大切な誰かへ   作:刹那の奏

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刹那の奏です。読んでくれてありがとうございます!
三人でローテーションしながら書いてます。今回は主に十一番隊でのお話です。ほのぼの?を目指して書いたのですが、どうしてこうなった。登場する人数も一気に増えます。やちる、弓親……等々まだあと五人くらい出てくるかな。
それではどうぞ!


五羽

「とっきー!遊んで」

「わっ」

 

驚いた。副隊長が飛び付いてきた。

 

「やちる副隊長 あっ」

 

書類の山が崩れる。あ~あ やっちゃった。

散らばった書類を拾い集めながら訪ねる。

 

「更木隊長は一緒ではないのですね」

「うん 剣ちゃんは今隊首会で居ないんだ」

 

ふと手に取った書類が十三番隊のものであることに気付く。これは……私じゃ処理できないな持って行くしかないか。幸い期限の近いものは全部終わってる。この間の任務の応援要請に答えてくれたお礼もしたい。

 

「やちる副隊長

これから十四朗隊長のところに行きますが一緒に行きますか?」

「行く!」

 

「副隊長ここにいたんですか

あっ先生こんにちは」

「弓親こんにちは」

 

弓親が来た。彼もまた教え子だ。今日は来客が多いな。

 

「これからとっきーと十三番隊に行くから

剣ちゃんに言っといて」

「わかりました」

「じゃあ行ってきます」

 

配置としては十一番隊舎と十三番隊舎はそう遠くはないんだけど、そこそこ距離がある。とそこで血の気の多い隊士が木刀を持って斬りかかってくる。その切っ先を片手で掴んで、もう片方の手で叩き折る。

 

『塞』

 

詠唱破棄の縛道を使う。鬼道は誰にも負けるつもりはないからね。それに無駄に戦いたくないから平隊士ならこれで十分。十一番隊に入る隊士は、霊術院にいた頃から手のつけられない荒くれ者が多かった。隣に居る副隊長はなんだか不服そうだった。

 

「ざんねーん

とっきーの戦いが見れなかった」

「副隊長…私は無駄に戦いたくないのでこれでいいんです」

「鬼道使って撒いちゃうし

そんなだからいつまでも狙われるんだよ

一回全員伸しちゃえばいいのに

出来るんでしょ」

 

それもいいなと思ってしまった私は悪くない。戦う気のない七席になら勝てるとこの席を狙う平隊士も多く、もう襲われる度に片付けた書類を散らかされるのも、汚されるのも、破かれるのも、そして、やり直すのも全部ごめんだ。でも、やってる時間がない。午前は霊術院の授業、午後は大量の書類、夜は霊術院で使うテストの作成だったり採点だったり。そんなことやってる暇はない。

そしてそんなことやったら高確率で更木隊長が出てくる。流石に彼の相手は無理だ。

 

「魅力的な提案ですけどやってる暇がないので遠慮しておきます」

「そっかぁ」

 

目的の場所が見えてくる。隊舎に入ると都三席が迎えてくれた。そのまま案内してもらって、雨乾堂の隊首室に入る。あっ海燕と十四朗がお茶飲んでる。

 

「おっ ときとやちるか

どうした?」

「先生お久しぶりです

こんにちはやちる副隊長」

「久しぶり海燕 十四朗

十三番隊宛の書類を持ってきたの」

「わざわざすまん」

「いえいえ

あとこの間の任務の応援要請の手配ありがとう

あれがなかったら死者が出てたかも」

「間に合ってよかった」

 

やり取りが一通り終わると十四朗が部屋の奥に何かを取りに行った。

 

「やちる お菓子食べるか?」

「たべる!」

 

どうやら大量のお菓子だったようだ。やちる副隊長はあっという間に山を小さくしていく。

 

「十四朗今日は調子が良いのね」

「ああ げほっ ゴフッ」

 

「やっぱり隊長の調子がいいはあてになりませんね」

 

十四朗が吐血したので私は布団を引いて、海燕が彼を布団に連れていく、その間に私は薬と水を用意して枕元に持っていく。ほぼ毎回のことなのでもう流れ作業だ。因みにこれは同期ならだいたいの人が出来る。長居すると彼に負担をかけてしまうので、挨拶もそこそこに十三番隊舎を出る。どうしようかな。あっ、十二番隊に差し入れにいこう。阿近にも最近会ってないしそうしよう。

 

「やちる副隊長

お菓子屋に行きませんか?

その後十二番隊寄って帰りましょう」

「いこう!」

 

という訳でやって来た洋菓子屋。どれにしようかな。個包装のやつがいい。あっこれにしよう。この枚数なら足りるだろう。

 

「決まった?

とっきーこれも買って!」

 

やちる副隊長が見せてきたのはギモーヴだ。

マシュマロだね。珍しいものを選んだな。

 

「分かりました」

 

一緒に会計をして十二番隊舎に急ぐ。夕焼けがきれいだな。と眺めてる間に着いてしまった。相変わらず禍々しいなここは。隊舎に入ると丁度、目的の人が通りかかったので声をかける。

 

「阿近」

「ときさんと草鹿副隊長

なんかようですか?」

 

「今日は顔を見に来ただけ

相変わらず忙しそうね

はいこれお菓子皆で分けて食べて」

「わたしは一緒にきただけ」

 

「あぁありがとうございます

ええ忙しいですよ 今も束の間の休息です

というかときさん顔色悪すぎませんか?」

 

「今日完徹四日目だからね

じゃあ帰るよ」

「お気をつけて ちゃんと休んでくださいよ」

「わかってる」

 

今日は久しぶりに瀞霊廷歩いたな。ここ最近は、書類が多くて出られなかったからいい気分転換だったなぁ…………………………

 

十一番隊舎に入ると一角と弓親、それに巻き込まれたのであろう一般隊士の山があった。んで、たった今隊長も乱入してきた。隊舎の執務室は半壊しかけてる。たぶんそこにあった書類も巻き込まれてる。何かが切れる音がした。やちる副隊長が何か言ってるけど気にしない。

 

 

 

 

 

溜まる書類、嵩む修繕費、飛んでいく隊費、

仕事やってるのに邪魔するやつ、書類仕事しない戦闘バカ…もう知るか!

 

 

 

 

千手の涯 届かざる闇の御手 映らざる天の射手 光を落とす道 火種を煽る風 集いて惑うな我が指を見よ 光弾・八身・九条・天経・疾宝・大輪・灰色の砲塔 弓引く彼方 皎皎として消ゆ

 

破道の九十一 千手皎天汰炮」

 

ふぅすっきりした。勿論、人にも建物にも当ててないよ。空に向けて撃ったからね。流石に自分の鬼道の規格外さは理解してる。完全詠唱しちゃったし。その代わり辛うじて原型を留めていた執務室が衝撃で吹っ飛んだ。まぁ、どうせ使ってない部屋なんだし、しばらく無くてもいいよね。それにあそこまで崩壊してたら建て直しだし。書類を巻き込んだのは痛いけど、あれはどうせ隊長にしか処理できないやつだから気にしない。

呆然としている一角と弓親に声をかけて現実に呼び戻す。

 

「それじゃ後片付けよろしく

私は明日霊術院の現世実習で1日居ないから」

「えっ待って先生」

「これをどうしろって」

 

 

 

 

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