大切な誰かへ   作:刹那の奏

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最近涼しいですね。このまま涼しくなってくれると活動しやすいのですが………。
ときさんの初任務の話です。それではどうぞ!!!


閑話 初任務の話

隊長からの呼び出しを受けて一条と七竈は隊首室に来ていた。

 

「七竈と一条です」

「入れ」

「失礼します」

 

室内に入ると書類が雪崩れていた。足の踏み場もない。

 

「すまんな 今書類で散らかってて」

「はぁ…いつものことでしょーが」

「そうだったか?」

 

七竈は馴れたように足元の書類を拾い上げて山にしていく。書類がひととおり片付いたところで隊長が本題に入る。

 

「さて 君らには(ホロウ)討伐に行ってもらいたい

報告によると危険度はかなり低いものだと思う

一条は初任務だが七竈が居れば大丈夫だろう」

「わかりました 」

「気ぃつけてな!」

 

隊長に見送られて、二人は流魂街の外れにいく。特に変な所は見受けられず、二人は瞬歩で流魂街を駆けていく。目撃地点について直ぐに七竈が一条に話かける。

 

「一条 緊張してるか?」

「少し………」

「大丈夫だ 落ち着いてやろう」

「はい」

 

そう一条が返した瞬間、物陰で動きがあった。

七竈は指示を飛ばす。

 

「構え! 来るぞ」

「はい!」

 

陰から出てきたのは巨大虚(ヒュージホロウ)だった。

 

「聞いてねぇぞ!偵察隊の奴ら間違った(ホロウ)の情報寄越してきたな!おい来るぞ一条!おい!」

 

一条は初めて見る巨大虚(ヒュージホロウ)を前に身動きが取れなくなっていた。無慈悲にも、無防備な彼女に向かってその巨大な爪が振り下ろされる。

 

「ちっ! 縛道の八 斥」

 

七竈は小さなバリアーを張り、それを盾に(ホロウ)と一条の間に割って入る。しかし、それも長くは持たず割れてしまい、(ホロウ)の爪が七竈の体に食い込む。

 

「ぐっ 今だ斬れ!」

「あぁぁー!」

 

声を張り上げて一条を叱咤する。その声に反射的に応える。抜刀し斜め上に切り上げ、突く。その技は燕空だった。(ホロウ)は攻撃を受けて消える。

 

それを静かに見届けて、一条は七竈の元に駆け寄る。

 

「樹七席!!!」

「あはは…ドジ………踏んじまったな」

 

彼女は、回道で七竈の傷を治療し始める。しかし傷は塞がること無く、血は流れ出ていく。

 

「…止まんねぇか……もうダメっぽいな…」

「そんな事言わないでください!樹七席!!」

「……前に…一姫と初めて会わせたとき……俺が父親で………あいつが母親って話ししただろ?

言葉にした時…それもいいなって思ったんだ

ほんとの家族みたいで…」

 

七竈は優しく笑う。

 

「…生きろ…決して立ち止まるな……屍を越えて……前に進め……未来は…託したぞ………

 

出来るだろ…お前は俺の娘だ……………………………」

「いやです!樹七席!!!逝かないで!!!」

 

その願いは届くこと無く、命の灯火も、一条の慟哭も空に消える。その声に呼応するように雨が降り始め、やがて声すらも枯れて、すがりつくばかりであった。

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