結婚目指して第2の人生楽しみます。   作:リタルダンド

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転生者③

どうも皆さんおはようございます。片岡 空でございます。良い朝ですね。

 

東さんの策略に嵌められ問題児たちと戦ったのが切欠で、割と楽しく過ごせている今日この頃。

問題児とはいえやはり実力者なので、動きを見ているだけで勉強になります。ここに派遣してくれた忍田本部長には感謝です。ボーダーに行くのがここ最近楽しみです。

 

しかし今日は珍しく休日のオフ。何をして暇潰ししましょう。ボーダー基地に行くのも悪くないですが、東隊と絡みだしてからどうも私避けられている気がするんですよね。ランク戦を申し込んでもキャンセルされるなんて日常茶飯事になってます。最近は問題児たち、辻君とくらいしかランク戦できてません。

なので、久々に他のことを集中してやろうかと思います。何をするかは決まってないのですが。

 

「……おはよう、お兄ちゃん。今日はボーダー行かなくていいの?」

 

「おはよう。今日久々のオフだからね、たまには他のことをやろうかなって」

 

「ふーん、そっか。……あ、そうだ。もしよかったらこれ、いる?」

 

「……映画の前売りチケット?」

 

手渡されたのは、来週から公開の映画のチケットが2枚。少女漫画を原作とした映画のようで、そこそこ話題になっていたので私も暇なら観に行こうかと思っていた作品です。

 

「そうそう。受験決める前に買っておいたんだけど、見る暇なさそうだから。ホントはお兄ちゃんと一緒に見に行きたかったんだけどね」

 

天使です。あとでお財布に1万円を忍ばせておきましょう。

 

「そっか……。それじゃあありがたく貰っておくよ。出水でも誘おうかな」

 

最近出水、ボーダーでは忙しくしているようです。私的にはついに太刀川隊結成か……?と睨んでいるのですが、どうなんでしょう。

 

そう言うと、天使の顔が少し歪んでしまいました。それでも可愛い夕ちゃんは変わらず天使です。

 

「え。……お兄ちゃん、この映画を男2人で観に行くってのは、ちょっと……」

 

「それは少し思った。でもね、出水くらいしか一緒に映画観てくれる人いなさそうで」

 

「そんなことないよ、もう1人いるじゃない。というか、私としてはその人と行ってほしかったんだけど」

 

「……もう1人?……東さん?」

 

最近は東さんとよくご飯を食べますね。いつも防衛任務後とかに美味しいお店に連れていっておごってくれるのです。やはり美味しい料理というのは偉大ですね。口数の少ない三輪も喋ってくれますし、二宮さんと加古さんも普段よりは仲が良いように見えます。にしても本当に東さんのあの財力はなんなんでしょうか……。

 

そういえば、前に冬に入りきったら釣りでもどうかと言われました。これもちょっとした楽しみです。釣った魚をその場で捌く……。いいですねぇ、やってみたいですねぇ。

 

「そのセレクトは予想外だなぁ。師匠とってのも面白そうではあるけど」

 

東さんは夕ちゃんの想定してた人ではなかったようです。

だとすると他に誰がいるでしょうか。辻君とかですかね。あ、加古さんも誘えば来てくれる可能性はありそうです。

 

みかみか?いや、ハードル高過ぎますよ。多少は仲良くなったとはいえ、まだボーダーから一緒に帰れるほどの仲でもありませんし。願望としてはいつか一緒に行きたいですけどね。

 

「うーん、よくわからないけど、チケットありがとう。さて、朝ごはん食べよっか」

 

「うん。……これはどうにかしなきゃ」

 

 

 

 

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夕ちゃんのすすめで、とりあえず出掛けてみることにしました。

 

とはいえやることもないので、どうしたものかといったところですが。うーん、本屋には寄ってみますか。読んでるシリーズの新刊とかあるかもしれませんし。

 

そうと決まれば早速行きましょう。私の家からは行きづらかったんですよ、本屋。直線距離はそこまでないんですけど警戒区域がその途中にあって、回り道する分遠く今までは月1くらいでしか行けていませんでした。B級になってショートカット可能になったのは本当にありがたいです。

 

もう冬ですねぇ。葉を落としている木が道沿いに並んでいます。気温も何かしら羽織っていないと少し肌寒いくらいにはなりました。普段生身派の私は今日はトートバッグにカーディガンを入れています。

 

景色を楽しんでいたらあっという間に警戒区域まで来ました。あ、あそこにいるのは沢村さんですかね。弧月を手に本日もガンガン突撃していらっしゃいます。その想い、原作開始時点でも届いてませんでしたが……。お互い、頑張りましょうね。

 

あ、風間さんもいらっしゃいます。まあ沢村隊ですから、当然ではありますが。

そう、風間さんは元沢村隊隊員なんですよ!これについては驚きました。あの2人が仲良くしている描写、原作でありましたっけ?

あとは原作には登場してない方がお1人ですね。お名前は……確か……、すみません、忘れました。

 

「門発生、門発生。警戒区域内に門が発生します」

 

おっと、出てきましたね近界民。誘導も上手くいっているようです。原作だとちょくちょく座標誘導誤差が生じてますが、基本的にはしっかり誘導できてるんですよね。その技術力はさすがボーダーと言ったところでしょうか。

 

それでは一応私もトリガーを起動して、さっさと警戒区域を抜けてしまいましょう。

 

 

 

 

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「そろそろ抜けたかな、警戒区域」

 

少し先を見れば建物が普通に建っていますね。もう少しでしょう。

 

「やっぱりトリオン体は便利……ん?」

 

なにやら前方に黒い丸いのが。ゲートですね。

 

って、えええええええ?!

 

「門発生、門発生。座標誘導誤差8.76。近隣の皆様はご注意下さい」

 

近隣て……。警戒区域とそうでないとこの境界なんで人結構いるんですけども……。

前言撤回です。やはりボーダーの技術力はまだまだですね。

 

出てきたのはバムスター1体。これならば、市民が近くにいる戦闘がはじめての私でも1人でなんとかなりそうですね。

 

「きゃぁぁぁぁ!助けて!」

 

「おい、逃げるぞ!あっちの高台に行くんだ!」

 

なんと、近くにいた皆様もしっかり避難してくださっています。

これなら思う存分戦えますね。

 

「あ、B級片岡隊隊長の片岡です。近くにいるんでやってしまっていいですか?」

 

「片岡さん?!どうしてそこに?」

 

あ、天使の声。みかみかですよ、みかみか!そっか、今は中央にいるんですもんね。可能性としてはありえますよね!

 

「三上さんですか!丁度良かった、私が処理しますね。多分今防衛任務中の沢村さんたちも近くにいませんし」

 

「え、えーっと……。そうですね、お願いします。片岡さん」

 

「はい、お任せあれ」

 

まあ皆様避難してくださいましたし、イージーミッションですね。余裕です。

 

「お、おい。あの子、なんであそこにいるんだ?」

 

「早くこっちにおいでー!!」

 

「もしかして言葉が……」

 

おや、なにやら様子がおかしいですね。って、まだ1人逃げられてないじゃないですか!何がイージーミッションですかこの馬鹿。急がなければ。

 

敵は1体……。あの様子だと逃げてもらうのは不可能でしょう。先に倒してしまうか、あるいは抱えて逃げるか……。

 

「ボーダーだ!ボーダーが来たぞ!」

 

はーい、こんにちは。片岡 空でございます。

とか政治家みたいな応答してる暇はありません。

 

「『ハウンド』」

 

撃ちます、適当に。その間に救助です。人命優先です。

 

ほいっと。

 

「大丈夫ですか?私はボーダーの者です。今から安全な場所まで行きますね」

 

「……ジャパニーズニンジャ」

 

「え?」

 

「ジャパニーズニンジャ、デスネ?」

 

「……違いますけど」

 

綺麗な栗毛といい、体つきといいまさかとは思いましたが、外国の方とは……。英語以外は相手できませんよ。日本語で喋ってくれてますけど。

 

「だって、壁走り、屋根を八艘飛び……。ジャパニーズニンジャ!」

 

「違います」

 

屋根を八艘飛びってなんですか。意味不明です。

 

ああ、もうなんか聞き取れない言語喋ってますし、とりあえず安全な場所まで連れて行きましょうか。

 

「皆様こんにちは。ボーダーの者です。今から近界民を倒してきますので、この子のことをお願いします」

 

避難した方々をまとめてくれている男性に話しかけます。

 

「お、おう。頼むぜ、兄ちゃん」

 

「はい、必ずや」

 

さて、どう倒してやりましょうか。いつもだったらアステロイドを分割せずに撃って目を狙うんですけど、ギャラリーがいますからね。ジャパニーズニンジャ認定はもうされちゃってますし、折角ですから派手なのでいきましょう。

 

「行きますよ!『旋空弧月』!」

 

伸びた斬撃は的確に敵の目を真っ二つに。一撃です。

 

うん、反応も上々ですね。

 

振り返ると、はしゃいでいるあの子の声が。まあ、楽しいなら良かったです。

 

 

 

 

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「助かったぜ、兄ちゃん!ありがとよ!」

 

「ニンジャ?……サムライ?んー、ニンジャ!」

 

ということで、避難された方々の元に戻ってきました。

 

「はい、こちらこそ、避難した方々をまとめてくださったこと、本当にありがとうございました」

 

「よ、よしてくれよ。俺は当然のことをしただけだからよ」

 

今回ここまでサクッと終わったのは、この方のおかげです。迅速な避難、避難後もパニックにならないよう努めてくださいました。本当に助かりました。

 

さあ、本屋さん行きたいので、ここらで終わりにしましょう。

 

「皆様、本日は危険にさらしてしまうことになりまして、本当に申し訳ありませんでした。私達も勿論最善を尽くす所存ですが、今回のように遅れてしまうこともあり得ない話ではありません。本日のような迅速な避難をしてくださいますと、私達としては非常にありがたいです。どうか、これからも私達とのご協力をお願いいたします」

 

……しまった。

言った後に思ったんですけど、これ私が言ってよかったことなんでしょうか。

まずいです。ごめんなさい根付さん。ボーダーのイメージに関わっちゃうかもしれません。

 

「おう、勿論だよ、兄ちゃん。守ってくれてありがとな!」

 

「Kiitos!ジャパニーズニンジャ!」

 

「かっこよかったぜ!」

 

「助かりましたわ!ありがとう!」

 

……ちょっと、やめてくださいよ。

そんなこと言われたら、泣きそうになるじゃないですか。

 

最後に一礼して、さっさと逃げます。だって、あれ以上あそこにいたら、涙を見せてしまうではありませんか。

 

 

 

感謝されるって、嬉しいことですね。

 

 

 

 

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「私、少し怒ってます。なんでかわかりますか?片岡さん」

 

……怖い。

本屋から帰ってきて居間にいるんですけども、また何故かみかみかがいると。

 

その上、何故か不機嫌モードだと。何事ですかこれは。

怒ってる訳……。何かやらかしましたっけ、私。

 

「えーっと……。片岡隊について、何も連絡がないから……とかですか?」

 

「…………」

 

「い、今のなしでお願いします!その……、うーん……」

 

ちらっと夕ちゃんの方を見て助けを求めます。

 

……ダメでした。むしろ夕ちゃんも少し怒ってる感じです。どうしましょう。

 

「……ごめんなさい。分かりません……」

 

怒ってる相手に分かりませんっていうのはとっても失礼なことだと思うんですけど、本当に分かりません。

 

何もやらかしてないと思うんですけど……。

 

そう言うと、みかみかはため息を1つ。

 

「はぁ。片岡さん。なんで今日、警戒区域近くにいたんですか?」

 

「え、……あー、なるほど」

 

「なるほどじゃないです。答えてください」

 

怖っ。

 

「す、すみません!……えーっと、実は本屋さんに行こうとして……」

 

「行こうとして?」

 

「行きつけのところがボーダー基地の反対側にあるので、ショートカットに警戒区域を使っちゃいました」

 

正直に答えましょう。行動は私のトリガーを調べられたらすぐわかってしまいますし。

 

確かに警戒区域を通らなくても遠回りすれば行けましたが、実際警戒区域内は私は通れますし、やましいことはありません。多分。

 

そう言うと、みかみかはまたため息を1つ。

 

「……夕ちゃんの予想通りですね。はぁ。もう、全く」

 

「だから言ったでしょう、歌歩さん。お兄ちゃんは変なところで抜けてるんですよ」

 

「ぬ、抜けてるって……。いいでしょう、別に警戒区域に入っても」

 

「反対側に行くなら、ボーダー基地を経由すればいいじゃないですか!」

 

あ。

 

「あ。……確かに」

 

それは……、正論すぎて何も言えませんね。

 

「心配したんですよ!なんで片岡さんがそんなところに?って。バムスター1体だったから良かったものの、もしあれがたくさんいたらどうするつもりだったんですか!」

 

「いや、でも結果的に私がいたから被害0なわけで。多分あそこで対応できてなかったら怪我人くらいは出てましたよ」

 

「そういう問題じゃないんです!……確かに片岡さんは強いですけど、それでも無敵ってわけじゃないんですよ?!」

 

「だとしても、市民の皆様を守るために戦うのが私の仕事です。バムスターが100体いたとしても、私は戦います」

 

こればっかりは譲れません。ボーダーに所属した時点で、その点は義務なのですから。

 

「でも……「ほら、もうその辺で」……夕ちゃん」

 

「お兄ちゃん、自分が悪いとは思ってるんでしょう?論点をずらしてズルしないの。歌歩さんも、もう許してあげませんか?」

 

ああ、バレましたか。仕方ありません。私が悪い部分は認めるべきでしょう。

 

「……ごめんなさい。確かに、私が悪かったです。これからはもうこんなことはしません」

 

「……はい。分かっていただければいいんです」

 

久々にみかみかとの沈黙が気まずいです。あの黒歴史の日からお話できるくらいには仲良くなった分、さらに気まずいのかもしれません。

 

「……今日は帰ります。ごめんね、夕ちゃん。突然来ちゃって」

 

「いえ、いつでも来てください。歌歩さんのこと、大好きですから!」

 

「……うん、ありがとう。……片岡さんも、また」

 

「は、はい。また」

 

……帰ってしまいました。

やってしまいました。確実にやらかしました。

 

 

「さて、お兄ちゃん……」

 

「は、はい!」

 

「……勿論、警戒区域に入ったことは許したけど。……覚悟は、できてるよね?」

 

なんか、オーラが出てるんですけど。笑顔が怖すぎます。

もう諦めの境地ですよこれは。

 

「……はい」

 

5時間にわたってお説教されました。

 

 

 

 

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「とにかく、来週までに歌歩さんと前より仲良くなってること!わかった?」

 

「…………」

 

返事をする気力はないので、うなずいておきます。

 

「もう。2人とも1番上の子だからなのかな。妙なとこで意地っ張りなんだから」

 

かもしれませんね。ちゃんと相手の意見を受け入れはしますが、主張を変えないのは1番上の子だからかもしれません。

 

「夜ご飯は私が適当に作っておくね。その間にどうするか考えておいて」

 

「…………」

 

「わ か っ た ?」

 

激しくうなずきます。私だって好きな人と気まずいままなんて嫌ですよ。このままじゃ結婚までいけませんし。

 

でも、私があそこで警戒区域を通ったから、得られたものはあったと思います。出来たことがあったと思います。それを考えると、ただただ反省するのも嫌というか、なんというか……。

 

みかみかからの好感度を考えれば、すぐに謝るのが最善だったように感じます。けれども、それはやっぱり違うと思うんですよね。

 

 

難しいものですね。転生者、少し考えます。




加古さんならデートじゃなくて遊び感が出そうな気はするから、誘いやすい気持ちはわかる。
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