同時に、
魔導師たちから蒐集した魔法データをバックアップし、
万一破損した場合はそれを修復するためのものだった。
しかし、今までの無茶な改造を強いられていた夜天の書。
そんな魔導書の中で防衛プログラムがまともに機能するはずもなかった。
やがてバグにより暴走し始めたそれはエグザミア以外のシステムに介入。
夜天の魔導書を呪われた闇の書と呼ばせるまでに原形をとどめないほど破壊した。
しかもいくら破壊しても闇の書の根幹ともいえる部分のプログラムである
リインフォースが残っている限り、防衛プログラムも数日で再作成される。
これにエグザミアが関係していたかは、私にはわからない。
だがスカリエッティという科学者が居なかったのならば、
おそらくリインフォースは消える以外に道はなかっただろう。
どちらにせよ防衛プログラムとは少なくともバグの塊だ。
だが、そのバグによって食われた闇の書の中に
ほんのわずかだが・・・もっともコンピュータなどに比べれば大容量だが、
破壊されたため空き容量がある部分があったのだ。
そこになんらかの力――私はジュエルシードあたりだと睨んでいるが、が働き・・・
リインフォースの知識と一部の感情だけを受け継ぎ誕生した。
それが私だ。
生まれながらにしてリインフォースの今までの悲しみだけを受け継いだ私は
ただただ今までと同じ暴走への道に陥ってしまったことに、深い悲しみも抱いていた。
闇の書の主である八神はやて・・・そしてその場に存在していたなのはたち。
彼女たちを夢に誘うことが、私にできる唯一の事だと思っていた。
だが、なのはたちは諦めなかった。
取り込まれた人間たちを助けようと必死で私と戦っていた。
取り込まれたフェイト、はやて、パルキアも夢を見続ける道を選ばなかった。
単純に私は驚いた。私自身が言うのもおかしいが、防衛プログラムは強い。
なのに戦うことを諦めなかった。思えばそこにほれ込んだのかもしれない。
リインフォースとはやてたちが切り離された後、
私はすべての意思を捨てて闇の書の闇とともに散るつもりだった。
こんな悲しみは私だけが背負い続ければいい・・・そう考えながら。
そんな私が生きて抗おうと少しでも思ったのはなのはのあの言葉だった。
『戦いが終わったら教えて・・・あなたの名前を!』
なぜだか、私の心に強い衝撃が走った。
――私の・・・私の名前だって?
驚く私だったが、同時にうれしかった。
こんな私の存在をなのはは認めてくれたのだ。
それがどんな主でい伝えられたかなんてどうでもよかった。
この身が消える・・・急に後悔の念が湧いてきた。
死ぬわけにはいかない。そう考えた私は残された力をフルに使い。
バックアップデータを詰め込んだ結晶体を生成して外へと放り出した。
なのはが持っていたあの青い石。
あれは無限情報集積回路であると同時に結晶回路を利用した情報処理システムだ。
私の体を構築するすべてのデータ。そして私の心の一部を埋め込んでいた。
なのはに名前を教えたのは、この残された心の方だった。
まあ、私という存在がいたという記録を残したつもりだったから残したのであり。
JSライドの力で本当に会話できるとは思っていなかったが、それ自体はよかった。
なのになのははまたしても私を後悔させる行動をしてきた。
『指きりだよ。必ず会おうって約束するの』
そう言いながら、かわいらしげになのはは小指を立てていた。
まったく・・・そんなことをされたら私は旅立つことができないじゃないか。
気が付けば私は同じように小指を立てていた。
本当は約束を果たせる自信はなかった。いや、保証がなかった。
だが、きっと叶えられる・・・そう思いながら私は指切りをしたのだ。
おかげで、思い出の品にする予定だった青い石が約束の証になってしまった。
本当にディアルガの力がなければどうする気だったのだろうか・・・
いや、きっと叶えたいと願い続けた。諦めなかったから今の自分がいるのだろう。
――私を誕生させた存在は私にもわからない・・・
いつの間にか、生まれ。気が付いたら目の前にいたのが八神はやてだった。
八神はやても同じ気持ちだったのだろうか?
いきなり理不尽な現実を叩きつけられた存在。
私と同じような状態だったのに彼女は前に進むことをやめなかった。
・・・本当に強い存在だったな。
『さぁ~て、次は今話題の天才の覆面パズル作家
「地堂刹先生」のパズル紹介コーナーです』
「地堂・・・刹・・・」
考え事をずっとしていた私だったが、ふとテレビから聞こえてきた
どこかで聞いたことのある単語が私の意識を現実に戻した。
「地堂刹・・・確か、なのはが前に言っていたお気に入りのパズル作家・・・」
地堂刹・・・謎の覆面パズル作家。
姿を現すことはあるが、いつも覆面をかぶっているためその正体は誰も知らない。
だが、天才売れっ子パズル作家の異名は伊達ではないらしく。
そのパズルが収録されたパズル雑誌はかなりの人気だそうだ。
なのはもその地堂刹のパズルの大ファンらしく。
曰く「解いているだけで、こっちが楽しくなってくるの」だそうだ。
私はパズルはあまりやったことはない。
だが、そこまでなのはがのめり込むほど面白いというのであれば
一度、そのパズルを解いてみるのもいいだろう・・・
『今回のパズルは・・・ナンバープレースですね。
おぉ、これはすごい。ただの9×9マスのナンプレではなく
なんと四つのナンバープレースが合体した合体ナンプレです。
しかも上下左右対称です。これは難易度も高いだけでなく美しいですね』
テレビで紹介されたのはナンバープレースと呼ばれるパズルだった。
私がなのはに頼まれて、なのはが自作したそれを解いたことがあった。
だが、このナンプレはなのはのものとはレベルが違った。
なのはのはなんというか、ブサイク・・・といったほうが的確か。
どことなくとりあえずルール通りに作ってみました。といった感じだったが
このパズルは難易度以前にアナウンサーも言っている通り、美しかった。
まさか、パズルで美しいと感じるとは・・・なのはが気に入るのも無理はない。
用語自体は知っているが、パズルにそれほど興味を持っていなかった
私ですらそう思ったのだ。なのはだったらなおさらだろう。
私はユニゾンデバイスとしての力をフルに使い、そのパズルを模写していく。
これはぜひとも解いてなのはに見せつけてやりたかった。
私は一時間ほど、テレビで紹介された地堂刹のパズルを解き続けていた。
あまりの難易度に並列演算システムを使いたくなっていたが、
無粋だと思い、結局私は使うことはしなかった。
結局解けたのが一問目だけ。しかも一時間フルに使ってであった。
◆◆◆◆
「ふう、なかなか楽しかった。なのはが帰ってきたら教えないとな」
ナハトはそう言いながら、結局ナンバープレースしか解けなかった
パズルが書かれたメモ用紙をテーブルに置き、ソファに背を預ける。
パズルにこれだけ時間をかけたのは生まれて初めてだった。
なのははよくまぁ、諦めずに解こうとし続けられるとナハトは思った。
少しだけ、ほんの数分間だけ休んだ後、ナハトは時計を見た。
「九時・・・か・・・そろそろ昼食の準備をしないとな・・・」
とは言ったものの、高町家の面々は昼食は各自取ると言っていた。
つまり今日の昼食はナハト一人分だけ作ればよいのである。
大抵の料理であれば12時に食べるとしてもこれほど早い必要はない。
それなのにナハトがこれほど早く昼食の準備をするのにはあるわけがあった。
キッチンに向かったナハトはまず冷蔵庫に手をかける。
そして冷蔵庫を開け、中から彼女が取り出したのは木綿豆腐だった。
「ふふふ、油っ揚げ~♪」
そう、何を隠そうナハトヴァールは油揚げが大好物である。
高町家に来て早々食べた夕食のメニューにちょうど油揚げがあり、
それを一口食べただけで、すぐさま気に入ってしまったのだ。
さすがに彼女は大人なので桃子たちが出す料理に文句はないが、
ナハトとしては油揚げさえあれば、他には何もいらないと思うほど好きだった。
おかげ様ではやてと一緒に図書館へ行ったときに
油揚げの作り方をマスターしてしまったのだ。
今日は桃子にも許可をとっており、あらかじめ買っておいた木綿豆腐から
今回の昼食でぜひとも油揚げ作りを試してみたいと思っていたのだ。
すべての準備を整えるとナハトは白色のエプロンをつけて手を丁寧に洗う。
そして手を洗い終わった後に器用に包丁を使って中身を取り出した豆腐を
まな板の上に置いた。そして豆腐が厚さ13mmになるように包丁を丁寧に入れた。
ちなみに使う木綿豆腐は一丁。本来は二人分だがナハトにはこれで十分だ。
そして簀の子などに挟み、重石をかけて2時間ほど脱水させる。
その後にまな板の上にに分厚い清潔なタオルをしき、豆腐を載せて
挟み込み、一時間かけてゆっくりと時間をかけてを水を抜いていく。
水分を除けば除くほど、油揚げをちゃんと膨らませることができるのだ。
この工程があるためにナハトはかなり早い時間にとりかかったのだった。
そしてちょうど一時間たつ少し前くらいに油を入れた鍋に火を入れた。
油揚げは厚揚げと違い、二度揚げが重要だ。というかそれをしないと袋にならない。
ナハトは温度計でちゃんと測りながら130℃程度になるまで油を熱した。
そして水が完全に抜けた豆腐をその中へと投入していった。
低温の油で揚げ、五六分ほどたったころには豆腐が周囲部分から膨らみ、
徐々に中心に向かって膨らみが広がり始めていた。
「よし、そろそろ温度を上げると・・・」
そう口にしながら、ナハトは今度は油の温度を170度くらいまで上げる。
もちろん温度計できちんと温度を測りながらだ。ナハトに抜かりはない。
数分経つ頃には豆腐は中央部が完全に膨らんでいた。
香ばしい香りときつね色になった豆腐はきちんと油揚げとなっていた。
ナハトは油をきりながらキッチンペーパーの上に油揚げをのせる。
実は油揚げは出来立てのものはパリパリしていてスナック菓子のような状態だ。
ナハトはこれをぜひとも一度食べてみたかった。
油を切った油揚げを適度な大きさに包丁で切りわけるとナハトは
一つ油揚げを手に取ると塩コショウをして口の中に放り込んだ。
外側はまるでスナック菓子のようにパリパリとしていてジューシーな味がした。
少し普通のものよりも固いが、これはこれで美味しかった。
「うん、これはこれで美味しいな。だがやはり油揚げは・・・」
そんなことを言いながら、ナハトは残った油揚げを手に取る。
パリパリも美味しいが、やはり個人的にはふんわりを押したかった。
ナハトは油揚げをラップに包んで電子レンジで加熱する。
ラップが膨らんで中から水蒸気が吹き出すまで加熱して油揚げを取り出した。
今度はさきほどの固いものと違って、やわらかい油揚げに変わっていた。
「よし、これで完成だ」
時計を見ると1時だった。だいぶ時間はかかったが出来は申し分ないはずだ。
本来ならこの中にいろいろと詰め物をしてみたいが、昼食だから止めておいた。
そしてナハトは油揚げたちを手に取り、軽く火であぶった。
ゆらゆらと火であぶっていると・・・
「ただいまー」
「なのはか、御帰り」
ちょうどなのはが散歩から帰ってきたようだ。
「ん~。なんだか、いい匂い。何作ってるの・・・って油揚げか」
「なんだとはなんだ。油揚げ・・・これほど素晴らしいものはない」
「本当に油揚げ大好きだね。ナハト」
「油揚げと仲間を天秤にかけられるかもしれない・・・」
「それは行き過ぎ」
そんな雑談をしながら、火であぶった油揚げに醤油をタラリと少しかける。
香ばしい香りに醤油の香りがプラスされ、見るからにおいしそうなオーラを漂わせた。
「さてと、ではいただきます」
さらに盛り付け、となりには朝ごはんの残りのご飯を盛り付けてテーブルにつき、
ナハトは両手を合わせてそう言った。この三日間でこの習慣は身に着けた。
箸で油揚げをとり、そのまま口の中に放り込む。
するとほんのり大豆の香りと醤油の香りが口いっぱいに広がり鼻腔をくすぐる。
そして触感は正面はパリパリ、そしてなかはふんわりジューシーで美味しかった。
なのはが横からちらりちらりと見てきていたが、ナハトは無視した。
なのはもそれに気が付いたのかそっぽを向くように大学ノートを見始めた。
あぶった油揚げは御飯にもぴったり合い。
残っていたご飯はすべてナハトの胃の中に消えた。
そしてすべての油揚げを食べ終わって、
満足げな表情を見せながらナハトは両手を合わせ
「ごちそうさまでした」
そう言ってナハトの昼食は終わった。
もちろん後片付けも忘れない。
「ふむ、満足したな・・・しかし、油揚げの消費量が日本一の福井県は
厚揚げという名の分厚い油揚げがあると聞く・・・ぜひ一度食べてみたいな・・・」
ナハトが台所で皿洗いをしていると、リビングにいたなのはがやってきた。
手の中には先ほどナハトが模写した地堂刹のパズルのメモが入っていた。
「ナハト! これどうしたの?」
「あぁ、テレビで特集がやってたのでな。メモして解いてみようと思ったのだ。
まぁ、私には最初のナンバープレースしか解けなかったが・・・・・・」
一時間もかけて一問だけ解けた地堂刹のパズルを見ながらナハトはそう言った。
「それでもすごいよ。このパズル。すごく高度で美しいナンプレだもの。
解けただけでもすごいと思うよ。それにしてもやっぱり地堂刹のパズル。
どれも素晴らしいものばっかりだなぁ・・・本当に尊敬しちゃう」
「お前の将来の夢は数学者だろうに・・・」
「ふふ、尊敬対象に壁はないよ」
皿洗いをしながら、仲良く話すナハトとなのは。
思想や考え方は違っても、二人はかなり相性が良かった。
そんな楽しいパズル談義をしていたときだった。
ピンポーンッ
インターホンが鳴り響いたのだった。
「ん?客人か? レヴィかもしれないな。なのは出てくれないか?」
「了解」
皿洗いで手が離せないナハトに代わってなのはが玄関へと向かう。
そして玄関の扉を開けると来ていたのはやはりレヴィ。そしてラティオだった。
子供向けの少し大きめのバッグを背負いながら、両手にラティオを持つレヴィ。
彼女の第一声はこの二日間、なのはが聞きなれたものだった。
「さあ、決闘の時間だ!!」
「ギラーッ!」
どうやら、まだまだ二人の休日は終わらないようだった。
油揚げは実際に作った奴を参考にしました。
味に関しては個人差があるかもしれませんが・・・やはり出来立ては美味しいですよ。
個人的には炙って醤油をタラリとかけて、長ネギをのせるのがジャスティス!
ちなみに地堂刹さんですが、パズルを作っているのはあの人ですが、
テレビに出ているのは別人ですよ。←もはや隠す気の全くない伏線