今回は葛籠目線のお話です。結構最近の話から姿を見せ始めたので余りどーゆー子かわかりませんよね。機会があったら詳しい話とか書きたいです。
では本編をどうぞ。
時は少し遡る。
私が先生と分かれて四十六室が集まる中央地下議事堂に抜け道から入ると最初に目に飛び込んできたのは赤だった。
「うそ…まさか全滅っスか?」
先生が言ってたのは最悪の事態だと思ってた。
藍染が全員殺して本当に成り代わってたなんて
遺体の一つに駆け寄りその血を触ると乾いていた。これは昨日今日のじゃない。朽木の処刑に藍染が絡んでいるとしたら、こんなことになったのは一ヶ月も前のことになるはず…。
奥の方から声が聞こえる。これは市丸と雛森?加えて藍染の声もし始めた。嫌な予感がする。此方には完全禁踏区域の清浄塔居林がある。何をするつもりなのか。
瞬歩を使って、そこに向かう。何回か隠密機動だったときに入ったことはあるから迷わない。周囲に在る気配に警戒しながら進む。
やがて、ある部屋から三人分の気配がする。後ろから驚かせる。入り口に僅かにある足場になりそうな所に足を引っかけて、そのまま逆さに顔を見せる。刀抜いてる。物騒だな!
「おーい!!
なにしてんの刀仕舞うっス!…藍染隊長ー!」
藍染が振り向いた瞬間に白打を仕掛けるも、かわされてしまった。今のは当たると思ったんだけどなぁ。
「…久しぶりだね 九十九髪くん
どうしてここに居るんだい?」
「そっくりそのままお返しするっス」
そう言ったところで息を切らして日番谷隊長が来た。
「…市丸………と藍……染…………!
それに九十九髪と雛森まで」
「予想より随分と早いご帰還だね
日番谷隊長は」
「すんません
イヅルの引き付けが甘かったみたいですわ」
「自分は無関係っス 隊長 先生の代理っス
今頃先生は双極に向かってます!」
「やはりあの女は厄介だ
始末しておくべきだったな」
薄ら笑いで藍染がそう告げる。先生が厄介だってどういうことだ。
「藍染隊長?
先生を始末っていったいどうして?」
絶望したような顔で雛森が言う。
「もう君も必要ないな」
そう言って、藍染は雛森を腹から肩にかけて切り上げる。やべっ、見えなかった。
「嘘…………………」
雛森はそのまま崩れ落ちる。それを受け止め、傷を診る。出血量が多いな……。 早く治療を受けさせないと。だけど今は迂闊に動けない。
「…どういうことだ
藍染……市丸……
てめぇら何時からグルだった……」
隊長怒ってるな。
「最初からさ」
「…てめえが死を装うより前ってことか…
藍染……」
「理解が遅いな 最初からだよ
私が隊長になってからただの一度も
彼以外を副隊長だと思ったことはない」
「それじゃあみんな騙してやがったのか!」
隊長の霊圧がどんどん膨れ上がってる。
「騙したつもりは無いさ
ただ君達が誰一人理解してなかっただけだ
僕の本当の姿をね
いやそれは間違いか一人だけいたよ
真実に近づきかけた人がね」
「それが一条ってわけかよ!
それにてめえだって知ってる筈だ……
雛森はてめえに憧れてた…」
自分も物申したい。友達のイヅルが大切にしてる友人を傷つけたことを。
「死に物狂いで努力して雛森は副隊長になったっス いい加減にしろ藍染!」
未だ、藍染は余裕そうにしてる。何か策でもあるのか?
「いい機会だ
一つ覚えておくといい
憧れは理解から最も遠い感情だよ」
隊長の霊圧が爆発的に跳ね上がる。斬魄刀を開放して真っ直ぐ藍染に突っ込んでいく。
「駄目っス隊長っ」
引き留めようとしたけど、振りきられてしまった。次の瞬間、隊長が藍染に斬られた……だと。
「真夏の雪
いい眺めだな……そう思わないかい?
九十九髪くん」
「自分はそうは思わないっス」
白打を仕掛けようと動こうとしたとき、誰かがここに足を踏み入れた。
「…やはりここでしたか
藍染隊長…いえ最早隊長と呼ぶべきでは無いのでしょうね
大逆の罪人 藍染惣右介」
「どうも卯の花隊長」
卯の花隊長と虎徹副隊長だったみたいだ。
「一条さんの読みは当たっていたようですね
私達に幻を見せ身を隠す
その先はここだと」
「惜しいな
僕は身を隠すためにここへ来た訳じゃない
もう一つはこれは幻ではないよ」
「それ………さっき先生が考えてたっス」
断片的にしか聞き取れなかったけど、斬魄刀についてのことがらは聞き取れた。
「五感を支配する能力を持ってて
その発動条件は始解を見せることだって」
「御名答 力の名は完全睡眠だ
五感全てを支配し一つの対象の姿形 質量 感触 匂いに至るまで全てを敵に誤認させることが出来る
やはりあの女は殺しておくべきだった」
そう言った瞬間になんかいらっときた。先生が溢していた考えのなかで、藍染と呼ぶ所と惣右介と呼ぶ所があった。昔、檜佐木さんから聞いたことがある。名を呼ぶことでいろんな事祈ってるって。いつ裏切られるともわからない人と深く関わり合いながら、分け隔てなく手を差し伸べるその姿が私は好きではなかった。でも、人の心に寄り添うその姿に憧れもあった。
「先生はずっとあんたのこと信じてたっス
何処かで最悪の可能性を考えながら」
「そうか…なら伝えておいてくれ
余計なお世話だと」
そう冷たく言い放って市丸と共に何処かに消えてしまった。
「辿ります」
『南の心臓、北の瞳、西の指先、東の踵、風持ちて集い、雨払いて散れ
縛道の五十八・掴趾追雀』
「転移先を捕捉しました!双極です…!」
「わかったっス
自分はそこに向かうっス」
「…わかりました
そちらはお願いします
勇音はすぐに全ての隊長 副隊長の位置を捜索 捕捉して伝信してください
私達がここで知った藍染惣右介の全てとその行き先を……そして同じ伝信をあの旅禍にもね」
自分はそこを飛び出して、双極に向かう。どうか無事でいて 朽木!