大切な誰かへ   作:刹那の奏

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ちょっと更新速度落としてます。
今回は後編です。それではどうぞ
三人娘のキャラ紹介です。

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如月ユキと一条ときの無音無動作鬼道特訓 後編

ユキが放つ鬼道を右手で刀を持った京楽がいなしていく

その力のぶつかり合いが起こる毎に衝撃波が離れたところにいるときと浮竹のところまで届く

そしてその先にいる肝心の二人はというと

「いやぁ、如月も強くなったな」

「そうでしょう?教えたら教えただけ上達していくんだよ、ユキは」

「吸収が早いんだな如月は」

「そうそう、私よりも早い段階でコツを掴んだみたいだし」

「それは凄いな」

目の前で行われている手合わせを眺めながら話をしつつまったりとお茶を啜っていた

 

 

ときと浮竹がほのぼのとしている最中、ユキと京楽は相変わらず撃ち合いといなし合いを繰り広げていた

「くっそ……、やっぱ春水隊長強い……!」

「そりゃあこれでも隊長やってるからねぇ…、それなりに力がなきゃね?」

「ですよねぇっ!」

なんだかんだ話をしながらやっているところを見ると、まだどちらも余力を残していると言ったところらしい

 

一度体勢を立て直そうとどちらも一定距離を取って、呼吸を整えつつ睨み合う

「やっぱ防がれるなぁ……」

どうしよう、と策を巡らせようとするユキ

行き着いたのはやはり先程の無音無動作で放った断空だった

目線は逸らさず、自身の手を握ったり開いたりを繰り返して感覚を確かめる

「………よし、いけそう」

そう呟いてユキは大きな深呼吸をした

 

 

「……お、何か始めるのかな?」

そう言いながら京楽は一時的に緩めていた手に再び力を込める

息を整えたユキが一気に距離を詰める

それを分かっていたかのように京楽は右手の刀で一閃し逆に距離を詰めようとした

────だが、出来なかった

 

「ーーーっ!?」

 

気付いた時には遅かった

ユキの姿は既になく、その代わりに京楽に刺さっていたのは六つの光の帯だった

「……六杖光牢!?詠唱も動作もする素振りなんて全く見えなかったのに……!」

なんとかそれから抜け出し、再度刀を構える

無意識的に右手から左手で刀を握っていたことに気付き、焦りを感じながらも警戒は解かない

「さぁて、どこから来るのかねぇ……」

つぅっと流れ落ちた冷や汗には気付かないフリをした

 

「……よしっ!成功っ!」

木の上に登り、京楽が六杖光牢から抜け出すのを見ながらユキは手の感覚を確かめるように再び握ったり開いたりした後、再び息を整え次の体勢へと移行する

「これなら……イケる……!」

湧き上がる高揚感にユキは口角が上がるのを感じた

 

 

「おお……、凄いな今の」

「六杖光牢を無音無動作で……、吸収が早いなんてものじゃないかもしれない」

その様子を見ていた浮竹とときがそう呟いた

「六十番台の縛道を無音無動作で放つなんて、コツを掴んですぐに出来る芸当じゃない」

「そうなのか?」

「ええ、無音無動作で放つのでさえ結構難しいのに、さらに番号の大きな高難度の鬼道を放つって結構すごいことだよ」

ときの説明を聞いて「なるほど」と納得する浮竹の横でときは

「やっぱりユキは鬼道の天才かもしれないなぁ」

とボソリと呟いたのだった

 

 

 

 

二時間ほど経って、ようやく二人の手合わせが終わりを迎えた

結果としてはやはり京楽に軍配が上がった

だが、その勝利もぎりぎり勝てたと言ったところであった

「あー!あそこでヘマしなければいけたんだけどなぁ〜」

そう悔しそうに言うユキ

実は最後の最後でドジをやらかして隙を見せてしまっていたようで、それがどうにも悔しいらしい

「まあ、ちょっと前に突っ込みすぎたね」

そう言ってタオルと水筒をユキに差し出すとき

その二人の横では、浮竹が同じように京楽に水筒を差し出していた

「それにしてもさぁ……」

と水分を取って一息ついた京楽が口を開く

 

「一条、その子に何仕込んだの?」

「何って……無音無動作で鬼道が撃てるように特訓しただけ、だけど?」

「それは“だけ”って言うことじゃないでしょ!?」

訝しげに京楽がときを見るが、それに対してときはいつも通りの表情で返す

どうやら京楽はユキの先程の鬼道はときが何かしらを吹き込んだとみていたらしく、ときがよくやる無音無動作だとは思っていなかったようだ

ユキが、ときに稽古をつけてもらって無音無動作が出来るようになっていた事を聞いて、酷く驚いていた京楽を浮竹は苦笑を浮かべながら見ていた

 

 

「それにしても強かったな」

そう浮竹が言うと、京楽もうんうんと頷いた

「一条に特訓つけてもらってるっていうのもあるんだろうけど、ユキちゃんが本来持ってる力が出てたっていうのもあるかもね」

「わーい、春水隊長に褒められたー」

「よかったねユキ」

京楽の言葉を聞いて嬉しそうにしているユキにときは笑顔を向ける

 

「それじゃあ今日はここまでにしようか」

そう言ってときがその場を締める

「はーい!先生、春水隊長、十四郎隊長、ありがとうございました!」

元気よくお礼を言ってユキは隊舎の方へ駆けていく

「はぁーい、お疲れ様〜」

「お疲れ様、ちゃんとゆっくり休むんだぞ?」

その言葉に返事がわりに手を振りあげて応え、ユキは隊舎へと消えていった

 

 

 

「ところで春水、いつの間にユキちゃん呼びになってるの?」

その後その場に残っていたたときは、京楽がサラッとユキちゃん呼びをしていたことに気が付いて、同じくまだその場にいた京楽に疑問を投げかけた

「ええ〜?いいじゃない理由なんて」

そう言ってはぐらかし始めた京楽に、ときと浮竹は「あ、これは狙ってる可能性高いな」と思ったとか思ってないとか……

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