大切な誰かへ   作:刹那の奏

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かまぼこです。
いよいよこの話もクライマックスを迎えました…。今後この話がどこへ向かっていくのか、それぞれの思いがどのように交差し、進み、戸惑うのか。
見所も増えてオラワクワクすっぞ!!
では本編をどうぞ。


二十七羽

「先生ー!」

 

彼処から走ってきてやっとついた。状況がわからないけど夜一さんの声で瞬間的に加速して倒れた先生を抱え後ろに飛び退く。先生の意識はない。

 

「大虚!!!!!」

「何体居るんだ!」

「その奥にも何か居る」

 

何体もの大虚が現れ地面ごと藍染達が浮いた。

 

「浮いた!」

 

射場副隊長が刀を抜くも総隊長に止められる。

 

「止めい」

「総隊長……」

 

「あの光は反膜というての

大虚が同族を助ける時に使うものじゃ

あの光に包まれたが最後

光の内と外は干渉不可能な完全に隔絶された世界となる

大虚と戦うたことのあるものなら皆知っとる

藍染には最早触れることすら出来んとな」

 

へぇー、そうだったんだ。

さっきまで倒れていた狛村隊長が起き上がって東仙に向かって叫ぶ。そういえば、古い友人だと話していた気がする。

 

「東仙!!!

降りてこい東仙!!!

解せぬ!

貴公は何故死神になった!?

友のためではないのか!!!

正義を貫くためではないのか!!!

貴公の正義は何処へ消えて失せた!!!!!」

 

東仙はそれを見下ろしながら静かに応える。

 

「言っただろう 狛村

私のこの眼に映るのは最も皆が傷付かぬ道だと

正義は常に其処にある

私の歩む道こそが正義だ」

「東仙……お前は……」

 

別の方では浮竹隊長と藍染が話してる。

 

「……大虚とまで手を組んだのか…………

……何の為にだ…」

「高みを 求めて」

「……地に落ちたか!藍染!!!」

「傲りが過ぎるぞ 浮竹

最初から誰も天に立ってなど居ない

君も……僕も…………神すらも」

 

藍染は眼鏡を取り、髪をかきあげる。腕の中に居る先生が意識が無いのにも関わらず、ずっと藍染に謝ってるのが聞こえる。自分は迷いながらも光のある方へ導いてくれる先生の背中を見てきた。こんな風に信じていた教え子に裏切られるっていうのはどれだけ辛いのだろうか。

藍染が手に持っていた眼鏡が灰となって崩れる。

 

「だがその耐え難い天の座の空白も終わる

これからは 私が天に立つ」

 

遂に宣言した。完全に敵対するつもりか。

 

「さようなら 死神の諸君

そしてさようなら 旅禍の少年

人間にしては 君は実に面白かった」

 

そう言い残して黒膣の彼方へ去って行った。

 

 

それからは忙しかった。四番隊のほぼ全員がその場に居る怪我人の治療に当たったんだから。旅禍の少女も大きな傷を負った少年の治療をしてる。その場に居るなかで一番上の席の伊江村三席が次々と指示を出していく。

 

「二班と三班は朽木隊長!

七班と十 十一 十三班は狛村隊長の治療にそれぞれ参加しろ!

 

阿散井副隊長は第六段階まで施術完了!

八 九班は移送の準備に入れ!

 

 

 

極めて重傷だ!

浄気結界を張れ!!

第八段階までの施術が完了次第

順次 総合救護詰所へお運びしろ!」

 

あれ、先生の名前が無かった。

どたばたと四番隊の人達が行き交う。取り敢えず自分は先生をその場に横たえて、伊江村三席に声をかける。

 

「伊江村三席 先生の治療もお願いします」

「済まない 漏れていたか……

一 六班は一条七席の治療に当たれ!」

 

そう言って、別の方に伊江村三席が行く。

 

その間に、狛村隊長が治療はもういいと立ち去ろうとしてるのが視界にはいる。四番隊の人達はすごい困ってる。見た感じ治療は終わってないみたいだ。

 

 

暫く一、六班の人達は先生の治療に当たってくれたんだけど、どうやっても胸の傷が治せないと再び伊江村三席のところに走っていった。

 

顔見知りの隊員に声をかける。

 

「どうしたんですか?」

「……藍染に受けた胸の傷が鎖結を傷つけてるみたいで我々には治せないんだ」

「そうですか……」

 

下手をすれば死神としての力を失い戦えなくなる急所だ。何故、藍染がそこを外したのかが不思議だ。彼なら一発で砕けると思うんだけど……。

 

伊江村三席のところに走っていった隊士が卯の花隊長と旅禍の少女を連れて戻ってきた。

卯ノ花隊長は暫く傷を見て、旅禍の少女に治療を任せる。本人はというと朽木隊長の方に行ってしまった。

 

「……凄い どんどん治していく」

 

四番隊からすると彼女の力は凄いらしい。確かに治すスピードが速い。でも、彼女の力はただの回復とは違う気がする。たぶん、彼女自身も気がついてない。

 

「胸の傷の治療は終わりました!」

「ありがとうございます」

「ありがとうございます

さっきまで治療をしていた少年はもう大丈夫なんですか?」

「………黒崎くんならもう大丈夫です

後の細かい怪我はここの人達が治療してくれるみたいなので」

「それならよかった!」

 

四番隊の人たちが次々とお礼を言っていく中で私も彼女に軽く礼をする。

彼は黒崎というんだ。それにしても、志波副隊長にそっくり。まあ、彼のお陰で朽木も助かったことだしよかった。これからが大変っスけど、先生の願いが藍染に何処かで届くと良いとは思う。

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