大切な誰かへ   作:刹那の奏

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刹那の奏です。
最近暑かったり寒かったりで疲れました。皆様は体調崩されていませんか?この時期の不調は長引くことが多い気がするので気を付けてくださいね。
今回は山本先生に反抗してます。京楽や浮竹と三人でめっちゃ反抗してます。大切なことなので二度。
けして、嫌いな訳ではありません。
それではどうぞ


二十四羽

昔から私はそれが嫌いだった。世界の正義と言う漠然としたものが。隊士須く護廷に死すべし護廷に害すれば自ら死すべしという護廷隊の矜持も私は大嫌いだった。

 

「……なれば世界の正義とは何ですか?

多くの何かを犠牲にしてまで得られる己の正義など私はいらない!」

「…聞き分けがないのう…」

 

聞き分けが無いのはどっちだ。

 

「山本元柳斎重國!」

 

最後まで話を聞け!言霊で思い切り縛る。

 

「おぉー怖い」

 

うるさい春水。

 

「私は…生徒に自分の信じる道を

自分の後悔しない道を行け

実力を持たないのに敵前に突っ込んで命を散らすことを許さない

護廷を…友を護るために生きること

生きるために日々錬磨を絶やさぬこと

そう教えています

貴方が今の隊士の師であるように

私は未来の隊士の師の一人だ

もう喪うのは散々…こんなことをしている時では無いのです

今に多くの命が喪われることになる」

「おぬしに霊術院を任せたのは失敗だったようじゃのう

道理で腑抜けが増えたわけだ

問答は終いじゃ いくぞ……」

 

私の生徒を貶すか。私の誇りを貶すとはいい度胸だ。

 

「万象一切灰塵と為せ 流刃若火」

 

言霊を振りきるとは驚いた。辺りに炎と霊圧が広がる。流石に炎熱系最強最古の斬魄刀なだけある。凄まじい力だ。それでも私は彼に抗わなければならない。自らの生き方を貫くために。十四郎も春水も同じだろう。

現世でいう反抗期のようだなと思った。それまで親の言うことを聞いているだけだった子が自ら考え、意思をもって独立しようと行動を起こすことらしい。こんな歳になってそんなことするなんて思わなかった。少々どころではない物騒な反抗期だな。先生はどうだかわからないけど、私は刀を交えるなんていう反抗期……生徒にやられたら傷つく。

 

「おぬしらも早う刀を解かんか

抗いもせず灰となるのを潔しとは思うまい」

「…仕方無いね いくかァ 浮竹 一条…」

「ええ」

「…ああ」

 

十四郎と春水が刀を抜き構える。

 

「波悉く我が盾となれ

雷悉く我が刃となれ 双魚の理!」

「花風乱れて花神啼き

天風乱れて天魔嗤う 花天狂骨」

 

二刀一対の斬魄刀。二人の開放を見たのはいつぶりだろう。続けて私も開放し直す。

 

「卍解 真偽之見極」

 

暫く斬り結ぶ、けどこんなことしてる場合じゃないんだってば。

 

「右太刀 日の出…惑わせ!」

 

蔓を生み出す。それらは凄まじい勢いで伸びて、先生も十四郎も春水をも絡めとって生長していく。巻き込んでごめん、二人とも。細かい調節が効かないんだ。

 

「こんなもので儂が縛れると思ったか!」

「思っては無い

けど少し時間稼ぎが出来ればいい」

 

もうすでに流刃若火の炎で蔓が焼け始めている。思ってたより早く拘束が解けてしまいそうだ。

 

「…っ!」

「一条」

 

またか。私にも時間が余り残されて居なさそうだ。今すぐどうこうなる訳じゃないけど余り長引かせられない。この後、もしルキアを惣右介が手にいれてしまったら、止めるどころじゃなくなる。一刻も早く惣右介の所に行かないといけないのに。

 

外縛印を結び唱える。

 

「ナウマクサンマンダバサラタセンダマカロシャナタヤソワタラヤウンタラタガンマン」

 

剣印。

 

「オンキリリキリ」

 

刀印。

 

「オンキリキリソワカ」

 

転法輪印。

 

「ナウマクサンマンダバサラタセンダマカロシャナタヤソワタラヤウンタラタガンマン」

 

外五鈷印。

 

「ナウマクサンマンダバサラダンタラタウボガセンダマカロシャダサワタヤアノウヤアサカ アサンボギニウンウンビギナウンタラタ」

 

諸天教勅印。

 

「オンキリウンキャグウン」

 

内縛印。

 

「ナウマクサンマンダバサラタセンダマカロシャナタヤソワタラヤウンタラタガンマン」

 

順に印を結び、呼応する詠唱をする。最後に刀印を左の脇に添え、鞘に仕舞うように弓手を添えて刀印を振り上げ切り下す。

 

「曳 」

 

蔓が燃え尽きる。その瞬間術が完成する。これで動きは封じた。

 

「何をした?」

「不動金縛りの法の一つ

神すら縛す強力な呪です

貴方でも簡単には解くことは出来ませんよ」

 

空気が震える。これは天挺空羅か。

内容は、四十六室の全滅。桃と冬獅朗の殺害未遂。藍染の謀反。そして、狙い。全部私と喜助の憶測通りだった。私は静かに呪を解く。

 

「藍染が……」

「…だってさどうする山じい

こんなことしてる場合じゃ無いんじゃないの

ボクら」

「今すぐ向か…っ」

 

視界が霞む。ぐらりと体が傾く。血を吐きすぎた。卍解が解かれる。意思に反した卍解の消滅は持ち主の死期が近いことを示すらしい。

 

「一条はここにいろ」

「無理しなさんな」

 

二人が無理するなと声をかけてくれるが、そんなわけにはいかない。

 

「行かなきゃ…

あの子を止めないと………」

「全くしょうがないな」

「ボクが連れていくからさ少しの間でも休んでてよ」

 

そう言って春水は私を抱き上げ、双極へと歩を進める。その後に十四郎、先生が続く。




原作では山本先生は圧倒的な存在として描かれていますが、こんな風に教え子達が反抗する事もあるのではと思いこのようなことになりました。
特に山本先生と一条、この二人の教師としての在り方の違いを感じてもらえたらと思います。
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