大切な誰かへ   作:刹那の奏

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刹那の奏です。
この辺の番外編を書こうとは思ってはいるのですがいかんせん時間が…。がんばります。
それではどうぞ


二十六羽

「ごめん 春水…」

「気にしなくて良いよ

さて急がないとね」

 

あの場所を離れて双極に向かう。だいぶ、遠くまで離れてたんだな。天挺空羅で伝えられたとき、すぐに霊圧を探った。確かにそこには、惣右介とギンが居ることが感じ取れた。けど、要とルキア、恋次まで一緒とは思わなかった。後から一護が合流してる。

どうして…要と恋次の霊圧がぶつかってるの?

 

それからすぐに恋次と一護の霊圧が弱くなる。直後にルキアの霊圧が揺らぐ。

 

「……! 春水!!」

「わかってる!」

 

春水が一気に加速する。

 

 

 

 

 

要、どうして……。

誰よりも平和を欲していた彼が何故藍染の計画に協力しているのか。考えてるうちに双極に戻ってくる。まだ見えにくいけど藍染が殺せと言ったのだけは口の動きからなんとなくわかった。ギンがこちらに気づくと、藍染が気づくか気づかないかくらいの範囲で分かりやすく刀を構える。ギンは蔭ながら一護達の旅を支えてくれていたようだ。私に合図をしたのも、ルキアを助けられるようにするため。私は、彼を信じる。

 

「ありがとう春水」

 

そう言って飛び出し、刀を抜く。

 

「ちょっ!一条」

「俺達も急ごう また無茶するつもりだぞ

あいつ」

 

上からそんなが声ふってきた。そんなこと言わなくてもいいのに………。落下の勢いを使ってルキアとギンの間にはいる。かなりの重力がかかる。それを無理やり霊力の圧で相殺する。キンッと刀が当たる音がして、ギンの刀を受け流す。今の私が受けられるスレスレの所を狙ってたな。受け流したその速度のまま振り抜いて、藍染に刃を向ける。しかし、逃げられてしまった。後ろでは白哉が藍染の拘束を引き剥がし、ルキアを庇うような形で抱き上げている。

 

「一条殿! 兄…様! どうして?」

「ルキア…よかった

白哉…ルキアを連れてここを離れて…

強い霊圧に今の彼女は耐えられない」

「わかった…」

 

一言そう告げると瞬歩で走り去る。

もう、喜助の発明したもの_崩玉というらしい-は…藍染がルキアを殺そうとしたことから…たぶん盗られてしまっている。喜助が教えてくれた魂魄と同化した物質を取り出す方法は二つ。一つ目は、器となっている魂魄を消滅させること。これはもう失敗してる。二つ目は、喜助が作った術式を使うこと。ルキアが無事ということは後者だ。

 

藍染が割り込んできた私を排除しようとして刀に手をかけたのが視界に入った。それに気付いたがあえて動かない。というか正直立ってるのがやっとだ。二人の仲間の気配がした。彼女らに任せる。

 

突如凄まじい勢いで夜一と砕蜂が降りてきて、藍染の首筋に刀を当てる。

 

「……これはまた随分と懐かしい顔だな」

「動くな 筋一本でも動かせば」

「即座に首をはねる」

「成る程……」

 

藍染は笑ってる。どうして……。その瞬間四つの瀞霊廷の門を守護する者のうちの三人が現れた。

 

「彼らは……」

「流石に君達でも

…このままでは彼等と戦えないだろう」

 

いや、そんな事はない…。集合を受けて次々に仲間がここに集う。今ここには十四郎と春水、先生も居る。それに次にここに来るのは……門を守護する(つわもの)が一人。ズドォォンと地響きがする。皆空から降ってくるな。

 

「空鶴!兜丹坊!」

「おう 夜一!一条!

あんまりヒマだったからよ

散歩がてら様子見に来たぜ!」

 

そう言って彼女は雷吼砲を放つ。兜丹坊も十四郎達と共に門番の彼等の相手をしてる。

包囲網が揃った……。

 

「…これまでじゃの」

「何だって?」

「わからぬか藍染

最早おぬしらに…逃げ場は無いということが」

 

今この場所で高い戦闘力を持つ者達が勢揃いし、完全に取り囲んだ。私はゆっくり三人に近づく。最初はギン。すれ違い様に本人にしか聴こえないような微かな声で伝える。

 

「ギン ありがとう…………」

 

その声にギンは返す。

 

「こちらこそおおきに…

気づいてくれはると思てました」

 

それを聞いて静かに離れ、要の傍へ。

 

「必ずまた…」

「…!………わかった…要………」

 

彼もまた、ギンと同じように自分の信じる道を進むためにこの方法をとったのか……。最後に惣右介の目の前で立ち止まる。もう、立っているのも辛い。だけど、彼に謝らなければならない。彼を怒らなければならない。

惣右介を止めねば……。

気力だけで腕を振り上げ、彼の顔を思い切り叩く……。

 

「…ごめんなさい……

惣右介……貴方の心に気付けなくて…………」

「なにがだい?

僕はやりたいようにやっただけさ」

 

「…気付いて…ない………の………………」

「だから何にだ!

貴方は本当に邪魔だった!!

悉く計画を邪魔してくれた!!!」

 

惣右介は拘束を振り切り、怒りのままに刀を抜き放ち、私の胸を貫く。私はその場にくずおれる。

 

「………っ!」

「ときっ!」

 

今初めて彼の心を垣間見た気がした。斬魄刀は一番持ち主の心を相手に伝える。それは斬魄刀が、それを持つ死神の分身だから………。

 

「私としたことが…らしくないことを

済まない時間だ」

 

「離れろ砕蜂!」

 

誰かが私を抱えて後ろへ飛び退く。直後に、空がひび割れ反膜が惣右介をいや藍染とギン、要をそれぞれ包む。あぁ…手が届かないところまで行ってしまったのか………。小さな願いは届かなかったな………………………

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