大切な誰かへ   作:刹那の奏

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かまぼこです。
今回は私がお話を書かせて頂きました!キャラ紹介もあげてないのでどんな性格なのかも掴みづらいと思います、なんか…こう…すみませんさっさとあげます。


九十九髪葛籠の場合

「先生の話っスか?」

 

乱菊副隊長から頼まれた(と言うより押し付けられた)仕事を処理していたら檜佐木さんが訪ねてきた。どうやら取材らしい。

 

「どういうのがいいんスか?やっぱこう、すきゃんだらす??的なのとか」

 

「お前は瀞霊廷通信に何を載せる気なんだよ

どこで覚えたそんな言葉」

 

話題性が欲しいのかというわけでもなかったのか。失敗した。

 

「いやぁ、取材なんて初めて受けたもんスからつい〜」

 

「そういうのはいいから

一条先生についてほら、何もないってわけじゃないだろ?霊術院時代とかでもいいぞ」

 

霊術院時代…

少し恥ずかしいからその話はあまりしたくない

かと言って他に話題があるわけでもない。

 

「ん〜……それだとですね…

ぶっちゃけて言うと自分

昔先生のこと嫌いだったんスよね」

 

「は?」

 

それを聞いて檜佐木さんが固まる。

無理もない

多くの死神たちと交流し、尊敬されてきた人物を嫌いと言う者はそうはいないだろう。

でも確かに、あの頃の私は一条ときと言う人物が嫌いだったのだ。

 

「お前…そうだったのか!?」

 

「まぁ、はい

というか全員嫌いだったんスけどね

ホラだって、自分めちゃくちゃグレてたじゃないですか」

 

「お?おう……そうなのか?

確かに今より無愛想な感じはしたけども」

 

「あ、檜佐木さんが会ったのはイヅルと自分が仲良くなってからスもんね、あれでもマシになったほうっスよ」

 

って、話が脱線しかけている。それはいけない。

あの頃の私は兎に角人が嫌いで嫌いで仕方が無くて、でもそれ以上に死神になりたかった。それでなくとも除け者として扱われていたし、近づいてくる物好きも問答無用で殴り飛ばしていたので基本一人で行動していた。

 

「そんな時声をかけてきたのが先生だったんスよね」

 

『君は一人が好きなの?』

 

その日を境に先生は毎日必ず私が何処にいたとしても話しかけてきた。最初の頃は碌に聴かないで逃げるばかりで、挙げ句の果てには

 

『毎日毎日、飽きもせずご苦労な事だな

願うことなら二度と話しかけるな』

 

とまで言ったこともある、なんとも性格が悪い。まあそれでも話かけてきたけれど、色んな人を見ている人だからどの生徒にも最低一回は声をかけているのだろう。それが元々考えていたことなのかそうでないのかは知らないけれど、段々と私も言葉をを返すようになった。

 

『葛籠は一人が好きなの?』

 

『…それは前にも聞かれた気がする

一人だと駄目なことでもあるのか』

 

『いや駄目ってことはないよ、単独行動する死神は居るには居るしね

…ただ組織っていうのは集団行動が基本だからね、勝手な行動をされると困る人が多いのは確かかな』

 

『単独行動をして困るのはそいつらが弱いからだ、弱い奴らほどよく群れる』

 

『…でも、群れるのも悪いことじゃないと思う』

 

『はぁ?』

 

『仲間っていうのも…存外悪くないよ』

 

〈まぁ…仲間っつーのも、存外悪くないもんだ〉

 

あの時先生は父ちゃんと同じ事を言っていた。

私は、正直に言って“仲間”というものに憧れていたのだと思う。

 

「それを見抜いて言ったのかそうでないのか…真相を聞く気も無いんで、闇の中って感じっスけどね

あの人に掛かればどんな人の心も丸裸なんじゃないっスか?んなわけないスか!!」

 

「つーか昔のお前荒れすぎじゃね?想像以上だわ」

 

「やっぱそう思います?

まあ、あと何か言うとしたら……

過干渉、っスね」

 

「過干渉?そうか?」

 

人間社会で生きてきた檜佐木さんから見たら、只のお節介焼きにしか見えないのだろう、それに私が山育ちだから異様に思えているのかもしれない。

否、そうだとしても関わっている数も深さも他人に比べたら遥かに上回る。

それにあの人のことだ当然のように全員を救うつもりでいるだろう。でもたかが一人の死神がどうやって?あの人は特別か?そうだとしてそれに足る基準は?それを誰が決める?

 

「…いつか背負った荷物に耐えきれなくなって、自滅しなければいいんだけど」

 

「……お前、そんなキャラだったか?」

 

「え?冗談っスよ!冗☆談☆!!」

 

「そうか?

ま、色々話聞けたし邪魔したな」

 

「いえいえ、又何かあったら遠慮なく!」

 

「おー、ありがとな」

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